2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
全3件 (3件中 1-3件目)
1
「隣の人が新規公開株で大儲けしたらしいわよ」とか、「金がいいらしい」と最近羽振りのいい親しい友人がにんまりもらしていたとか、とかく周囲がお金儲けをした話を聞くと居ても立ってもいられなくなり、思わず飛びついてしまう傾向が私たちにはあります。加えて、新聞雑誌などメディアが、したり顔した識者のコメントを載せて書こうものなら、乗り遅れてはならじと猛進してしまうことすらあります。残念ながら、楽に、しかも短期間に儲けたいという投資家の淡い期待は、過去に悲惨な結果をもたらしてきました。歴史を紐解けば、私たちが人間として持つ欲や恐怖という心理が、時に笑ってしまうような、また時に悲しくなるような愚行となってきた事例に満ち溢れています。ひょっとしてあなたも、安易に成功する魔法のカギがこの世のどこかに存在すると信じて、自分もそれにあやかりたいと願っていないでしょうか。 = = = = = = =個人投資家にとっての落とし穴は、何と云ってもこれが代表格でしょうね。投機の誘惑にかられ、群集心理に飲み込まれてしまうことです。大衆の狂気と貪欲さが演出した歴史上有名なバブルは数多くあります。17世紀初頭オランダのチュ-リップバブル、18世紀初頭イギリスの南海泡沫会社バブル、1920年代アメリカのフロリダ土地投機、同じく1920年代後半アメリカウォール街の株式投機が良く知られています。最近では、1980年代後半日本の不動産や株式、20世紀末世界中を席巻したIT関連株などもバブルの歴史に仲間入りしました。今回もB.マルキールの本「ウォール街のランダム・ウォーカー」を参照しながら、チューリップ・バブルの例を簡単に紹介しましょう。* * * * * * * * *オランダのチューリップ・バブルのピークは、いまから約4百年前の1634年から37年にかけておきたもので、「貴族も、平民も、職工も、水夫も、人夫も、メイドも、煙突掃除人も、年老いたお針子までも、チューリップ熱にとりつかれた」という。まさに「国全体が経済活動をそっちのけにして、チューリップ球根への投機に浮かれた」異常な時期である。++++ この辺は十数年前の日本の不動産バブルを思わせますね。 ++++もともとチュ-リップの球根は16世紀末にトルコから持ち込まれ、当時オランダで徐々に広まっていたらしい。ところが、球根がウイルス性の病気にかかると花弁に色鮮やかな縞模様を作り出したことから収集熱が一気に高まり、このウイルスに感染した球根の人気が爆発し、法外な値段がつき始めた。それに目をつけた商人たちが投機的思惑で買い占めるようになると、チューリップの値段は天井知らずに上昇した。球根一つで、船の乗組員全員を1年間養うに足る程の値段がついたという。「誰もがチューリップ熱は永遠で、世界中から買い手がオランダにやって来て、どんな値段でも言い値でチューリップを買ってくれると考えていたかのようだった。欲に目が眩んだ人々は、土地、宝石、家具などと引き換えにしてまで、チューリップの球根を手に入れようとしたのである。」++++ バブルに踊るようなマネをするつもりはないという自信に満ちた方が必ずいると思います。大事な箇所は次です。 ++++「たかが球根の値段がこれ以上あがるわけはないと、最初は馬鹿にしていた分別のある人たちも、友人や身内が巨大な利益をあげるのを目の当たりにして、口惜しがったものだ。自分たちもゲームに参加したいという誘惑に打ち勝つのは、並大抵のことではなかった。そして最後まで参加しなかった人は、ほとんどいなかった。」「純粋に心理的要因で急上昇した相場は、遅かれ早かれ例外なく、金融の重力の法則に」屈して潰え去る運命にあるようだ。「1637年1月に20倍に値上がりしていた球根は、2月にはそれ以上の幅で下落した。どんな投機熱の時もそうだが、価格があまりに高くなりすぎると、一部の人たちが売って利益を実現しようと考え始める。すると他の人たちがこれに続く。こうなると後は坂を転げ落ちる雪だるまのようなもので、価格の下落は加速度的に進み、わずかの間にパニック状態に陥るのである。」* * * * * * * *B.マルキールはこう結んでいます。「なぜ人間の記憶は、かくも短命なのであろうか。なぜ繰り返し起こる投機ゲームは、過去の教訓を一つも生かそうとしないのだろうか。」「市場で常に損をする人たちというのは、大小様々なチューリップ・バブルの魅力に抵抗できないタイプの人たちである。株式市場で金儲けをすることは、実際、それほど難しいことではない。(中略)むしろ難しいのは、短期間に手っ取り早くお金を儲けられそうな投機に、お金をつぎ込みたくなる誘惑を振り払うことの方である。」あなたが「賢明なる投資家を目指す」のであれば、当欄(1)~(5)に書いてきた基本ルールを守ることを忘れてはならないと思います。大衆の狂気と盲動の歴史を学ぶことで、自分の心の中に潜む欲や恐怖こそが敵であると気づき、改めて規律としてのルールが大切であることを理解できるのではないでしょうか。
2004/10/18
寓話の中から選んでみました。ー*-*-*-*-*-*-*-*-*大金持ちのビジネスマンが、ある日港で子供と遊んでいる漁師を見かけ、呆れはててこう訊いた。「もう漁には出ないのかい?」「ああ。今日の分はもう十分釣っちまったからな」と漁師は答えた。「どうしてもっと多く獲ろうとしないんだい?」とビジネスマンは尋ねた。「そんなに多く獲ってどうするんでさ?」と逆に漁師が訊き返した。「余計に稼げるじゃないか。その金でもっと大きな船が買える。するともっと深い海で漁ができ、さらに多くの魚が獲れる。お金が増えて今度はナイロンの網を買うことができ、その網でもっと大量の魚が獲れ、お金が益々増える。そうしているうちに、いずれ大きな船団を持つようになり、私と同じような大金持ちになれるよ」「大金持ちになって、どうするんでさ?」と漁師はまた訊いた。「決まってるじゃないか。その時こそ、人生を心底楽しめるさ」とビジネスマン。漁師は訝しげにビジネスマンを見ながら答えた。「あっしがさっきから何をしているとお思いだ?」
2004/10/11
古来、卵をひとつの籠に盛るなと云われます。ひとつの選択肢に持ち金すべてを賭けてはならない。一発勝負の賭けに出て運の良し悪しを楽しむカジノの世界なら、それも遊びの程度で済むのなら良いのでしょう。しかし、ゆとりあるセカンドライフを願うような真剣なお金で、賢明な投資家を目指すならば、分散投資は決して忘れてはならない基本ルールです。自分ではどんなに値上がり確実と思えるものであっても、また、自分の周囲がそう信じマスコミが騒然としていたとしても、資産運用の世界には「絶対」はありません。基本を踏み外せば、ほんのひとつの決断ミスで人生を狂わしてしまう危険性を持つ、それも投資の世界の一面です。この基本原則を知らずに悲劇を招いた例を紹介します。欲の皮が突っ張って失敗したケースは聞き飽きるくらいありますが、控えめでひたむきに生きてきた人が陥った落とし穴でした。その人は現在40代のOLですが、今では10年近く前のショックから立ち直り元気に働いています。彼女は子供頃から無駄遣いせず、もらった小遣いも貯金しておくタイプでした。学校を出て証券会社に就職した後もまじめに働き、周囲が浮かれていたバブル期は、職場の同僚が高級ブランド品を競って買うのにも同調せず、せっせと田舎で一人暮らしの母親に仕送りを続ける孝行娘でした。証券会社勤務ということもあり、蓄財の柱として、持ち株会を使って毎月の給与から定期的に自社株を買い続けました。家庭的な雰囲気を漂わせる会社であったので帰属意識も強くなり、会社が増資する時には積極的に応募していました。年数経過と共に徐々に株数が増えていくのが楽しみだったようです。バブル期には大変な評価益を産み、将来がバラ色に見えました。早くいい人を見つけて結婚し、病気がちな母親を安心させてあげようと彼女は考えていました。しかし、彼女の人生はバブル崩壊と共にバラ色から変色し始めました。会社の業績は下降線を辿り、不正経理に関する報道でメディアに翻弄され経営も迷走する中、とうとう97年には自主廃業に追い込まれてしまいました。彼女の持ち株は紙くずとなり、同時に収入の糧もなくなるという、資産(ストック)と収入(フロー)の両面でダブルパンチを招いてしまいました。本来、消費を押さえ定時定額による強制貯蓄をし、長期投資で時間を味方につけようとした彼女は、「賢明なる投資家を目指して」(1)のA子さんと同じように退職時にゆとりある笑顔をみせる筈の人でした。しかし、大きく狂わしてしまった原因は、自社株投資というひとつの籠にすべての卵を盛る方法でした。自社株に集中投資してしまい、分散投資の基本ルールを守らなかった「罰」は、彼女の20年に及ぶ蓄積を吹き飛ばしてしまったのです。金融市場は諸刃の刃です。正しい使い方をすれば自分の生活を潤す助けになるでしょうが、使い方を間違えれば火傷を負います。時にはもっと重症・大怪我をすることもあります。今まで「賢明なる投資家を目指して」で取り上げてきた基本ルール、時間を味方に長期間時間をかけゆっくりと、複利の奇跡を活用し、そして一点集中でなく分散につとめるという基本を忘れないよう留意して下さい。基本ルールさえ押さえていれば、あなたの人生をお金がもとで台無しにしてしまうような致命傷を負うことはないでしょうし、むしろあなたの人生をゆとりあるものにしてくれると思います。
2004/10/02
全3件 (3件中 1-3件目)
1