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先日から少し間が空いたが、山岸涼子さんの『私の人形はよい人形』を買ってから、3回、摩訶不思議かつ心霊体験的恐怖を味わった。 そのうちの2回は、19日に書いた通りである。 1回目は、その本を読んだ翌日の11日土曜日の朝、息子の机の上に置いてあった本が、私の枕元に置かれてあったということ。 2回目は、18日の午前2時半頃、本の上にDSLite の重石を置いてあったにも関わらず、他の単行本にしっかり挟まれる形で机の本立てに立ててあったその本が、ひとりでにバサリと机の上に置かれた、ということ。 そして3回目は、同日18日の午後8時頃に起きた。 2回目の時、「本がひとりでに、誰かが抜き取ったように本立てから落ちている」ことに、寒気を感じた私は、(馬鹿みたいだが)「本がこれ以上飛び出してこないように」と願って、「私の人形」を含めた(Black Jackなどの)他の数冊の上に、DSLite をやはり乗せた。 更に、本立てのすぐ前にある鉛筆削りの上に、「防波堤」として、息子の折り畳み傘とペンケースを、本立ての本を押さえつけるように置いた。 こうなると、「例の本」を含めて、数冊の単行本の背表紙の文字は、下から3分の1は見えない形となる。 18日の午前2時半以降は、このように恐怖を封じるような気持ちで、こわごわ寝た。 そして、朝が来て、昼が過ぎ、再び18日の晩を迎えた。 18日の夕方7時頃は、冷房が唯一ある息子の部屋で、私と息子は涼んでいた。 息子は腹ばいになって、英語のプリントをやろうとしていたが、「やっぱり字が書きにくい」と言って、リビングのテーブルに行ってしまった。 私も、リビングにあるパソコンに用事があったので、息子の後に続いて、冷房はつけたまま、その部屋のスイッチを消した。 消す前に、恐る恐る、息子の勉強机を眺めた。例の「私の人形」は、上にDSLite を乗せられ、前には折り畳み傘とペンケースの防波堤に押さえつけられ、おまけに背表紙の文字も、3分の1は隠れて見えない。 それから8時頃まで、息子は少しプリントをした後、夕食を取り、皆でテレビで「メキシコに宇宙人?」や「小泉元首相の息子、孝太郎さんがタレントに」などの話題を楽しんでいた。 夕食後、尚も英語の宿題をしていた息子(休み明けに実施される50問テストの単語を書く練習をしてたんである)は、お手洗いに立った。 その後、私は蒸し暑いなあと感じ、「冷房効いているのかしら」と、息子の勉強部屋を覗いた。 電気の消えた薄暗い部屋で、エアコンは動いていた。 そして、私は、何気なく勉強机に目をやった。 その途端。 ......「キャ~ッ!」...... そうである。 例の「私の人形」の単行本だけが、再び、机の上にバサリと置かれていたのである...... その本を含めた他の本の上に置かれたDSLite の重石も、動かされた気配は無い。 おまけに、「防波堤」にしていた、本立ての前に置いていた、折り畳み傘とペンケースも、動かされた形跡は全く無い。 まるで、「私の人形」の単行本だけが、誰かの手によって、す~っと抜き取られ、少し眺めた後、無造作に机の上に置かれたように、やや斜めに置かれてある...... 薄暗い無人の部屋で...... 私は何とも言えない寒気と恐怖に駆られて、リビングに飛び出した。そんな私を見て驚いた母に、本のことを説明した。 昨夜の話には、半信半疑で「偶然でしょ」と笑っていた母も、今度の件に到っては、「薄気味悪いね」と嫌な顔をした。 地震も、誰かが触ったわけでもないのに、ただ1冊だけの本が、本立ての前に置いた物を微動だにせず、抜き取られ、机の上にさりげなく置かれるなんてことは、普通は有り得ないことである。 しかも、その本の表題作は、「呪われた人形が人間に祟り、どこにしまいこんでも、人形寺で供養して燃やしても、持ち主となった15歳の少女の部屋に戻ってくる」というような話なのである。 私は生まれて始めての超常現象に震え上がり、冷や汗が次々と噴出した。 怖くてたまらないので、息子に頼み、その本を、今度はリビングの書棚にしまいこんだ。 書棚には、透明なガラスの扉がある。その本を、『トミカ全集』(息子が幼児の時の思い出に捨てられなかったものである)と、『ハリーポッターと賢者の石』の間に押し込んでもらった。 こんなにびくびく怖がっているくせに、私はデジカメを用意し、「何か本に霊魂でもとりついているのなら、写真に写るかも...」と思い、その本が押し込まれてある辺りを撮影した。 出来上がった写真には...... 「例の本」の左隣、『ハリーポッターと賢者の石』の、背表紙の文字「賢者の石」の下は、通常は黒いカバーで、何の模様も文字も無い。 でも、デジカメで撮影した写真には、その何も無い黒いカバーの部分に、明らかに小さく「人の顔らしきもの」が写っていたのである! 男女の区別は定かでないが、額があり、両眼はカッと白目をむき、筋の通った鼻の下に、恨みをこめたように口を両端に裂けるほどギリギリとあけた、人の顔が...! 「幽霊ってのは、たいてい小さく顔が写るよ。写真やガラスなどを通すと、姿が写るんだよね」 息子の言葉に、数々の心霊写真を思い出す。 そういえば、ああいった類の写真の幽霊は、通常の人間の顔よりも遥かに小さく、私の撮った写真の「人面」も、本の背表紙に納まるほどだから、縦3cm、横2.5cmの中に納まっていた。 試しに(「キャ~怖い」と言いながら)数分後、ガラス扉を閉めたまま、同じ部分を撮影し、拡大した。 すると、その「不思議な人面」は、消しゴムで消しかけたように、先ほどよりも、形が崩れていた。 更に、数分後、今度は扉を開けて、『ハリーポッター』の本に大接近して、撮影。すると、とうとうその「人面」は観念したのか、何も写っていなかった。 これを心霊写真ととらえるべきなのかどうかは分からない。 けれども、私は赤いバックに見事に描かれた日本人形の単行本の表紙が怖くてたまらない。 「だ~いじょうぶってぇ。単なる偶然。ユーレイなんていないの」と言いつつも、息子は夜になると、「やっぱ、怖い」と言って、私のそばに転がってくる。 恐る恐る、「私の人形」の奥付を見ると、第2版は西暦2000年で、それ以降の増刷は行われていない。 7年間、この単行本は、アマゾンの倉庫に残っていたのである。 クールを装いつつ、寝る時は最高に怖がっている息子は、またまた平気な顔で、「きっとアマゾンの倉庫に誰かの霊がいて、山岸涼子のその本にとりついてしまったんだよ」などと、よけいにぞ~っとするようなことを言う。 7年間、増刷されない本など、普通は気にしない。 でも、3回も超常現象に出遭うと、その「空白の7年間」が一層不気味に思えてくる。 18日からもう4日。あれ以来、幸い何も起こっていない。しかし、また何か起これば、もうその本は、Yahoo!オークションにでも出そうと思っている。 それでも......あの本の性質からして、オークションで他人の手に渡った後も、万が一、気が付くと我が家にその本が戻ってきたとしたら...... その時には、どうしたらいいのだろうか? たかが本、されど本。 1冊の少女マンガ単行本で、こんなに恐ろしい目に遭ったことは、かつて無い。超常現象というのは、自分が体験すると、こんなに怖いものだったのか。 いや~「真夏の世の怪」にしても、超怖すぎですよ^^;
August 22, 2007
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10日の金曜日、前回の日記に続いて、同じく山岸涼子さんの作品で、今度は『私の人形はよい人形』 という短編集をアマゾンから買った。 これも確か息子の要望で買ってみたのである。 「話は知らないけれど、この手の日本人形の出てくる怪談集っていうのは、本当に怖いよ。人形が勝手に動いたりするんだからさ」 こういうと、息子は「そういう話が一番読みたい」とエキサイトしていた。 本が届くと、まず息子が先に読んでしまった。 この本には、表題作他に、3篇の作品「千引きの石(ちびきのいわ)」と「汐(しお)の声」「ネジの叫び」が収められている。 息子の感想では、「人形の話も怖かったけれど、『汐の声』が一番怖いね。他の2冊より、まずこの本を最初に読みたかった」とのことで、すっかりお気に入りのようである。 私も読んでみたが、やっぱり一番怖いのは、「汐の声」であった。(これも後述しますが......^^;) 「私の人形...」というのは、昭和21年から話が始まる。 その人形の最初の持ち主は、竹内さんという人の奥さんである。 竹内さんの奥さんは、「女学校に入る時、お祝いに買ってもらった市松人形」と言って、疎開先にその人形を避難させていたほど大事にしていた。 その人形を、戦争も終わって、久しぶりに箱から出しているところを、外で遊んでいた娘の千恵子ちゃんが帰ってくる。 千恵子ちゃんには、お隣の野村さんの家の姉妹、初子ちゃんと5歳の姿子(しなこ)ちゃんという仲良しがいる。 3人は外で、千恵子ちゃんの鞠で、仲良く鞠つきをしていたが、その鞠が車道に転がり、取りに走り出た初子ちゃんが進駐軍のジープにぶつかってしまう。 それでも、「ちょっと頭にこぶが出来ただけ」と言って、初子ちゃんはケロリとしている。 3人は、「アメリカさんからチョコもらっちゃった」とはしゃいで、千恵子ちゃんの家に戻ってくる。 千恵子ちゃんのお母さんは、初子ちゃんの怪我を心配するが、「ちょっとぶつかっただけ」と本人が言うので、その後、怪我のことは忘れてしまう。 それより、千恵子ちゃんが、お母さんの持っていた市松人形に目を留めて、「なんでお母さん、おとななのにお人形がいるの?」と欲しがるので、結局、「これは千恵子にあげますよ」となり、3人の女の子たちは、今度は廊下にお人形を置いて、「♪私の人形はよい人形...♪」と歌いながら遊びだす。 だがその日の夕方、初子ちゃんは打ち所が悪かったのか、ひきつけを起こしたり、吐いたりした後、6歳で急死してしまう。 竹内さんのお母さんは、「野本さんのお母さんに、初子ちゃんが昼間ジープにぶつかったことを言うのを忘れていたの。あんまり何ともなさそうだったから...それに初子ちゃんも一人で天国に行くのは可哀想でしょう。だから、この千恵子のお人形、初子ちゃんにあげましょうね」 そう言って、娘を説得し、隣家の野本さん宅に、その市松人形を持って行き、「どうぞ一緒にお納め下さい」と言って、泣き叫ぶ両親に頭を下げ、ひたすら詫びる。 その時、この人形が、本当に初子ちゃんのお棺に納められて、荼毘に付されていれば、何事も起きなかった。 でも、その人形を竹内さんの奥さんから頂戴した野本さんのお婆さんが、「あまりに立派できれいな人形じゃないか。燃やしてしまうのはもったいないよ」と言って、自分の部屋のたんすにしまいこんでしまうのである。 この一見、ささいなことが、後々、その人形の持ち主に災厄をもたらすことになるのである。 その後、仲良しを失った竹内千恵子ちゃんは、独りで遊ぶようになるが、学校帰り、雨の中、かさも持たずに濡れて帰る女の子を遠くに見かけ、「傘に入れてあげるよ」と声をかけるが、その少女はふっと何処かにいなくなる。 その話を帰宅して、「あれは本当に初子ちゃんだったよ」と母親に話すが、お母さんは、「もうそんなわけないでしょ。1年生にもなって、分かるでしょ。またそんなお話したら、お母さん、怒るわよ」と恐ろしげに耳を塞ぐので、千恵子ちゃんはしょげて、何も言わなくなってしまう。 その後も、千恵子ちゃんが独りでコタツの部屋にいると、誰かと遊んでいる気配や笑い声がする。 お母さんは薄気味悪がるが、「そんなわけないわ。お人形もあげたんだし...大丈夫よね」と自分に言い聞かせる。 けれども、年末の寒い日、千恵子ちゃんが外で独りでケンケンをして遊んでいると、少し離れた川の土手から小さな少女の手が伸び、「千恵子ちゃん」と声をかけてくる。 千恵子ちゃんは、笑って、「初子ちゃん、待って」と言いながら、川の方へと走っていってしまう...... そして、千恵子ちゃんは上水に落ちて、やはり急死してしまうのである。 現場に集まった近所の人は、「野本さんとこの初子ちゃんが呼んだんだよ。仲が良かったからね」と噂する。その声に、千恵子ちゃんのお母さんはよけいに半狂乱になる。 「だからお人形をあげたのに!千恵子の代わりに仲良く遊んでねってお人形をあげたのに!」 その騒ぎを影から見ていた初子ちゃんのお母さんは、お婆さんに、「だから私、あの人形はいやだって言ったんですよ。お葬式の時に一緒に...」とぼやくが、お婆さんは、強気である。 「初子のことは、もともと竹内さんのせいもあったんだから。人形なんて関係ない。罰が当たったんだよ」 そうして、最初に亡くなった6歳の初子と共に副葬品として葬られるはずだった人形は、野本家に隠されたままの状態となる。 それから10年後、昭和31年、野本家にはひとり残った娘姿子が15歳の中3となっている。隣家の竹内家は千恵子ちゃんが亡くなった後、どこかに転居し、別の人が住んでいる。 昭和31年、姿子の祖母は亡くなり、四十九日の後、祖母の部屋は孫娘のものとなる。そんなことから、姿子は押入れの中に入っていた人形を発見し、大喜びし、自分の部屋に飾る。 だが、その後、彼女が修学旅行中に、自宅が隣家と共に爆発でもあったかのように、跡形も無く消えてしまい、彼女は両親を失う。 その大事故の中で、不思議と何の傷も焼け跡も無く残ったのは、布に包まれた木箱の中に入った例の人形だった......事故の直前まで、その人形は姿子の部屋のたんすの上に置いてあったのに...... そしてほぼ30年後の昭和60年、姿子は40代の主婦となり、娘の陽子と夫と共に、自分の故郷の家のあった土地に戻り、新築2階建ての立派な家を建てる。 その引越しの後片付けの中、15歳で高1の陽子が自分の部屋から、偶然布に包まれた木の箱を見つける。 その箱に入っていたのは......例の人形だった。 陽子はその人形の美しさに感心し、母親も「懐かしいわ」と喜ぶ。そして、陽子はその人形を、やはり母親の娘時代のように、自分の部屋のたんすの上に飾る...... しかし、その人形は、実は、40年前、亡くなった6歳の初子と千恵子の執念がとりついたままの人形。 その後、陽子の周辺に、いろいろと不思議なことが起こり、彼女は人形に呪い殺されそうになる...... そういう筋である。 絵だけを見ていると、そう怖いシーンの連続でもないが、あのシャープな細い線と、日常のさりげない恐怖が相まって、実に恐怖をそそる話である。 だが、これは本だけの話。そう思っていた。 その話を読んだ翌日の朝、目が覚めると私の枕元に、『私の人形』 の単行本が置かれてあった。 表紙は、バックが赤く、立派に描かれた市松人形なのだが、それが枕元にあるとドキッとする。 最初は、息子が私を驚かそうとして、置いたのだと思ったが、「読んだ後、机の上に置いたまま」と言う。 「本が机から枕元に落ちたんじゃないの」と言うが、息子の机のすぐ横に、私の布団が敷いてあるとは言っても、机の上に置いた本が、地震でもない限り、勝手に布団の上にまで落ちてくるわけがない。 何となく気になったが、その後は、その本を、最近買った他の2冊の単行本と一緒に、息子の机の本棚にきちんと立てておいた。両脇は、手塚治虫の『Black Jack』がしっかりと挟む形となっている。 1週間ほどした昨日18日の午前2時頃、暑くて、同じ部屋に寝ていた息子も眠れなかった。私も起きて、お手洗いに行った。 すると、部屋に戻り際、息子が「ねえ、今変な音がしたけど」と言う。 私はリビングを通って、息子の部屋に入り、何気なく机の上に目をやった。その途端、ギョッとして、思わず「きゃっ!」と叫んでしまった。 他の本に挟み込むようにして立てていた単行本の中で、『私の人形』 の本だけが、きれいに抜き取られたように、息子の机の上にパサッと置かれてあったのである。 「今、この本、触ってないよね。何で、この本だけが机の上に置いてあるの」 「え~?僕、ずっと壁の方向いていたんだよ。そしたら、何か部屋の中で、音がしたから、『何の音?』って訊いたんだよ」 本の上には、たまたま私は、息子のDSLite の入った黒いケースを置いていた。そんな重しがあるのに、なぜこの赤い「人形」の本だけが机の上に落ちるんだろう? (字数の関係で、続きはまた明日書きます^^;)
August 19, 2007
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夏である。暑い夏には...コワイ話が読みたい。 そういう息子の要望に応えて、山岸涼子さん(「涼子」の字がパソコンで変換できませんが...)の短編集を2冊買った。 『天人唐草』 と 『神かくし』 である。 どちらも、私が以前読んだ時、「怖くて怖くて、もう読みたくない」と思った作品が収められている。 最初の本の表題作である「天人唐草」。 これについては後日、述べるが、もう本当に怖かった。 次の本に収められている作品「負の暗示」。 私は10年ほど前、この作品を読んで、あまりのショックに熱を出してしまった。 この作品は、昭和13年にある僻村で起きた大量殺人事件をもとに、まず有名な小説家である横溝正史さんが、「八墓村」として世に出した。 横溝正史=「八墓村」と思えるほど、両者のつながりは濃いんである。 この事件は、資料が乏しい。 それを、今度は山岸さんが少女漫画にした。 私は、この「負の暗示」という作品が、横溝さんの「八墓村」なのだと、今回ネットで注文する際、購読者のレビューで初めて知った。 とにかく、少年時代はまともで、成績も優秀であったのに、貧しい家庭環境や、病弱な体、知的職業につけないという焦り、徴兵検査で一番下位の「丙種」に認定された悔しさ、それをもとに、村の女たちからも、昔の旧友たちからも馬鹿にされてしまうー これらの数々の現実が、主人公の青年春雄の自尊心やプライドを打ち砕き、彼の理性は地の底にまで墜ちてしまう。 そして、彼は、「自分は女にコケにされるような男ではない。立派なひとかどの人物だということを思い知らせてやる」と決意し、村人への復讐を実行に移すのである。 その復讐とは、自分を馬鹿にし、無視した村人たちすべてを「あの世に送る」ことであった。 私が怖かったのは、この青年の心理の劇的な変容であり、また、復讐のための武器の装備と訓練に1年あまりをかけたということであり、そして...... 昭和13年のある日、村の電源すべてを切り、午前2時の暗闇の中、懐中電灯を2本、頭に縛りつけ、自転車用ライトを胸につけて、これから「復讐」をいざ実践せんとする、春雄の鬼のような凄まじい表情と姿だった。 今一度、読んでみたが、熱は出なかった。 それでも、怖い話には違いない。 それを息子は「読んだよ」と言うので、感想を訊いた。 「ち~っとも怖くないじゃん。そりゃ、人が死んで倒れている場面は、ちょっと怖かったけど。でも、これから復讐しようとしているあの姿、カッコいいじゃん。なんか、ハンターみたいでさ」 私はこれを聞いて、「はぁ~やっぱり男の子の感じ方は違うんだなあ」と思った。 12歳と半年なりに、その主人公の姿に、恐ろしさよりも、「いざ出陣」みたいな「勇ましさ」?を感じたのだろう。 しかし、息子も、もしあと5,6年以上経って、この作品を読むと、主人公の心理の闇に戦慄を覚え、人間のさまざまな有り様を考えざるを得なくなるのではないだろうか。
August 9, 2007
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