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近年、空間化石の研究が大きく進展し始めている。 高等な生物の死骸から放出された思念波の残存エネルギーの量は一般的に時間に反比例すると言われてきたが、その規則性が疑問視されている。時間の経過とともに思念波が減衰する傾向は否定できないが、ある程度まで思念波のエネルギーが低下した後、それ以降ほとんど変化しない思念波があることが確認されている。 特に、非常に高度に集積された強い思念波は、何年、何十年もの時を経てもその生物群のいた場所に残留する。実際、我々の存在する空間のいたるところに、何十年前も前の人間の残留思念波が帯状に存在し、有名なものは、ポーランドのアウシュビッツ思念帯、中国の南京思念帯などがある。 これらの変動しなくなった思念波は、その場の空間に固定され、あたかも土中の化石のようであることから、空間化石とも呼ばれている。空間化石の分析から思念波はさらに思考波と感情波の成分に分けられることが知られている。(空間分析学入門 1992)#128
Feb 28, 2010
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地上30メートルぐらいのところをかなりゆっくりと大陸間弾道ミサイルが通り過ぎていく。子供が石を投げたくらいでは当たらないだろうが、ゴルフの打ちっぱなしの練習場の上空であれば、けっこうぼこぼこと球が当たるかもしれない。そのミサイルはずいぶんと長距離を飛んできたから疲れていて、ときたま貧血を起こしたようにふらふらとする。Y川は歩いても渡れるぐらいに浅くて、川幅も狭いのだが、そのミサイルのセンサーが壊れたのだろうか、それとも川に架かっている電車の鉄橋を越せないとあきらめたのか、ミサイルはつくんと頭を下げると、もう上昇することを試みず、すうっと川の中に突っ込んで行く。ミサイルはここまで飛んでくることだけが仕事であると誤解したのか、そこから先は知らないとばかりに、川底に頭を突っ込んだ形で立ち尽くし、あとはびくとも動かない。そして、爆発もしない。 こうして平和が保たれたのである。#141
Feb 21, 2010
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深夜、わたしは酔っていて、自転車で家に帰る途中に、前方を横切る黒い影を轢いてしまった。黒い影は、しばらくの間、いかにも交通事故の被害者のように寝そべっていたが、不意に立ちあがって、僕に近づくと「おい、一緒にくっついていっていいか?」と、尋ねるじゃないか。僕は彼を轢いてしまったという弱みがあるので、「いいよ。」とつい答えてしまった。「切り取られて、困っていたんだ。」その黒い影は、僕の背後に回り込んで、(一瞬、ぞくっとしたが、)僕にはりついたらしい。自転車から降りて歩いてみたが、なんら僕の体に変わったことはなかった。今、少し困っているのは、なるべく、気にしないようにしているが、時々、僕の影は少しずれて2つあるように見えることだ。#135
Feb 14, 2010
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親鳥がいないときのことである。不幸にして、一個の卵が高い木の枝にある巣から落ちた。カラスのいたずらかもしれないし、そのとき吹いていた強い風のせいかもしれない。 もう少しで雛になるときであったから、中身はまだどろどろしていたが、その卵には意識があった。 落下することは、加速度が無限に増えて行くようで、最初はとても恐ろしかった。しかし、そこは空を羽ばたく動物の卵である。すぐに落下速度に慣れて、巣の中でごろんと転がっているよりもはるかに気持ちよく感じるようになった。 しかし、その感覚の変化は木の枝から地面に至るまでの極めて短い時間の中で起こり、自分の存在を疑いようがないとき、突然、この卵は終焉を迎えたのである。#131
Feb 7, 2010
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