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ヘンゼルとグレーテルの童話をめぐって、過去が改ざんされた可能性が高い。タイムマシンやタイムトンネルを使用して過去を変えてはいけないということは常識であり、これほどの規模で改ざんされている可能性があるにもかかわらず、司法がなかなか動きださなかったところから推測すると、巨額の金が動いているのかもしれない。ヘンゼルとグレーテルが森の中で道に迷ったときに辿りついた所がお菓子の家であるが、わたしの時空モニターによると、当初、この童話ではパンの家になっていた。しかし、突然、お菓子の家に改ざんされてしまう。時空モニターの周波数分析によると、この改ざんのために時空が捻じ曲げられ未来から一人の男が侵入している。彼が実行犯である。初動捜査が遅れたために、彼を直接捕まえることはもはやできない。わたしはこの事件の背後に巨大な多国籍菓子メーカーがいると思い込んでいた。この童話を読んだ子供に菓子を買わせようという魂胆であろうと考えた。この童話は何世紀にも渡って伝承されていくので、累積の菓子の売上は相当なものである。しかし、その疑わしい菓子メーカーの会長が最近急逝し、彼の残した日記から本事件の一端が明らかになったのである。捜査活動を妨害できるほどの強大な権力を持ち、過去を改ざんしたのは、世界有数の経済大国の歯科医師会のようである。子供の虫歯を増やしたかったというのが直接的な動機と見られている。現在、捜査が進展中であり、先の菓子メーカーの会長の死因が殺人によるものという可能性もあり、今後の捜査の結果に注目したい。「ヘンゼルとグレーテル」の童話が歴史を遡って原状に回復された場合、つまりお菓子の家ではなくパンの家に訂正された場合、多数のお菓子メーカーの倒産や歯医者の破産は免れないだろう。
Jan 28, 2007
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グレーテルは親切だった老婆をかまどの火の中に突き落とすと、もがき苦しむ老婆に眼もくれず、すぐに次の行動に移った。 金目の物を探すことである。現金が一番良いが、もちろん貴金属や宝石でもこの際やむをえなかった。それらを手に入れなければ事態が変わらないことをグレーテルは十分に理解していた。 ヘンゼルとグレーテルは貧乏で苦しんでいた両親に森で捨てられた。飢えと渇きで苦しんでいた彼らを助けてくれたのが、山中の小屋で一人で住んでいた老婆だった。お菓子の家は存在しえなかったし、老婆は決して悪い魔法使いではない。それどころか、豊かな生活をしていたわけではないにもかかわらず、老婆は自分が食べるためにとっておいた食料を二人の子供にわけてくれたわけだ。 子供の時は女の方が男より精神的に早く成長する。妹のグレーテルの方が兄のヘンゼルよりも先を読んだ。この生活力のない老婆と三人で暮らしていくことができないのは明白だった。自分が生き延びるために誰を犠牲にするべきか、グレーテルはすばやく判断したのである。 グレーテルは老婆の殺害で動揺しているヘンゼルをせきたて、家中を探させたが、やはり老婆の家には金目のものはほとんどない。わずかな現金と老婆の指からむしりとった指輪を持って、二人は人里を目指した。グレーテルはもう一度だけ両親を信じようと思った。貧困が彼らを狂わせたと思いたかった。 わたしは「ヘンゼルとグレーテル」という童話の最後を正確には思い出せないが、わたしの記憶が正しければ、子供を捨てることを父親に提案した母親は子供たちが家に戻ったときには既に亡くなっていたことになっていたと思う。そんなにうまい具合に母親が亡くなるだろうか。 グレーテルは老婆から盗み出した現金と指輪では一家の生活はまたすぐに破綻することを予測していた。グレーテルは密かに自分たちの家に忍び込むと身を潜め、両親の言動を見張った。そして母親殺害を決意したのである。それは自分の敵を倒すのと同時に、一家の支出を減らすための口べらしにもなったのである。 ヘンゼルはもちろんのこと、父親もグレーテルの犯行に気づいていたにちがいない。おそらくその後は、一家は微妙なバランスを保って表面上平和に暮らしたにちがいない。少なくともグレーテルが二人の殺人容疑で逮捕されたという話は後世には伝わっていない。
Jan 21, 2007
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シンデレラは大勝負に出た。魔法使いなんているわけがない。どんなに真面目に何年も働いたところで、シンデレラが舞踏会用の高価なドレスが買えるわけはなかった。その舞踏会に間に合わせるためには盗む以外に方法はなかった。舞踏会の始まる少し前の夕暮れ時に、シンデレラは会場のあたりをうろうろして自分の体型に似た貴族の娘を見つけた。その娘の後をついていき、ドレスが血しぶきで汚れないように気をつけながら、シンデレラは人目のない所で彼女を殺害したのである。そのドレスでシンデレラは着飾るとお城に入り込み、ひたすら金持ちの息子を探した。王子である必要はなかったが、そこは強運のシンデレラである。瞬く間に王子の心を捉えると、頭の回転のはやいシンデレラはその次の段取りを考えた。ガラスの靴をわざと残したのである。この後のストーリーはいまさら語るまでもないだろう。殺人事件の犯人として捕らえられることもなく、シンデレラはその栄華を極めていく。もっともシンデレラだけを一方的に責めるわけにはいかない。おそらくこれが人間のある一面なのであろう。今日においてすら、少女がナイフを片手に赤坂の放送センターあたりをうろついているかも知れない、第2のシンデレラを目指して。
Jan 13, 2007
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この蜘蛛にしてみれば迷惑な話だったかもしれないが、少女は期待した。この蜘蛛を助ければ、自分が地獄に落ちた時に助けてもらえると。 非行を繰り返した少女が授業中に唯一真面目に聞いたのが、芥川の「蜘蛛の糸」の朗読の時間だった。馬鹿馬鹿しい話であると思ったが、最後まで話を聞く気になった。 少女が団地の6階のベランダから下を覗き込み、意外と飛び降りるのは怖くないと感じたときに、とても小さな蜘蛛がベランダの手すりの上にいた。少女が蜘蛛の進んでいる方向に人差し指を置くと、蜘蛛が自らその指に這い上がってきたのである。 こんなベランダにいるよりはもっと自然の多い場所の方が蜘蛛は喜ぶと少女は思った。その指に乗せたままエレベータで下に行って、もっと緑の多い場所に蜘蛛を放してあげようと考えた。 しかし、少女が指を持ち上げると、蜘蛛は糸を吐き出しながらするっと指から飛び降りて、指から垂れ下がっているその糸にしばらくぶら下がっていたが、そこに風が吹いてきて大きく揺れたかと思うと、あっという間に糸が切れてその蜘蛛は吹き飛ばされていった。 何もかもが自分の思い通りにはならないと少女は嘆いた。 もう一度手すりから身を乗り出して、下の地面を見た。地面は近いようにも遠いようにも見えた。自分の運命が自分で決められなくて宙ぶらりんな気持ちだった。 そのとき、「あの小さな蜘蛛は無事に着地できただろうか。」という思いが、自分の内面に集中していた意識を開放し身を乗り出していた少女をベランダに引き戻した。 少女はしばらく考えていたが、やがてガラス戸を大きく引くと部屋の中に戻っていった。
Jan 6, 2007
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