未完成のブログ

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Dec 6, 2012
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カテゴリ: オリジナル
VAMPIRE-EYE 第二話「木城紫蓮」

白峰吹雪は刀を鞘から抜いた。彼女の体格に不釣合いな長さの刀は反りが大きく平安時代

末期から室町初期に作られた所謂『太刀』に分類される物であった。

「真剣…しかも見事な太刀だ。」

真剣を見慣れてる木城二郎はすぐに本物だと解った。

「そう、真剣。特殊な製法で鍛えられた対ナイトストーカーの刀。田口さんが作った」

「わっはっは!そいつは自信作だよ。スッパリ奴らも切れるだろう?」

「いやいや、おやっさんも白峰さんも訳わかんないよ…なんだよナイトストーカーって!

おやっさんが刀作れたなんて初めて知ったし!」



物どものことさ。ほれ、物語に出てくる妖怪やモンスター、ああいう連中さ」

「はあ!?漫画や映画じゃあるまいし!!そんなもの…」

「二郎、冗談は抜きだって言ったはずだぜ?」

電子タバコをふかしながら田口が言った。

「……マジか…でもそんな奴らの事TVでもネットでも聞いたことないよ」

「そりゃそうさ、この社会に紛れ込んでるやつがバレないように色々やってるからな。で

も二郎、ここ数年奇妙な事件が多いのには気づいているか?ほれ五日前、伏見稲荷の近く

で起きたの事件とか」

「伏見稲荷の近くで起きた奇妙な事件…死後3日経ってるはずの死体が殺人をしたとか言

われてたあれか!でもあれはたまたま犯人の死体の腐敗が早かっただけってネットでは

…」



ここ数年表に出つつある。世間の人々に存在が露呈するのも時間の問題だろうな」

「化物が現実にウヨウヨいて潜伏しているって事?今までは隠れてただけで!?」

「ああ、原因不明の事故や神隠し、ありえない殺人事件なんかは大体ナイトストーカー絡

みだな」

「親父が関係してるってのは?それに教会って?」



「木城紫蓮さんは日本の『教会』の幹部。教会は日本では国家公安員会の下に置かれ、世

間からは隠れて活動しているの。時には公安警察と協力することもある」

「公安ってTVドラマとかでよく出てくるあれか・・・」

「二郎、解りやすく言えば映画でよくある化物と戦う国の組織ってやつだ。まぁ戦闘する

だけじゃなく事件解決のために色々な根回しや情報操作などもするがね」

「…大体そんな感じ」

「ははっ…笑うしかないよ…」

木城二郎はまるで夢でも見ているかのようだった。よく妄想する『もしこの世界に化物が

いてそれと戦うヒーローがいたら?』が現実にあったのだ。自分の父親がまさにヒーロー

であって自分はその息子。今思えば自分が高校に入って突然親父が剣術の稽古を始めたの

は『教会』とやらに入れる為なのかもしれないと木城二郎は考えた。

「メールはコレどういう意味なの?」

「そのメールは奴らが人間を誘う手段よ。昔は人間に化けて誘ったり、使い魔を使用して

たけど現代の奴らはこういった人間の文明を利用してくる。他には違法サイバネ医師に化

けた奴らが部品に自分の分身を取り付けて手術したり、路上で販売されているアクセサリ

ー屋なんかも利用したりする」

「俺がこのメールに反応しなかったのは?」

「貴方の心が闇に傾いていないか、紫蓮さんが貴方を守るために結界を張る物をもたせて

いるか」

「親父から持たされている物って…蔵の鍵かな?変わった石のキーホルダーが付いている

…」

「見せて」

木城二郎は白峰吹雪に紫の石がついたキーホルダーを渡す。白い手に指先が触れ心拍数が

上がった。

「法力を感じる…この石なら低級の亡霊なんて近寄ることもできない」

「へぇ…」

返されたキーホルダーの石を眺める。

「もしメールで反応してたら…って俺以外にもこのメール受け取った人いるんじゃない?

ヤバイいんじゃないか!?」

「大丈夫、把握している」

白峰吹雪は携帯電話を取り出しタッチパネルを操作して確認する。

「紫蓮さんも居るし執行人は私一人じゃない。田口さんのような協力者も京都には沢山い

るから…情報によるとメールに反応した人達は咏川城跡に集まっている」

「俺の家の近くだ!」

「田口さん、頼んでおいた物を」

「はいよ!」

田口は革製のガンベルトのようなものと白い串のようなものが沢山入った筒を白峰吹雪に

渡した。

「咏川城跡に行きます、それでは」

「あ、俺も行くよ!帰り道だし」

白峰吹雪はローファーを履くと陸上部顔負けのスピードで走り出した。木城二郎は慌てて

追う。

日は傾いていた、西の空が赤く染まっている。日没まで後一時間もないだろう。

白峰吹雪は細い路地を通り抜け、停めてあった電動アシスト自転車に乗る。

「待って!俺も!!」

「二人乗りは警察に注意を受けてしまうから、駄目」

「そんな!」

猛スピードで走り去る白峰吹雪、木城二郎は慌ててタクシーを捕まえる。

「あの、ものすごいスピードで走っていった女の子を追ってください!」

「はぁ…」

タクシーの運転手は変な客だなと思ったがそれ以上は詮索しなかった。

白峰吹雪の電動アシスト自転車は改造されており、見た目は街乗り用のクロスバイクだが

電動アシストのパワーが違った。やや前傾姿勢で、立ち漕ぎせずともサドルに腰を下ろし

た状態で力が伝わる設計になっていた。

木城二郎がタクシーのスピードメーターを見ると時速50キロを超えていた。


咏川城跡に白峰吹雪と木城二郎はたどり着いた。石畳の通路を進み石段を駆け上がる。咏

川城跡は建物は一切なく、公園と申し訳程度の祠があるだけである。

「あれ?今なにか変な感じが…」

「結界を通り抜けたの。この結界はおそらく紫蓮さん張ったもの、この先で何が起きよう

と結界の外の人は気がつかないし近寄れない。意識が中に向かなくなる。あなたはそのキ

ーホルダーがあるから通れた」

天守閣のあった石垣まで登るとそこにはサイバネ手術によって機械を取り付けた人間と明

命館の学生が数十人倒れていた。その真ん中に全身黒ずくめの男と紺のコートを来た木城

紫蓮の姿があった。

「親父!!」

「なに!?…二郎!なぜここに!?そっか、あの石のせいか」

「紫蓮さん!」

「吹雪も一緒か、なら二郎は色々知ってしまったんだな?」

「加勢します」

太刀を取り出し紫蓮に駆け寄る白峰吹雪。

「二郎は隠れてろ」

「親父、後でじっくり話聞かせてもらうからな!」

木城二郎の眺める中戦闘が始まった。初めに仕掛けたのは白峰吹雪、黒ずくめの男に上段

から斬り込む。

「やぁー!」

「シャァッ!」

人間とは思えない跳躍で後ろに飛ぶ男、大きく息を吸うと白い糸状のものを大量に吐き出

した。

紫蓮と吹雪は左右に分かれて飛び回避する。

「紫蓮さん、まさかターゲットは…土蜘蛛ですか?」

「いや、そんな大物じゃない。土蜘蛛の使徒といったところだろうな」

紫蓮は持っていた傘をひねる。柄の部分を引くと刀身が現れた。

「(親父の奴、いっつも傘なんて持っていってるからなんだと思ってたけどそういうことだ

ったのか)」

糸を吐いた男の背中から蜘蛛の足が飛び出す。口から吐いた糸を器用に足で絡め取りロー

プ状に編む。

「シャアアアアッ!!」

蜘蛛ロープが吹雪に襲いかかる。ロープはそのまま石垣に命中する。

「シャラァァァッ!」

ロープを引く勢いで突進する蜘蛛男、石垣に取り付き再びロープを投げつける。

「はっ!」

「シャラァァッ!」

「シャアッ!」

「ほっ!」

「シャラァァッ!」

ロープを投げる蜘蛛男、そして突進する。蜘蛛男は吹雪と紫蓮にその攻撃を繰り返してい

く。

「吹雪気をつけろ!これは奴の罠だ!!」

「!?」

気がつくと紫蓮と吹雪、石垣のあいだには数十本の蜘蛛ロープが張られていた。

「シャアアアア!ウゴケマイ!!」

ロープの上を滑るように走る蜘蛛男、紫蓮は跳躍し器用にロープの隙間に着地した。

「コレナラドウダ!」

網状の糸を吐く蜘蛛男、紫蓮に覆いかぶさる。

「親父!」

「オレの糸は鋼鉄よりもカタイ!ニゲラレンゾ!!」

「なんのこれしき…」

コートで頭部を覆い蜘蛛の網を受ける紫蓮、次の瞬間コートが燃え上がり蜘蛛の網を焼き

払った。

「ナニ!?」

「このコートは法力を抜群に伝える布で作られててな、火の術を使わせてもらったって訳

さ」

コートを払うと中から燃え尽きた札のようなものが落ちた。

「今度はこっちの番だ。吹雪、援護しろ」

「はい!」

田口堂で受け取った白い串のようなものを投げつける吹雪、蜘蛛男に突き刺さる。

「グアアアアアッ!」

「霊樹から削り出した白木の針は効くでしょう?」

連続で投げつける吹雪、蜘蛛男は堪らず動きを止めた。

「よし、今だ!」

懐から取り出した札を傘の刀に突き刺す紫蓮。法力を込めると刀身が燃え上がる。

「これで、終わりだ!」

一足飛びで一気に間合いを詰め、蜘蛛のロープの隙間に着地しながら蜘蛛男に二連の斬撃

を入れる。

「ギャアアアアアアア・・・」

蜘蛛男は炎上し灰となった。

「(今のは…道場で教えてる火ノ神流の動き!)」

「さて、ここから先は後始末係に任せよう。行くぞ二郎、吹雪」

携帯電話にメッセージを送り、倒れているサイバネ者と学生に目をやる紫蓮。

「大方の蜘蛛男はここでサイバネ者と学生の喧嘩に見せかけて何人か食事しようと思った

んだろうな。大事に至る前に俺が駆けつけたから全員無事だ」

「任務完了…ですね」

「すっげぇ…親父すげぇ!!」

日はすっかり暮れていた。木城二郎、紫蓮、吹雪は咏川城を後にした。

続く





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Last updated  Dec 7, 2012 12:02:23 AM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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