未完成のブログ

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Feb 9, 2013
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カテゴリ: オリジナル
白峰霄




VAMPIREEYE 第十ニ話「白峰霄」

―時間は少し遡る。

白峰霄(しらみね そら)は洛庵高等学校の2年生である。小柄で童顔で一見すれば中学

生にも見えるが制服のおかげでそれはなかった。洛庵高校の制服は今時珍しい古風なデザ

インで受験する中学生にも人気だった。学ランにセーラー服といったデザインの制服は京

都でもここ洛庵高校だけであった。制服だけではなく洛庵高校は中学生の憧れの学校で、

多くの芸術家、音楽家、歌手、デザイナー、著名人を輩出していて、タレントやアイドル

といった芸能人になる者も多かった。偏差値の高さだけでなく豊かな人間性を持つ生徒を



をする者までいるほどであった。

白峰霄は学校指定のソックスにローファーを身に付け学校指定の鞄を肩からかけていた。

背筋を伸ばし早足で通学路を歩く。毛先をすいたボブカットの黒髪が風に揺れる。

「…ん」

前を歩く男子生徒が、空き缶を止めてある自転車のカゴに入れるのを目撃した。

「ちょっと待って」

はっきりと聞こえる声で白峰霄は言った。彼女の声はよく通るため空き缶を捨てた生徒は

足を止めた。

「は?…ああ、白峰さん。俺になんか用っすか?」

「君は空き缶を自転車のカゴに捨てただろう、ゴミはゴミ箱に捨てるべきだ」

「ああ…ついやっちゃったね。解ったよ」



渋々自転車のカゴから空き缶を回収する男子生徒。白峰霄はそれ以上何も言わずに歩き出

す。京都の古風な住宅地を進んで少し坂を上がると洛庵高校が見えてくる。この通学路は

特別な許可を得た者以外は車両進入禁止で、車とすれ違うことはほとんどない。電動小型

バイクと時折すれ違うだけだ。校門のそばにはスーツを着た教師が立っていた。

「おはようございます綿津見先生」



白峰霄の挨拶に答える生活指導の教師。白峰霄は下駄箱に向かう。そこで顔見知りの男子

生徒を見つけた。

「おはようございます木城先輩」

「おはよう白峰のお嬢さん」

学ランの男子生徒は木城蓮也。彼は洛庵高校3年生である。

「お嬢さんはやめてください」

「じゃあ俺に敬語を使うのもやめてくれよな」

照れて少し迷惑そうに言う霄に対し笑顔で答える蓮也。このやりとりは二人のあいだでは

お約束になっていた。二人は中学生の頃からの友人であった。

「蓮也さん、再来週の空手の全国大会で3年生の部活最後だな」

「ああ、最終調整に入ってるところだ。今週から部活には顔を出さないで家での自主トレ

で集中力を高めていこうと思ってる。親父から教わってる剣術もいいトレーニングさ」

「アルバイトは調整中も行く予定?」

「ああ、あまり空手のことばかり考えてても持たないからね。白峰は体操部の方は最近ど

うなんだ?」

「ほどほどに。私の場合大会で結果を出すというよりか自分自身の運動能力を高めたいだ

けだし。大会に向けてがんばってる人間の邪魔はしたくない。それに…」

続く言葉は小声だった。

「何かの拍子に吸血鬼の力を使ってしまいそうで」

「…なるほど。妹さんの方は?」

吸血鬼という言葉に特に反応するわけでもなくサラリと答えた蓮也。

「転校する事になった。星香女子から明命館に」

「それは…教会の執行人として認められたからか?」

「うん…私は反対したんだけど」

「二郎と同じ学校か…あいつには教会の事も白峰家のことも何も教えてないからな。つい

に教える時が来たって事か。…おっとこの話はまた学校の外でな」

靴を履き替えた蓮也は階段を上がっていった。

「よお!」

後ろから霄に声をかける女生徒。ショートカットで髪留めをつけている。

「あ、おはよう駒村」

「おはよう霄ちゃん。朝からおアツイですなー木城先輩とアツアツですなー」

彼女は駒村涼(こまむらりょう)野球部のマネージャーで霄のクラスメイトである。

「何を言ってるんだ、木城(蓮也)先輩とはそういうのじゃないんだ。相談相手というか…

なんでも話せる兄のような存在だ」

「まーまーそんなにムキにならないの。霄ちゃんと木城先輩はそういうのじゃないって皆

わかってるって」

霄の頭を撫でる駒村。身長差は頭一つ分はある。

「駒村こそ陣内先輩とはどうなんだ?」

「えー五郎君?ただの部活の先輩だよ。面白いし部のみんなに人気あるけど私は恋愛の好

きってのじゃないかな」

陣内五郎は野球部のエースピッチャー。スカウトも何度か見に来ているほどの実力である。

「そうなのか、でも陣内先輩は駒村の事が好きなんじゃないのか?」

「どうかなー…」

その表情はどこか嬉しそうだ。

「陣内先輩は大学に行くのか?」

「そう言ってたよ。でも探偵やりたいとか急に言い出したり訳わかんないよ」

「探偵…」

霄は日焼けして坊主頭の陣内五郎がスーツを着た姿を想像した。あまり似合ってなかった。

「本人曰く『野球も好きだが推理小説も好きなんだ!』とか。現実の探偵はあんなんじゃ

ないのにね。ホントに野球のことしか知らないバカなんだから」

「バカ…?陣内先輩は成績は悪いのか?」

「んー…中の下くらいかな。洛庵で授業についていけてるから勉強は出来ないわけじゃな

いんだけどね。あまり色んなこと知らないっていうか」

「ふーん…詳しいんだな」

「え?まぁね。一応マネージャーだし野球部の全員の情報はそれなりに。私大学出たら弁

護士になるつもりなのよ」

霄はスーツを着て法廷に立つ女性弁護士駒村涼を想像した。似合っていた。

「霄ちゃんはどうするの?」

「私は…家を継ぐかな」

「へー…霄ちゃんの家ていかにも日本家屋!って感じで大きいものね。なんのお仕事して

るの?」

「えっと…詳しくは言えないんだが、製品開発事業だな。一般の人が手にすることはまず

ないような」

「ほほー!映画みたい!!カッコイイー!!」

「そうなのか?」

霄と駒村は二階の2年2組の教室に入った。時間が早い為、教室には一人しか居なかった。

「誰だ?」

教室の窓側に背が高く、胸の大きい髪を二つにくくった女生徒が居た。霄と駒村は見覚え

がない。

「や、どーも!あたしは今日から復帰する山根妃羅莉!きらりちゃんて呼んでね!一年の

春休みに事故に遭っちゃって先週まで入院とリハビリしてたの!!」

ピースサインを見せつける山根妃羅莉。驚く駒村に対し警戒する霄。

「山根妃羅莉といったか、ちょっと来てくれないか?」

「えーナニナニ!?」

驚く駒村を置いてトイレに山根妃羅莉を連れて行く霄。

「トイレに連れてきてどうするつもりー?」

「ふん、お前は山根妃羅莉などではないな!本物の山根妃羅莉はどうした」

「何言ってるんですかー?意味わかんないですコワイですー」

「闇の住人(ナイトストーカー)だろう…無理やり正体を暴いてもいいのだぞ?」

睨みつける霄。その目が真紅に変わる。

「あちゃちゃー…バレちゃったのかー。でも山根妃羅莉ってのは半分本当よ?交通事故に

あって意識不明になってたところにあたしが融合したんだ。お互い死にかけてたし融合す

ることで助かったって訳よ。だから人間であり化け物であるんだよ」

「何を考えてる」

「いやー別に…生きたいだけよ。友達もできたしねー。それにしてもあんたも化け物系?

その魔力超ヤバイ!」

「私は吸血鬼だ」

「へー血を吸う鬼さんね。簡単に正体バラして平気なの?」

「私が闇の住人に吸血鬼だと明かしたところで何も不利になることなどない」

「ひゃーコワイ!そんなに睨まないでよ。何にも起こす気ないってば。教会に目をつけら

れるのも面倒だし。京都に来てまだ一ヶ月くらいだし良くわかんない事多いし」

「そうか、それなら良い。この学校で何かしようものなら私が八つ裂きにしてやるからな」

「はーい肝に銘じておきマース!」

教室に戻る霄と妃羅莉、駒村は携帯をいじって待っていた。

「トイレ?」

「トイレ行ってきたー!」

「うん」

「そっかそっか」

―放課後

霄は妃羅莉と一緒に帰っていた。どういうわけか妃羅莉がついてきたのだ。駒村をはじめ

他の友人達は部活があるため帰宅は霄と妃羅莉の二人となった。

「でさー舞子ってばさ、勝手にアイドルのオーディション申し込んじゃってさー書類選考

通ちゃったのよー!ヤバくない?土曜日面接なの、超緊張するー!」

「そうか」

「もし受かったらアイドルよ?凄くない?霄もオーディション受けてみれば?ちっちゃく

て可愛いし」

「言っておくが私は小さいとか言われるのは好きじゃないんだ」

「メンゴメンゴ」

頭を撫でる妃羅莉。

「触れるな」

手を振りほどく霄。

「えーなんでー?コマちゃん(駒村)は霄の事撫でまくってたじゃん」

「慣れ慣れしい。出会ってまだ一日だというのに呼び捨てまで…」

「いいじゃん!化け物同士仲良くしようよ!」

「一緒にするな。私は闇の住人と馴れ合うつもりはない」

「ちぇー…霄は勉強できるし運動もちゃんと人間の力だけでこなせるしクラスのみんなに

好かれてるし友達も多いじゃん。でもあたしはこの学校に友達いないんだよねー…舞子は

別の学校だし普段はメールのやり取りしか出来ないし」

「その舞子とやらはどこの学校だ?」

「明命館だよ。フルネームは奥寺舞子。…あの子変な遊び始めた見たい。チェーンメールっ

ての?超ヤバイ感じ」

携帯のメールを見ながら妃羅莉が言った。

「肉食系だからねーあの子……あ、千円みっけ!ラッキー!!」

千円札を拾う妃羅莉、そのままスカートのポケットにねじ込んだ。

「おい、届けるんだろうな?」

「え?なんでよ?見つけたのあたしじゃん、千円くらいいいっしょ」

「その千円を落として困っているかもしれない、届けよう」

「もー…真面目だなぁ霄は…」

「駅前の交番に届けよう」

「はーい…」

通学路の坂を降りていく二人、下校の生徒の数はまばらであった。楽しく会話をしながら

下校する者、一人で急ぎ足に下校する者、電動自転車で坂を降りていく者などが居る。

坂降りた所にある交差点に見慣れない男たちが二人洛庵高校の女生徒に話しかけていた。

「うわーなにアレ、ナンパかな?」

男たちは皮のジャケットを着て体中に金属のアクセサリーをつけていた。話しかけられて

いる女性とは少し迷惑そうにしている。

「洛庵の女子やっぱ可愛いいっすねー!ユウヤの兄貴!」

「だろう?レベルが高くてレアな制服!もう俺は早くもギンギンMAXだぜヤス!!」

「さすがっす兄貴!欲望に正直っす!!」

「あの…」

おとなしそうな女生徒は男たちから離れようとする、しかしユウヤと呼ばれたが手を掴む。

「おっとっと!道案内くらいしてくれてもいいんじゃね?ついでに家まで送ってやっから

よ!俺のイカス車に乗れるんだぜ?こんな事めったにないぜ?」

ユウヤは横断歩道を塞ぐように止めてある黒光りの違法改造電動車を指差す。

「あの困ります…」

「困ってんのは俺たちなんすよお嬢ちゃん!ね、兄貴?」

「おう!このままじゃ大事な客を待たせちまう!!早く行かねぇとな!」

ドアを開けるヤス、ユウヤは女生徒の肩をつかみ強引に乗せようとする。

「い、いやっ」

「おうヤス!先に後部座席にのってお嬢ちゃんを引っ張りこめ!」

「まかしてくださいよー……アウチッ!」

ヤスは派手に転びガードレールに頭をぶつけた。その横には霄が立っていた。

「その子を離せ」


続く





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Last updated  Feb 10, 2013 01:10:49 AM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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