未完成のブログ

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Feb 2, 2019
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異能者特務機関:TMI 第2話「終夜アリナ2」

「哿(かなり)さん、次は虎屋 伝の制圧に向かいますので狼谷 猟の確保をお願いします」

『え?もう……ですか?わかりましたすぐにフローレンスさんを連れて向かいます』

 哿は動揺しながら答えた。アリナは携帯端末からフォルダを開いて次のターゲット虎屋 伝の顔を確認する。

「(あと10分でホームルーム開始ですね……次のターゲット虎屋 伝は休み時間にしますか)」

アリナは狼谷 猟が窒息しないように舌を引っ張り横向けに寝かせ呼吸音を確認する。

 哿とフローレンスが屋上庭園に入ってくる。ヨーヨーで破壊された壁と割れた窓ガラス、狼谷 猟の姿を見て哿は小さくため息をついた。

「……フローレンスさんお願いします」

「了解」



 フローレンス・フランシスの能力はサイコキネシスでの生体コントロールである。


「完治しました。哿さん首輪をどうぞ」

「は、はい」

 哿はポーチから小さな機械を取り出しワイヤーを伸ばして狼谷の首にかける。対異能者用にTIMが開発した能力制限装置である。念のために哿は狼谷にチタン合金手錠をかける。そして哿は狼谷 猟を掴む。一瞬にして屋上の壁の外にテレポート、続いて空中でテレポート、校舎裏に着地、そこから3回テレポートを繰り返し裏門に止めてあるワゴン車に乗せる。

 哿 希世美の能力はテレポート。一度に移動できる距離は10mである。

 アリナは見届けた後トイレに入り身だしなみをチェックして教室へ向かう。

「では、哿さんフロー、何かあれば通信を」

『はい』

『了解』

 教室のドアを開けるとクラスメイトの視線が集まった。時計を見るとホームルームまであと5分であった。


 教室に入ったアリナはクラスメイトの視線を気にせずに歩き、ホワイトボードに大きくALINA YOMOSUGARAと書いた。



 クラスメイトのざわついている様子を気にせずどこ吹く風のアリナは窓から外を眺めている。やがて教室に慌てながら担任の男性教師が入ってきた。

「終夜さん!まずは職員室に来てくれないと……」

「そうでしたね、申し訳ありません」

 TMIの事は理事長を除く教師全員に既に知らされてる。男性教師は狼谷の席を見た後に目配せするとというとアリナはゆっくりと頷いた。

「……ゴホン(そうか狼谷はもうTMIに対処されたのか)」



「みんな静かに~交換留学生の終夜アリナさんだ」

「終夜アリナです。よろしく」

 スカートのすそをつまんで片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたままあいさつをする。

「おお~」「俺、あれ映画で見たことある」「あれカーテシーっていうんだっけ?」「あの子お嬢様か何か?」「すごいきれいな動作だったよね」

「終夜さんの席は一番後ろのあそこね。それと狼谷だが……早退するそうだ」

 アリナは席に着くと用意されていた教科書を机から出してパラパラとめくって確認する。

「おーい静かに。出席確認するぞ~…」

 HRが終わりそのまま1限目に入り2時限目の前10分の休憩時間になると、アリナの周りにクラスメイトが集まってきた。

「終夜さんてハーフ?」「向こうの学校はどんなところ?」「彼氏はいる?」「何が好き?」

「……フランス人の母と日本人の父です。向こうの学校は退屈でした。彼氏はいません。食べることが好きですね」

 笑顔を浮かべることも無く、猛獣を思わせる目つきのままゆっくりと丁寧に答えた。その後も質問攻めにあったが無難な受け答えをしてやり過ごした。

 4時限目が終わるとアリナはクラスメイトの誘いを「昼休みに職員室に用事があるので急いで食事をとりたいです」と断り、早歩きで食堂に向かった。

 程なくして哿とフローレンスが現れた。

「来ましたね、虎屋 伝を確保しに行きます。……二人ともついてきてください大丈夫です、一人5分で終わらせますので昼食時間は十分残ると思います、では」

「え、アリナさんちょっと……」

「仕方ありませんね、行きましょう」

 廊下をオリンピック競歩選手並の速度で歩くアリナ。哿とフローレンスは走ってついていく。アリナは休憩時間中にクラスメイトに虎屋の事を聞きこみ、いつも屋上で食事をするとの情報を得ていた。

「虎屋 伝は居ますか」

「あん?誰だ!?」

 非常用の災害備蓄倉庫の上から飛び降りる虎屋 伝。坊主頭にラインを入れている。哿とフローレンスは屋上の扉の前で待機している。

「なんだテメーらは?見ねえ顔だが何者だ?」

「単刀直入に言います。お前を制圧します」

「はぁ?お前だとコラ!!なにがセイアツだ!!」

「良い反応ですね、すぐに挑発に乗る性格はやりやすいです」

「俺を誰だかわかってるのか?ボクシングミドル級インターハイ日本一の虎屋 伝さまだぞ?能力なしでここまでの強さを持つ俺が能力を持ってんだぞ!口の利き方には気を着けた方がいいぜ女ぁ!テメェがどんな能力を持ってようと瞬殺できんだぞ?」

 踏み込む虎屋、アリナを驚かせるつもりで左ジャブを放つ。するとアリナは右肘で合わせ拳を砕きにかかる。虎屋は拳を寸前で止めバックステップで距離を取り構えた。

「!?おっと……テメェも何か格闘技やってやがるな」

「狼谷 猟よりはやるようですね」

 アリナは猛獣めいた眼光を向けゆっくりと虎屋との距離を詰めていく。

「猟がどうしたって?まさかアイツとやりあったのか?」

「ええ、一撃で潰しましたが」

「まさか……まぁテメェも能力者ならあり得るか、ハ!でかい口を叩くだけはあるってことか。どんな能力を使ったか知らねぇが猟をやったとなれば最初から本気で行かせてもらうぜ」

 虎屋は一気に間合いを図りながら滑るように横にステップ、ジャブストレートのコンビネーションを繰り出す。アリナは難なく捌いた。

「俺の動きについてこれるか?まだまだ加速するぜ!!」

 アリナを中心に円を描いてステップする。虎屋の能力は自分の周囲の空気を操ることができる。高速のステップは空気で体を押している。

「猟の奴は油断してたんだろうな!不意打ちでやったんだろう」

「……そう言うのならばいいでしょう、お前も一撃で狼谷 猟と同じように制圧します」

「ほざくな!(くらえ必殺のジェットナックル!!)」

 能力で右腕を加速した虎屋のストレート。アリナは空手の上段捌きでストレートを払いつつ右側面に体を移動、左拳を虎屋の腹部に叩き込む。

 「げぶっ」

 体を曲げ宙に浮く虎屋。そのままうつ伏せに倒れる。

「終わりです、カウントしましょうか?」

「ごえっ……おえっ(カウントだとふざけやがって……)」

「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ……」

 淡々とカウントを唱えるアリナ。

「がはっ……(バカな鍛え上げた俺がボディ一撃でこんな……)」

 血を吐き気絶する虎屋。

「シックス、セブン、エイト、ナイン、テン。わたしの勝ちです、フロー、哿さんお願いします」

 慌てて駆けよる哿とフローレンス。すぐに虎屋の治療と拘束を開始する。

「これで任務完了ですね」

 拘束治療を終えた虎屋を抱えたまま屋上から飛び降りるアリナ、そのまま裏口の車に走って虎屋を乗せる。

「長官、狼谷 猟と虎屋 伝を制圧しました」

 哿は長官ジェームズに通信を入れる。

『うむ、アリナくんのおかげかな驚くべき速さだねぇ……哿くん、今から別の班に狼谷と虎屋の回収に向かわせる。だが……任務は続行だ、新たな問題が発生してね』

「え……」

『清涼院宏昌という生徒を確保して欲しい。成績優秀で生徒教師からの評判も良い……のだがどうもねぇ……怪しいんだよ。気になって調べたんだが異能者としての強度は狼谷と虎屋と同等かそれ以上、それならば二人とも交流があるはずなんが不自然なほど無い』

「……はい」

『URABAN(裏番)じゃないかと思ってね』

「えっと……その言葉の意味はよく分かりませんがその清涼院宏昌が黒幕ではないかという事ですか?」

『イエス!彼は相撲部のキャプテンで期待のホープだそうだ。異能者という事を隠してこっそりと能力を相撲で使い不正を働いていた可能性もある』

「長官は何故そうお考えに?」

『清涼院宏昌の相撲の様子を映像で見てそう思ったのだよ。こう見えても私はTMIの長官だからね、ピーンと来たんだ。だから先ほど学園理事長にも連絡をしておいた、ひどく狼狽えていたがね』

「分かりました任務続行します。アリナさんフローレンスさん聞こえていましたね?」

「はい」

「聞こえていました」

 アリナは屋上の壁に飛び上り相撲場の位置を確認する。

「これより清涼院宏昌を制圧します」

「え?アリナさん清涼院宏昌の顔は知っているのですか?」

「いいえ、なので放送で相撲場に呼び出しましょう」

『アリナくん……そんなに急ぐ必要は無いんだよ?放課後でも……』

 ジェームズはため息交じりに言った。

「いいえ長官、悠長に構える必要はありません。哿さん、放送お願いします。フロー、わたしと相撲場に行きましょう」

 アリナはそう言い放つと早歩きで相撲場を目指す。

「ちょ、アリナさん待ってください……」

「哿さん、急いで放送を。私はアリナと一緒に相撲場に行きます」

「は、はい」

 アリナとフローレンスが一階に降りたすぐに放送が鳴った。

『2年4組清涼院君、至急相撲場に来てくださいお話があります。繰り返します、2年4組清涼院君、至急相撲場に来てくださいお話があります……』

 早歩きで相撲場に接近するアリナとフローレンスの前にまわしをつけた相撲部員二人が立ちふさがった。

「おっと、これより先は土俵だ、女人禁制だぜ。清涼院クンのファンなら出てくるまで待ってな」

「その制服他校の生徒か?高校生横綱に会いにきたのか」

「邪魔です、どきなさい」

 アリナはヨーヨーを投げつけそばにあった2mはある仁王の石像を粉砕した。

「おまえー!清涼院クンの作品をー!!」

「なにしやがる!!」

 掴みにかかる部員二人。アリナは片手ずつ部員の手首を掴み後方に無造作に投げつけた。

「ぐあっ」

「あだっ」

 植え込みに突き刺さる部員。もがいていると相撲場から長髪で筋骨隆々の大男が現れた。

「何だ騒がしい……!?僕の作品が!!」

「清涼院宏昌ですね。そこの石像はわたしが粉砕しました」

「君は誰です?どういうつもりかな?」

「お前を制圧します」

 アリナは猛獣めいた殺気のこもった目で清涼院をにらみつける。

「なんて目をしてなにをいいだすんだい?聞き間違いでは無ければ『制圧』だと言ったね?僕に挑むという事はどういうことか分かって言ってるんだろうね?」

 清涼院は片足を高く上げ四股を踏む。すると地面に衝撃波が走り植え込みのレンガに亀裂が入った。

「なるほど、その能力を利用して石像を作ったと」

「そうだよ、僕は『波』を操れるんだ。あの塀と同じになりたくなければ土下座して謝れ。そうすれば石像の事は許してやる」

「土下座?度し難い申し出ですね」

 アリナは相撲場の横に積んであった工事用の10m程の鉄骨を持ち上げ紙でも扱うかのように軽々折り曲げた。

「なに!?(バカなあの鉄骨をあんな風に曲げるとは……金属を操る能力か?)」

「狼谷と虎屋は既に制圧確保しました。この鉄骨のようになりたいですか?大人しく捕まるも抵抗するもお前の自由ですがどうしますか?」

 アリナは曲がった鉄骨を軽く投げ捨てた。地面に突き刺さる鉄骨、それを見た二人の相撲部員は言葉を失い相撲場の裏に身を潜めた。清涼院は動揺しながらもアリナを睨みつける。

「大した能力を持っているようだけど……僕には通じないね」

「そうですか、やってみれば分かりますよ」

「うおおおおおおああああああああああああああっ!!力波ィ!!!!」

 四股を踏み衝撃波を走らせる清涼院、アリナは地面を殴りつけ衝撃波をかき消した。

「な……まだまだ!力波三連打!!」

 対するアリナは右腕を大きく後ろに引き、腰を落としながら地面を削り取り衝撃波をかき消しながら土砂を清涼院に投げつける。

「ぬぐ……」

「それはわたしには通じませんよ」

「ペッペッ、だが直接体に叩き込めばどうかな!!撃・力波!!」

 体当たりを仕掛ける清涼院、アリナは腰を落として相撲の構えで迎え撃ち相撲の立ち合いの形になる。衝突した瞬間大きな破裂音が響いた。清涼院はアリナの左張り手を腹に受けて後方に吹き飛ばされ相撲場の中の土俵を転がり更にロッカールームの扉を突き抜けてようやく止まった。アリナのセーラー服の袖は衝撃波で裂けていた。

「げぼおおおお……」

 腹を抑えのたうち回る清涼院。

「お前は相撲をする資格がありません、能力を使って高校生横綱になるなど言語道断」

「(……なんだ、なんなんだ……僕の撃・力波を跳ね返しただと!?ありえない、波を操る僕は自分かかる衝突の衝撃を地面に逃がせる、そうやって横綱になったんだ。あの女の能力はテレキネシス?だから吹き飛ばされた?それにしても女が吹き飛ばないのはどうしてだ……衝撃は伝わったはずだ……)」

 ゆっくりと近づき土俵の前で停止するアリナ。清涼院を見据える。

「……もしかしてあんたは政府だかなんだかの異能者か」

「そういうものですね」

「はは……通りで強い能力を持ってる。じゃあもしあんたを倒しても、別の異能者が捕まえにくるって訳だ」

「わたしを倒せる気でいるのですか?万が一にもあり得ませんが代わりは来るでしょう。ところでまだやりますか?」

 アリナは土俵を迂回して清涼院に近づく。ゆっくりと立ち上がる清涼院。

「政府のエージェント相手に僕がどこまで通じるか興味あるね。これまでは殺してしまう危険性があったから人相手に全力を出したことが無かったんだ。アンタなら平気そうだ」

「言っておきますが、わたしは全力を出す気はありませんよ。お互い全力を出し合ってぶつかり合う相撲というすばらしい日本の国技に関わりながら異能力での全力を望むとは本当に度し難い人物ですねお前は」

「知ったような口を!異能者が能力を使って何が悪い!僕が相撲を始めたのは能力を生かせて頂点に上り詰められると思ったからだ!辛くて苦しい稽古をしなくても勝てるんだこれは僕の才能であり武器だ!」

「もういいです。これいじょう聞きたくありません、後は長官相手に吠えてください」

「僕をあまり舐めない方がいい!」

 すり足で接近する清涼院、張りて突きを連続で繰り出す。

「百撃・力波!攻守ともに完全な技だ!」

「……」

 アリナは前に進み両手で体の内から外に円を描く動きで清涼院の攻撃を捌き、そのまま両腕を突き出して清涼院の鎖骨を拳で打つ。のけぞる清涼院、アリナは鞭のようにしなる前蹴りを顎に撃ち込んだ。連続した破裂音が相撲場に鳴り響く。

「……っと!今度は耐えたぞ!どうだ!!」

「なるほど、それならば」

 アリナの打撃の力を地面に伝えて耐える清涼院。アリナは片手で清涼院の腕をつかみ捻りあげながら背後に回って首に腕を回して締め上げる。

「グ……グググ……」

 締め上げながら持ち上げるアリナ。清涼院の肘、肩の関節は悲鳴を上げ、顔面は真っ赤に染まっていく。

「……終わりです。フロー、哿さんお願いします」

 清涼院の肩の関節が外れ首の圧迫により意識が途切れる。離れて見ていたフローレンスが慌てて駆け寄る。少し遅れてテレポートで哿が現れた。

続く





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Last updated  Feb 2, 2019 03:17:30 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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