未完成のブログ

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Mar 17, 2019
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異能者特務機関: TMI  第 6 話「首狩り斬鬼 4 」

 ハンドルを握る哿の手が震えている。助手席に座るフローレンスの心拍数が上がっていく。アリナが放つ圧に二人に緊張が走る。アリナの隣の吉岡警部補は表情を変えずに手袋をつけて小さくため息をついただけであった。

「この前も驚かされたけどいや、恐れ入ったよ TMI 。これは首狩り斬鬼もお手上げじゃないかな?」

「首狩り斬鬼は個人では無いとわたしは考えていますが吉岡警部補はどう考えていますか?」

 アリナはベヤリング弾をまだ持っている。

「組織の可能性はあるだろうね」

「組織?」

「ああそうだ。ところでこの車に猛スピードで迫って来るトラックが見えるんだが」

 高速道路に入っていく TMI のワゴン車、それを追いかけてくるトラック。

「 TMI の特殊車両はロケット弾にも耐えれるのでご安心をテレパスの影響も受けない防護仕様です」

「それはすごい!高速に入ったみたいだけどトイレに行きたくなってきた……サービスエリアに寄ってくれないか?野幌のサービスエリアで止めてくれ」

 吉岡警部補は腹部を押さえて訴える。

「それはできませんね。哿さん、気にせずに運転を」

「は、はい……!」

「おいおい漏らしちまうぞ……」

 吉岡警部補はポケットから小さな直径 1cm ほどの玉を取り出した。アリナは即座に手首を掴む。

「何するんだいお嬢さん?これは下痢止めだよ」

「それは必要ありません。フロー、吉岡警部補を診断してあげてください」

「……それには及ばないな」

 そう言うと吉岡警部補はテレポートする、腕をつかんだままのアリナと共に。

TMI のワゴン車の天井に現れる二人。

「さよならだお嬢さん」

 ワゴン車内から爆発音が聞こえた。一瞬注意をそらされたアリナ、その隙を見逃さずに吉岡警部補はアリナの手を解く。

「ただの煙玉だよ大丈夫」

「逃がしませんよ吉岡警部補」

 アリナは構える。ワゴン車の車内は煙で充満、哿は車 AI に命じて換気をさせ速度を落とし路肩に移動する。

「ごほっごほっ……」

「大丈夫ですか哿さん、吸った煙は私が肺から排出させてあげます」

 フローレンスは哿の胸に手を当てて肺から煙を吐き出させる。

「ア、アリナさんは?」

「いません、吉岡警部補もです」

 天井で音がする。

「上!?」

「二人は車の上に!?」

 吉岡警部補は両手を後ろに回すと棒手裏剣を取り出しアリナに投げつける。アリナは 4 本の棒手裏剣を指で挟んで受け止める。

「受け止めたか。そしてガントレットで麻痺も防いでる」

「吉岡警部補あなたが、いやあなたは首狩り斬鬼の一人ですね」

「ハハッ!俺を車に乗せた時から疑ってたんだろ?失神するほどの殺気だったよ」

「いいえ、昨日の夜から疑っていました。ホテルを襲撃してきたのは首狩り斬鬼の一人ですね」

「ふっ……結局あいつが自殺したのは無駄になってしまった。あせって襲撃命令を下した奴がいたんでな、お嬢さんにビビっちまったんだなぁきっと」

「あなたを制圧します」

「俺に気を取られてもいいのかな?」

TMI のワゴン車を追いかけてきていたトラックの荷台部分のサイドがせり上がり、中から黒覆面黒装束の男達が 5 人。全員がアサルトライフルを装備している。

「じゃあな」

車から飛び降りる吉岡警部補、テレポートでトラックに移り積まれていた黒い大型バイクに乗る。ヘルメットを被るとアクセルを捻って飛び出し加速して TMI のワゴン車を引き離す。

「っ……!」

 トラックの黒装束はアリナに向けて一斉掃射。アリナは腕をクロスさせて弾丸の雨を受け止める。

「アリナ!」

 トラックとは反対側の窓を開けて呼ぶフローレンス。アリナは窓から車内に飛び込む。

「アリナ落ちなくて良かった」

「ええ、なんとか。フロー、哿さんも無事で何よりです。吉岡警部補を追いかけましょう飛ばしてください哿さん」

「でもこの先は渋滞で……バイクには追い付けないですよアリナさん」

「それなら……」

TMI のワゴン車を追い抜いていく紅い大型のバイクを見つけるアリナ。

「哿さん、あのライダーをわたしと交代させてください」

「ええっ!?で、でも……」

「あのバイクなら追いつけそうですお願いします。運転を一時的にオートにしてください」

「分かりました……」

 アリナを連れてテレポートする哿。空中でライダーを掴みテレポート、再び車内に移動する。アリナは紅いバイクに跨りアクセルを捻る。

「え?え??えええええっ!??なななななな何が!!!」

 ライダーは突然の出来事にパニック状態に陥る。

「すみません……貴方のバイクをお借りします。事情は後で説明しますので近くのサービスエリアに寄りますので待機してもらえますか」

「ちょっ……何?どういう事??俺のバイクは?」

「大丈夫ですよ」

 フローレンスはライダーの手を握る。徐々に落ち着きやがてゆっくりと眠りについた。哿はハンドルを握りワゴン車を走らせる。黒装束の男たちを乗せたトラックはぴったりと後ろについてきていた。

 アリナが乗るのは日本国内最速の大型二輪車レッドファルコン。最高時速 452km を誇るモンスターマシン。渋滞し、徐行運転で移動している車の間を猛スピードで駆け抜ける。前方を走る吉岡警部補の黒いバイクは時折をテレポートを行い先に進む。

「(ちっ……なんで今日に限って渋滞してるんだ事故か。あのお嬢さん追ってきやがった)」

 吉岡警部補は消音器のついた拳銃を確認する。後ろから猛スピードで迫って来るアリナの姿をバックミラーが捉えていた。

「(……もうすぐ渋滞を抜ける)」

 渋滞を抜けアクセルを全開する。続いてアリナが渋滞を抜ける。 2 台のバイクはすぐに時速 300 ㎞に到達する。

「(馬鹿な……あのお嬢さんヘルメット無しでこの速度の中、目を開けていられるのか呼吸できるのか)」

 更に速度を上げる吉岡警部補、アリナは平然とアクセルを捻り追いかける。唸りを上げる 2 台のマシン。

「(時速 400 ㎞……これ以上の速さは制御できない、テレポートの演算もできない、このマシンも限界だ。お嬢さんには転倒してもらうか)」

 悲鳴を上げるが如く限界を感じる音を放つ吉岡警部補の黒いバイクに比べ、アリナの乗るレッドファルコンは本領発揮に喜びの声を上げてるかのような音を放っている。

 レッドファルコンを横着けするアリナ。手を伸ばし吉岡警部補のバイクのハンドルを掴みにかかる。

「(そんな事をすれば二人ともクラッシュだぞ!この速度でクラッシュすれば……)」

 アリナは両脚を地面に着く。片手でレッドファルコンを操縦、片手で吉岡警部補のバイクのハンドルを掴み姿勢を維持。両足で減速を行う。特殊合金のブーツはアスファルトを削り破片をまき散らしていく。

「(……このまま減速して俺を捕まえる気か、それならそれで都合がいい。テレポートして着地できる速度まで落ちれば即離脱だ)」

 路肩に寄せながら減速していく 2 台のバイク。トンネルの前で完全に停車する。

「はっ!」

 テレポートする吉岡警部補、トンネルの上部の山に出現する。次の瞬間右足に激痛が走り着地を失敗、山の斜面を転げる。

「ぐっ……ベヤリング弾か!!」

「逃がしませんよ吉岡警部補」

 斜面を登っていくアリナ。

「俺がテレポートする位置がなぜわかった」

「トンネルの前で停車させれば貴方は山にテレポートすると予測していました。後は反応してベヤリング弾を打ち出すだけです」

「テレポートで現れた瞬間にベヤリング弾を当てれるか普通……」

「訓練していますので」

「つくづく化物だな……」

 左手で拳銃を構える吉岡警部補、アリナは爆発的なロケット弾を思わせる突進で一気に肉薄。拳銃を手刀で叩き落す。

「なっ!?速……」

 吉岡警部補はテレポート、右手の義手から肉食獣を思わせる爪を伸ばす。そして貫手でアリナの心臓を狙う。対するアリナは肘と膝で義手を挟み込んで粉砕した。

「あ……あ……」

「抵抗は無駄ですよ」

 アリナは吉岡警部補の顎先を指で弾いて脳震盪で気絶させる。ガントレットからワイヤーを伸ばして拘束した。

「アリナです。吉岡警部補を確保しました、哿さんそちらはどうですか?」

『流石ですアリナさん!こちらは……あまり良くない状況です。野幌サービスエリアに騒ぎを聞きつけた警察が来て黒装束集団が銃撃戦を始めました』

「そうですか、今から吉岡警部補と紅いバイクを持って野幌サービスエリアに戻ります……いえ、もう少しかかりそうです。敵が現れました」

 気配を感じたアリナはゆっくりとレッドファルコンから降りてガードレールの外の林にに入る。

「首狩り斬鬼ですね」

「……ほう、完全に音を消し姿を消しているのに分かるのか」

「匂いですね」

「犬並に鼻が利くのか……だがそれがどうした?今からお前の首を切断し吉岡を回収する」

 アリナの目の前に突如軽トラックが出現した。同時に感じていた匂いも消える。

「……」

「くくく……どうだ?匂いも分からなくなってきたのではないか?さぁさぁ行くぞ!俺がどこにいるか分かるまいズンバラリと首を切断してやるぞ」

 アリナの首に刃物が触れる。だがそこで止まっていた。皮の一枚さえも刃物は斬っていない。ガントレットがそれ以上刃を進ませない。

「なにっ!」

「 Grrrrrrrrrrrrrrr …… Growl!! 」

 刀男の腕を掴み猛獣の咆哮をあげるアリナ。空気が震える、するとアリナの周りに二人の男が出現した。

「はっ!」

 アリナは刀男を一人の男に投げつける。吹き飛ばされた二人は軽トラックに激突する。

「が……は……」

「そ、そんな……」

 車体との間に挟まれた男は気絶する。投げられた刀男の肩は外れだらりと下がっている。

「透明化と認識を変える異能者ですね。違いますか?」

「な、なんだと……!?何故分かった!!」

「監視カメラの映像を見て予想をしました。吉岡警部補と他二人の異能者がいればあの映像は作れると考えました。あの場にいた首狩り斬鬼は三人です」

「たった二日で……俺たちが……」

「十分考える時間はありました。確証はありませんでしたので試してみる事にしたのです。最初はテレポーターと認識を変える異能者+指令を出す者と考えていましたが、吉岡警部補を首狩り斬鬼の一人と考えると色々納得できたのです」

「違ったらどうしてたんだ……」

「外れれば次を試すまでです。分かりやすく威嚇して挑発すれば乗ってくると考えていましたので。それで首狩り斬鬼はあとどのくらいいるのです?」

「……俺たちは『ブラックヴァリー』だ。首狩り斬鬼なんて言うんじゃねえ」

「一応覚えておきましょう。これ以上は服毒自殺で秘密を守る気でいますか?」

「いいや自殺なんてしないね。だが話す気も無い、徹底的に黙秘を貫くぜ」

「そうですか、 TMI の尋問に耐えられた者はいませんので覚悟しておく事ですね」

 気絶させワイヤーで縛り荷台に三人とレッドファルコンを乗せるアリナ。

「哿さん、今度こそ終わりました。人数が増えたので車で帰りたいのですがそちらはどうですか?」

『パトカーを破壊した後黒覆面らのトラックは去っていきました。アリナさんは今どの辺ですか?』

「岩見沢サービスエリアは通り過ぎました。そこからしばらく進んだ所にあるトンネルの前です」

『わかりましたではライダーさんを乗せてそちらに向かいます。黒覆面のトラックには発信機を取り付けておいたので動きは分かります』

「もしここにトラックが来たら制圧します。いいですね?」

『あ、はい……』

 しばらくすると哿からトラックは岩見沢インターで降りたとの通信が入った。その数十分後 TMI のワゴン車が到着する。

「わあああああん!俺のレッドファルコンちゃあああああん!!無事でよかったあ!!」

 ワゴン車から飛び降りて紅いレッドファルコンにしがみつくライダー。

「とても良いバイクですね。おかげで目標を逃がすことなく確保できました」

「君がレッドファルコンちゃんを操縦したの?マジで!?何㎞くらい出したの??」

「時速 400km は超えましたよ。それでもそのバイクはとても安定してました。無傷で返せて良かったです」

「うあああああん!良かったねぇレッドファルコンちゃん!俺だと 100 ㎞までしか出して走らせてあげれないから……本気で走れて良かったねぇ。この子は生涯最高速で走ることなく終わるバイクだって言われてるんですよ~……君良かったら名前を教えてくれない?レッドファルコンちゃんに君の名前のステッカーを張りたいんだ。特殊警察か何かなんだよね?だからダメなら諦めるけど」

「終夜アリナです。貴方は安全運転で命もバイクも大切にしてください」

「ありがとう」

 ライダーはレッドファルコンに乗りゆっくりと走り去っていった。

続く






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Last updated  Mar 17, 2019 08:55:57 PM コメントを書く


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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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