未完成のブログ

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Jun 1, 2019
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異能者特務機関:TMI 第15話「レインボーフォリナー8」

「この研究施設で何かが起きて停電、その後全員が眠らされ今の状態になった……と」

 ブラウン博士は哿のPDAを見ながら自分のタブレットを操作して言った。

「……停電のログを見るに……6日前……アメリカの施設が爆破された日と同じだ。この研究施設にアメリカでテロを起こした犯人と繋がっている者がいるのか?」

「現状怪しいのは所長の五所川原振之助、そして美濃セレスティア白夜博士ですね」

 アリナは周囲を警戒しながら言った。

「ブラウン博士、美濃博士はバクテリアを扱う事はあったのですか?」

「アメリカの施設ではあったが彼女は直接の実験に関わることは無かったよ。深海、宇宙などの過酷な環境に対応できるスーツや作業ロボットの開発チーム所属だったからね。だがバクテリアには興味を持っていた様子だった」

「経歴を見るに美濃博士は元々生物学を学んでいたようですね」



「五所川原振之助所長は帝都大学卒。専攻は生物学」

「米日の交流会での印象は良かったよ。快活でリーダーシップもある。医師や研究職の一家だと聞いている」

「電子操作の異能を使って米日同時に事件を起こした可能性も?」

「ありえない事ではない。だが動機が不明だ、彼は研究者として充実してたようだ。テロを起こすなんて考えにくい」

「では美濃博士は?」

「考えにくいね、家族の不幸もテロリストの事件に巻き込まれたと聞いているからね」

「二人は別の異能者に操られて起こした可能性は?」

「なんとも言えないな、全職員を調べなくては」

 突如部屋のPCのモニターが全てついた。映し出されたのはノイズがかった青白い顔の男。

「ようこそブラウン博士、TMIの諸君。私が所長の五所川原振之助だ」

「!?」



「……」

 アリナは哿とブラウン博士の前に立ちモニターの前で構える。

「電子機器は全て私の支配下にある」

「ずっと止まっていた搬入用エレベーターが!」

 哿が叫ぶ。地下8階で停止してたエレベーターが起動、中から現れたのは10体の戦闘スーツ。



 戦闘スーツが一斉に手を向ける、掌の光学兵器が輝く。

「危ない!」

 アリナが射線に飛び出し両手を合わせてガントレットを構える。

 青白い光弾が一斉に発射される。受け止めたアリナは衝撃で吹き飛ばされる。

「哿さん!ブラウン博士を!!」

 飛ばされながら叫ぶアリナ。テレポートすべく哿はブラウン博士に近づく。

「はははは!」

 突如ブラウン博士の背後に戦闘スーツが現れる。そして光学兵器を放ちブラウン博士を背中から貫き、哿の左肩も貫いた。

「ステルス迷彩!」

「……っ!」

 哿は意識が飛びそうになるのを耐えブラウン博士を掴みテレポートする。

「逃げたか、だがあの傷ではブラウン博士は助からない。そしてこの施設からは誰も逃がさない!」

「ううううああああああああああああっ!!」

 アンカーボルトをセット、ベヤリング弾を構えるアリナ。

「フォッシーはまだ君に異能を戻してないな?ならばこのままぶっ殺させてもらう!!」

 光学兵器の出力を上げビーム状に放つ戦闘スーツ。アリナはガントレットで受け止める。

「ウウム!なんという防具だ!!このプラズマレイに耐えるとは!!」

「うううううううううああああああああああああああああああ!!!」

 ガントレットの温度は上昇しアリナの腕を焼いていく。それでも前に進み距離を詰めていく。

「がんばるねぇ~!だったら次はこれだ」

 両腕の装甲が開き砲門が現れる。そこから放たれたのは超音波。

「超音波砲だ!動けまい!!止めはこれだ!!」

 戦闘スーツの胸が開き中央のリアクターが輝き始める。

「ははははは!美濃博士の作った戦闘スーツは最高だねぇ!!」

「こんなところで……こんな敵に……負けられない!!」

「リアクター!最大出力!!吹き飛べ!!」

 戦闘スーツの胸部リアクターから青白い粒子が放出。ガントレットで受け止めるアリナに直撃した。

「…………」

 床を転げるアリナ。腕のやけどで爛れた所からの出血がガントレットの熱で蒸発し煙を上げている。

「はははは!フォッシー、お前のおかげで難なく勝てそうだ!!能力の使えない異能者などこの程度!!だがまぁTMIの小娘お前はよくやったほうだ」

「終夜アリナ……すまない!今すぐ君に能力を戻そう!!」

「おっとそうはさせん!!」

 戦闘スーツのプラズマレイがフォッシーの足を貫く。

「フォッシー、お前は殺さん。これからもその異能利用させてもらうぞ」

「こんな……こんなつもりでは!終夜アリナすまない!私が君の力を抑えたせいで!!」

 ゆっくりと近づいてくる10体の戦闘スーツ。

「フォッシーの無力化を解除するには本人に触らせて解除させるか射程距離から離れるか奴の意識を失わせるしかない。小娘、フォッシーお前らは今どちらも選択できない」

 両腕から血を滴らせゆっくりと立ち上がるアリナ。

「その腕ではもはや何もできまい?……バクテリアの実験に使ってやろうか?」

 机を挟んでアリナとフォッシーを中心に戦闘スーツはプラズマレイを向けて包囲する。

「ははははは!!」

 アリナの正面の戦闘スーツがプラズマレイを放つ。アリナの両脚に命中、煙と鮮血を飛び散らせる。

「これでフォッシーの射程から出ることも私から逃げることもできなくなったな!!はははは!絶体絶命というやつだ!!」

 膝をつくアリナ。

「このフロアーに入った時からお前は罠にかかっていたんだよ。フォッシーに無力化させたところで襲撃!どんな異能者であろうがこれで終わりだ!!フォッシーがメモリーを隠していたのも来た人間に渡すのも全て罠だ!!油断させるためのなぁ!!俺は最初から全てを見ていたそして備えた。地上の感染者共の襲撃もエレベーターのロックも出来損ないどもの配置も俺が決めたのだ!」

「…………」

―アリナ……

 声がする。この声は父…

―アリナ……

 懐かしい声、母だ。

―お姉ちゃん……

 ……アリス。

―アリナよ……

 祖父……

 なにも悪くない何もしてない皆がどうしてあんな無残に殺されなくてはならなかった?その場に居合わせなかった祖父はずっと自分を責め続けた。病に倒れ敵を討てなかった事を最後まで悔いていた。

 わたしがやるから安心して。わたしは力を持って生まれて生き残ってしまったからやり遂げる。あの男は許さない。あの黒スーツの男を斃す為にわたしは生きている。その前には死ねない。

 アリナの目がわずかに輝き髪が逆立っていく。それに反応するようにフォッシーが痙攣し始める。

「ううううううううあああああああああああああああああああああっ!!」

「あがががががががが……」

「何!?」

 アリナが叫ぶと同時にフォッシーは鼻血を噴き口から泡を吐く。
 次の瞬間、アリナの体は弾丸めいて突進。目の前の戦闘スーツの5体を吹き飛ばして粉砕した。

「ふううううううううう…………こんな所で終われない……父と母とアリスの敵を……祖父の無念を晴らす前に終われない……!」

「なに!?フォッシーの能力を打ち破って力を取り戻したというのか!?」

 御所河原がそう言った直後、立っていた5体の戦闘スーツの頭部が粉砕。アリナの手にはベヤリング弾が握られている。

「ふうううううううう…………わたしは止まらない、誰にも止めさせない、あの黒スーツ男を討つまでは!!」

「なるほど……ライフル弾にも耐えるこの戦闘スーツを指弾で破壊……対物ライフル並の威力を出せるということか。君のデータを更新しておこうか、それでは次だ」

 衝撃と共にエレベーターの扉を破壊して現れたのは一回り大きな戦闘スーツ。

「美濃博士の開発した試作型軍用戦闘スーツだ。どうしてこんなものまで彼女は持ち込んだのか分からないが遠慮なく使わせ貰う。スペックによると戦車の砲撃にも耐えられる……ああしかし、砂川との戦闘を見た後ではどこまで耐えられるか分からんな。重傷を負ってるとはいえ力を取り戻した君に対抗できるか不安だ」

「アアアッ!」

 ベヤリング弾打つと同時に突進するアリナ。戦闘スーツの肩に取り付けられた機関銃の銃口をベヤリング弾で跳ね上げ踏み込むアリナ、正拳突きを戦闘スーツの頭部に打ち込んだ。そして壁に激突した戦闘スーツを追いかけ連打を叩き込む。

「この猛攻、反撃すら……できないだと……どうやら私には君を止めることはできないらしい。だが私を止めることもできんよ?なぜなら私の肉体はすでに無いのだから」

 中身のない戦闘スーツを破壊するアリナ。次に五所川原の顔が映るモニターに飛び掛かり破壊する。

「ハハハ!まるで北欧神話のベルセルクだな!」

「ベルセルク?……わたしは正常ですよ五所川原振之助」

「さて……戦力も全て失った所で退散させてもらおうかな。プログラム体となった私を捕まえることはできないぞ。世界中のネットを駆け巡りどんな機器でも操れる。バクテリアに完全適合し異能の力を大幅に上げた私はバクテリアの支配から離れるために体を捨てたのだ。手に入れた神にも等しいこの力!世界は私の実験場!!」

「……お前も必ず斃します」

「ハハハハハ!次に会うのを楽しみにしてるよ!!この施設のバクテリアもどうぞ持っていくがいい!データは得た、もはや不要!」

「美濃博士はどこに」

「利用価値があったのでコールドスリープのカプセルに閉じ込めてある。まだ生きていると思うがね。ま、今となっては不要の存在だが……ではまた会おう」

 モニターの五所川原の顔が消える。アリナは床に座り込んだ。

***

「アリナ!」「アリナさん!」

 彼女の目の前に現れたのは哿とフローレンス。哿はテレポートでアリナのガントレットを外す。中の腕は重度の火傷を負って全体的にケロイド状となっていた。

「これはひどい……」

「必ず治します、だからアリナ安心して」

「……少し意識を失っていたようですね。すみません、わたしが至らないせいで五所川原に逃げられてしまいました……哿さん体は大丈夫なのですか?」

「何をいってるのですアリナさん、あなたがいなければどうなっていたことか。僕はフローレンスさんに治してもらったのでもう平気ですよ」

「アリナ、貴女はそのまま意識を保ってください必ず私が治します」

 手をかざすフローレンス。彼女の額に汗がにじんでいく。

「フロー……ブラウン博士は?」

「大丈夫よ、なんとか一命を取り留めました」

「あなたは今日だけで4人は治療してるのでは?無理してるのでは?」

「私は平気、TMIに入る前に日に10人を治療したことがあるので……」

 アリナの腕に新しい皮膚が出現し見る見るうちに再生していく。腕が終わると足の治療にかかる。

「アリナ、体力の消耗が激しいです。携帯食料を持ってきたので食べて」

「……はい」

 銀色の包みを開け細長い高栄養ケーキを渡すフローレンス。経口補水液のキャップを開けアリナの前に置く。

「もう大丈夫ですフロー、ありがとうございます」

 経口補水液を飲み干して立ち上がるアリナ。

「大丈夫ではないですアリナ。私は傷は治せても体力の回復はできない、疲労感はやわらげていますが貴女は消耗し衰弱している状態です」

「……そうですか分かりましたフロー」

 両手を握るフローレンスの目を見てアリナは頷いた。

「これ以上の戦闘はやめましょう、次に遭遇した場合僕がすぐにテレポートで連れて退避します。アリナさん、フローレンスさんよろしいですね?」

「……はい」

「了解です」

「それでは美濃博士を探しましょう、コールドスリープされていると聞きました」

「哿さん、施設の地図を見せてもらえますか?」

「は、はい」

 哿は地図を表示させると立体ホログラムにして二人に見せる。

「おや?こういう表示も可能なのですね?」

 フローレンスはホログラムを眺めながら言った。

「今まではバッテリーの消費を考えて使わなかったのです。今はもう撤退を視野にいれてますので少々は大丈夫かなと」

「そうでしたか」

「予備バッテリーを持ち歩けばいいのですが任務中に交換するのを気にして使いたくないので車に置いてるのです」

「……やはり日本支部には人材が足りませんね。哿さんには支部長もしくは代理となってもらって現場指揮官に、哿さんの今のポストには新しいテレポーターもしくはアポーターを就かせるべきです。私とアリナに合う人が条件ですが……早乙女ルキナも悪くないですね、アリナとは違うアタッカーで負担をお互い減らせますし」

「ルキナさんはアメリカ支部のエースですからそれは無理かと……」

 哿は苦笑いしながら言った。

「どう思うアリナ?」

「早乙女ルキナは嫌いじゃありませんよ。あの対抗心剥き出しなのが苦手なだけです」

「そ、そうですか……メンバーの増員の事は今度本部にも使えておきますね。その事はいったん置いておいて今は美濃博士の捜索です」

「はい」

「そうですね」

つづく





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Last updated  Jun 1, 2019 10:56:53 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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