未完成のブログ

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Sep 20, 2020
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カテゴリ: オリジナル

VAMPIREEYE82 「猿と犬」

 蓮也と佐久間は醍醐寺近くの林にタクシーを止め周囲を伺っていた。

「こんなに気温が低いとは……蓮也、何かおかしいぞ」

「異常なまでの静けさ……誰も見かけなかったのも気になる」

 佐久間はカランビットナイフを、蓮也は華月の抜けた刀を構える。

「来るぞ蓮也!」

 木の上から飛び掛かって来る痩せぎすの手足の長い者たち。

「キャキャキャキャキャキャキャキャッ!」

 佐久間は敵が掴みかかる腕をカランビットナイフで絡めるようにガードしてそのまま体勢を崩して喉を裂く。喉を裂いた敵を盾にしつつ蹴って押し付け、背後の敵の足を関節蹴りで踏み抜きながらカランビットナイフで腹を刺した。

 蓮也は距離を取って最小の動きで刀を振って敵の手首、喉を狙う。明らかに人ではない者の為容赦は無い。

「血が全然出ない……これは沖田と勝田の言ってた屍人って奴か」

「この見た目全然人間じゃない、何者ですかこれは」

「猿の様にも見えるが俺ァ専門家じゃないんでな」

「猿の化物……」

「傷には気をつけろよ蓮也、猿は病気を持ってるからな。化物猿ともなれば俺たち吸血鬼でも警戒しとくんだ」

「わかりました」

 蓮也の刀が反応する。倒れた化け猿から血液を吸い取っていく。

「なんだ?」

「刀が血を欲してるんです。華月さんが抜けた後もコイツは血を求めている」

「そうか、その刀自身が化物なのかもな」

 化物猿の襲撃が終わると今度は遠くから叫び声が聞こえてくる。

「ヒーーーーーーーヒヒヒヒヒヒヒヒ!!」

 背中合わせで警戒する二人。

「!!」

 巨大な岩が突如投げ込まれる。いち早く察した佐久間が蓮也を押して避けさせた。

「くっせぇ血の匂いがすると思ったら吸血鬼か!」

 岩の上に身長 2m を超える大男が現れた。

「コイツは屍人ではない?」

「くっ……」

「くたばってもらうぜ!」

 岩を持ち上げ振り上げる大男、軽々と振り回して二人に襲い掛かる。

「誰だお前は!」

「知りたければ自分から名乗りな!」

 蓮也の問いをはねのける大男。

「蓮也、話を聞くタイプじゃないぞこいつは!」

「ちっ!」

 大きく飛んで下がる蓮也、佐久間は前に出て両足を恐竜のような足を持つヒクイドリに、両腕をグリズリーに変形させる。

 敵は大岩を担ぐ、その形は細長く湾曲している。

「ホキャアアアアアアアアアアッ!」

 大岩を投げつける敵、しゃがんで回避する佐久間、一気に間合いをつけてヒクイドリの足爪で攻撃する。

「佐久間さん後ろ!」

「何!?」

 湾曲した大岩はブーメランのように戻って来る。一瞬隙を見せた佐久間に敵が襲い掛かる。それを見ていた蓮也はとっさに刀を投げた。

「!!」

 大岩と刀が激突、火花が散る。軌道を変えた大岩は林の大木に突き刺さった。

「ホギャアアッ!」

 空中縦回転から爪攻撃を繰り出す敵。円の動きで側面に回避した佐久間はカランビットナイフを投げつけて敵の肩に突き刺した。更に上から蹴りで押し込む。

「ウギャアアアアッ」

「これであのバカでかいブーメランは投げられんだろう?」

 蓮也は意志を持つかのように戻ってきた刀を手に、襲い掛かって来る屍人猿を斬り伏せていく。徐々に蓮也の髪は白くなり眼は赤みを帯び刀身に熱が宿り出す。

「体が軽い、力が漲る!」

 動きを加速させていく蓮也、斬られた屍人猿は傷口から炎上する。

「チッ……キャキャキャキャキャキャッ!」

 飛び上がって枝に上る敵、叫び声で合図すると屍人猿は一斉に引いていく。

「貴様らの顔覚えたぞ!!」

 木を飛び移って去っていく敵。蓮也と佐久間は追わずに戦闘態勢のまま待った。

「顔を覚えたぞ何て捨て台詞を吐いてやがるが……奴の姿匂いは捕らえた。狩られる側になったんだアイツは」

「それにしてもあの猿どもはここで何をしていたんですかね」

「調査するか……山の上の上醍醐も調べよう」

「はい」

***

―洛庵高校 放課後

 白峰霄はクラスメイトの山根妃羅莉と別れバスで蓮也の示した場所に向かっていた。

「すぅーはぁー」「クンクンクーン」「ハッハッハッハ……」

 バスの乗客は異常に鼻息が荒かった。

 次のバス停で座席は全て埋まり全員が鼻息を荒くしていた。

「……(客の様子が何かおかしい、視線を感じる)」

「クククーン!もう我慢できない!!親分この子齧っていいよね?」

 よだれを垂れ流したタンクトップの男がバスの運転手に話しかける。

「トンネルに入るまで待て」

「!!」

 稲荷山トンネルに入るバス、その瞬間乗客全員が立ち上がる。

「うっ……」

 急停車するバス、霄は手すりを掴んで耐えた。

「極上の獲物だ……俺が味見するまでお前たちは待て」

 運転手が立ち上がり上着を脱ぎ捨てる。徐々に犬に似た姿に変わっていく。

「犬?狼?」

「ここはトンネル、現実との境目になりやすい場所。俺の結界でこのトンネルは地獄と化した。じっくりたっぷり嬲りつくしてやるぞ吸血鬼のメス!」

「はっ!」

 霄はカバンで窓ガラスをたたき割って外に飛び出る。後を追って犬人間がぞろぞろとでて囲みを作った。

「(またトンネル……源藤高雅の時と同じ……)」

「 1 対 21 だ、どうあがいても餌になるしかないぞ!クククククク!!」

「(だけど今回は他に巻き込んだ人は居ない)」

 霄は目に魔力を集中させ、一気にレーザービームの方に放って薙ぎ払う。次に背から魔力の炎めいた羽を出現させて火のついた犬人間に突進。

「 WAOOOOOOOOOOOONN! 」

 立ちふさがる犬人間。霄は急上昇しながら蹴り上げ炎の羽から炎弾を撃ち込む。 5 人が吹き飛んだ。

「やりやがったな!あまりにうまそうなメスなんで油断しちまったぜ!!」

「(全員を相手にしていられない、トンネルから出なければ)」

 足を炎の爪にかえ更に加速する霄、髪は銀髪に眼は真紅に変わる。

「追え!!なんとしても捕らえろ!!」

 霄は背中の羽から火の粉を散らし追って来る犬人間に浴びせる。

「ぎゃおん!」「わぎゃん!」「ぐえあっ!」

 触れた瞬間小爆発を起こして転倒させる。

 トンネルの出口で幕のようなものを突き破る霄、外に出ると大きな炎弾を溜めて待機。出てきた集団に向かって放つ。

「ウガアアアアアアアッ!!」

 霄はそのまま飛行して道路わきの茂みに飛び込む。爆発を見た人々が車を降りて集まって来るのを見計らって走る。

「ここから蓮也さんの指定した場所では 1 ㎞もない……」

 全力疾走する霄、ショートカットで塀を飛び越え屋根を走り畑を横断する。改装中の古いマンション横の小屋に到着する霄。小雨が降ってきたので軒下に移動する。

「……」

 携帯を触って時間を潰す霄ニュースサイトを見る。

『北海道札幌市のテレビ塔周辺で連続爆発事故、テロの可能性も』

「……テロ、北海道で?」

 ニュースの画像を見てつぶやく霄。大きな黒煙が札幌市内中に上がっていた。

「白峰」

 蓮也の声がして慌てて振り返る霄。

「待たせたな」

「いえ」

「雨も降ってきた、中に入ろうか」

「はい」

 小屋の中はほとんど物が無かった。小さなテーブルとイス、ノートパソコンにマットレス、蓮也のカバンだけであった。

「カバンはどうしたんだ白峰?」

「実は……」

 霄は稲荷山トンネルであった出来事を話した。

「そうか……災難だったな」

「……」

「しばらくは家の物に送り迎えしてもらったらどうだ?」

「そんな恥ずかしい事……それよりも蓮也さん話って何?」

「……俺は吸血鬼の集団と一緒に行動してる。そして強くなるために力がいるんだ」

「吸血鬼の集団!?誰なんだその者たちは!」

「黒谷ジークベルトが立ち上げた集団。白峰の血縁者である華月さんが蘇った」

「え……」

 眩暈を起こす霄。

「しっかりして欲しい白峰」

 華奢な霄の肩を掴んで支える蓮也。

「お母さんに言わなきゃ……こんな事私にはどうにも……」

「ダメだ白峰!雪名さんは教会の奥深い碁盤の目町の塔に閉じ込められている。言って話せばもう外に出られなくなるぞ!!」

「吸血鬼を頼ってどうなるんだ蓮也さん?私たちは人間社会に生きてる者なのよ?」

「白峰、お前は強くなりたいって言ってたじゃないか。当主にふさわしくなりたいと。俺と一緒に来るんだ」

「戦えっていうの?源藤高雅とか訳の分からない敵と……もっと強くなってからじゃないとわたしは……駄目なんだ!」

「強くなるのにうってつけの人が華月さんだろう?白峰家歴代最強と言われたらしいじゃないか」

「やめて!ききたくない!!」

 蓮也を押しのける霄。

「私がなりたいのはお母さんのような当主……みんなみんな似ているからといって先代と私を比べて……お母さんと先代も比べて……何が歴代最強か!あっけなく滅ぼされて白峰家は没落した!今更復活してなんなんだ!!」

 涙を流しながら叫ぶ霄。

「聞いてくれ白峰!」

「いや!」

「霄!!」

 腕をつかむ蓮也。

「離して……」

「お願いだ聞いてくれ霄……もう二度とお前をあんな目に合わせたくないんだ。守ってやりたいし強くなって欲しいんだ」

 ゆっくりと引き寄せて抱きしめる蓮也。軽く抵抗する仕草を見せたが霄はそのままもたれかかった。

「落ち着いたら移動しよう。教会は信用できない理由は華月さんが教えてくれる」

「門限は 19 時……それまでに戻らないと吉良と須原が……」

「分かってる。それまでに帰すよ」

 しばらくして小屋から出る二人。蓮也はバイクのエンジンをかける。

「後ろに乗るんだ霄」

「あの……」

 スカートを抑える霄。

「そうか……なら俺の予備のジャージを履けばいい、小屋の机の横のカバンに入ってる」

「ありがとう」

 スカートの下にジャージを履いた霄が小屋から出てくる。

「じゃあ行くぞ、しっかり捕まってるんだ」

 ヘルメットを渡す蓮也。後ろの座席に乗ってしがみついた霄を確認すると発車させる。

続く






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Last updated  Sep 20, 2020 10:18:07 PM コメントを書く
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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