未完成のブログ

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Nov 22, 2020
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カテゴリ: オリジナル

VAMPIREEYE88 「三獣」

―白峰家

 長女・霄、次女・吹雪、三女・霞に加え使用人の三人ワーウルフ・吉良伝左衛門、人造人間・須原登流、マーマン・水元来海、計六人が居間に揃っていた。

「水元、どうして碁盤の目町に入れなくなったのか説明して」

 霄は水元に視線を向けていった。

「それが……突然だったの。雪名さまの為に夏の新作服を買いに地上に出たら戻れなくなっててねー、最近皆来ないなーとは思ってたけど一方通行になっていたとは気が付かなったの」

 水元は頭をかきながら申し訳なさそうに作り笑いをして言った。

「……霄ちゃんなんか変わりました?相変わらず可愛いけど、壊れそうなガラス細工のような危うさがあったのがちょっと消えてる強さを感じる」

 水元に言葉に全員が頷いた。

「私の事はいい!心配してくれてるのは分かっていたが自分で解決するしかなかったんだ。それが少しだけ良い方に向かって……それだけだ!」

「ああ……雪名さまにこの事をすぐにでも教えて差し上げたい……」

「私の事はもういいだろう、碁盤の目町の事だ!」

「それねーどうしましょうか…… 24 の結界もそうですが強力なセキュリティで守られた隔壁もありますし中から完全にロックされたら核爆弾でも破壊できないですよ。ハッキングした所で結界の方をどうするのかって話ですし。雪名さまが本気を出せば内側から結界をぶち破ってくれそうですけど連絡の手段もないですし」

「隔壁 24 枚に 24 の結界……」

「厄介な事に交互に設置されてるじゃないですか。物理的にも魔力的にも強い構造で更に警備も厳しい」

「入れなくなったのは我々だけなのか?」

「わからない……ただ物資の出入りはあるみたい」

 吹雪が言った。

「何がきっかけなんだろうね」

 霞が言った。

「先週は入れた……」

 吹雪が言った。

「木城紫蓮さんと一緒に入ったのが最後。木城二郎くんと速水恭一くんの制服は田口さんが用意してくれたからわたしは入ってない。今日入れなくなった事に気が付いたの。任務のやり取りは碁盤目町との専用回線でしてるから……」

「先週は入れた……と。その頃何か起きた事と言えば……?」

 水元の一言の後全員が霄に視線を向けすぐに逸らす。

「……源藤高雅に襲われた事件だ」

「あー……あの事件不可解ですよね……教会の執行人が突然あんな行動に出るなんて。締め出される前に調べてたんですがどうもハッキリしなくて。教会側が隠したがってるようにも思えましたよ。雪名さまも気にしておられました」

「吹雪、教会のトップ二人とは連絡とれないのか?」

「ええ……連絡はいつも向こうからだけなの姉さん」

「……」

 霄は華月の話を思い出していた。

「(やはり白峰家にとっての真の敵は教会のトップ二人陰陽師・葛野忍と大天狗・長門顕彰になるのか。しかし……)」

 華月の事を皆に話をするのはまだ早いと考えている。

「霄ちゃん?」「姉さん?」「霄姉ちゃん?」「霄さま?」「ソラさま?」

「なんでもない……」

「教会の動きが分からない状態です、お嬢様方一人での行動は控えて頂いた方がよろしいかと」

 吉良は眼鏡を上げながら言った。吉良はワーウルフゆえに嗅覚が鋭かった。霄の制服からかすかに覚えのある香りと知らない香りが付いていた事が気になっていた。

「(あの香り……雪名様に相談したいところですが……)」

「私たち使用人がそれぞれ付くのはどうかしら?学校の中までは無理だけど」

「それがイイナ!」

 水元の提案に須原が頷いた。

「では明日からお嬢様たちを車でそれぞれの学校に送り迎えさせていただきます」

「待て吉良!」

 霄が机に手をついて叫んだ。

「どうしましたか?」

 待てと叫んでみたものの、霄は次の言葉が出てこなかった。華月と会い、蓮也と行動し調査をする予定だから付いてくるなと言えなかった。

「明日は……まだいい。明後日からにしよう」

「はて?理由は分かりかねますが?」

「学校の友人と約束があるのだ」

「それならば終わってから連絡をください我々が迎えに行きますので」

「……そうだな、そうしよう」

 その様子を三女・霞は首をかしげて眺めていた。

「霄様をこの私吉良が、吹雪様を須原、霞様を水元でよろしいかな?」

「ウム」「いいよ」

「教会の任務は……どうすれば?」

「陰陽師・葛野忍や大天狗・長門顕彰と連絡が取れないのならば受けるべきではないと思います」

 水元はハッキリとした口調で吹雪に言った。

「お屋敷の結界とセキュリティも強化しておきましょう」

「ねぇ来海ちゃん」

 霞が水元に声をかける。

「お父さんには連絡取れないのかな?こういう時どうしたらいいか教えてくれるかも?」

「蔵人さまですか……そうですね連絡を取ってみましょうか」

 水元の声には蔵人に対する態度が表れていた。白峰家に仕える家の中で人間側の者は教会に入った時に全て離れていった事もあって良い印象はない為である。蔵人の子神家も離れ今は奈良に移り住んでいる。

「あとね、来海ちゃん、あたしは家の事とかよく知らないから色んな人に聞いて回りたい。だから一緒に付いてきて、教えて?ね?」

「え?あ、はい?かすみちゃんがそう言うならいいですけど(思いついたら即行動なところ雪名さまそっくりでビックリしたぁ)」

 霄と吹雪は霞が一番次の当主にふさわしいと考えている。しかし碁盤の目町に閉じ込められる事になる為、自分が当主になり家族が普通の人生を送って欲しいと願っている。

 霞は霞で、姉二人と母・雪名を自由にしたいと考えている。

***

 ―ロンドン

 伸ばした自分の手が見えないほどの濃霧が一ヶ月以上続いている。原因は不明、霧の中に潜む存在は無差別に生物を襲いロンドンは死の街と化していた。

 警察、軍が出動するも事態の収拾には至らず生存者の救出が精一杯であった。

 霧の薄いロンドン郊外にあるシェルターの外で紅茶を飲んでくつろいでいるロングコートの男。名前は白峰蔵人。携帯電話の着信に気づき取り出す。

「ん?白峰家からか、珍しいな」

『お父さん?霞だよー!』

「ああ、お父さんだ。霞、どうかしたのか?」

『あたしんちの皆、碁盤の目町に入れなくなっちゃった。どうしよう?』

「なんだと……」

 蔵人は少し考え……

「お父さんもそっちに行こう、木城紫蓮にも話をしておく」

『木城のおじさん?何で??』

「きっと力になってくれるはずだ。無茶な事はしないで待っているんだぞ」

『分かった。お父さんお仕事はいいの?』

「もう解決できる所まで来ている、後は最後の詰めだけだ」

『そうなんだ、じゃあいつ頃になるの?』

「そうだな……一週間後になるかな。それまでおとなしくしているんだぞ」

『もう、あたしは平気だって!お姉ちゃんと霄お姉ちゃんの方がおとなしくしてないよ』

「はは、そうかもな。じゃあまた何かあったらすぐに連絡するんだぞ?」

『うん分かった、じゃあまたねお父さん』

 霞との通話が切れた。

「(この携帯の番号は教会が用意した物。雪名しか番号は知らなかったはずだがな)」

「ヘイ、クラウド!」

 後ろから体格のいい浅黒い肌の男性が話しかけてきた。腰には 2 本の斧、脇と胸には銃を装着している。

「何かあったのか?」

「ああ、緊急の用事だベル。今週中に片付けて故郷に帰るぞ」

「ホウ、そいつはグッドな提案だ。丁度オレの娘の誕生日が来週でな!」

「何勝手な事言ってんのさ」

 クラシックドレスを思わせる衣服に装甲を取り付けた姿の女性がふわりと上から降りてきた。肩にはアサルトライフルを背負っている。

「そいつはアタイが言おうとしてたんだよ。いい加減終わらせる時なのさ」

「ジュン……」

「吾輩も新作のゲームが来週発売されるので……」

 続いてあらわれたのはクラシックな西洋鎧を思わせる装備を着込んだ人物。

「アロンソ……」

「さぁ、魔王退治と行こうぜ!!」

 体格のいいベルが叫んだ。

「ああ、行こう」

***

―京都西部にある廃工場

「阿呆が!しくじりやがって!!」

3 枚刃のブーメランを弄びながら橡(つるばみ)全吉が言った。彼の周囲にはグレイのパーカーを着た獰猛な化け猿達が牙を剥きながら眺めている。醍醐寺で蓮也と佐久間が遭遇した者たちである。

「ああん?テメェだっておめおめとやられて帰ってきたんじゃねえのか?」

 六角棍を振って叫ぶ妖蛇の巳島。

「ホント阿呆だなお前は!俺たち魔猿部隊はキッチリ『清掃』の仕事を終えたんだよ!偶然奴らと遭遇しただけでな。お前の仕事はあのクソ坊主大熊我們の殺害もしくは拉致だったんだぜ?」

「邪魔が無ければやれてたんだ!サルガキが、ちょっと特別な力を授かっただけの狒々がこの俺に偉そうな口を利くんじゃねぇ」

「古ければ偉いなんてのはもう今の世では妖の間でも通じないぜオッサン!灰色の軍勢【グレイズ】に居たいのなら結果を出しな、大将が来るまでにな」

「ケケケー!まぁそう虐めてやるなよ橡」

 大勢の妖鳥類が止まっている梁から降りてきたのは青鈍(あおにび)砂羽。嵐山公園で二郎たちに襲い掛かってきた者。

「クククク……」

 化け犬らを率いて奥から現れたのは稲荷山トンネルで霄を襲った皀(くり)八太であった。

「まぁまぁまぁ仲良くやろうぜ。オッサンは神獣の力を大将から授かってねえんだ協力してやらないとな。俺だってまだ大将に言われた仕事の途中だしよぉ」

「確か皀は『仕掛け』担当か……その様子だと順調そうだな」

 狒々の橡が言った。

「ああ、橡の言う通り順調だ。後は伏見区を回るだけだな。大将が来る明日には間に合うさ、青鈍はどうだ?」

 化け犬の皀が言った。

「俺も『兵隊集め』をもう少しやっておくか……ところで金で雇われた吸血鬼ハンター『様』はどこに行った?」

 青鷺火の青鈍は鋭い目つきで周囲を見渡す。

「今日は見てない」「ああ、俺も匂いを感じてねぇ」

「信用できんなあの男、源藤高雅とかいったか?」

「だが吸血鬼退治にかける執念は異常だった、仕事はやるんじゃないか?」

「教会とやらではかなりの実力者だと大将は言っていた」

「今は特にあの男に用はない、放っておくか」

「そうだな」

 青鈍(青鷺火)、皀(化け犬)、橡(狒々)の三人が話しているのを睨む巳島。

「オイ!無視するんじゃねぇ!!」

「なんだ?クソ坊主を狩りに行くのにまた兵隊を借りたいってのか?」

 青鈍は肩をすくめて言った。

「雑魚はいらん!俺の足手まといにならないような奴を貸せ!!」

「言うじゃないか!」「調子にのるなよ!」「ハ、次は無いって分かってるんだろうな?」

「テメェらの誰かが来いや!」

 巳島は六角棍を回しながら叫ぶ。

「イキるなよ蛇のオッサン!」

「ナメてんのはテメェだろうがサルガキ!!」

「オッサン!サイバネの半グレとつるんでるのがそんなに偉いってか!?俺と、皀と青鈍は人間の弱い者いじめなんてしてイキってきたお前とは違うんだよ阿呆が!大将と一緒に修羅場を潜って生き残ってきた。だから神獣の力を授かったのだ!!」

「黙れシュラアッ!」

 飛び掛かる巳島。橡は三枚刃のブーメランで受け止め同時に蹴りを入れる。

「言って分からんのなら、格の違いを見せてやる!『ヒースグレイパワー』」

 橡の全身から煙が噴出し巳島を吹き飛ばす。煙は橡を包み込んでいく。そして現れたのは巨大化し腕の長い青紫灰色の魔猿。指から生える爪は一本一本が大きく鋭く鈍い光を放っていた。

「シャシャー!」

 蛇化した腕を伸ばして棍で突いてくる巳島。それを橡は右手の爪で一薙ぎする。

「何っ!」

 合金製の六角棍が野菜でも切るようにバラバラに切断される。

「さぁどうする?まだ来るならその棒と同じ姿になるが?」

 瞬時に巳島の背後に回り首に爪を突きつける橡。

「チッ!まだ奥の手はあるぞ……」

「やめとくんだな、それはクソ坊主相手に使え。なぁに心配すんな、俺たちとしても大将が来るまでに仕事は終わらせておきたい。フォローはする」

「じゃあ武器を用意しろ。今テメェがブッ壊した代わりのモノをな」

「こっちだ付いて来い」

 橡は青紫灰色の魔猿姿のまま巳島を連れていく。

「(この蛇はどうせ使い捨ての駒だ。大将の目指す先にある国にこういう輩はいらない。どのみち排除される、精々こき使ってやる)」

 橡は鋭い爪で巳島を引き裂きたくなる衝動を抑えながら武器庫コンテナへ案内する。

続く






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Last updated  Nov 22, 2020 09:18:04 PM コメントを書く
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
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