未完成のブログ

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Feb 6, 2022
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ReviveTheGunSword灰蘇の剣銃3「柄留(える)」

目の前の女性は自分の名前が分からないと言う。冗談だろ……

「冗談はよせ。名前を言いたくないのならそれでいい、それを食べたらもう会う事も無いだろうしな」

「えええーーー!!やだやだやだー!!ホントのホントに名前が分かんなくなったんだよー……記憶もあいまいだし……」

 言いながら目の前のバーガーセットにがっついている。よほど腹が減っていたのか。身なりはそれなりに高そうな物を身につけてはいるが。

「名前じゃないけどニックネームなら知ってるよ。Mって名乗ってたらしい?」

「そうか」

「もっと気にならない?ボクが何者とか??」



「それが……やらかしちゃってる可能性も無きにしも非ず……で何者か分からないまま逮捕されても納得できないしそもそもIDあるのかどうか……」

 ……コイツの存在は気になるが今はそれどころじゃない。亜瑠の事を調べなくては。

「そもそもオレはこの街の人間じゃないんだ。休みの間だけここに来てるだけだ」

「ええ~………ま、まぁでもこうして出会ったんだし何かの縁という事で……ご飯のお礼もしたいし付いていってもいい?邪魔はしないから」

「あのな、オレは妹の足取りを調べるんだ。遊びじゃないんだ勝手について来られても困る。礼なんていいからもうオレに関わるな」

「そんなぁ~……ボクには帰るところもお金も無いんだよ……せめて今日一日和音君に付いてってもいいでしょ?何か思い出すかもしれないし……」

 演技ではない事は解る。コイツは本当のことを言ってるのだろう。あの顔でじっと見つめられ泣きそうにされると……一日ぐらい連れてもいいかと思い始めた。

「仕方ないな……今日だけならいいだろう。夜になったら交番にでも行くんだな」

「うん……頑張って思い出してみる……」

 Mを伯父の瞬栄さんに診せてもいいかもしれない。家での診療ならIDもいらない。

「食べ終わったらまずはここに行く」



「おっけ!」

 ついでに秋馬原のMAPを表示させる。

「おや?和音君、ここ見て。探偵事務所あるよ、相談とかしてみたら?」

 【オータムホース・エリア2】の地図を拡大させる。Mの指さした場所に【ミラージュ探偵事務所】というのを見つけた。歩いてもそう遠くない。

「料金は……相談だけなら無料か……後で寄ってみるか」



 Mを連れて目的地の路地に向かう。Mは路地を通りたがった。『よくこうやって路地を通ってたらしい』という理由だ。MAPにも載ってない複雑に入り組んだ路地をコイツは行き来していたのか。

「ここか」

 何でも無い路地だがそれがかえって行きかう人々に全く気にされない場所だと感じた。路地の奥には小さな扉がいくつか見える。

「和音くん」

「なんだ?」

「ボクこの場所知ってるよ」

「……そうか。やけに路地に詳しいものな」

「えっとそう言うのじゃなくて……ここは何か……」

 路地を先に進んでいくM。中ほどの地点で立ち止まった。

「ここで何かあったんだよ」

「なに?」

 亜瑠が倒れていたとされる場所だ。コイツは亜瑠と関係あるとうっすら考えていたがどうやら当たりのようだ。

「亜瑠という名前に聞き覚えはあるか?」

「アル?……えっと……聞き覚えがある気がするけど……誰?」

「妹の名前だ。オレはオマエが亜瑠と関係あるんじゃないかと考え始めてる」

「うう~ん……」

 Mは空を見上げて右掌をかざしている。

「どうした?」

「……」

 突如Mの右手に剣が出現した。オレは咄嗟に下がる。

「この場所……剣が凄いしっくりくる……って和音君!?」

「ゆっくり動けよM、じゃなければどうなっても文句言うなよ」

「あ……ゴメン……」

 剣を消すM。オレも思わず反応してしまった……

「ゴメンね和音君、キミを傷つける事なんて絶対ないから!これはその……ボクは剣の他に銃も出せるんだ」

 Mは右手に銃を出現させて自らのこめかみに押し当てた。

「なんだそれは、サイバネか?」

「よく分からないけど……便利ガジェット?かな。指輪をつけたら出来るようになって」

「指輪?」

 Mは両手を広げて見せるがそんなものは何処にも無い。

「え?見えないの?ボクの両手中指についてる指輪だよ?触ってみて」

 Mの指に触れるが肌の感触だけで指輪の存在は確認できなかった。

「意味が分からないな」

「ボクもだよ……でもホントにこの指輪から剣と銃が出るんだよ」

「まだ一般に出回ってない技術なのかもな。ますますオマエが何者か分からなくなったな」

「ホントにね……ところで和音君、一瞬物凄い殺気感じたんだけど和音君こそ普通じゃないっぽい?」

「気にするな……それよりM警戒しろ」「え?」

 路地の間からゾロゾロと出てきたのは……また虎仮面の連中だ。

「その女を渡してもらおうかイケメン野郎!!」「G/Tに逆らわない方がいいぞ?」

「ち、路地をふさがれたな。オレが突破するついて来いよM」「あ、ちょっと!」

「テメェ!!」

 正面に3人、後ろに2人。オレは大きく息を吸い込んで一気に吐き出した。

「オオオオオオオオオオオッ!!」

「ぐああああっ!!」「げほおおっ!!」「うぐああああっ!!」

 オレの咆哮で吹き飛んで壁に張りつけになる3人。

「M!」「おっとっとー!」

 手を引いて走る。追いかけてくる2人には壊れて放置されていた電動自転車を投げつける。2人は派手に転倒した。

「すっごー!和音君強いんだねー!!」「いいから走れ!!」

 表通りに出る。面倒な奴らを巻くには……

「和音君!あっちの路地に入ろう!それから右に入って左に進んで……」

「走りながらナビしてくれ、行くぞ」

 Mの指示に従い路地を進んでいく。狭い螺旋階段を昇ると表通りからは見えないバルコニーに出た。

「多分ここまでは追ってこれないはずだよ」「よし……」

 かなりの速度で走ったがコイツは息切れもせずに涼しい顔をしている。

「オマエ狙われてるのか」

「そうみたいだね……何でかわかんないけど。昨日の事と関係あるかな?」

「話してくれ」

 Mの話を聞く。コイツは昨夜三角ビルの屋上でDMCと呼ばれる連中とトラブルがあった。
 バスの乗客の話だとDMCの連中とさっきのG/Tは敵対しているとの事だ。

「……実は元G/Tのメンバーで抜けたオマエを攫いに来たとかじゃないのか?」

「えー!?」

「昨日の夜オマエの姿を見てDMCはいきなり仕掛けてきたのだろ?どちらにせよオマエは両グループと関わり合いがあったんだ」

「……そうなのかな、そんな気もする」

「とりあえず探偵事務所に行ってみるか」

「うん。じゃあそこから降りよ」

 建物から張られたワイヤー、金属のハンガーを使ってジップラインで降りていくM。

「なんだ?このワイヤー洗濯用じゃないな明らかにジップラインを意識して張られている……」

「和音君早くー!」

 ジップラインで降りると有刺鉄線の金網が行く手を遮った。オレは一呼吸して有刺鉄線に手を掛けて両側に広げた。

「和音君痛くないの!?」

「……少し変わった体質なんだよオレは」

 超人的な力に気が付いたのは中学2年の時だった。下校中暴走トラックが俺と亜瑠の目の前に飛び込んできた。オレは咄嗟に亜瑠を抱えて飛んで避けた。気が付くと民家の屋根に乗っていた。その日から同じ夢を度々見るようになった。

 目の前にある光の剣を手に取りたくてひたすら追いかける。それと龍が空へと上がっていく夢だ。

 親父とお袋、じいちゃんに相談したところ諸田家には時々そう言った力を持った者が出現するらしいと。それからは意識して力を制御しだした。

 Mに付いて路地を抜ける。通りに出ると目的の探偵事務所が見えた。
 周囲にはG/Tはいない。

 ビル1階のテナントに探偵事務所はあった。中に居るのは二人。

「ミラージュ探偵事務所にようこそ」

 受付の女性が声をかけてきた。名札には下柳景織子(しもやなぎきょうこ)と記されている。奥に居る老人は数秒だけこちらを見てすぐに端末で作業を再開する。

「あの、相談したいことがありまして」

「はい、お伺いします。お急ぎの依頼でしたら今は対応しきれませんがそれでもよろしいですか?所長と探偵の両名は不在でして申し訳ありません」

「いつ頃戻られますか?」

「何とも言えません。只今掛かっている依頼を済ませてからになりますので」

「そうですか……では相談内容だけ記して今日の所は帰ります」

「分かりました、ではこちらのタブレットに記入お願いします」

 タブレットに亜瑠の事とMの事を打ち込んで探偵事務所を後にした。

「あの受付の人爆乳で可愛かったね」

「……」

「和音君!無視しないでよ!!」

「悪い、これからどうしたものかと考えててな……」

「困ったね……手分けして情報集めようにもボクは携帯持ってないし……」

 携帯……
 そうか、携帯だ。亜瑠の携帯を調べれば何か分かるかもしれない。もう一度病院に戻って亜瑠の携帯を取りに行くか。ついでにMに極安のレンタル携帯を持たせるのもいい。

「M、秋馬第一区に行くぞ。まずは妹の携帯を取りに行く。そのあと1週間のレンタル携帯をオマエに持たせてやる。オレの子機扱いだからIDの無いオマエはネットには繋げられないがカメラ画像もメッセージもオレに送れるからなそれでいいだろ」

「え!いいの!!ありがとう和音君!!はぁ~~~マジ天使王子様……」

「そのかわりしっかり働いてもらうぞ?レンタル携帯持ち逃げは無理だからなオレの携帯で追跡可能だしいつでもシャットダウンできる」

「だいじょうぶだよ!!」

 レンタル携帯は親が幼い子供に持たせたり高齢者に持たせるものだ。ネットがID制になってからはこれを使う犯罪者が増えたとニュースで言っていたが道具は使うもの次第。
 刀を持っていたとしても人を傷つけるかどうかは別問題の様に。

 G/Tの連中に出会うと面倒なのでタクシーで病院に向かった。Mを病院の駐車場にあるバス待合所で待たせて亜瑠の携帯を取りに行く。相変わらず寝ているようにしか見えなかった。

 病院の中にある携帯通信機サービスの出張所でレンタル子機を契約して待合所に向かう。Mは鼻歌を歌いながら空を見ていた。

「ほら、持ってきたぞ。それと……オマエの名前Mでは何かと不便だからな。柄留(える)で登録しておいたぞ」

「わーい!わーい!!ボクの携帯だぁ!!!」

 大げさに飛び跳ねている。

「それとボクの名前(仮)……物凄くイイ!!エヘヘヘヘヘ……柄留かぁ……記憶が戻ってもずっと柄留でいたいなぁ~」

「そいつは良かった」

 コイツの顔を思い浮かべて仮名を決めた。
 柄留という名前は双子である俺が女で生まれていたらつけられてた名前だ。亜瑠が男だったら涼音(すずね)という名前だったらしい。

「さて……」

 早速亜瑠の携帯を調べる。双子の妹のものとは言え流石に気が引けたが今の所これしか手掛かりは無い。

「まずは着信履歴とメッセージのチェックだな」

 オレに亜瑠のIDは使えない為ネットの履歴は見れない。それでも通話とメッセージに何か残ってるはずだ。

「ん?……この電話番号は……」

 見覚えがあった。これは……刑事の比留山陶子のだ。名刺を取り出して確認する。

「他には……」

 3件同じ番号の履歴があった。比留山刑事の他に3件の番号をメモしておく。

「警察か……柄留はまだ関わりたくないんだったな」

「うん、もうちょっと記憶戻ってからがいいかな。その人に会うんだったらボクは離れて待機しておくよ」

「まずは比留山刑事に連絡してみる。それから何をするか決めるぞ」

「和音君、メッセージは見ないの?」

 これから確認しようとしていたところ柄留が急かすように言ってきた。何か気になるのか?

「そんなに顔を近づけるな。見えにくいだろ」

「いいじゃん見せてよー」 

「なんだコレは……」

 メッセージフォルダを開くと暗号化されたコードが書き込まれていた。

「……困ったな」

 他のメッセージフォルダにも同じようにコードが書き込まれていた。亜瑠はこのメッセージの送り主と頻繁にやり取りしてた形跡がある。

「和音君、ボクこのコード見た事あるよ……」

「解読できるか?」

「うう~ん……見た事あるんだけど内容が分かんない……漢字とかアルファベット知ってても単語読めないみたいな?」

「どこで見たことあるか思い出せるか?」

「えっとね……うーん……白い所で見たような?」

「白い所だと?」

続く





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Last updated  Feb 6, 2022 10:56:05 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
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久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
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