未完成のブログ

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Mar 13, 2022
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ReviveTheGunSword灰蘇の剣銃7「菊一文字則宗」

 柄留をマスドから連れ出してタクシーを拾う。
 目立つ格好で大声をあげて泣かれては落ち着いて話もできない。

「いいよ和音君、ボクは覚悟完了してるよ」

「……なんの覚悟だ」

「だってほらぁ……その……」

「伯父の家に向かってるだけだぞ?瞬栄伯父さんは夜まで戻ってこないからな」

「!?」

「??」



「さぁ入ってくれ」「うん……」

 風呂場に案内してやる。汚れた服は全自動洗濯機に放り込んで着替えは前に亜瑠が置いていった寝巻とタオルをかごに入れて脱衣所に置いてやった。

「キレイにしてくるからね」

「??ああ、石鹸とシャンプーは適当に使えよ」

 柄留の様子が何か急におかしい。亜瑠の顔と同じだったのが堪えたのだろうか?まだ見せるには早かったか?だがいつまでも隠すわけにはいかない。

 今のうちにオレの方で整理をしておくか。

 Mの正体は不明。亜瑠はMと関りがある。
 Mは守山探偵事務所で亡くなった前所長・徳三氏に依頼もしくは相談していた。
 Mの後ろ姿の写真を兜金蒐魅はウェビングに張り付けていた。

 兜金蒐魅はAH探偵事務所とG/Tの大河と関係している人物。
 兜金蒐魅はグレイブラスターを持っていた。本人だけが使用できる武器。


 柄留は兜金蒐魅のグレイブラスターを使える。
 柄留は謎の剣と鞘を所持している。これは亜瑠かMの持ち物の可能性はある。

 柄留は亜瑠ではない。妹は病院で意識不明状態。
 Mの可能性はある。
 兜金蒐魅の可能性もある。



『急患の手術が入ったから今日は帰宅できない。ご飯は適当にヨロシク』

 柄留の事を説明しなくて済みそうだ。それにアイツもここに置いてやれる。

「かずねくん……」

 柄留の声がした。振り返ると髪を解いたバスタオル姿の柄留が立っていた。

「着替えあっただろう?気に入らなかったか?」

「……どうせすぐ脱ぐんだし」

「そうか(まぁ洗濯完了までそんなに掛からないが)」

「もしかして着た方が……かずねくんは良かった?」

「そりゃそうだろう早く着てこい」

 戻っていく柄留。
 アイツにも解りやすいように図を書いてやろう。

 着替えを終えた柄留はオレのすぐ隣に座った。

「おい、そっちに座れ。すぐ始めるぞ」

「え、うん……」

 座れと言ったのだが柄留はソファに仰向けに寝転がった。

「いいよかずねくん」

「何してるんだ、情報の整理を始めるぞ」

「……」

「ん?」

 両手で顔を抑えて塞ぎこむ柄留。耳まで赤くなっている。

「何やってんだ柄留」

「……ちょっとまって、今ヤバい顔してるから」

「ん?」

「もうーーーーーー!!」

「おい、ひっくり返った虫みたいな動きしてないで座れ」

 しばらく妙な動きをしていた柄留は徐々に落ち着きぎこちない作り笑いを浮かべながらオレの顔を見てきた。

「あのね和音君……」

「……落ち着いたか?これでも飲め」

 フルーツ牛乳をコップに入れてやる。

「もう大丈夫だよ……」「よし」

 携帯のデータをタブレットに移して柄留に見せてやる。

「おおー……」

「お前の話とオレの聞いてきた話を合わせてまとめた。何か気になるところはあるか?」

「うーん……えっとねー……この怪人キャリバーってのが気になる」

「ほう、何故だ?」

「七曲キョウヤが聞いてきたんだよ。キャリバーって知ってるかって。後なんだっけ……兜金蒐魅しかグレイブラスターを使えないしGウェポンを作れないとか」

「……怪人キャリバーと兜金蒐魅は関係あるのか」

「多分……詳しい事知りたければG/Tの所に来いってさ」

「……怪人キャリバーはこの大企業ISEMIの専務、鈴村功太朗だとされて逮捕されている」

 週刊誌とニュース記事を見せてやる。

「むー……どういう事?大企業の専務とギャングなんて繋がりなさそうだけど」

「この事件については守山探偵事務所に聞くのがいいだろうな。そう言えば柄留……お前徳三さんがどうとか言ってたこと無かったか?」

「うん!とくぞーさんはボクが目を覚まして会った人だよ。ボクをMって呼んだの」

「それはおかしいぞ」「なんで?」

「守山徳三氏は先週に亡くなっている。お前が会うはずないんだよ」

 守山徳三氏の写真を柄留に見せる。

「嘘だよー!とくぞーさんにこのカードの場所教えてもらったんだから!!」

 傷だらけのICカードを見せる柄留。

「……どういう事だ」

「ボクに言われても……あ、じゃああのとくぞーさんはそっくりさんだったとか?」

「だれが何のためにわざわざ変装してお前にカードの場所を教えるんだ?」

「うーんと……黒幕?」

「……なんの黒幕だ。だが、記憶の無いお前がMと呼ばれて徳三氏を思い出したのは確かだ。その時記憶の幻影でカードの事を思い出したんじゃないか?」

「う~ん……そうかもしれない……」

「お前の記憶にMは少し残っていたんだな。まだお前がM本人かその関係者かは解らない。判っているのは守山探偵事務所とMは繋がっている事だ」

「ふむふむー……なるほど。じゃあ兜金蒐魅と守山探偵事務所の繋がりは?」

「今の所確認できてない。Mの正体を知るのが一番かもな」

「Mって妹ちゃんじゃないのかな?そんで、ボクが兜金蒐魅……?」

「今の所そう考えるのが一番しっくりくるな。なんの確証もないが」

「そうなると……Mと兜金蒐魅は組んでた可能性がある?ウェビングにもMの後ろ姿写真あるし」

「何か訳があって兜金蒐魅は亜瑠の顔に変えることになった……のか?」

「何の為だろう……」

「……」

 しばらく資料を見つめる。柄留も眉間に皺を寄せながら見ている。

「解らないことだらけだー」

「そうだな……しかし確実に進んでいる。お前とMと兜金蒐魅の事を調べれば亜瑠の足取りも解ってくるはずだからな」

「次はどうするの和音君?」

「明日、守山探偵事務所に二人で行くぞ」

「わかった!」

 疲れたのか柄留はソファに仰向けに寝転がる。

「寝ていていいぞ柄留。洗濯終わったら教えてやるから」

「うん……色々あって疲れちゃった、ちょっと寝かせてもらうね」

 ―30分後、洗濯の終わりを告げるアラーム音が聞こえたが柄留は起こさないでおいた。
 爆睡している、このまま夕飯まで寝かせてやろう。

 夕方になって柄留が目を覚ました。

「あれ……良い匂い……ここどこだっけ……和音君の所だ!」

「ようやく目を覚ましたか。あまりに爆睡してたから放っておいたぞ」

「ええー……ボク変な寝言とか言ってなかった?」

「言ってなかったな、大きな口をあけてだらしない寝姿だったぞ」

「あー!酷い!!」

「さぁ夕飯だぞ。こっちに座れ柄留」

 ソファから起き上がってキッチンのテーブルに着く柄留。

「めちゃくちゃおいしそうー!!和音君が作ってくれたんだよね!?」

「ああ、焼鮭とねぎの味噌汁、だし巻き卵にほうれん草のおひたしだ」

「いただきまーす!」

 左手で箸を持ってだし巻き卵にがっつく柄留。

「お前左利きだったのか?」

「え?……別にそういうわけじゃないけど?右でもお箸使えるよ?」

「そうか別に大したことじゃない」

「ふーん……」

 柄留は白飯と味噌汁をおかわりした。

「ごちそうさまー!めちゃくちゃおいしかったー……」

「そうか作りがいがあった」

 食器を洗うために台所に行く。柄留にはTVを見せておく。リモコンを触ってチャンネルを頻繁に変えているのが見える。

「ねぇ和音くーん」

「なんだ?」

「普段は何をしているの?」

「学生だからな、学校に行ってる」

「ふーん……じゃあ家では?」

「刀の資料を眺めたりトレーニングしたりだな。休日は鍛冶場に行ってる」

「刀……和音君の家って鍛冶屋かなにかなの?」

「ああ、刀鍛冶の家だ」

「和音君、刀のお話聞かせて。ほら、ボクは奇妙な剣と鞘もってるから何か記憶を呼び覚ますきっかけになるかもしれないしそれに……和音君の事もっと知りたいんだよ」

「いいが語りだしたら長くなるぞ?」

「うん、大丈夫。TVつまんないし」

 洗い物を終えた後、自分の荷物から普段持ち歩いている刀の資料をリビングに持って来る。写真付きの古い本だ。祖父から親父、オレに渡っているもの。

「ねぇ、これは?」

「それは……菊一文字則宗(きくいちもんじのりむね)だ」

「これすっごい……はぁぁぁぁぁ……」

 目を輝かせて写真と資料を眺めている柄留。
 亜瑠も最初に魅かれたのは菊一文字則宗だった。

「よっと……できるかな……」

 例の不気味な生物的な鞘と剣を出現させる柄留。資料を見ながら剣に手を掛けた。

「ぬぬぬぬぬぬ……」

 柄は消え剥き出しの茎(なかご)に変化した。徐々に鞘から抜いていく柄留。

「ぬぬぬぬー……どうだぁ!!」

 磨き上げた鋼色をした刀剣を出現させる。

「見せてみろ」

 ……形は菊一文字則宗にはなっている。

「どうかな和音君?」

「そうだな……その辺の模造刀とほぼ変わらない」

「ええ~……模造刀レベルかぁ……」

「妹の亜瑠が菊一文字則宗を目指して作ったのがこれだ」

 亜瑠の作った刀の写真と動画を見せる。

「……う、確かに妹ちゃんのに比べたらボクのは全然だね」

 出現させた刀と亜瑠の写真動画を見比べている。

「ん?」

 亜瑠の携帯にメッセージが入った。確認すると―

「また読めないコードのメッセージだな……」

「ホントだ。なんなんだろうね……あ、そうだ和音君がこの鞘と剣で菊一文字則宗に挑戦してみてよ」

「む……オレにそれを扱えるのか?」

「どうだろう?やってみたら??」

 柄留の作った模造刀菊一文字則宗を手に取り鞘に入れていく。

「あ、ああう……」

「おい、変な声だすな……」

「だって……なんかぞわぞわするんだよー……」

「大丈夫なのか?」

「多分……」

 オレは柄留の反応を見ながら鞘に納めた刀身に意識を集中する。

「ああっ!ああああうううっ!!」

 柄留が仰け反って体を振るわせている。

「……やっぱりやめた方がいいな。お前の反応が尋常じゃない」

「はぁはぁ……いきなりはちょっと無理みたい。慣らしていかないとね……」

「汗が凄いぞ?」

「ホントだ……この鞘と剣はもうしまうね」

 その後柄留と資料を見ながら刀の話を日付が変わる頃までした。舟をこいで意識がもうろうとしていたので布団を出そうとすると柄留は「ソファでいいよ」と言い放ちタオルケットに包まって寝てしまった。

 リビングの電気を常夜灯に変えてシャワーを浴びた。出てきた後柄留の寝息を確認し荷物を置いている六畳の和室で横になった。

 ―いつの間にか意識は落ち眠りについていた。
 夢を見た。鍛冶場で誰かが刀を鍛えてる。龍が空を飛んでいる。

 翌朝、顔を洗ってリビングに向かうと柄留は大の字になってよだれを垂らして寝ていた。
 カーテンを開けて起こしてやる。

「んぁぁぁ……おはよー和音君……」

続く





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Last updated  Mar 13, 2022 10:36:31 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
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