未完成のブログ

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Jul 10, 2022
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ReviveTheGunSword灰蘇の剣銃15「思惑・動き」

 暗い部屋で一人男は呟く。

 ―――――――。

 ……グレイブラスター。なぜあれがあんな女に? 

 唯一、兜金蒐魅が使用できるはずでは無かったか?

 そもそも兜金蒐魅も使いこなしてるとは言えなかった。俺ならもっと最適に真の性能を引き出して使いこなして見せる。

キャリバーの姿を見た時に確信した。

 グレイブラスターは世界を変える程の力を持つ。想像力、発想力、判断力を兼ね備えた者でなければあれは只の便利な銃だ。

 俺がグレイブラスターを直接使えないのなら、導けばいい、懇願すればいい、洗脳すればいい。兜金蒐魅を思うように操ることができればそれはグレイブラスターを手に入れた事と同じ。



 〇〇ー〇・〇〇〇〇!

 ことごとく俺と兜金蒐魅の邪魔し続けた!彼女と共に姿を消した!!

 俺は必死に探した。兜金蒐魅の行方を!グレイブラスターを!!

 そんな時にあのバカ女がグレイブラスターをチラつかせて現れた。

 本物か偽者か確かめる必要なんて無かった。一目見ただけで解る。

 手に入れなければ……一緒に居る男は邪魔だ消えてもらうしかない。


 ***

 身動きが取れずに横になっている女。

 ―――――――。

 まただ。誰かが剣と鞘を使用した。

 相変わらず私は何もできない。周囲で起きていることも解らないし、あれからどのくらい時間が経ったのかも知らない。



 ……それならそれでいいけど私をどうにかしろっての。

 ……ん?でもよく考えたらおかしい。剣と鞘の状態が解るって事は私との契約は破棄されてない。

 私は今自分の状態が解らない。昏睡状態なのか?これは夢の中なのかな?

 起きたら忘れるのかな?そういえば最後の記憶は……

 あれ?今さっきまで頭の中にあったのに消えた。夢の記憶が消えるようにスッと……



 あのバカの名前が思い出せない。顔はハッキリしてるのに。

 私の名前は何だっけ? 嘘、思い出せない……

 剣と鞘を使ってる人、どうか気を付けて。

 それは便利なんか武器じゃない。アクマなんだから……



 ***

 大理石で出来た浴槽に浸かり天井を見上げる若者。

 ―――――――。

 飽き。唐突にそれは訪れた。

 勉強も部活もやればできてしまう。家も裕福で不自由など無い。

 周囲と違う事は小学生に上がる時に気が付いた。

 私は他人の考えている事が何となく感じ取れる。だから思うように操れる。両親もクラスメイトも男子も女子も教師も大人もならず者も。

 思うように出来てしまえば刺激を求めてしまうのは当然。だから中学に上がる時には私が絶対支配する組織を作りあげありとあらゆる事に手を付けた。

 私がやっていけない事など無い。この世界は私の遊技場だ。怖いものなど無いと思っていた。あの女に出会うまでは。

 あの女は異質すぎた。
 嘘で誤魔化せない、誘導できない、洗脳できない。

 ――ああ。魔女というものはあの女のような存在を言うのだ。

 それでも私にはプライドがあった。どうにかして魔女を屈服させたかった。周囲の人間を使い思いつく限りの事をさせてた。数にものを言わせ蹂躙出来ると思った。

 ――だけど。あの魔女には通用しなかった。

 私の動かせる人間の力なんてたかが知れていた。圧倒的上位者の存在の前には無力。そして魔女はあろうことか私を褒めたのだ。

 才能を活かして欲しい。共に世界を変えようじゃないかと。

 誘いを断る理由は私にはなかった。

 魔女についていけば退屈からは解放されると確信したからだ。

***

 デスクで書類に記入をしている者。

 ―――――――。

 人生は順調だった。子供のころから目標を立て努力して達成していった。

 周囲の期待には応えてたし、なにより憧れていた職業に就くことが出来て嬉しかった。

 コミュニケーション力はある方とは言えない。だが、知識と手先の器用さは誰にも負ける気はしない。
 細かい調整の他はロボットに任せる者が増える中、自分は身一つでこなし続けた。

 そしてこの業界でそれなりの地位を得た。自分の目標は地位を得る事では無かったが出来る事は多くなる。受け入れて更に上のステージを目指す。

 切磋琢磨する良き競争相手が出来た。大いに刺激を受けお互いを磨き上げていった。下らない足の引っ張り合いをする連中など自分たちは眼中になかった。

 どうしても看過できない状況になった場合はアイツが何とかしてくれた。自分は借りをつくるのはライバルとしてフェアじゃないと考えたのでアイツの頼みを聞いてやった。

 持ちつ持たれつの関係になり生涯アイツと張り合いながら人生を送るのだと思っていた。

 ――だがアイツは……姿を消した。

 お互い家庭を持っていた。家族に行先も告げずに突然消えたのだ。

 最高の環境で最高の仕事が出来るハズではなかったのか?何故手放して消えた?

 ――数か月後、自分はアイツの居場所を突き止めた。東京の秋馬原市(オータムホースシティ)に居ると。千代田区秋葉原ではない、紛らわしい。

 ならば自分も行こう。仕事はオータムホースでも出来る、問題ない。丁度新しい経営者のご機嫌を取るのに辟易してたところだ。

 ――アイツは変わってしまった。相変わらず頭脳と腕はため息が出るほどのものだったが覇気が無くなってしまっていた。もう自分とは張り合えないと言い出す始末だ。

 それなら自分はアイツの興味を引くような仕事っぷりを見せよう。そうすれば覇気も戻るはずだ。

 【世界の為に】という共通の目標があるのだから。

***

 ソファでグラスの酒を呷る者。

 ―――――――。

 知らないままでいればどれほど幸せだったろう。知ってしまった今もう以前の私には戻れない。
 すまない……すまない……もう私はどうしようもなく変わってしまった。

 ――あの日、ボストンの街で飲んだ。ある意味到達点ともいえる職場に所属することが出来て浮かれていたのだ。日本に残してきた家族が居るというのに私はあの者についていってしまったのだ。酷く泥酔していたのでよく覚えていないが、地下に入っていった。

 そこで見たものは……想像を超えるものだった。酔いはそこで少し醒めた、似たような存在は職場で目撃していたので興味はあった。あれは不老不死をテーマに掲げた実験であったが実際は異能者モンスターを作り出すだけで不老不死には程遠いものだった。だが、目の前の案内人は生まれ直して200年以上は生きているという。案内人の話は荒唐無稽で聞き流していたが目の前で行われた儀式は私の好奇心を強く刺激した。

 口からのでまかせだと聞き流していた私の目の前で黒い大きな肉塊は、枯れた老人を飲み込み、咀嚼の後吐き出し、若く張りのある筋骨隆々の肉体へと変化させていた。

 案内人は言った。『真の完成にはあなたの力が必要となる』と。

 既に完成されているのではないか?の問いに案内人は『所詮は模倣した存在、オリジナルに到達するにはあと一歩足りない』と答えた。

 目の前の光景を目にした今、オカルト集団の戯言では片付けられなかった。そして案内人自ら黒い大きな塊に飲み込まれ……少女の姿へと生まれ変わって見せた。

「さぁ行きましょうドクター」

 彼女は何だ?悪魔か魔女か?職場には天才と評される人物が多くいたが、目の前の彼女はそれらとは全く違う異質な存在だった。ゆえに強く魅かれてしまったのだ。

 向かう先は日本の都市。そこで私は新たな人生を進むのだ。


***

 第一区の175mの市庁舎最上階に位置する市長室から六区全てを見渡せる。ダークスーツに身を包んだそこに立っているだけで緊張が走る空気を発している男が居る。

 オータムホースシティ(秋馬原)市長、大嶽秀義(おおたけひでよし)

「第六地区の開発が進んでいない……何故かな?」

「いいいやあ……その……」

 男の後ろには眼鏡の中年男性。目の前の大武秀義とは20歳以上も年上の彼は滝のような汗をハンカチで拭い続けている。

「私は無理を言っているのか?」

「滅相も無い……!これは私とその他の者の努力不足でして……」

「街を騒がせる者どもを漸く排除できたのだ。後は第六地区の不法占拠者を追い出せばいいだけではなのかな?私は彼らに十分な条件を出したのだが伝わっていないのか?」

「いえいえ、しっかりと不法占拠者共には説明しました。第五地区の工場への就職+社宅への移住。その他手続きの案内も……しかし応じたのは10%程でして……」

「ふむ……では、応じなかった不法占拠者は市民ですらない。第六区を実効支配する犯罪者共ではないかな?」

「……と思います」

「では、私の言いたいことは解るだろう?」

「は、はい……」

「いい結果を知らせてくれよ?院瀬見グループ取締役特別事業開発推進部長くん」

「はい!」

 90度に頭を下げ市長室を出る眼鏡中年男の名は鈴村影彦。

 院瀬見グループ取締役特別事業開発推進部長の肩書を持つ。キャリバー事件で既に逮捕拘留されている鈴村功太朗の弟であった。彼はエレベーターに乗ると部下に電話をかける。

「緊急対策会議だ。1時間後に行う、セッティングを頼む」『承知致しました』

 市庁舎の駐車場に待っていた車に乗り込み第一区の院瀬見ビルに向かう。


***

 ――その様子を見ていたのは七曲キョウヤ。

「やはり動くかぁ~院瀬見の鈴村影彦」

 小型スクーターで追う。

 そしてその七曲キョウヤを監視しているのは守山罅助。

「剛力君、院瀬見の車と七曲をステルスドローンで追ってくれ」『は、はい』

 守山罅助は耐衝撃繊維で編まれた黒手袋を引っ張り指に食い込ませる。

「三流のチンピラ探偵……精々泳いでくれよ」

 座席が縦に2列並んだ細長い車に乗り込む守山罅助。水陸空を移動できる世界に数台(軍用を除いて)しかない特殊車両である。

 オート運転に切り替えメールをチェックする。

『守山さん、まずはお礼を。私が保釈できたのも貴方のおかげです。例の場所で落ち合いましょう』

 罅助の特殊車両は第五地区・工場地帯へと向かう。車内でサプリを大量に摂取する。

 第五地区の発電所エリア、化学プラントエリアを通り抜け社宅が立ち並ぶ住居エリアに入る。仕事帰りの労働者たちが疲れた顔をして送迎バスから降りていくのが見えた。

 罅助の車は住宅地の入り組んだ細道を進み指定された仮設住宅の前で止まった。

「到着しました」『確認しました、どうぞ中へ』

 1階部分のガレージシャッターが上がり中に車を入れる。2階の部屋で待っていたのは筋骨隆々の彫りの深い中年男性、鈴村功太朗であった。

「保釈中の身なのでこちらからお伺いする事も出来ず申し訳ありません」

「いえ、構いません」

「早速ですが依頼の話をしても?」

「どうぞ」

***

第六地区・メインストリート

「プッフゥ~……どいつもこいつも面倒だぁ」「クソ……こいつら第六のゴミ共のくせに」

 大毛玉怪人と軟体ジャベリンの怪人がメインストリートの商店を次々襲い略奪と破壊を始めていた。

 逃げ惑う人々、そこにG/Tの仮面をつけた武装集団がトラックに乗って駆け付けた。

「あいつらはワシが相手する、お前らは周りの奴らを避難誘導せい!」「了解!!」

 運転席から降りてきたのは兜金大河。

「プッフゥー!イキリ筋肉ダルマだぁ!!」「チッ!モテるんだろうなぁ!!殺すぞ!!」

 怪人は全身の毛を膨らませ回転突進、もう一人は上半身を伸ばしてジャベリンで突く。

「ガアアアアアアッ!」

 両腕を突き出す兜金大河。目の前の毛玉怪人と軟体怪人の体が拳大の大きさで凹む。

「ブフッ」「ゲボッ」

 毛玉怪人は毛をまき散らして後方の建物に激突、軟体怪人は上半身をアスファルトに叩きつけられ仰向けのまま滑っていく。

「ガッハッハー!名付けてタイガーバスター!!何が飛んでるのかワシにもわからんが効くやろ?」

「なんだよぅ……また面倒な奴が出てきた」「あのイケメン野郎にもリベンジしなきゃなんねえのにまたムカつく奴が出て来やがった」

「テメェらには聞きたいことが山ほどある。半殺しにしたるから覚悟せえよ?」

「本気でやっちゃうよ~」「ギタギタにしてやんぜ」

 毛を伸ばす毛玉怪人、ジャベリンを手に上半身を捻じって回転する軟体怪人。

「タイガーバスター連射じゃああっ!!」

 拳のラッシュを繰り出す兜金大河。拳大の衝撃が雨あられのように毛玉怪人と軟体怪人を襲う。伸ばされた毛は木っ端微塵、ジャベリンは火花を散らしてはじけ飛ぶ。

「な……に?鋼鉄よりも硬い毛が!?」「バカな……コイツ………怪人でもない癖に」

「尋問に二人もいらんなぁ……毛玉、お前は見た目が鬱陶しいここで消えとけや」

 毛玉怪人が起き上がるよりも速く兜金大河は接近、左手で掴みかかる。

「タイガースマッシュじゃあああああっ!!」

 右手のアッパーカットを叩き込む。毛玉怪人は毛をまき散らしながら放物線を描いて商店を超えて飛んで行った。

「ウ、ウシジマー!!」

「人の心配しとる場合か?」

 軟体怪人よりも先にジャベリンを拾う大河、拾いにかかった手を串刺しにする。

「ぎゃあああ……」

「もう逃げられへんぞ、ぞんぶんに喋ってもらおうかのぉ」

続く





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Last updated  Jul 10, 2022 03:08:16 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
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