未完成のブログ

未完成のブログ

Jul 23, 2022
XML



諸田和音:学校の身体測定は手を抜いて平均程度にしている。



ReviveTheGunSword灰蘇の剣銃16「デモンズエッジ・デモンズスキャバード」

 ソギカワから得たデータを見る。

 亜瑠は【子猫ちゃん】と登録した相手とメッセージのやり取りをしていた。

 頻繁とまではいかないが、まれにメッセージのやり取りをしている。【子猫ちゃん】とは恐らく兜金蒐魅の事。

 会う約束をしているのは夏頃。そして意識不明になる一ヶ月前だ。

「このやり取り見る限り……亜瑠ちゃんと蒐魅ってただの友達っぽいよね?まるでMに繋がる何かありそうにないんだけど?」

 柄留のいう事も最もだ。メッセージのやり取りは他愛のない友達同士のやり取りばかりだ。更にデータを見ていく。

「あれ?急に蒐魅の様子が……もう会えないとか言ってる」



「このやり取りが一ヶ月前……その前に蒐魅に何かあったんだ……」

「その後、東京についた亜瑠は毎日昼頃に蒐魅と会っていたようだ」

「亜瑠ちゃんの方も何かあったのかな?やり取りのメッセージが物凄く簡素になってる」

『会える?』『うん』等の簡単なやり取りだけになっていってる。

「どこで会って何を話してたのか気になるよー」

『もう引き返せない所まで来てしまった。亜瑠はアタイの事なんか忘れて地元に帰って』

『忘れられるわけない、蒐魅が何に巻きこまれているのか大体解ってる。だから私頑張るよ全力で。何もしないで帰れない。明日、第四区の自然公園の噴水前0時に居るから』

「ここで亜瑠のメッセージも終わっている。蒐魅の既読は最後までついていない」

「ここまでのやり取りじゃあなにがなんだかだねー」

「写真のデータも見てみるか」

 食べ物の写真が多い。夏頃に蒐魅と一緒に写っているものが何枚かあった。最近の写真には……



 アイドルが着るような服だ。白が基調で顔はオレがモンタージュで描いたものと一致している。

「う~ん……ねぇ和音君、動画はどんなのがある?」

「ちょっと待て」

 動画のフォルダを新しいものから再生する。

『……さて、楽しかった日々も今日で終わりかな。ボクは使命を果たして帰る。亜瑠がボクのパートナーで良かったよ。忘れないでね、動画に残すよ』



「Mの話し方、完全にお前と同じじゃないか柄留?」

「ええ~~~~……そう……かな。でも全く覚えが無いし何も思い出さないんだけど」

「他の動画も見てみるか」

 一つ前の動画を再生する。

『ほら~蒐魅笑って』

『……』

『そんな顔の蒐魅見たくないぞー』

『ゴメン亜瑠……アタイ……』

『言いたくない、言えない事があるんだろ?いいよ別に、私だってあるよそういうの。でもね、私は蒐魅が大切だし。全部が全部嘘言わないってのは違うと思うんだ。隠し事や嘘が全部悪い事なんて私は思ってない』

『亜瑠……アタイは馬鹿だ。思い込みで落ち込んで怒って泣いて……大切な人が居るなら話し合うべきだったんだ。どうしてこんなことになったんだろう』

『私は蒐魅の味方だよ。取り巻く環境に染まることはできないけど蒐魅を救うためなら全力を尽くす』

『ありがとう亜瑠。アタイは決着をつけてくる。自分自身の手で。終わったらまた遊ぼう』

『解った!蒐魅が自分でやりたいのなら余計な事はしないよ私も自分のやるべきことはやっておく終わったら絶対に遊ぼうね!』

 亜瑠と蒐魅は肩を寄せ合って笑顔で携帯のカメラに視線を向ける。そこで動画は終わっていた。

「この動画はさっき見たメッセージの前っぽいね」

「そうだな……この動画を最後に亜瑠と蒐魅は会わなかった事になる」

「まだまだ謎だらけだね……他の動画も見てみようよ」

 次の動画を再生する。

『完璧でしょー!……え?調子に乗るなって?動画撮るなって?いいじゃんいいじゃんボクだって現代のものに触れたいんだよー。亜瑠だってボクの姿利用してんじゃんお互い様だよー』

 自撮りしながら喋っているM。場所は瞬栄さんの家のベランダだ。ここで言ったん動画を一時停止にする。

「お!おおっ!!これは手掛かりになるでは?」

「何か違和感があるな。Mと話してるはずの亜瑠の声が聞こえない」

「イヤホンか何か付けてるのかな?」

「動画配信しながらイヤホンで通話しているのか?それと気になったのは『亜瑠だってボクの姿利用してんじゃん』の部分だ。動画の続きを再生するぞ」

「うん」

 携帯を机に置くM、カメラは天井を向いている。

『……まったく、まだ録画中じゃない!ホント馬鹿なんだからミレーヌ!』

 亜瑠の顔が見え携帯を拾って録画を停止させた。

「いま!名前呼んだ!!」

「ああ、ミレーヌとな。Mとはミレーヌか、しかし何故名前を隠してたのか」

「うう~ん……」

「名前を残したくなかったのか?何か事情があるのか……近くに亜瑠が居たにもかかわらず声がしなかった事も気になる」

「ボク頭がこんがらがってきた……」

「いったん整理するか」

 亜瑠と蒐魅は昔からの友人。蒐魅は何かトラブルを抱えていた。行方不明。
 Mはミレーヌ。亜瑠と共に行動、現在行方不明。
 ミレーヌの発言から亜瑠はミレーヌの姿になることが出来たと推測。
 守山探偵事務所に顔を出していたのはミレーヌの姿を借りた亜瑠の可能性大。

「柄留、何か気になるのか?」

 一度見たミレーヌの動画を繰り返し見ている柄留。

「ミレーヌの最後の使命がどうとか言ってる動画の場所……ここってボクが最初に目を覚ましたビルの屋上っぽい」

「ほう……調べてみる必要があるな」

「和音君!もう一個気になる動画あるよ!剣と鞘が映ってる!!」

 動画を再生する。携帯を前に腰に手を当てて得意げな顔で立っているミレーヌ若しくはミレーヌの姿をした亜瑠。場所は外、周りには廃材が積み上げられている。

『デモンズエッジ!デモンズスキャバード!』

 両手を前に突き出すと剣と鞘が出現する。柄留の物と同じようだ。

『ソハヤノツルギ!』

 剣と鞘が青白い光を放つ。ゆっくりと鞘から剣を引き抜くと柄の無い茎(なかご)剥き出しの状態の刀剣が姿を現した。

『っしゃあああああああ!!』

 後方に用意されたブロックとドラム缶に向けて刀剣を投げつけた。青白い光輪となった刀剣はまるで豆腐のようにブロックとドラム缶を切り裂きミレーヌらしき女の手に戻った。

『もういっちょ!』

 再び刀剣を投げつける。今度は投げた瞬間無数の礫となりブロックとドラム缶を穴だらけにした。戻った刀身を鞘に納める女、そこで動画は終了した。

「おお~……剣と鞘はデモンズエッジ、デモンズスキャバードって名前なんだ」

「……この動画を撮ったのは亜瑠だと思われる。ミレーヌが携帯で動画を取ったのはベランダのが初めて、そして最後のメッセージのものと二つだな」

「なんでこの動画撮ったのかな?後で見返す為とか?この場所はどこかなぁ?」

「デモンズエッジ、スキャバードを後で他の者に見せるつもりだったのかもしれないな。話の流れから、ミレーヌは使命を果たせば亜瑠と別れる事になっていたと考えられる。だから言葉で説明する他に動画を残した」

「ミレーヌの使命って何なんだろうね?」

「うむ……」

 これまでこの街で見て来たものと照らし合わせる……

「やはり兜金蒐魅が鍵を握っているとオレは考える。彼女に起きたトラブルこそが亜瑠とミレーヌに繋がるはずだ」

「……蒐魅ってグレイブラスターをいつ手に入れたんだろうね?」

「……」

 柄留の言葉で気が付いた。

「蒐魅がグレイブラスターを使い出した時期とこの街で起きた事件を調べる必要があるな……もう一度蒐魅のコンテナにあったウェビングを詳しく調べる必要がある」

「撮った写真はこれだね」

 柄留が携帯でコンテナの写真を見せてくる。

 焼肉屋:水垂ミチオ
 金融業:金山轟
 弁護士事務所:山下孔
 ホスト店:八丁堀繁秀
 アダルトショップ:草蝮誠志
 イベント会社:安村磨
 ナイトクラブ:ロバート・マクマホン

 この七名には×印が付いている。

「これってさぁ蒐魅がコイツら始末したんじゃないの?焼肉店の前通ったけど臨時休業になってたしね」

「だとしても蒐魅がコイツらを狙った理由が解らない。大河が七曲に聞いてみるか」

「ええ~……G/Tと関わるの嫌だよー」

「だったらオレたちで動くしか無いな。柄留、それは危険な場所に足を突っ込むという事だが理解してるか?」

「うん?全然オッケー和音君こそ大丈夫?」

「平気だが?」

「ボクと違って和音君は家族とか色々迷惑かけるんじゃないかなーって」

「心配するな、手はある」

「ふぅーん……」

 口をとがらせて瞬きをしている柄留。理解できていないのだろう。オレがその気になればどこまで出来るのか知らないのだから。

「柄留、デモンズエッジ・スキャバードでソヤハノツルギ出せるか?」

「ちょっと待ってね……」

 柄留はタブレットでソハヤノツルギの資料を漁り出した。デモンズエッジ・スキャバードでの錬成は理解することが大事だと解ってきているからだ。

「理解とイメージ……理解とイメージ……」

 柄留がつぶやいている。亜瑠がデモンズエッジ・スキャバードを使いこなせたことは納得できる。あいつはオレと競うようにありとあらゆる刀剣の知識をインプットしていた。

 ミレーヌが何者かまだ解らないが、亜瑠と手を組んだのは正解だったのだろう。もしくは引き寄せの力で亜瑠の方からミレーヌを引き寄せたのかもしれない。

「よーし!いくよ!!デモンズエッジ!!デモンズスキャバード!!」

 やたらとデカい声で叫ぶ柄留。剣と鞘を出現させる。心成しか剣と鞘に艶が出た気がする。そして柄留は目を閉じて構える。

「ソハヤノツルギ!!」

 ゆっくりと鞘から刀身を引き抜く柄留。青白く輝き柄は茎(なかご)の状態に変化する。

「出来た!!」

「使えそうか?」

「ボクより和音君が使った方がいいかも」

 柄留から形成したソハヤノツルギを受け取る。オレはペットボトルを手にベランダに出る。柄留は後をついて見ている。

「フン!」

 全力でペットボトルを空中に投げる。そしてソヤハノツルギを構えて投げつけた。

 亜瑠の動画とは違いソヤハノツルギは一瞬でペットボトルを粉微塵に切り裂き次の瞬間オレの手に戻ってきていた。

「……」

「え!すごい和音君!!」


「……やはり龍とソハヤノツルギは相性がいいらしい。オレはコイツを意のままに操ることが出来そうだ」 

「他にも和音君がいい感じに使えそうな剣つくれるかなぁ」

「ソハヤノツルギは投擲の伝説が多い刀。ならばもう一つ作るのなら違う性質をもった刀」

「えっと……」

 タブレットで資料をまた漁りだす柄留。童子切を表示させた。

「これってどうだろう……実際に博物館とかにあるわけだけど」

「逸話や伝説は実際にある物と同じとは限らない。デモンズエッジ・スキャバードは博物館と同じ童子切を作るものじゃないだろう?」

「えっと……多分。望んだ剣を作り出せるものだと思う」

「ならば後世に語り継がれる逸話伝説を上乗せした最強の童子切をイメージして作れ。今博物館にあるあの童子切は形だ」

「うまくいくかなぁ……ソハヤノツルギは動画で一回見てるのもあるし自分でどんなものか強くイメージできたからいけた気がする」

「オレがやろうか?」

「ええ~……でも前みたいにお腹が辛くなるかも。和音君の意識が強すぎるせいかもしれないけど」

「なるほどな……ならお前の思い描く童子切を作ってみろ。上手くいかなくても良い」

 再び大きな声で叫ぶ柄留。毎回叫ばれては困るのだがコイツにとって重要なプリショットルーティーンなら仕方ない。
 必死の形相で刀を形成する柄留。見た目はほぼ完ぺきな童子切が出現した。

「どうだい和音君!」

「ふむ」

 手に取ってみる。柄は白鞘のものだが仕方ない。刀身は薄く緑に光っている。机に置いてあるペットボトルに先を当てると吸い込まれるように突き刺さった。殆ど抵抗はなく、ペットボトルはほんのわずかに揺れただけだった。

「どうかな?」

「これなら実際の鬼でも切れそうだな。いい出来だ」

「これで怪人とかもっとヤバいの来ても大丈夫だね、ボクのグレイブラスターと合わせれば無敵だよ!」

「もっとヤバいのだと?」

「例えばえっと……エイリアンとか?」

「そこは鬼とか悪魔じゃないのか………エイリアンとは変わってるな」

「そうだね~だってほらグレイブラスターって……」

「ん?」

「……わかんない!なんとなくエイリアンヤバいって思ったの!」

「そうか」

 デモンズエッジ・スキャバードの検証はこのくらいにして柄留が気になっている屋上へと向かう事にする。蒐魅のバイクは目立つため家に置いて行く。

「お二人さん、何処に出かけるんだ?」

 家の前に黒いフードを被った男が立っていた。

続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Jul 23, 2022 11:26:46 PM
コメントを書く
[ReviveTheGunSword:灰蘇の剣銃] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Free Space

Profile

長月(ながつき)

長月(ながつき)

Calendar

Archives

Oct , 2026
Sep , 2026
Aug , 2026
Jul , 2026
Jun , 2026
May , 2026
Apr , 2026
Mar , 2026
Feb , 2026
Jan , 2026

Comments

長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

Favorite Blog

まだ登録されていません

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: