未完成のブログ

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Sep 5, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその25

 ユウ達は一度撤退し東京のマンションの最上階にあるギルドに戻っていた。

「ユウさん、防弾装備の準備できていますよ」

 財団の女が言った。

「ありがとう」

 台車で運ばれてきた防弾プロテクターとヘルメットを確認するユウ達。

「超軽量の素材で造られた軍用装備です。財団が東京で活動する際に準備していたものですどうぞ」

「召喚防具が使えない状況でもこれを着けてれば少しは安心できるね」

「ダンジョンつーよりかあの場所は戦場だしな。いつもと違った装備で挑まなきゃな」



 装備を着けていくユウ達。

「そういえば兜金柄留さんはどこに?」

「ああ、彼女は今シャワー中です」

 財団の女がそう言うと奥の浴室から兜金柄留が出てきた。

「ふーさっぱりした……あ」

 濡れた髪にタオルを当てながらそのままの姿で出てきた柄留。

「やば……」

 その場の空気が固まったことを察した柄留は申し訳程度に体を隠しながらムーンウォークめいて後ずさりして浴室に戻っていく。

「えへへ……どもども……気ゆるみすぎてた」

 舌をぺろりとみせてバスタオルを巻いた柄留が出てきた。

「着替え着替えっと」



「こほん……まぁ今のはなかったことにして……始めまして兜金柄留でーす!」

 固まっているユウとハオラン。肩をすくめるドウェインに笑いをこらえている桃色桜、あきれ顔の財団の女。

「そこの少年、お兄さん! ボクの体を見て忘れられないのはわかるけど一旦忘れよう、ほらあっちのソファに座って話しよ」

 柄留は無意味に側転をしてソファに勢いよく座る。

「ほらぁ」



「は!?」

「大丈夫大丈夫、空砲だし。少年勇者にハイエナ獣人武道家にドクターに愛来薔薇(メグルージュ)ちゃんのママだね?」

「え、あ、はい」

「座って座って、お話しよ?」

 マイペースな柄留に戸惑いながらユウ達は新宿御苑のダンジョンについて話した。

「弾丸飛び交うダンジョンねー……確かにボク向けだわ。ステルス迷彩もそんなに長い時間は無理だけど着けてあげられるよ」

 柄留はまた唐突に銃を撃ちスタンドライトに命中させる。するとスタンドライトは壊れることなく徐々に透明化して全員の目の前から姿を消した。

「多分1発3分くらい持つかな? ボクも疲れるし無駄撃ちはあんまり出来ないケド」

「いや、凄いけどさっきからパンパン軽く銃撃ちすぎじゃね?」ハオランが言った。

「え? 別に良いでしょ? グレイブラスターは只の銃じゃないしボクの体の一部のようなもんだし危ない弾は込めてないし」

「いやいやいや」

「生まれた時からボクはグレイブラスターと共にあるんだよ。他にもデモンズエッジ・スキャバードとかも。キミの爪や牙と何も変わんないよ」

「俺の獣人姿見た事あるのか」

「資料でさっき見たよパーティー全員分のね」

「そうか。で、アンタが全弾飛び交う戦場向きってのはその特殊な銃があるからか?」

「半分は正解。グレイブラスターは弾丸作成だけでなくって銃作成もできるんだよ。使い捨てになるけど簡易版グレイブラスターを誰でも持てる」

「俺たちがその銃を持てば楽々攻略できるってそういう事か?」

「いや~それはまぁ……どっちかというとボクには弾が当たらない事の方が大きい理由のような。グレイブラスターと一体化してるボクにはありとあらゆる弾とされてるものが当たらないんだ。理由は知らない造った本人はもういないし」

「は? そんな出鱈目な……」

「判定微妙な弾は当たるけど軽減される感じかな? 水鉄砲の水とか……そういうの」

「銃使いってより……魔法使いに近いんだね」桃色桜が言った。

「そうなの! 流石愛来薔薇ちゃんのママ!! 弾丸はボクが知らないもの理解できないものは造れないし効果によっては長持ちしないんだ」

「あ、じゃあ俺の【狼の銃士】に簡易版グレイブラスターっての持たせられる!?」

「うん、いけるよ。素材になる銃は用意しといてね?プラスチックのモデルガンとかだとすぐ壊れるから見た目よりも頑丈さ優先でお願い。無かったら鉄パイプとかでいいから」

「そんなんでいけるんだ……」

「そだよ、それが強みっていうか……ボクじゃなくてこれを作ったグレイキャリバーってのはやる気になれば1週間でオータムホースの住民全員兵にして簡易版持たせる事もできたっぽい」

「え」

「簡単で強烈な思考を植え付ける弾丸を最初の一人に撃ち込んでその弾丸を込めた簡易版で撃たせて……を繰り返せば……すぐらしい。宗教団体とか大企業のトップにグレイブラスターを最初に持たせればすぐに実行できたんだけどしなかったんだって」

「ちょっと怖すぎるんだけどその銃」

「だよね? ボクもそう思うし前の持ち主もそう思ってた。グレイキャリバーが前の持ち主を選んだ理由は『魂の波長』が合ったからなんだって。その子が極悪人でも私利私欲の塊でも快楽主義者でも無かった。純粋な怒りと守りたいものの為に自分を投げだせる覚悟があって挫けない……そういう子」

「怖い銃なのに何か……」ユウはじっとグレイブラスターを見つめる。

「グレイキャリバーってのは不屈の精神を持つ革命家とか叛逆者とかそういったのが好みだったわけね」桃色桜が言った。

「で、前の持ち主はどうなったんだ?」ハオランが言った。

「死んじゃった。グレイキャリバーとのシンクロ率が上がりすぎて人間を辞める寸前の所でその子の親友が止めに入って相打ちでね。親友の子も生死の境をさまよった。あと一日止めるのが遅かったらグレイキャリバーに飲み込まれてたし更に1週間放って置いたらオータムホースはキャリバーの軍勢に支配された街になってたはずだよ。ある意味平和になると言えばそうなんだけど……」

「君は大丈夫なのかね?」ドウェインが言った。

「うん、もう一つの力が中和して別の魂になってるし大丈夫」

「ふむ……もう一つの力とは先ほど少し触れたデモンズエッジ・スキャバードかね?」

「そう! 流石ドクタードウェイン頭いい! 剣の白魔女ミレーヌ・ジンデルがもってたデモンズエッジ・スキャバードのおかげ!」

「君がグレイブラスターとデモンズエッジ・スキャバードを所持してるのは……キャリバーと白魔女の対決後何があったんだね?」

「えっと……説明が難しいんだけど白魔女側が頑張ってグレイキャリバーと適合者の分離をなんとかしようとしてちょっとうまくいかなくて……ボクが偶然生まれたんだ」

「なんと……」「え!」「は!?」「ふむ」

「だからボク実年齢1歳なんだよね……えへへ」

 胸を張って頭を掻く柄留。

「宇宙人と白魔女と人間の魂が合わさってるのがボク」

「非常に興味深いな……姿形は三者の誰に一番似ているのかね?」ドウェインが柄留の目を見て言った。

「それが……この姿はその三者誰でもないんですよねー……生死の境を彷徨うほど頑張って助けようとした適合者の親友の女の子にそっくりなんだー」

「益々興味深い……君はオータムホースシティの警察という事だが」

「うん、そのおかげでまぁまぁ快適にすごせてます。ボクはあまりに特殊だから実験動物にされそうだったし実際そうなりかけたっぽいけど」

 全員が言葉を失う。

「しんみりしないで。ボクは今の生活気に入ってるし好きな人もいるし気の合う相棒もいるし上司は厳しいけど理解あるやり手だし暗くなる事なんてなにもないから!」

「柄留さん……」ユウは顔を近づける柄留に照れながら言った。

「ダンジョン攻略しちゃうよー!」

***

 新宿御苑に到着するユウ一行。
 大勢の警備ロボを眺める柄留。

「は~なるほどね~……火炎放射装備の警備ロボがあんなに沢山……ユウくん、アイツらってダンジョン消えたら居なくなるの?」

「多分……消えますね。場合によっては何か別の形で残るかもですが」

「じゃあ無視して突入しよう。気を付けることはある?」

「恐らくだけど入ったらランダムでダンジョンのどこかに現れるんだ。前回入った時パーティー全員少し離れた場所に出たから」

「それは面倒だね」

「ハオランが匂い辿ってくれたおかげで皆と合流してホムラちゃんを救出出来たので」

「そっか、じゃあ入ったら下手に動かずにハオランくん待ちがいいのかな?」

「あの……出来たらでいいんだけど柄留さんが敵に気づかれないようにマーカー弾とか出来るだけ着けてって欲しい」

「おっけ~もし見つかったら全力で騒ぎにならないように倒すよ」

「お願い」

「前回侵入した時にホムラちゃんのデータとあーしのマッピングで簡単な地図作っておいたからみんな一人一枚持っていきな。アナログは慣れないだろうけど傾いている高層ビルがあっただろ?そいつを見て方角を合わせながら地図を確認すればいい」

「ありがとう才賀」革製の地図を受けとる。

「それとこの骨も渡しておく、地図に乗せると現在地が解るよ」

 桃色桜は小さな指の骨を全員に渡す。

「助かるよ」

「私からはこれを」ドウェインは小さなスプレー缶をカバンから取り出す。

「救急スプレーだ応急処置に使ってくれ」

「離れ離れになる事が分かっているからありがたいよ」

「最後にボクがみんなに閃光弾が入った簡易グレイブラスターミニを渡しておくね」

 柄留は手のひらに収まるサイズのデリンジャーを4人に渡す。黒と白とグレーのモザイク模様の奇妙な銃だった。

「2発撃てるよ。威力もそれなりにあるからもしもの時にも使って」

「了解」

 柄留のステルス迷彩弾で全員透明化してダンジョンに突入する。


「ん?」

 ユウは式典などが行われるようなホールに出た。壇上には縛られ棒に張りつけられた人が何十人と見える。

「なんて事だ……あの虫機械兵士あんなことまでするのか」

 ユウからは聞こえないが虫機械兵同士が何かを話すと壇上の袖から勲章を大量に取り付けた軍服の男が出てきた。そして縛られている人々の顔を覗き込む。

「チガウ! コイツもチガウ!」

 そういうと懐から取り出した拳銃で縛られている人を撃った。

「何っ!」

 ユウは柱の影から飛び出しそうになるが何とかこらえて周囲を見渡す。ホールにいる虫機械兵は50体以上は居る。

「どうしたら……まずはホールから出るべきかな……」

 そっと蛇の暗殺者を着装し足音を立てずに出口を探す。階段を降り温度感知で敵が居ないのを確認して扉を開けると目の前には傾いた高層ビルが見えた。

「あれは……地図と骨で確認しよう」

 地図を広げ骨を置くとユウは傾いたビルの6時の方向に居ると確認できた。

「ホムラちゃんを見つけたのがここから2時の方向……じゃあ虫機械兵の巡回円の中心はこの近くになるのか……」

 ハオランが見つけやすくするために屋外に出たが現在地が敵が多い。

「ユウ君聞こえるか……?」


 声がした。ドウェインがホールから少し離れた物陰で囁いている。蛇の暗殺者の超感覚で聞き取ることができた。

「よかった……」

 素早く物陰に隠れながらユウはドウェインの元に移動する。

「ステルス迷彩弾の時間切れになる前に合流出来て良かった……」

「君が蛇の暗殺者を装備してくれてて良かったよ。いくらステルス迷彩弾で透明化していても物音は消せないからな。敵の数が多くて動けなかった……ざっと見た所虫機械兵は大隊規模の数だぞ」

「見つかったら面倒な事になるね。洞窟型のダンジョンなら少しずつ相手にできるんだけど今回は開けた箱庭型だしね」

「ここは幸いにも風上だハオラン君も探しやすいだろう。ステルス迷彩弾の時間がある間はしばらくここで様子見だ下手に動き回らないほうがいい」

「うん、一応【怪盗コウモリ】をタイミングを見て飛ばしてみようかな」

「敵の警戒レベルが上がらなければ良いがこのままじっとしているのも勿体無いか」

「混乱させるのもいいかもしれない。ホールで殺されてる人たちを見た。これ以上奴らに好き勝手させたくない」

「ふむ……ではこういうのはどうか。怪盗コウモリにスイカ爆弾のカードを持たせて探索、才賀君やハオラン君や柄留君が見つかれば良し、見当たらなければ適当に敵を空爆して敵の注意を惹かせよう」

「それでいこう! 怪盗コウモリにスイカ爆弾のカードを持たせるよ。遠隔発動で100発は召喚して落とせるはず」

 ユウが準備をしていると10時の方向で大きな爆発音、視線をやると大きなキノコ雲が上がっていた。

「なんだあれ……」

***

「やっちゃったやっちゃった! みつかったものしょうがないよね?」

 純白で肉々しい鞘と剣のデモンズエッジ・スキャバードに跨って空を飛ぶ柄留。地上から柄留に向かって放たれる銃弾の雨あられ。虫機械兵はアサルトライフルや拳銃を装備している。

「撃っても無駄当たらない! ボクの方からはドカンともう一発いくよー!」

 グレイブラスターの銃口からペットボトル大の砲弾が出現。

「エルボムカッター!」

 砲弾を虫機械兵のいる足元に炸裂させる。まばゆい閃光と共にキノコ雲があがり周囲10メートル程を完全に焼き払った。

「ジャジャッジャー!」

 飛行タイプの虫機械兵が近くの建物から3体飛び出してくる。

「そこ!」

 マグナム弾に匹敵する弾丸を腰だめで撃つ柄留。火花を散らして虫機械兵の頭部装甲が吹っ飛ぶ。

「硬い! じゃあこれだ!」

 後ろから接近してくる虫機械兵をトンボ返りで回避して緑光のプラズマ弾を背中に打ち込む。衝突で光の爆発が起き虫機械兵の体を円形にえぐり取った。

「ビンゴ! オータムホースの企業兵みたいに電磁バリアー張ってないからプラズマ弾が効く!!」


続く





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Last updated  Sep 5, 2024 03:53:52 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
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