未完成のブログ

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Aug 26, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその24

「サイガ・メグルージュ、感謝します」

 アリナはワゴン車の中で静かに言った。

「改まってどうしたの?」

「わたしは貴女の容姿を見てどこか侮っていました」

「そりゃしょーがなくない? ママリスペクトでこんな格好してるからアタシの事に関してフィルター掛かるのは当然っしょ」

「これまでの経験と統計で判断してしまいました。最初から貴女の立ち振る舞いを見ていれば失礼な思考をせずに済んだはずです」

「アリナさん真面目過ぎー! いや真面目なのが悪い事じゃないけどもうちょっと楽に接していいよ。相棒の『えるえる』なんてアリナさんと真逆なんだから」

「えるえるとは……兜金柄留の事ですか」



「……兜金柄留の事も色眼鏡で見ないようにします」

「あー……まぁあの子は裏表無さ過ぎというか合う人と合わない人ハッキリしすぎというか……馬鹿っぽいけど賢いからアリナさんのように真面目で正直者は合うかもね」

「そうですか」

「うん、絶対大丈夫。嘘つきやいいかげんな人間はえるえるも嫌うから、アリナさんはうまく付き合えるよ」

 アリナと愛来薔薇の会話を聞いているフローレンスと哿。アリナの緊張がほぐれていく事に驚いていた。

「オータムホースの特殊警察のエリートって肩書に納得しました」

 フローレンスが言った。

「アリナは人付き合いが得意な方ではありません。悪気はなくても相手を警戒させたり誤解されたりはよくある事なのです。アリナの力を見た後は皆距離を置きます愛来薔薇さんは自然に接してくれます流石です」

「いやいや誉め過ぎだよフローレンスさん。アタシはそんな大層なもんじゃないよこの性格もママの影響だし成りたい自分を描いて無理してるだけかもよ?」

「なりたい自分を描いて行使できるのは凄い事ですよ」と哿。

「素の自分を認めなくないだけっていうかまぁ……やりだしたら続けるしかないみたいな?」



「……そっか、ちょっと安心したかも。TMIのエージェントとエリート中のエリートだから一緒に作戦うまく出来るかなって考えてたけど……Uチームは思ってたより普通の子たちだったわ。といっても哿さんとアタシ歳かわんないか」

「サイガ・メグルージュ、貴女は非凡な存在です。わたし達がここまで打ち解けることはそうそうありません」アリナが言った。

「恥ずかしいね。でも仲良くなって悪い事なんてないこれからもよろしく!」

***

――新宿南側、新宿御宛



 ランニングを日課としている男が足踏みをしながら見えない壁に触りながら言った。

「鉄拳制裁」

 何も見えない御苑の壁から突如警備ロボが出現し男を殴りつけた。

「ぐがあ……」

「新宿御苑は封鎖中です。侵入者は排除します」

「ひいいいいい!」

 鼻血を出しながら逃げていく男。

「封鎖中封鎖中」

 次々と警備ロボが新宿御苑から出現する。外周を全て囲む数の警備ロボ。

「オイオイオイ! こんなに大量の警備ロボ見た事ねえって!」

「何が起きてんだよ?」

 新宿御苑の周囲の人々が騒ぎ出す。

「新宿御苑はテロリストに占拠されました。現在立ち入り禁止です」

 警備ロボが言った。しかしこれらはダンジョンで生成された偽の警備ロボ。

「聞いてねえって! 勝手に封鎖すんじゃねーよポンコツが!」

 生身に見えるサイバネ改造した若者が警備ロボに殴りかかる。油圧式のピストンパンチでこれまで地下サイバネボクシングで何十人も病院送りにしてきた彼は自信に満ち溢れていた。

「公務執行妨害です! 排除します」

 殴られ転倒した警備ロボの隣のロボが言った。胸のハッチが開き火炎放射器が出現。

「マジかよ!?」

 それが若者の最後の言葉になった。猛烈な火炎放射で黒焦げとなった。

「排除します」「排除します」「排除します」

 警備ロボたちは一斉に火炎放射の準備をする。

「うわあああああああっ」「逃げろおおおおおおお!」

 混乱が広がる新宿御苑の周囲。外から見るに中は何も起きてない様子。しかし透明の壁の中はダンジョンと化しユウ達が攻略中であった。

***

 新宿御苑ダンジョン内はまるで違う光景が広がっていた。空襲を受けたように崩れかけたビル群。鳴り響く銃声、まるで市街地の戦争地区のようであった。

「クマ……」

 穴の開いた壁の建物の中に幼い少女が座り込んでいる。鏡面仕上げの銀色に輝く奇妙なクマのぬいぐるみを見つめている。

「おばあちゃんは言ってた、よく考え学べば成長できる。大変な事も乗り越えられる」

 クマの瞳にデータが表示される。

「光ネットに接続……むり。外との連絡手段は今の所ない……」

 クマは融けたように崩れ始め姿を変え少女の体に張り付き雨合羽のようになる。

「……ステルス迷彩起動。これでとりあえずまわりを見る」

 建物からそっと出る少女。目の前を4輪駆動のオフロード車が走っていく。乗っていたのは異形頭の兵士たち。銃頭、トンカチ頭、時計頭など。

「あれは何?」

 雨合羽クマを使ってスキャン。心音が無い事から生物ではないと判断する。

「ロボット?」

 通りの方を除くとこの場に似つかわしくない姿をした一団が見えた。ユウ達である。

「救助に来た人たち? どうだろう」

 黄色い武闘家っぽい服を着た男が鼻を鳴らしながらこちらに接近してくる。

「おおーい……子供だろ隠れているのは? 匂いで解るぞ。救出に来たんだ」

「どうしよう、出てみようか。知らない大人は信用してはいけない、だけどこのままではいけない」

 祖母からプレゼントされたクマを肌身離さず持っていてよかったと少女は思った。

「怖がってるのかー?大丈夫、あっちの少年勇者ユウを見ろよ? 何処をどう見てもヒーローだろ?」

 少女は足音を消しながら黄色い服の男ハオランの横を通り過ぎてユウの目の前に行く。

「ねぇお兄ちゃんは何者?」

 ステルス迷彩を解いて姿を現わす少女。

「おっと、びっくりした! こんにちは俺はユウ・シーア! 君のお名前は?」

「……ホムラ」

「お父さんかお母さんは一緒じゃないの?」

「タロウさん……運転手のおじさんと一緒だったけど御苑の前で待ってるの。あたしは御苑に粘菌を取りに来たの。お母さんはお家で仕事してる……」

「お家は近いの?」

「うん、車で5分のマンション」

「苗字……お家にいるお母さんの名前は?」

「釜戸ショウコ。でもね、ちょっと前に苗字変わったのお父さんが死んじゃって」

「そうなんだ……辛かったね」

「ううん、お父さんの記憶殆どないから寂しくないよ。おばあちゃんが良くしてくれたし毎日おかあさんに内緒でクマをつかって連絡とってるの」

「そっか……おばあちゃんは何処にいるの?」

「オータムホースシティ……おばあちゃんのお名前は神名燐火……」

「神名……」

「うん、だからね本当はあたしも神名ホムラなんだっておばあちゃんが言ってた」

 ユウはハオラン、ドウェイン、才賀桃色桜(ピンクピーチ)の顔を見る。

「神名のお嬢さんだとはな……」「ふむ……」「ん?確か院瀬見の役員じゃなかったかな神名燐火って」

「お兄ちゃん達は何?」

 ユウ達を見つめるホムラ。

「シーア財団に所属する勇者パーティーだよ。信用してもいいおばあちゃん……神名燐火さんにも聞いてみるといいよ」

「そうする、でも外に出ないと……ネットも繋がらないし」

「だよねー……他に見かけた人はいないかい?」

「いない、あたしだけ」

「そっかじゃあ一旦ホムラちゃんを外まで送るよ」

「さ、俺がおぶってやるよ」ハオランがしゃがむ。

「大丈夫、クマに乗るから」

 ステルス雨合羽は1mほどのクマの姿になり後頭部からハンドルが飛び出す。

「すげぇ何だこれ?」

「スライム……おばあちゃんがあたしにプレゼントしてくれたの名前はクマ」

「これが神名の最新技術かぁ……」

 見つめる才賀桃色桜。

「あまりおしゃべりしてる暇はなさそうだ」

 ドウェインが眼鏡を触りながら言った。

 迷彩柄の軍服を着てる異形頭達の姿が見えた。

「アイツらはこちらを見つけ次第問答無用で襲って来る。機械のように」

 ハオランが言った。

「あの変なの虫みたい」

 ホムラが呟いた。

「虫?」

「動き方とかが」

「なるほどね……」

 桜桃色が言った。

「妙な気配だとは思ってたけどあれは人間の骸を利用してるんじゃないんだね……虫と機械の融合体って所かね」

「高度な行動パターンを設定せずに昆虫の習性を利用して操っているのか」

 桜桃色とドウェインが合わせて言った。

「このダンジョンは虫の縄張りとするのなら女王の居る巣があるはず」

「そこに今回のダンジョンの主……ジンガか真邪王が居れば当たりだな」

「まずはホムラちゃんを外に避難させよう」

 ユウが言うとハオラン、桜桃色、ドウェインは頷いた。

「クマで虫機械の動き辿ってマッピングしてみたよ」

「え?」

 乗っているクマの目から光の立体地図が飛び出しダンジョンと虫機械が表示される。

「光の線が虫機械の通った跡だよ」

「円形に進んでいる……これって円の中心にいけば主がいるかもしれないって事かな」

 ユウが見つめる。

「わかんない。アリのデススパイラルかもしれないし」

「デススパイラル……? わかんないけど良く知ってるね」

「さっき知った。おばあちゃんがクマにインストールしてくれてる本で読んだの」

「円の外に外に行けば出られる?」

「そうかも!」

 ユウ達一行は敵に見つからないように最大限注意しながら円の外へ外へと進む。

「おや?なんかこの先変だね?」

 桃色桜が言った。骨武者の槍を突き出すとある場所から見えなくなる。槍を引くとまた見えるようになった。

「ここがダンジョンと外の境目? 【ネコマタネコ】召喚!」

 ユウがネコマタネコに境界を探らせる。

「にゃああああん」

「大丈夫みたい。外は普通に新宿御苑の前っぽい」

 ユウ達はゆっくりと外に出る。

「そうだった、今は夜なんだね。ダンジョンの中は昼間の戦場っぽいところだったから忘れてた」

「ふあああ……」

 あくびをするホムラを見るユウ。

「ホムラちゃん、ここからは一人で帰れる?」

「うん、おばあちゃんに連絡したら迎えの人が来るって」

「あれ? お母さんの雇っている運転手さんじゃないの?」

「うん、なんかおばあちゃんが今は新宿危ないからこっちに来なさいって。お母さんたちには連絡しておくって」

「そっか……」

「警備ロボ? が一杯こっち見てるしもう行くね。バイバイお兄ちゃんたち」

 クマのステルス迷彩で姿を消すホムラ。後に残されたユウ達は迫って来る大量の警備ロボに警戒する。

「一旦新宿御苑から離れよう、中の戦場ダンジョンは敵の数もめちゃくちゃ多いし対策を考えようよ」

「だな」

「虫機械の円の中心に向かうって目標は決まってるしね」

「しかし今回のダンジョンはスニーキングメインで行動してるよな……見つかったらワラワラ来るだろうし一々戦ってられねえのは分かるけどもどかしいぜ」

「ホムラちゃんがやってたようにステルス迷彩的な事ができるといいんだけどね」

「財団にそう言う装備とか術者とかは居ないのか?」

「父さんに相談してみるよ」

 ユウ達は新宿御苑から離れ財団のオペレーターのいるワゴン車へ移動する。すぐに車内のモニターを起動させ本部へと繋ぐ。

『ユウ、どうしたんだ私に直接通信とは』

「実は……」

 ユウは攻略中のダンジョンの事を話した。

『成程……ステルス迷彩の用意に銃弾飛び交う戦場ダンジョンか……ふむ。ならば兜金柄留を頼るとよい。ギルドに待機させている彼女ならお前の要望に応えてくれるはずだ』

「わかった」

『後は東京のメンバーに防弾装備を人数分用意させておこう。一度ギルドに戻り装備を整えて兜金柄留と合流するんだ』

「はい!」

続く





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Last updated  Aug 26, 2024 12:01:07 AM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
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