未完成のブログ

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Sep 29, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその27

『どうするのです? 私はこの四人を行かせてほしいのだけど?』

「く……」

 歯ぎしりをするユウ。

「ユウ! 迷ってる場合じゃねえよ! 一人でも多く救助するんだ!!」

 ハオランが叫ぶ、開かれたシャッターの前でこっちに来いと腕を大きく振っている。

「ダンジョンの広さ的にトラックを飛ばせば1分くらいで外に出られるはずだよ、運転はあーしと死霊に任せな! 護衛は柄留に!」

 トラックに向かっていく桃色桜。

『仲間はああ言ってるのですよ』



 真邪王の操る四人はユウの横を通り過ぎていく。

「急げ、出来るだけ多くの人を救助するぞ」

 先にシャッターの中に入っていたドウェインが子供を抱きかかえて出てきた。

「わかった」

 ユウは心にどす黒くモヤモヤしたものを感じながらやるべき事を実行すべく動く。怪盗コウモリで柄留に連絡、救助に使えそうなカードを全て召喚、工場の中に向かわせる。

「(真邪王許さない……沙那の声であんな極悪な事ばっかり……)」

***


 トンネルの外に出る真邪王の操る四人。周囲の施設は破壊しつくされ機械兵は残骸と化していた。

『おや? 思ってた光景とは違うのです』

「ストリーキング? 怪人? ともかくヤバそうなの見っけ」

 デモンズエッジ・スキャバードに乗った柄留が降りてくる。



「邪魔してるからねー」

『じゃあ死ねなのです』

 一人が暗黒の波動弾を放つ。柄留はデモンズエッジ・スキャバードで受け止めた。

「これで公務執行妨害かな」

 グレイブラスターを放つ柄留。弾丸は四人の頭部に向かって放たれるが触れる数ミリ前で火花を散らして弾かれる。



 デモンズエッジ・スキャバードの柄に手をかける柄留。

「初めから思いっきりいくよ……【童子切安綱】」

 デモンズエッジ・スキャバードをゆっくり引き抜く柄留。輝く刀身は日本刀。

『へぇ~……面白いものを使うのです。ただの具現化じゃなくて伝承や想い願いを込めた高位の剣の魔法かな?』

「あれ、初見で解かっちゃうんだ。そっか初見の解からん殺しはこれで無しかー」

『高位の魔女が使う魔法を行使するだけでなくて正体不明の銃まで持ってるとは。簡単に通してくれなそう』

「まぁね、出来る事なら全員ここで捕まえておきたい」

『はぁ~……仕方ない。一人はここで諦めるか……三人になっちゃうけどコイツは放っておけないのです』

 真邪王の操る四人の内一人が飛び出し柄留に迫る。他の三人は別方向に散る。

「あ! しまった!!」

『ついでなのですお前もじっくり邪眼で観察してやるのです!』

「だったらこうする! 弾着キャリバー!!」

 柄留は自分の腹にグレイブラスターを撃ち込み瞬時に全身を鈍い銀色のスーツ姿に変える。

『……何だこれは。邪眼で情報が読み取れないのです』

「さんきゅーキャリバー! 宇宙パワーさいこー!!」

 童子切安綱で切り込みつつグレイブラスターで牽制する。対する真邪王の傀儡の人間はドス黒い半身側の腕から触手を伸ばして刃と弾丸を防ぐ。

『(こんな所に厄介な伏兵が居たのです。残る三人は渋谷、台場、オータムホースに向かわせるのです。折角見つけたジンガ君の適合者なのです)』

***

 工場に突入したユウが見たものは――
 コンベアーで仕分けされた人間が棺のようなカプセルに入れられ片方は焼却炉に片方は薬品の槽に運ばれる機械だった。

 待機させられている人々は目がうつろで動こうとしない。

「駄目だ! 誰も彼も反応が薄いぜ!!」とハオラン。

「命に区別などできないが……抱えて運べる子供を私はトラックに運ぶ」とドウェイン。

「ちくしょうちくしょう……」

 カード召喚者を7体操り動かない人々を抱えて運ぶユウ。

「クソ! 硬いぞこの棺!!」

 ハイエナ獣人に変身したハオランは棺の中に見える子供を見ながら言った。

「ハオランくん、動かせる人間を優先的に救助しよう!」

「ドウェイン先生! だけどよ……」

「この状況で全員を救出は無理だ、出来るだけ多く救いたい!」

「……くっ……そうだよな」

 コンベアーから飛び降りたハオランはコンベアーの前で待機している子供を4人抱えてトラックに向かって走り出す。

 駐車場では桃色桜の操る骸骨たちがトラックに人々を誘導している。

「残り3分! あと1分が限度だよ!!」

「クソ! マジかよ……!」

 ハオランは顔をしかめ歯を食いしばり汗を垂らしているユウの姿を見る。

「ユウ! 大丈夫か!?」

「ちょっと今話しかけないで!」

「ユウ……」

 脱出可能時間ギリギリまで救出作業を続けるユウ達、2台のトラック30人を乗せる事ができた。

「皆は先に行って! 俺はペガサスナイトを使えばすぐに脱出できるから本当にギリギリまで助ける!!」

 イクスバーンで棺を壊しながら叫ぶユウ。

「もうトラック出すよ!」「絶対戻って来いよ!」「無事でな!」

 桃色桜と死霊が運転する2台のトラックが出発。制御できる限界の速度を出す。

「このまま真っすぐ突き進むよ! 柄留は大丈夫なんだろうね?」

 トンネルを抜けるトラック、するとデモンズエッジ・スキャバードに跨った柄留が空中から合流する。

「ちょっとトラブったけどもう大丈夫! 出口までの邪魔者はボクが排除する!!」

 真邪王の傀儡と戦闘していた柄留だったが決着を着けるには時間が足りないと考え追跡弾を密かに撃ち込んで傀儡を撤退させていた。

「ママさん、勇者君は?」

「ギリギリまで粘るってさ!」

「え~……」

 柄留は前方の機械兵や瓦礫をグレイブラスターで吹き飛ばしながら言った。

 二台のトラックがダンジョンの境界から脱出した10秒後に二人の子供をペガサスナイトに乗せたユウが現れる。ダンジョン崩壊の爆発の影響で煤まみれになっていた。

「ダンジョンの爆発の影響は外には無いのか……」ハオランが呟く。

「真邪王……許せない……」

 ユウは意識が朦朧としている子供を降ろす。

「財団に連絡しようぜ人が集まってくる前に撤退した方がいい」

 ハオランは消えていくダンジョンと周囲の野次馬が増えていることを見ながら言った。

「撤退撤退! デッカイ花火をボクが打ち上げるからその隙に!」

 柄留がグレイブラスターを空に向かって構える。

「一応ボクも警察関係者だしここは何とかしてみせるよ皆はアジトに戻っておいて」

***

『ねえどうしてお父さんとお母さんはいないの?』『他の子よりもママを助けてよ!』『嫌だ死にたくない』『助けに来るのが遅いんだよ!』『勇者といっても所詮ガキだな』

「うあああああああああああああああっ!」

 叫びながら目を覚ますユウ。アジトのホテルラウンジだった。

「随分うなされていたな」

 ハオランが水を持ってくる。

「あ……そうか……ダンジョンから帰ってすぐに気絶したのか……」

「ビックリしたぜ……どうだ? どっか調子悪い所はねえか?」

「大丈夫……ちょっと疲れただけかな。それよりもダンジョンから助けた人らはどうなった?」

「兜金柄留が警察と協力して全員保護したってよ。あの子と相棒の才賀愛来薔薇は新宿の警察で事情説明、しばらく戻ってこれないそうだ」

「そっか……」

「それと……TMIのエージェント三人だけど」

「うん? アリナさんたちがなにか?」

「合衆国でデカい事件が起きたらしい。TVはずっとその話題だぜ」

 TVをつけるハオラン、そこに映っているのは西海岸の大都市が火の海になっている光景だった。

「TMIの三人は本部からの招集でついさっき去っていったんだ。ここに居るのは才賀の母ちゃんの方とドウェイン先生、財団の二人だけだ」

「俺が気を失っている間にそんなに色々動きが……どのくらい時間経った?」

「12時間だな」

「父さんに報告しなきゃ……真邪王が新たに4人の下僕を用意したって」

 ユウは重い体を起こして財団のネットワークに繋ぐ。

『ユウ、目を覚ましたか』

 眉間に皺を寄せたセイが言った。

「うん、父さん大変なんだ! 真邪王が――」

 ユウは真邪王が明らかに様子の変な4人組を操っていたと話す。

『どうやら【凶】側もなりふり構っていられないようだな』

「どういうこと?」

『真邪王の邪悪な力を受けて人間の体は無事ですまない。適合する【凶】の魔王でなければな。しかし適合するといってもそれだけでは魔王としては力が振るえない、精々小さなダンジョンを作るくらいだろう』

「じゃあなんで真邪王は4人も下僕を?」

『現魔王のジンガのバックアップだろうな。何かトラブルが生じてジンガは危機に瀕しているのだろう。奴の父親で先代魔王のジンバは財団に追い詰められた際自決することによってバックアップの肉体に乗り換え逃げ切った事があった』

「そんな! じゃあ永遠にイタチごっこって事?」

『いや、そんな事はない。適合者はそう簡単に見つかるものではないしな』

「でも4人がどこに行ったか分かんないし……」

「その事なんだが……」横で聞いていた才賀桃色桜が言った。

『何かな? サイガ・ピンクピーチ』

「その4人の行方は多分大丈夫かな。3人はあーしが死霊に追わせたし一人は柄留が追跡弾を着けたからね」

『そうなのか! よくやってくれた』

「異様な邪気を放ってたからね、見逃す訳にはいかなかったのさ。で、一人は柄留が追跡弾を着けたから居場所の詳細まで分かるって訳」

「凄いよサイガ!」

『ふむ、ではその者達の居場所とは?』

「渋谷と台場とオータムホースシティ……追跡弾の奴は歌舞伎町のビルに居るよ」

『一人はオータムホースか……ヘリを用意しなくてはな……パーティの再編成を行おう。幸いオータムホースにも財団のギルドがある』

「父さん、これからどうすればいい? ダンジョンを潰してジンガを追うのか適合者の身柄を抑えるのか……」

『そうだな……』

 セイは目を瞑り思考をめぐらせる。

『適合者の確保は勇者が行う必要はない。勇者のすべき最優先事項は魔王であるジンガを見つけ出し邪眼を封印する事だ……よってユウは引き続きダンジョン攻略を頼む。適合者の追跡は財団で人材を確保する。京都のダンジョンは残る一つ、そちらはケンに任せよう。残る一つ京都のダンジョンにジンガが居なければケンを東京に向かわせる』

「分かった」

『……一つ気になる事と言えば……【凶】はこのままだとジリ貧だ。何か逆転の策があって動いているに違いない。財団の邪体保管施設の警戒も強めておくとしよう』

「うん」

『ユウ、しばらくそこで待機していろ。こちらからまた連絡する』

「分かった」

 通信を終えるユウ。

「腹減ってねえかユウ? このホテルのルームサービスでも頼もうか?」

「そういえばお腹すいたね」

「あーしも何か食べよかな、せんせーは?」「私はパンとスープを頼む」

 窓の外を眺めながらドウェインは桃色桜に言った。

「あーしはスペシャルイカライスにしよっと。ハオランとユウは?」

「俺は肉が食いてえからフライドチキン10ピース頼むわ、ユウは?」

「えっと……ラーメン食べたいかな。豚骨味噌ラーメン」

 しばらくするとルームサービスの者がチャイムを鳴らした。

「お、思ってたより早いな流石一流ホテル……」

「待ちなハオラン! 扉の外に居るのは――」

 桃色桜が言い終わる前に扉を開けるハオラン、扉の前に立っていたのは全身黒タイツに見える人物。シルエットから女性だというのはわかった。ルームサービスの男は真横で震えている。

「コイツは……」

 一目見て真邪王の作り出したコピーの影だと分かった。黒い女性は指鉄砲の構えをとる。

「おっと……」

 指先から黒い物質が放たれる、ブリッジバック転で回避するハオラン。黒い人物はもう片方の手から黒い粘液めいた糸を飛ばして天井に着け張力を利用して一気に部屋の中に飛び込んで来た。

「何!?」

 ドウェインが抜刀する。天井に逆さまに張り付いた黒い人物は粘弾を飛ばしてドウェインを狙う。一発は回避、もう一発はスーツを掠めた。

「む?」

 粘弾は広がり窓とドウェインを縫い付ける。それを見た黒い人物は粘弾を連続発射、ドウェインを固めていく。

「せんせ!」「ドウェイン!」「先生!」

続く





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Last updated  Sep 29, 2024 11:17:41 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
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