2005.01.17
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先週末、友人の家に行った。
日本に帰化した中国人のチャンさんとは彼女が職場で新人のころからの付き合いで、数えてみるとかれこれ10年近いことになるが、その美しさも日本語の下手くそさ加減も10年前と全く変わっておらず、会うたびに「日本語おかいしいよ」といってからかうのが習慣になっている。しかし最近の彼女は、変な日本語を使うのは変わらないのだけれども、「抜本的になります」とか「厳粛にうけとめました」とか、なんとなくレベルアップしていて、文法や局面が正しいのかどうかわからなくなるほどだった。
チャンさんは早々に会社を辞めて外資系のコンサル会社に再就職した。今や日本と上海や台湾を行き来するエージェントとし活躍している。先日、目の手術をしたらしかった。レーザー照射による角膜補正は日本では50万以上かかるらしいが上海だと8万で手術してくれるらしい。その価格差に着目して光付手術ツアーというようなプランで客を募ればかなり儲かると思いそのことを伝えたがチャンさんに「マーケットが少ないですよ」と一蹴されてしまった。その割にはパンフレットを持ち出してしきりにレーザー手術の良さを訴え続けていた。オレの視力が1.2ぐらいだということを伝えても説明の勢いは衰えなかった。どうやらチャンさんはコストの安やよりも、中国人の高度な技術力を説明したがっていた。
確かに低コストと高成長のみが注目されてはいるが、技術に関しての信用は今もあまり取りざたされない。チャンさんは中国を「低コスト」で売り出そうとは考えていなかった。高い技術には、正当な対価が支払われるべきだと思っていた。
「フェア・トレード」。
アフリカやアジアの労働者を、現地物価の低賃金で雇用するのではなく、世界的なクロスレートに照らし合わせた正当な対価を支払うことをフェアトレードという。
国同士の争いは今や武力ではなく経済によって行われている。安い労働力は強大な資本によって搾取されていて、アフリカやアジアの電子部品工場に勤める女工は古代における奴隷とどれほども違わない。経済格差という合法的で正当な武力で世界を侵略し支配し、植民地化しようとしているのはアメリカと日本の企業である、とも言えるかもしれない。
日本人のオレからしてみれば、「フェアトレード」なんて考え方はちょっと偽善的なような気もする。しかし中国と日本両方の国籍を持つチャンさんにとっては、理想郷なのかもしれない。

チャンさんが2,3年前に買った笹塚のマンションでふぐ鍋をしようという計画が年末の忘年会のときに持ち上がった。新年会を兼ねてチャンさんの家に、当時の仲間が集まろうということになったというのが主な趣旨だった。

彼女の部屋はいたってシンプルだった。シックな家具とアールヌーボーな調度品が大胆に混在してたし、長いすはムートンやぬいぐるみで装飾されていたりして、テーマがよくわからなかった。よく見ると白蛇や七福神のマスコットが置かれていて、信仰の強さによるものかと思いきや、ただ「かわいいから」という理由だけだった。七福神を「かわいい」と思う感覚は理解し難かったが、そもそも日本人の女の感覚も理解しているわけではなかったから、それ以上詮索するのは止めた。

当時同じプロジェクトだったメンバーが集まるとこの頃は、政治とか経済とか保険や医療などなんとなく小難しい話になることが多い。
「労働者ってゆうのは不当に搾取されていると思わないかい?」
というテーマで始まった左翼的鍋パーティーはその日の夜遅くまで続いた。
不当に搾取されているには違いないだろうが、搾取されるのはシステムが悪いのではなく個人のせいだと思っている酔っぱらいのオレには、あまり発言の機会を与えてはもらえなかった。





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最終更新日  2005.01.19 23:36:51
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