天の王朝

天の王朝

PR

×

プロフィール

白山菊理姫

白山菊理姫

フリーページ

ハーバード経済日誌


ハーバード経済日誌(2)


ハーバード経済日誌(3)


ハーバード経済日誌(4)


ハーバード経済日誌(5)


ハーバード経済日誌(6)


古代飛騨王朝を探して


海外でのダイビングあれjこれ


海外でのダイビングあれこれ2


海外でのダイビングあれこれ3


驚異のガラパゴス(1)


驚異のガラパゴス(2)


驚異のガラパゴス(3)


歴史箱


山口博教授の講演録


古典SFの世界


富山サイエンス・フィクションの世界


ETとの交信は可能か


不思議な世界


不思議な世界2


不思議な世界3


不思議な世界4


不思議な世界5


不思議な世界6


不思議な世界7


不思議な世界8


フォト・ギャラリー


雑感


誰がケネディを殺したか


誰がケネディを殺したか2


誰がケネディを殺したか3


誰がケネディを殺したか4


カストロが愛した女スパイ1


カストロが愛した女スパイ2


カストロが愛した女スパイ3


カストロが愛した女スパイ4


カストロが愛した女スパイ5


カストロが愛した女スパイ6


カストロが愛した女スパイ7


カストロが愛した女スパイ8


カストロが愛した女スパイ9


カストロが愛した女スパイ10


カストロが愛した女スパイ11


出雲族と大和族の話(パート1)


出雲族と大和族の話(パート2)


サイド自由欄

設定されていません。
2007.12.27
XML
テーマ: いい言葉(573)
カテゴリ: 文学・芸術
▼白い鳥と薔薇

薔薇

以前紹介したウィリアム・ブレークもそうでしたが、イェイツもまたエマニュエル・スウェデンボルグら神秘主義思想の影響を受けています。特に初期、中期の作品の中では、ケルトの神話や伝説を積極的に採り入れ、幻想的な詩をたくさん残しています。薔薇も多く登場します。多くは心の状態を表すシンボルとして登場する点で、シェイクスピアとはだいぶ異なります。シェイクスピアはもっと直接的な「美」「頬の色」などの比喩として薔薇を多用していましたね。

まずは初期の作品、そのタイトルも『薔薇』(1893年)から「白い鳥」です。

The White Birds

I would that we were, my beloved, white birds on the foam of the sea!
恋人よ、私たち二人が海の泡に上に降り立った白い鳥であったならば!

We tire of the flame of the meteor, before it can fade and flee;
私たちは、掻き消え行く前の流れ星の輝きにも飽きている。

And the flame of the blue star of twilight, hung low on the rim of the sky,
そして、空の縁に低くかかる黄昏の蒼き星のきらめきは


恋人よ、消えることのない悲しみを私たちの心に芽生えさせる。

A weariness comes from those dreamers, dew-dabbled, the lily and rose;
倦怠は、あの夢見るものたち、露のしずく滴る百合と薔薇から生まれる。

Ah, dream not of them, my beloved, the flame of the meteor that goes,
ああ、恋人よ、夢を見るのをやめよ。去り行く流れ星の輝きの夢も、

Or the flame of the blue star that lingers hung low in the fall of the dew:
露の滴の中に、低く輝き続けている蒼き星のきらめきの夢も

For I would we were changed to white birds on the wandering foam: I and you!
その代わり私とあなたが、漂う泡の海に休む白い鳥に変わることができたらいいのに!

I am haunted by numberless islands, and many a Danaan shore,
私の心に浮かぶのは、数え切れないほどの島々と、多くのダナン神の浜辺


そこでは、時間はきっと私たちのことを忘れてくれ、もはや悲しみが私たちに近づくこともない。

Soon far from the rose and the lily and fret of the flames would we be,
やがて、薔薇も百合も離れて行き、情熱の炎に対する苛立ちも消えるであろう。

Were we only white birds, my beloved, buoyed out on the foam of the sea!
恋人よ、海の泡に浮かぶ白い鳥にさえなれればいいのに!



5行目から7行目にかけても、通常とは逆の表現が使われます。薔薇と百合は倦怠をもたらし、薔薇色の夢も見てはいけないと言っているようです。どうせ消えてしまうはかない夢ならば最初から見ないほうがいい、ということでしょうか。

そうした疑問の解答となりうるのが、最後の4行です。11行目のfretは最初、soon we would be fret of~という文脈で形容詞として読むのかと思いましたが、意味を斟酌すると、どうやらsoon we would be far from fret of~と名詞として読むのが正しいようです。つまり、9行目から11行目は二人が白い鳥になった場合の世界を描いていると考えられます。

このことから、イェイツはどうやら、白い鳥の世界と、薔薇や星たちが存在する世界を明確に分けていることがわかります。白い鳥が象徴する世界は、時間や悲しみとは無縁の世界。ダナンはアイルランド神話に出てくる光明、生命、温情の諸力を持つ神族です。どうやら現実とはまったくかけ離れた世界のようです。

これに対して薔薇や星や炎(flame)が象徴している世界は、はかない夢や倦怠、悲しみの世界。現実の世界に近いですね。夢見る薔薇も百合も、流れ星のきらめきも、すべて時間の中で色失せるもののシンボルとして描かれているように思います。シェイクスピアの薔薇とは一味違いますね。

海の泡の上に浮かぶ白い鳥は、煩わしい日常に戻ることのない、まったく別の(永遠の)世界です。しかし現実世界では、やがて煩わしい日常が、時間とともに「はかない夢」を奪っていく・・・。
あくまでも私の解釈ですが、皆さんはどのように読まれたでしょうか。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.12.27 13:54:01
コメント(4) | コメントを書く
[文学・芸術] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

MartaTek@ President The US president raged at NATO allies o…
立山の百姓@ 尖山について はじめまして。 尖山の近くで農園を営ん…
simo@ Re:新刊『UFOと交信すればすべてが覚醒する』の解説(03/21) こんにちは。初めまして。 昨年妻が海で撮…
たぬき@ Re:ニニギの兄に祭り上げられたホアカリの正体(03/12) ホアカリ。 徐福が秦の始皇帝の使節を隠れ…

カレンダー

バックナンバー

・2026.07
・2026.06
・2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01
2025.12
2025.11
2025.10

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: