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2024年11月26日
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カテゴリ: 本にまあ
『日本語の発音はどう変わってきたか:「てふてふ」から「ちょうちょう」へ、音声史の旅』(釘貫亨著、中公新書)を読みました。



年配の人だと蝶々のことを「てふてふ」と書いていた時代があったことをまだ覚えています。「てふてふ」と書きながら発音は「ちょうちょう」だと習ってきた人たちです。これはいわゆる旧仮名遣いの一つですが、なぜ蝶々が戦前まで「てふてふ」と表記されていたのでしょうか。それはもともとそう発音されていたからです。

奈良時代から江戸時代にかけて日本語の発音はどう変化したのか。蝶々は本当に「てふてふ」と発音していたのか。

もちろん、当時テープレコーダーなど音声を記録する機械はありませんでした。ではなぜ当時どのように発音されていたか、分かるのでしょうか。著者は当時の発音を解明するためにいろいろなものを手がかりにしました。それが、たとえば中国から入ってきた漢字を日本語の音に当てはめる「万葉仮名」や、宣教師が編んだポルトガル語で書かれた「日本語辞典」でした。

著者はほかにも各時代に当時の発音が分かる様々な資料を見つけていきます。

それらの資料をもとに学問的に精密な方法で、時代時代にどんな発音の日本語が使われていたのかを明らかにし、私たち音声学の素人にも分かりやすく解説してくれたのがこの本です。本の帯にあるとおり、戦国時代から安土桃や時代に生きた羽柴秀吉は当時の人には「ファシバフィデヨシ」と呼ばれていたということも蝶々は「てふてふ」と発音されていたということ分かってきました。

発音記号も記録する機械も発明されていなかった時代でも発音は解明できる、学問の奥深さを垣間見た思いでした。





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最終更新日  2024年11月26日 09時02分54秒
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