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2021.10.30
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テーマ: 読書(8198)
カテゴリ: 本日読了
2021/10/29/金曜日/美しい晴

〈DATA〉

岩波書店/山川静夫
2017年8月23日初版第1刷

〈私的読書メーター〉
〈初めて見た文楽は人形の動きに魅了され、三業の残り、太夫と三味線に気が回らなかった。曽根崎心中だったが手元に記録無しの粗忽者。著者山川氏はそこが凄い。歌舞伎ににはまった学生時代からの記録帳は大阪勤務時代に文楽を加え、そのメモには奥様との会話の一端も含まれる!文楽を演じる方、支える方の芸に賭ける血の滲む鍛錬に、観る側のかくあるべし学究努力があってこその本書の仕上。複雑な事情を抱える文楽の裏と表が実に分かりやすい。お染の頭を託された事を知った浄瑠璃作家のご主人が「それだけでは風邪をひく」の情の顛末、これぞ文楽。〉

間国宝四世、竹本津太夫への山川氏のインタビュー。
「床に現れた太夫は、必ず語りはじめる前に床本をおしいただきますが、津太夫さんはどんな御心なのでしょうか?」
これが巨体の津太夫の琴線に触れたか、

「ほんまに人間ゆうのは弱いです…」と、吐露した言葉も途中絶句となり、人間国宝となってさえまだ及ばない、先代の父のように語れない口惜しさに号泣する段、ほろりとする。

三味線の十世、竹澤彌七に「一番悔しかった事は何ですか?」文楽の役回りの、また当人の個性など諸々の勘所を押さえた問いが、山川氏の天賦の才か。

彌七、答えて「そんなもん、悔しい事ばっかりですわ。いくらでもありまっせ!」延々2時間ばかり具に語り続け
「人生って悔しい事の連続と違いまっか」と最後は穏やかに収まったという。

山川氏はこの事を引き合いに


含蓄がある。まるで円卓の騎士ランスロットとギャラハットのような。打ち倒す敵だけれどもお互い正義がある、ような。生き死にの意義をもたらすというか。誠の友よりも誠の敵を得られるが至宝かも。

話は変わるけど、登場される方のおおさか言葉が
ほんにええなあ、ひらがなの生きたことばやなぁ。





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最終更新日  2021.10.30 11:18:18
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