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2024.10.01
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テーマ: 読書(10254)
カテゴリ: 本日読了
2024/10/01/火曜日/晴れたり降ったり








出版社 小学館
著者  椹野道流 ふしのみちる

2023年4月25日 初版第1刷発行




〈私的読書メーター〉 あら楽しや。著者はミステリー作家として中堅ともいえる元お医者さん。その経歴も中々読ませるが。新年に親戚一同揃った席でお祖母様が放った一言は瓢箪から出た駒、ロンドンへのゴージャスツアーと相成りぬ。携帯電話普及し始め、と文中にあるからバブル終了直前頃か。ファーストクラス利用でおそらく、クラリッジスのセミスイート5連泊!アテンドする孫=著者、の二人分という天文学的財政出動!って話がそこに流れぬよう、実に著書は賢明な立ち位置をキープ。オリエント急行、アフタヌーンティー、オペラ座の怪人、おお、ベルエポックの響きよ。〉



ロンドンのホテルといえば。

前々回に宿泊した、10年はどっぷり前のロンドン。ホテル代の値上がりにびっくらこいた。


大英帝国博物館 にも行きたかったので、その近所のちょいクラシックなホテルを選んだ。

ヨーロッパのホテルは二人でお泊まりが基本設定。二人ならば納得できるが一人一泊3万円ほどもする。
それでも廉価な方である。

これ以上安いと不便とか治安とかに支障が出そうで仕方なくそこに2泊した。

クラリッジス なんざハナから縁がない。
ビンボーが誇りである。


ビンボーといえば音が似ている!
林望先生 ゆかりの ボストン夫人のマナハウス。


そこを訪ねるのがロンドン滞在の目的だった。

『グリーン・ノウ物語』 作者は パッチワーク 作家としても著名で、お屋敷でその作品が見られるのだ。


メール予約を入れたら、管理人である夫人の娘さんから返信があり、その日は日本人撮影クルーの予約で貸切とのことだった。

親切にも他の日を提示されたが、飛行機乗り換えのストップオーバー2日滞在は動かせない。


それでマナハウスのある ケンブリッジ に対抗して急遽 オックスフォード まで列車に乗った。

オックスとは雄牛の事、雄牛が渡れるほどの池、が地名の元らしいことをその時知ったような。


オックスフォード大学教授の トールキン がやがて袂を分かつ、 ナルニア国物語 のルイスと毎日のように語りあったパブ、 the eagle and child 。


『指輪物語』 ファンとしてはこれは避けて通れぬ。

コーヒーは無いという。
コーヒー味のビールならあるという。
ほんまでっか。
ぬるいコーヒーライクなビアをちびちび飲む。


大学ではハリーポッターで有名な、あの図書館のツアーが時宜を得て開催中。

英語があんまり分からないけれど参加しても良いのか聞くと、楽しめるからどうぞどうぞという。

とんでも無く厳かで古めかしく、まるでゴチック礼拝堂な館内に、革装丁の分厚い本がずらりと。

これら資料をいついつまでには全てデジタル化とか、大学キャンパスの地下道に延々と資料が蔵書されている、みたいな説明があったような…


オックスフォード駅側の全天候型マーケットの迷路が楽しかったなども重い出される。

歩けばミステリーが似合う風景に何度も出くわす、学生と教授と観光客と個人商店主たちの、こじんまりとした、緑豊かな古い街が今も目に浮かぶ。


その後のロンドンへの娘とのミュージカル旅もあったけれど、何も庶民の倹約旅であることに変わりはない。


ところで祖母姫と秘書設定の孫娘のお世話をするバトラーという存在。

長い人生からみれば、ほんの一瞬のようなロンドン滞在を特別な永遠に変えた、バトラーというものが英国の伝統的なホテルにはあるのだ、ということ。

まるで一幕のドラマを見るような。
そこで秘書である著者はお姫さまとして遇されていますとも。


貴女の望みを言ってください。
私はどうあってもその望みをかなえます。


バトラーという知恵も教養もある男性からそう言われてどう返答するか。

そこに姫の姫たる所以が結実した、姫の誠がなければバトラーもバトラーとして成立しない。


そんな文化なのである。






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最終更新日  2024.10.01 15:01:24
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