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酷く凹んでしまった。笑い含みで揶揄されたのは、先ほどのこと。「いったいなにしたの?」言葉の意味が分からなくて、きょとんとしてしまった。すると、声を掛けてきた上司が言う。「車に張り紙してあるよ」慌てて見に行ってみると、ワイパーで止められた紙が一枚。こんなものは見覚えがない。よく見てみて、言いようのない気持ちがこみ上げてきた。濡れ衣もいいところ。なんだこれは。それは、ゴミ収集車からの張り紙だった。ウチの車が邪魔で、ゴミ収集が出来なかったと。ここはゴミ収集車が停まるところだから以降駐車しないようにという張り紙。柚木崎が車を停めているところは全くそういう場所とは関わりのないところである。今まで一度もこのような張り紙が貼られたことはない。誰がこんな、と思いながら張り紙に手を伸ばす。外そうとして、ひっかかった。よく見てみると、セロテープでしっかりと留めてある。腹が立った。ここまでされる謂われはない。誰がこんな、ともう一度思い、丁寧に剥がして部屋に戻る。先ほどの上司がにやにやと笑いながらこちらをみていた。「ほらね、貼ってあったでしょう? ずいぶんと邪魔したんだね、しっかり貼り付けてあったよ。 恥知らずもいいところだよね」怒りが沸々とわき上がってきた。自分じゃない。こんなことをされる謂われはない。今日はそもそも早番で、8時半には職場に来ていた。その時間から一度もあの場所から動かしてない車。なのに、貼られていた貼り紙。くわえて言われる、この言葉。巫山戯るな。腹を立てて、管理部署に苦情を言いに行く。貼られていた貼り紙を握りしめて。この場所に停めていてこのようなものを貼られたと握りしめていた紙を見せると、管理部署の人は小首を傾げた。あり得ないそうなのだ。この紙の所在は、ここから少し離れた場所のもの。ウチの職場はここのゴミ集積所を使っていない。だから、この張り紙は使われることはない。暫く見ていて、言われた言葉がこれだった。「嫌がらせですね。 あなたの車、目立つからでしょう。 なんなら傷だらけにしましょうか? そしたらこんな嫌がらせ、受けなくなりますよ。 一番いいのはボロい車に乗ってくることですね。 あなたの身分にふさわしいんじゃないですか?」……怒りが突き抜けてしまった。情けない思いでいっぱいになる。なんなんだ、これは。殆ど接点のない人にこんなことを言われる筋合いはないように思う。そもそも、この人と話したのは今回を含めて片手で足りる程度。それなのに、こんなことを言われるとは。情けないのと悲しいのと訳の分からない気持ちとでぐしゃぐしゃしながらその場をあとにした。もう、今日は帰ろう。こんな気持ちじゃ仕事にならない。つくづくこの職場、嫌いだと思った瞬間である。
2004.11.30
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仕事時間が終了し、ちょっと車に異変があったためとっとと帰ろうと帰宅準備をしていたのだが、困った顔をした後輩と、人の話をあまり聞かない上司に引き留められることになってしまった。後輩の顔を見る限り、あまりいい話ではない。困ったあげくにココに連れてきた、という顔つきである。あとで片割れに「都合よく使われてないか?」と言われたがある意味仕方がないのかもしれない、とため息をつく。急ぎ仕事や他の人ではやらない仕事でも柚木崎はやれる限りやってしまうという癖がある。いいことではないのだが、どうやら性格らしい。断ったことによる弊害を先に考えてしまうのだから、貧乏性なのかもしれない。それはさておき。ほとほと困り切った顔をした後輩が、ドアを開けて上司を促す。当然の顔をして入ってきた上司は、いきなりどかりと椅子に座ってこうのたまった。「今度の水曜日にね、特殊な人がくるの。 その人のために、お弁当を準備してくれない?」はい? という感じである。特殊と言われても、なんだか分からない。食べ物アレルギーですか? と聞くと、そうじゃないという。次々に食べられないものをあげていく上司。それを聞いていて、ん? と思った。ベジタリアン。この言葉が頭をよぎった。まさかね、と思いながら聞いてみると、あっさり頷かれてしまった。「そうよ、あなたなにを聞いてるの?」と。……それなら最初からベジタリアンと言って欲しかった。それはともかく。柚木崎の職場近くには、あまり食事どころがない。デリバリーでお弁当を頼んでいるところがあるにはあるが、ほかにどこか、と聞かれると結構困る。いつも苦労しているのだ。毎年のイベントで使う食事のこと。そのあたりを、面倒だからと押しつけておきながら後輩たちは「毎回何とかしてるし」と見て見ぬふりをしている。まあ、実際何とかなってるからいいのだが。それでもベジタリアンは別格である。なにせ、もともと店が少ないのだ。選びようがないというのが本当のところなのに、敢えてベジタリアンに挑戦せよと?申し訳ないが、柚木崎の知り合いにベジタリアンはいないのでそういった食事どころ、全く覚えがないのである。ネットでも検索をかけて、タウンページも使って。いろいろ調べたが、完全ベジタリアン食は難しい。しかも、頼む弁当の数はたったの2つ。なにかに挑戦しているとしか言いようがない。痛む頭を抱えながら、予算を聞いてみる。すると、「何でそんなことが必要なの?」と聞き返された。作ってもらうとなると予算が必要でしょう、と答えるとそんなの関係ないじゃないと言われてしまった。……特別に仕立てて貰う弁当というのをどうやら知らないようなのだ。こういう時のお弁当はね、とか、あのイベントの時の料理はね、とか。そういう具体例を出しながら予算の話をすると、この上司は小首を傾げた。「そんなの、適当にしてくれればいいわよ」……撃沈。ちょっと時間をくださいとインターバルを置いて、頭を抱えて情報を整理する。津波のようにやってきてハリケーンのあとのように去っていった上司。終始済まなそうな顔をした後輩。えと、それはいい。どうでもいい。うん。そう頭の隅にその映像を追いやって、情報整理。食べられないもの。肉。魚。粉?????か、カフェインってなに?さ、砂糖もダメですか?!なんなんだこれは。これはベジタリアンというのだろうか。砂糖がダメって、殆どの料理に砂糖は使われている。日本料理は特に、基本の「さしすせそ」の中に砂糖は必須で入っているものだ。それがダメとな?粉というのは多分小麦粉。……食物アレルギーもあるということか?カフェインはまあいいとして。ど、どうすればいいのだろう。頭が本当に痛くなってしまった。最終判断。2駅離れた駅の近くに、梅の花という湯葉と豆腐の店がある。そこで弁当をお願いするのはどうか。先ほど話を持ってきた上司に、その話をすると大歓迎、大賛成をされた。但し、弁当を扱っているかは分からないので、明日までに確認してくるから、それでダメなら諦めてくれと言っておいた。それ以外に手はない。いや、あと一つ、手がないことはない。いつも頼んでいる宅配弁当の店に、無理を言って作ってもらうことだ。いざとなったら多少料金をはずんで、お願いするしかないだろう。それはまた別の話だ。とりあえずの確率だが、調べてみるしかない。それにしても、ベジタリアン。……初めてである、こんな状態。できればもっと早く言って欲しかったと思うのは我が儘なのだろうか。
2004.11.29
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昨日、帰ってきてから片割れの調子が悪い。帰ってきた当初はなんてことはなかったのだが、パーフェクトグレードのプラモデルを組み立て始めて暫くしたら頭が痛くなってきたらしい。頭が痛いなら細かい作業はしなければいいのに、何となく痛い気がする、と思っていただけで結構長時間やっていたようなのだ。真っ青な顔で「頭痛い」と言い出したのは夜中のこと。慌てて頭痛薬を飲ませて大人しくさせていたら少しよくなったのかソファを倒して(自宅ソファはリクライニング機能付き)丸くなって眠り始めてしまった。このままでは風邪を引いてしまうが少し眠った方がいいのかもしれないので毛布を寝室から引っ張ってきて丸まってる上に掛けてあげた。その後、暫くしてベッドで寝かせたのだが今日、目が覚めた時に聞いてみたら、返事が妙だった。「わかんない」そう言いながらもそもそと起きてくる。昼過ぎなので、起きてきて当たり前なのだが。顔色は……悪くない。昼食を食べたら少しは元気になるだろうかと思ったのだがいきなり着替え始めてあれよあれよという間に出て行ってしまった。いったいどこに行ったんだ? と思いながら慌てて追いかけて玄関から出てみると駐車場に片割れの姿が。車の中でごそごそと何かをしている様子。そう言えば、自分で手直しできないか悩んでいるところがあった。そこがどうやら気になってしまった様子である。だからといって、寝起きでいきなりというのも……と声を掛けたが、気づく様子はない。きっと、車が綺麗になったから嬉しいのだろう。気持ちは分かるし、こういう時はやらせておくに限るのである。戻ってきた片割れは、なんだか調子が悪そうな顔。どうしたのかきくと、何でもないと答えるが息が荒くてなんだかおかしい。熱を測らせたが、平熱である。無理して車のことをしなくていい、と叱るとやっぱり綺麗になったから全部綺麗にしたいとか、もごもご言っていて、最後には拗ねてしまった。拗ねられても、一番心配して欲しいのは体調である。片割れを待っていたのと、これとで少し苛々。食事を用意しながらいろいろなものにぶつかってしまう。こういうのは良くない。いやだなぁ。片割れ共々、今日は大人しくしていよう。
2004.11.28
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今日はウチの子を引き取りに行く。Yさんと約束をした時間は、午後2時半から3時頃。柚木崎が仕事のためだ。仕事を終えて、片割れが迎えに来て。その足でディーラーに向かう。どんなふうに仕上がっているだろう。写真を見せてもらったり、硝子コーティングをする前に見せてもらったりしたが、やっぱり完全に行程を終えた姿を早くみたい。片割れも柚木崎も、わくわくしている。一度ディーラーを通り過ぎて昼食を摂って。Uターンしてディーラーに向かった。Yさんがもう、道路まで出て待っていてくれている。柚木崎たちが着いた途端、嬉しそうに歓迎してくれた。「できあがりました!」と誇らしげに胸を張り案内してくれた先には。本当に、ぴかぴかになったウチの子がいた。ウチの子。ユーノスコスモ、13B。メタリックグリーン(黒系)の限定車である。前からそうではないかと思っていたが、Yさんが確認してくれて、パーツや装備品から限定車と判明した。それが分かってからずっとやりたかったこと。板金を一度きちんとやり直して、塗装もしっかり直して。新車同様にしたい。それが今回の入院内容である。こういうことをしたんです。そう、店の中に入りながらYさんが説明してくれる。作業工程もデジカメで撮ってくれていて、随分変わったことがよく分かるようになっていた。何より驚いたのが、ホイールまでコーティングしてくれたこと。タイヤを外して、ホイールを徹底洗浄して鉄粉まできちんと取り残しなく取ってからのコーティング。時間がかかるはずである。ウチの子のホイールはそうでなくても細かい部分が多い。そう聞くと、Yさんは苦笑しながら答えてくれた。「ホイール1本につき、1時間かかりました。 鉄粉除去だけで」本当に頭が下がる思いである。そのホイールのコーティング状況に関しては、撮った写真を貰いたい、とのことだったのでYさんに差し上げることになった。こういうふうに綺麗になる、ということを、今後考える客に見せたいのだという。フラッシュの反射具合等を見ると一目瞭然なのだ。よくぞここまでやってくれた、という感じ。このあたりで一番綺麗なコスモです。エンジンも快調、他のパーツも新品同様。自信を持ってお引き渡しを致します。そう、Yさんは再び胸を張った。そんな話をしているところへ、営業さんがやってくる。ちょっと……とYさんに耳打ちして、少し失礼します、とYさんが苦笑気味に立ち上がった。暫くして戻ってきたのだが、苦笑した顔はそのままだ。あのですねぇ、と言いにくそうにに口を開いたので何だろうと思ったら。車を買いに来た客に、これが欲しいと言われたとのこと。これとはウチの子のこと。今いらしてるお客さんのお車で、と言ったのだが、そんなはずはないだろう、新車なのだろうから是非売ってくれ。そう言われてしまって、説明してきたのだという。説明している間にもさらに別の客が同じようにきて困ってしまっていたのだという。こちらも苦笑するしかない。申し訳ないが、売る気はない。それはYさんもよく知っているので丁寧に丁寧に説明、説得をしてきてくれたのだという。あんまり長居をすると迷惑かな、と笑うとそんなことないです、と言われたが今日は試し運転もしたいので、ここで帰ることにした。車幅感覚等が狂っているはずなので。そう言うと、Yさんはそうですね、と笑って立ち上がった。その手には柔らかな素材の布が握られている。朝からずっと、ちょっとした埃が気になって気がつくと払ってくれていたとのこと。ちょっとでも傷つくのが厭なので、柔らかな素材の布を出してきたのだと照れ笑いを浮かべた。よかったらこれを使ってください。そう言ってその布をくれたYさん。名残惜しげにウチの子を眺める。また何かあったらいつでも来てください。とことんまでおつきあい致します。そう笑ったYさんに、ありがとうございましたと深く頭を下げた。これからもどうぞよろしく、Yさん。久しぶりのウチの子のエンジン音。さて、少し遠回りして帰るか。
2004.11.27
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学生時代の友人たちと連絡を取るための掲示板を、一つ設置している。この間の新潟地震の時や、何かあった時、みんなはどう思う? 的なことを書き込むスペースだ。ここに書き込む友人たちはみな同じサークルに所属していた友人たち。その当時にも、交換日記というわけではないが部室にノートを置いて、そこに伝言やらなにやらをいろいろ書き込んでいた。この掲示板はそのWEB版というところか。この掲示板のサービスが、12月10日に打ち切られると見に行ってみたら表示が出ていた。早々に新しいところを探さねばと思い、仕事中だがいい勉強になるので、フリーの掲示板を探しに行くことに。検索を掛けていくつか調べて、最終的に一つのレンタル掲示板を借りることにした。実は今使っている掲示板は、とてもシンプルな掲示板だ。特になにも設定することはなく、変更箇所も全くない、というか、出来ない構造。最初に選んだものをずっと使い続けるものだった。今回借りたものは違う。自分でいろいろ設定をしなければならないものなのである。もちろん、タグだって打たなければならない。ここ(楽天)で使えないタグも使えるので、これはいい勉強になると思い、こちらの掲示板を使うことにしたのである。ところが。まだまだ自分がひよっこどころか玉子だったことに気づく。設定が難しいのだ。まだ使ったことがないタグが、ごろごろしている。うわあしまった! と思ったがここで引いてしまっては勉強にもならない。やっぱここはやってみるべきでしょう。そう覚悟を決めて、今までの知識+新しい知識を総動員していろいろ手を変え品を変え。なんとか形にした時には、4時間が経過していた。……昼食を食べることすら忘れていた。こういう作業をしている時の柚木崎はとても楽しそうな顔をしているらしい。今日の上司たちはみな、柚木崎の仕事を理解してくれているので覗きに来ては「うお! こんなことするんだ?」とか「ここはこうしたほうがいいんじゃない?」とかアドバイスをくれたり激励をくれたりする。勉強にもなるし、実際使えるし。一石二鳥だよね、と言ってくれるのが嬉しい。(実際そうだと自分でも思うのだが)専任の上司たちより理解があるので苦笑しか出てこない状況ではあるのだが。それでも「頑張ってるよね」と気づいてくれるのは嬉しい。なんとか形になって「こんなん出来ました」と見せたらずっと作業を見ていた上司に拍手喝采されてしまった。そのうちHPを自分で作るからその時には相談に乗って欲しいと言われてしまう。分かる範囲なら、と答えるとこれなら大丈夫だよ、きっと、と言われた。まだまだ本当は組み込みたいことがたくさんある。だから、また勉強しよう。それから使えるかどうか、また確認しよう。……ごめんよみんな。あの掲示板は柚木崎の勉強の場でもあります。いろんなものが変わるかもしれないけど、使い勝手は良くしていくつもりなので勘弁してやってください。
2004.11.26
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ここのところ、木曜日、不穏な空気が漂っている。なんというのだろう?雰囲気がとても変わってしまった。なるべく居心地のいい空間を作ろうと思っているのだが、それを悉く壊されている感じ。個人的なことを根掘り葉掘り聞いてくる人がいる。適当に返事を返していると、とても怒る。だから、虚実織り交ぜて笑い話にしているのだが、それを「馬鹿にしている」と思ったらしい。多分きっと、柚木崎が分からないと思ったのだろう。英語でぼそぼそっと呟いた。だが、残念なことに(?)柚木崎は聞き取れる。と言うわけで、言われたことが分かってしまった。そうか、あなたはそう思っている訳か。そう、理解できる一言だった。別にそんなことはどうでもいい。相手は気づかれていないと思っているのだから、こちらが把握していればいいこと。そう思って今までも過ごしてきた。が、今日は怒ってしまった。なんなんだ、と。きっかけは味噌汁である。なんだそれは、と思われるかもしれないが、いつも頼んでいる弁当屋が、忘れ物をしたのである。それを届けに来てくれるときに、お詫びとしてカップの味噌汁をつけてきてくれた。今日の弁当を頼んだ人数分、4つ。全て種類が違う。だが、既に二人は食べ終わってしまっていた。そうなると、優先順位が自ずと決まってくる。まずは食べている人から。というわけで、一番最初に弁当を食べている上司が選んだ。次に、弁当を頼んだ上司たちに声を掛けた。一人は仲の良いJという上司。彼は「僕はいいや」と答えた。もう一人の上司は今年限りの上司。「私はこれを食べてみたい」と一つの味噌汁に手を伸ばした。弁当を頼んでいないが、今日はこちらで昼食を摂っている上司が一人。まだ食べている。ので、こちらにも声を掛けたら怒られてしまった。なんと、「私を塩分過多にするつもりか」と怒られたのである。唖然とするしかない。そんなこと、誰が考えるというのだろう。単に、貰ったからいかが、と言うだけの話なのに、どうしてそんな大げさなことになるのか。戴いたのでどうかと思いまして。そう答えると、激怒していると言っていいほど怒っている。健康に気をつけて玄米を食べ、塩も拘ってドイツから取り寄せているという人間にそんな塩辛いものを食べさせようとするとはどういう了見だ、と。怒られることがおかしいと思う柚木崎はそれならいらないの一言で済むじゃないか、と反論した。それだけで、返事としては十分なのだ。そんな塩辛いものを食べる人間がおかしい。そう言い募る上司に、付け加えた。そんな言い方をする必要性を感じない。怒られる筋合いのことでもない。そう言ったら、火に油を注ぐ結果に。呆れて肩を竦めたところに、英語で話しかけた上司がひとり。先ほど、「これが食べたい」と味噌汁を持って行った上司だ。彼女曰く。『味噌汁は日本人の心らしい。 あちらは厚意で言ってくれたことだが、ありがた迷惑だ。 はっきりそう言って貰えて嬉しい。 こんなもんはいらないと言えたらどれだけすっきりするか』それに対して、激怒中の上司が英語で答える。『こんなものを食べる人間の気が知れない。 自ら病気を招き入れているようなものだ。 人に勧めるなんて言語道断。 自分だけ死ねばいいのに』彼女らは知らない。柚木崎が彼女らの会話を理解していることを。だから言いたい放題言っている。そうか、そういう考え方なのか。彼女らは要するに、柚木崎を馬鹿にしているのだろう。こんな会話は理解できないだろう、と。だから、あっさり日本語で言ってやった。「ああ、そういう考えなら、無理に食べなくて結構ですよ。 廃棄しますのでどうぞこちらに」嫌みなほど丁寧に、しかも笑顔で。すると、味噌汁を食べている上司はにっこりと笑った。「あら? 何の話かしら?」しらを切っているが、目が動揺している。こちらも負けずににっこりと笑ってあげた。「だから。 食べたくないものを無理に食べて貰わなくて結構です。 勧められても、いらないものはいらないと言ってください。 そうでないと分かりませんから」席から立ち上がり、その上司の手から味噌汁を取り上げて。それでは捨てて参りますね、とにこやかに退室させて貰った。ドアの向こうでJのため息と、声が聞こえた。「あんまり馬鹿にするのは良くないよ。 あの人は、ちゃんと分かってるからね。 今まで言わないし、聞こえないふりをしていただけだよ」あと数ヶ月の付き合いの上司と、これからも付き合っていかねばならない上司。どちらも面倒くさいと思ってしまった。そう思うのはいけないのだろうか。
2004.11.25
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職場で担当しているHPの件で、上司からメールが届いていた。先日手直しをしたところが、間違えていたとのこと。リンクを張り替えてくれ、と元々の情報を作った部署から言われたそうなのである。アップデートをしたのは随分前の話。しかも、データの修正に関する話はそれより以前にあったもの。今頃、という気がするのだが。こればっかりは仕方がない。うちの職場のHPは、大枠は別の業者が作っている。訂正など簡単なところは柚木崎が担当しているが、まだ手が出せないようなところは業者が作ってくれている。前回の更新でずいぶんと構成が分かったとはいえ、勝手に手を出してはやばそうな場所である。その旨を上司に話したら納得できないらしく、大げんかになってしまった。やって出来ないことはないのだが、手を出しては行けない範囲と思われた。そう、きちんと説明したのだが、納得して貰えない。何でなんだ、どうしてなんだとどこかの誰かのような言い方をしてくるのである。だから、と何度も説明する羽目に。いい加減にして欲しい、とハングアップ寸前になってようやく相手が折れた、というか、なんというか。曰く、業者にやり方を教わって、やれ。そのあたりの判断は、業者に任せよう。ということで、連絡を取った。本来なら責任者である上司がやるべきところなのだが、彼はやってくれないのだ。もう、自分がやることではないだろう。そう言って。……責任者の肩書きはどこへ行った? といった感じだが。連絡をしたら、案の定、業者が手直ししてくれるとのこと。自分たちのやる範囲だから、とのメールが来た。申し訳ないな、と思う反面、やっぱり手出しはして欲しくなかったのだなと思う。当たり前のことだと思うのだが、こう考える柚木崎がおかしいのだろうか。よく分からない。というわけで、やっては行けないこと決定。次のアップデートまでに修正ファイルを依頼することにした。それにしても、遅すぎると思われる。うちの職場……危機感ないなぁ。
2004.11.24
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どんなに寒くなっても柚木崎も片割れも、家の中で煙草を吸わない。二人とも喫煙者なのだが、二人揃ってベランダに出てホタル族になる。それが、この家に越してきてからの約束事だ。……来客にも同じようにして貰うのだが。いつものように、入浴前の一服のため、片割れと共に外に出た。なんだか疲れているらしく、片割れは椅子に座り柚木崎は手すりに凭れての喫煙タイム。何気なく、川向こうにある向かいのマンションを見ている。お向かいのマンションは日当たりが悪く、ベランダは完全西向き、表に向かう窓は北向き。そのためか、出入りが激しい。この間、引っ越してきたと思っていたのに、もう3階と4階が空き部屋になっている。仕方ないかもなぁ、と思っていると視界の隅を何かが走った。視線をやると、無灯火の自転車。運転しているのは、帽子を目深にかぶった男か?危ないなぁ、と思っていた。見ていたマンションの回りは暗い。駐車場の明かりが明るい分、余計に暗く見えるのかもしれない。T字路なのに、街灯がない場所もある。運転手から見たら厭な自転車だ。そう思って見ていた。すると、その自転車は音もなく止まった。柚木崎の視線の先、お向かいのマンションの前に。住人かと思っていたが、なんだか様子がおかしい。す、と最初に自転車を止めたのは、ゴミ捨て場だった。不法投棄か?様子をうかがっていると、どうやら違う様子。だが、明らかに暗闇に紛れて何かをしている。視力がいい自分がいいのか悪いのか。なにをしているのか、見えた瞬間、吐き気がしてしまった。ゴミをあさっているのだ。それも、特定のゴミを、探している様子。傍らにいる片割れに声を掛ける。「不審者がいる」と。なにっと勢いよく椅子から立ち上がった片割れに指先で不審者を知らせると、あちらは今度は自転車の位置をずらし、隣の梅林の方へ身を乗り出している。……どこかの部屋を覗き込んでいるのだ。ちらりと街灯に照らされた姿を見て、心によぎった言葉がある。ストーカー。音もなく片割れは家の中に戻ると、懐中電灯を持って出てきた。結構遠くまで光が届くタイプの懐中電灯。ランタンタイプにもなるちょっと変わったものだ。それを、かちりと音を立ててつけると、まるで点灯チェックをするように、左右に光源を振ったのである。わざとあてたわけではない。ただ単に、光の先にお前がいただけだと言わんばかりの行動。最後にスコンと音を立ててランタンの形にしてにっこり笑って電源を落とした。まるでピンスポットをあてられたようになった不審者。僅かに触れる程度の明かりが2度通ったのだが、明らかに戦いた目線をこちらに向け。脱兎の如く逃げ出した。その姿を見るともなしに見て、片割れと二人で顔を見合わせる。ストーカーっぽかったよね、と。あの逃げ方からして、自分がなにをしているか分かっているとしか思えない。犯罪、防げたの、だろうか。これから暫く様子を見た方がいいかもね。そう話しながら家に入った。二人揃っている時に限り、と限定だが。……逆恨みは避けたいところだし。それにしても。あの逃げっぷりは見事だった、と言ってもいいのだろうか。本当に「脱兎」という言葉がぴったりだった。こういうのは止めて欲しいな、と切に思う。
2004.11.23
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片割れから、車を預けているYさんから連絡があったと教えて貰った。現在、車検終了の後、大がかりな修復(?)に入っているウチの車。板金屋から戻ってくるらしい。作業の最中にも何度か足を運んでくれたYさんが、こんな状態になりましたと見せたいので是非来てくださいと連絡をくれたそうなのだ。ずっと気になっていた塗装の浮きや、細かいへこみ。もう13年も前の車だ。これで暫く(どころか相当長く)大がかりな修復はしないだろうと思われる。気になったままは厭だったので、今回相談したところ、Yさんは快く引き受けてくれた。いいところを見つけたから、そこで直してもらいましょうと。自分たちで気になるところをいろいろチェックし、板金屋に行ったのが約1月前のこと。明日にはディーラーに戻ってくるらしい。早速明日見に行くという話をつけてあるそうだ。ここで仕上がりチェックをしてから硝子コーティングをして貰うことになっている。コーティングをしてしまってから気づくよりは、先にどこか気になるところがあったら直そう、とYさんが提案してくれたのだそうだ。全くその通り。今からワクワクしている。どんなふうに仕上がってきているのだろう。このあたりのコスモの中では一番綺麗に仕上げる自信があると豪語していたYさん。柚木崎や片割れの想像を超える提案を幾つもしてくれているが、このYさんの想像を更に越えたところを板金屋がやってくれたそうなのである。本当に、明日が楽しみだ。約1ヶ月ぶりに見るウチの子。どんなになっているだろう。作業工程の写真も楽しみである。
2004.11.22
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毎年の恒例行事なのだが、ここで懐かしい人と顔を合わせることになった。高校の時の先生である。直接習ったことはないのだが、顔と名前が一致する程度には知っている先生。だが、もう何年前のことだろう。相手は覚えていないだろうな、と思いながらぺこりと頭を下げると暫く顔をまじまじと見つめられて、「あああああああああ!!」と大きな声を上げられてしまった。どうやら覚えていてくれたようである。恒例行事なので、弁当が出た。その弁当を片手に暫しおしゃべり。今の3年生が、柚木崎たちの着ていた制服の最後だということ。柚木崎がお世話になった先生たちは殆どがもう定年退職になってしまっていること。特に、一番お世話になった生物の先生はこの3月に定年になり、故郷の沖縄に帰ってしまったとのこと。最後まで懐かしがっていらした、と聞いてなんだか申し訳なくなってしまった。実は柚木崎、高校に愛着がない。特定の友人たちとは未だに仲が良く、しょっちゅう連絡を取り合ってはいるものの「高校」という場所自体に愛着がなかった。面白いことに、高校時代の友人たちはみな同じようで、ある意味「浮いた存在」たちの集まりだった。だから、先生たちにしてみたら目立つ集まりだったらしい。他のメンバーの安否を聞かれ、元気にしてますよ、と近況報告をしたら含み笑いと一緒に「あなたたちは相変わらずですね」と言われてしまった。そうなんです。相変わらずなんです。なにしろ今でも集団個人行動の人たちばかり。そう答えると、華やかな笑い声がロビーに響いた。集団個人行動。一見すると集団で固まって行動しているように見えるが、実はそれぞれ違うことをしている。そういう意味で、柚木崎たちは良くこの言葉を使う。実際そういうメンバーだった。今でも変わらず、時々遊びに行く計画を立てるのだが、遊びに行った先でもこの状態。協調性がないのか否か。でも、ちゃんと集団に見えるのだからやっぱり協調性はあるのかもしれない。今度の3月で、お世話になっていた体育の先生が定年らしい。その次の3月では、一気に何人もがいなくなる。その中には、柚木崎ととても折り合いの悪かった先生も。思い通りに動かないからと、徹底的に嫌がらせをされた。思えば、希望大学すら阻まれたのだ、この人に。それ以来、とある規定が出来たということを別の先生から聞いたのは随分後のことだ。その話をしながら、先生に頭を下げられた。あの人の行動を停められなくてごめんなさい、と。今更だからもうどうでもいいのだが。それよりも、ここに来ていろいろな人と知り合えたことが柚木崎には有意義なことだったのだ。過去は悔やんでも仕方がない。が、教訓として活かしてくれたなら、それは嬉しい。ああいう思いをする後輩は、いないに越したことはない。私立の高校だったから、恩師に当たる人は結構長くいる。会いに来てあげてくれる? と言われてみんなにも声を掛けてみますね、と答えておいた。実際に行くかどうかは分からない。なにせ、集団個人行動の友人たちだ。愛着も持っていないし。ただ、あの人には会ってもいいかな、と思える先生がいるなら声を掛けてみようと思っている。名残惜しげだったが、時間も時間だったのでまたお目にかかれる日までお元気で、と別れの挨拶を交わした。いつまでもお元気で。そう思う。
2004.11.21
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今日は休みである。土曜日だから、と言うわけではない。うちの職場独自の休みである。……土曜に重なるのは、嬉しくない。それはいいとして。先日、後輩から一枚のメモが残されていた。机の上に密かに貼られた小さなメモ。しばし、貼られていることにも気づかなかった。気づいたのは随分経ってからと思われた。メモの内容は、「木曜と金曜、お休みください」と言うことと、もう一件。「私事ですが、土曜日、結婚式のため」。どう受け取ればいいのだろう?この土曜日(今日なのだが)、後輩自身の結婚式なのだろうか。それとも、知り合いの結婚式に呼ばれているのだろうか。そのあたりの判断がつかなかった。このメモをくれた後輩自身に聞こうにも、捕まらないこと捕まらないこと。普段、別に用事がない時にはよく会うのだが、いざ何かを聞こうとするとなかなか会えない。他の後輩たちに聞くのもなんとなく憚られる。どうしたものか、と思っているウチに、今日がきた。片割れにこのメモの話をしたところ、本人の結婚式ならお祝いはどうするの? と聞かれた。……それも分からん。先輩が結婚した時には、長らくお世話になっているから、ということでお祝いをあげた覚えがある。だが、後輩は??……どちらかというと、折り合いが悪いことが多い。今回のこの後輩は、最近よく話をするようになった後輩ではある。だからあげてもいいのだが。ほかの子たちが結婚するとなったら、やっぱりあげなければならなくなるのかもしれない。そう思うと、下手にお祝いをあげることができない。どうしたものか、悩んでいる。あげるべきか、あげざるべきか。あげるとしたら、なにをあげるか。……まだ暫く悩むとするか。本人の結婚かどうかも分からないし。
2004.11.20
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明日の仕事に関して、打ち合わせが夕方からあった。その知らせは随分前から来ていたので、間に合うように、自分の仕事場をあとにした。歩いているうちに、後ろからついてくる足音に気づく。明日の仕事を管轄している部署の人たちだ。歩く足音はゆっくり。だが、同じところに向かっているのを知っているので「お疲れ様です」と声を掛けて、歩く速度をゆるめてみた。あんまり顔を合わせる人たちではないが、仕事の途中でこの打ち合わせをしなければならない。その点では同じく、「お疲れ様」と思ったのだ。ちらりと視線を飛ばしてきたのは、最近顔を見るようになった人。どうしよう、と視線が泳ぎ、隣を歩く厳しい顔をした上司を上目遣いで見る。その、一部始終を見てしまった。なんだか厭な予感がしたのだが、にこやかにしているしかない。……声を掛けてしまった以上。視線を向けられた彼女は、不機嫌そうな顔を更に不機嫌に口元を歪めて「そうね、お疲れだわね。 あなたたちにまた1から説明しなきゃいけないんだから。 毎年のことなのに、なんでこの手順を踏むのか 未だによくわからないったら」珍しく愚痴らしきものをこぼした。この人は気丈な人で、更に言えばかなり他人に厳しい人なのでこういう言葉が漏れるのは非常に珍しい。少しは馴染んでくれたと言うことなのだろうか。不機嫌極まりない顔をしてはいるが。この眉間のしわさえ取れば、とても綺麗な人なのに。本当にそう思う。愛嬌のある美人の顔立ちをしているこの人。なのに、いつも眉間にしわを寄せて、不機嫌そうな顔。勿体ないとつい思ってしまう。……これはセクハラになってしまうのだろうか。なる、の、だろう、なあ。口に出して言ってしまったら。一度も言ったことはないが、本当に眼福なのである。なのに、勿体ない。つい、思ってしまう。顔に出したりした時点で、こっぴどく叱られることは間違いないが。ふう、と大きくため息をついて、珍しく目元が緩んだ。おお、と思ってしまう。だいぶ寒くなってきた、と独り言を呟くその人。ホントですね、と相づちを打つとあんたたちは籠もっての仕事だからいいわよ、と言われた。容赦のない言い方だが、いつもより柔らかい。何かいいことがあったのだろうか。目的の建物のエレベーターの中で少しだけ世間話をしていたら最初におどおどしていた人が目を丸くしていた。こういう会話を柚木崎とこの人が交わすときっと思っていなかったに違いない。こういう意外性も面白くていいだろう。たまには?いや、いつもだったら嬉しいのだが。そんなこんなで、打ち合わせ開始。久々に肉体労働も含むこの打ち合わせ会。とっとと終わらせて帰ろう。そう顔に書いてあるその人に、思わず笑みを向けてしまった。また不機嫌な顔をされてしまったけれど。たまにはこういうのもいい。うん。たまにだからいいのかもしれない。
2004.11.19
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時々、お菓子が作りたくなる。柚木崎独特のストレス解消法らしいのだが、お菓子に限定されるのはなぜだろう。ふと思い立って、今回はバナナケーキを作ってみた。片割れはどうやらこれが嫌いらしく、「食感が苦手」と言って食べてくれないので職場に持ってきたのだが。面白いことに、これは好き嫌いがとてもはっきり分かれる。完熟バナナを使っているのだけれども独特の青臭さが消えていないという人もいればこのしっとり感がたまらないと目を細める人も。みんなで分けるので、本当に一かけなのだけれど大抵の人がとても喜んでくれたのでこれはこれで大成功と言える。面倒なので、焼き型は使い捨てのものだ。最近は100均で売っているのでとても手軽に使えるようになった。本来ならパウンド型で作るものだが人にあげる時は見栄えも考えてホールサイズで作る。分量は変わらず。だけれども、ホール。なんかそれだけで贅沢な感じがするらしい。面白いものである。使ったバナナは2本。フォークの背で荒く潰して生地に混ぜ込んだ。だからか、しっとりした感じがかなりある。一かけを持っていった上司の一人に「今まで食べた中で一番美味しかったバナナケーキ」と言われたのがやっぱり嬉しい。店のものと比べてもこちらがいい、と言われてしまった。売りませんよ、と笑うと売りに出されてたら遠くても買いに行く、と言われた。こういうのを真顔で言われると照れてしまうのだが。今年で定年退職の上司に、「こういうのは木曜だけにしてくれな」と言われてしまった。自分が来る曜日だけにして欲しいのだとか。そうじゃないと悔しくて夢に見てしまうと言われた。甘いものに目がない上司。こういう人がいるから、作りたくなるのだろう。さて、次はなにを作ろうかな。バナナ、評判良かったから、またバナナ使うかな?
2004.11.18
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昨日一昨日と、どうやら風邪を引いてしまったらしい。声が全く出ない状態だったのでこれでは仕事にならぬと、休みを貰った。二日間、続けての休み。なんだか気が咎めてならなかった。今日、出勤してみて驚いた。いや、前から分かっていたことだから改めて驚かされたと言うべきなのだろう。仕事道具一式が置いてある部屋で暫し呆然と立ちつくすことになった。洗い物が、そのまま放置されていたのである。本当に久しぶりのことで、だからこそ驚いてしまったのかもしれない。洗い物だけでなく、新聞までそのまま放置されていたのだ。喉を大事にしなければならない職場なので、飴を常備してあるのだが、その飴の入ったケースは空っぽでゴミは散らかし放題、カップも机の上に放り出されたまま、中にはきちんと洗い物ケースに入れてくれているものもあるがそのまま放置されていたので、結局は変わらず。見た瞬間に、本当に固まってしまった。これは新手の嫌がらせだろうか。こんな思考回路になってしまったのはまだ病み上がりだからかもしれない。こびりついて落ちないエスプレッソの汚れやら焙じ茶の茶色い染みを徹底的に洗い落としながら不覚にも鼻が痛くなった。なんだか無性に悔しくなってしまったのだ。柚木崎は一度もこんなことをしたことがない。一緒に出勤の早番の人が来なかったからと言って洗い物を放り出したりしない。休みだったからと言って、洗わなかったことなど一度もないのだ。自分と同じだと思うの方がおかしいのかもしれないがこれはそういう問題で済ませて良いのか。柚木崎が就職した時の先輩は体調が悪い人が洗い場に立つと「あなたは病み上がりなんだから、冷たい水なんて使っちゃダメ」と、当たり前のように相手を労り自ら洗い物を買って出る人だった。そういう人を見ていて、そういう人になりたいと思って。柚木崎は、そうしてきたつもりだ。だが、実際は。単なるお人好しでしかなかったのだろうか。そんなことを考えていたら余計に悔しくなってしまった。負けてたまるか。他の人たちの洗い物も、放置されたままなのが余計に悔しい。柚木崎に洗え、と言うことなのだろう。負けてたまるか。風邪より、人に、負けてたまるか。
2004.11.17
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昨日に引き続き、声が出ない。体の節々は痛いのだが、熱もない。ただ、昨日より多少ましな程度である。声が出ないと仕事にならない職場にいるため、今日もお休みを戴くことに。今までためていた代休を貰おう、と思うことにした。申し訳ないけれど、あと1日お休みをください。
2004.11.16
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目が覚めてみたら、喉が痛かった。なんか痛いな、と思いながら起きあがり、水を飲んで喉を潤し、発声……しようとして固まってしまった。声が出ない。どうやら風邪を引いた模様。柚木崎の職場は、しゃべれないと意味がない職場である。全く声が出ない状態で、しゃべろうとすると口パクになってしまうのだ。これでは電話に出られないし、人にあって挨拶も出来ない。ダメダメである。元々、柚木崎は喉から風邪を引くことが多い。だからかもしれない、とはおもうのだが、ココまで酷いのは久しぶりのことである。喉の一部に、魚の骨が刺さっているかのような痛みがある。何かを飲むと多少は緩和するのだが、すぐに痛みが復活する。しぶとい。片割れが起き出してきたので、おはよう、と挨拶しようとして失敗した。片割れに朝から何の遊び? と笑われてしまうが、声が出ない~、と必死にアピールしてようやく理解して貰えた。……ずっと遊んでいると思われていたのが悲しいのだが。こんな状態では仕事に行けないので、片割れに頼んで、休みを貰う電話を入れてもらうことに。これでは電話できるわけがない。掛けても無言電話になってしまうだけだ。それはさすがに避けたい事態。絶対に、うちの職場の人たちは思いっきり派手に電話を切ってくれること間違いないのだ。受話器のこちらがわの耳がおかしくなるくらいに派手に叩ききってくれるだろう。……分かっているのにそれを実践したくない。電話しておくから大人しく寝てること。そう念を押されてしまった。熱があろうとなかろうと、柚木崎、体が動くとのそのそ起き出してしまう癖がある。それは絶対ダメ! と言われてしまったので、今日は大人しく寝ておくことにしよう。明日には声が出るようになっているといいなぁ。
2004.11.15
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朝から片割れがそわそわしている。起きるのも早かったし洗濯物などもとっとと片づけてしまって、なにかを考えている様子である。なにがしたいとか、どうしたいとか。言ってもらわなければ分からないので聞いてみると、「ハンズを見に行きたい」といいだした。ウチの近くでハンズというと。……少し遠い。駅で言うと、結構離れている。車で行くんだろうな、と思っていたので、代車だけどいいのかなと半分思いながら天気が良かったので、上着を羽織らずに出てきてしまった。車の中は良かったのだが、いざ現地について外に出てみると……寒い。駐車場から目的地のハンズまでは結構距離がある。そのことをすっかり失念していた。というより、駐車場、そこに停めると思っていなかったのだ。厚手の服を着てきてはいるのだが、なんだか冷える。同じく薄着の片割れは平気そうで寒いと訴えると不思議そうな顔をされてしまった。どうやら寒さを感じる感覚が違うようだ。なんて思っていたら、体が慣れてしまった。だが、店を出入りすると、なんだか妙な感じがする。ふわふわと足下が定まらない感じ。こういうのは厭だなあ、と思っていたのだが片割れの捜し物は見つからず結構な距離を歩いて探し回ることになった。結局目当てのものは見つかったものの、とってもいいお値段をしていたため、購入を断念。それよりまず、色合いが分からなかったのでダメ。そんなことをしていたら、外は真っ暗になってしまっていた。帰り道、懐かしい匂いがして足を止めたらお肉屋さんが唐揚げを揚げていた。祖母の家の近くのお肉屋さんもよくこうやって店で揚げたての唐揚げを売っていてそれを毎回行くたびに飽きずに買っていたことを思い出した。匂いがとても良く似ていたのだ。嬉しくなって少量買い求めて、車に乗って自宅へ帰った。車の中で食べた唐揚げは、懐かしい香りと味がした。こういうのは結構いい。たまにはいいかもね、と片割れと笑いあった一日の出来事。
2004.11.14
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片割れが、今日は葬儀に出ている。会社の同僚で、一緒に仕事をしたことがある人とのこと。昨晩、実感がないのだけれどととても信じられないと言わんばかりの表情でその人の話をしてくれた。40代、独身。つい先日まで、元気に仕事に来ていた。月曜日、一緒に昼食を摂った人もいるという。その時には何の変わりもあるように見えず、普段と変わらず元気そうなのだったそうだ。それなのに。火曜日。彼は無断欠勤をした。今まで一度もこんなことがなかった。余りにも体調を崩しすぎて、という可能性もあると上司もその日は心配しながらも黙認した。水曜日。やはり、無断欠勤。電話をしたが、繋がらない。まさか入院か? と誰もが心配になった。木曜日。……無断欠勤。とうとう上司が動いた。彼の自宅に赴き、チャイムを鳴らす。何の応答もない。新聞も、束になって郵便受けに突っ込まれている。不安が徐々に心をむしばんでいく中、大家さんに連絡を取って、合い鍵で部屋を開けて貰う。そして。彼が。倒れているのを、見つけてしまった。月曜日に帰宅して後、倒れたらしい。独身、一人暮らしということもあり、彼が苦しんでいる姿を誰も気づかなかった。苦しんでいたのか否かも、今ではわからない。司法解剖しても、死因は不明だったのだという。信じられないよ、そう何度も呟く片割れに礼服を出しながら何度も相づちを打った。あまりに唐突な死である。そう言えば、先週廊下ですれ違って挨拶してたんだよなと呟いていた片割れ。信じられない、まだ実感がない。そう言って出かけていったが、戻ってきて淋しそうな顔でぽつりと漏らした。やっぱり死んじゃってたよ、と。こういう話はとても辛い。親御さんも、さぞかし辛い思いをしていることだろう。彼の人のご冥福をお祈りする。
2004.11.10
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そろそろ仕事の終了時間、と言う時に、一人の上司が訪ねてきた。今年の4月から新たにスタッフとして加わり、直後に結婚。3ヵ月前に妊娠が発覚した上司である。もともと柚木崎とは気が合うのか、色々な話をする間柄だ。その上司がめずらしく紅がはみ出ているのにも気付かないほど気持ちが荒ぶっている。妊婦さんにこの状況はよくない。そう思い、まずは椅子を勧め、話を聞きながらいれた薫りの良い紅茶を差し出した。新人だからか、この上司は少し軽く見られている。そういうのは柚木崎はとても嫌いだ。柚木崎と同じ立場の同僚のなかにも自分のほうが先輩なんだからとあからさまに態度にする輩もいる。仕事上の関係で、下の立場なのに先輩だからというのである。なにか間違えているとしかいいようがない。それはさておき。今回この上司が聞いてほしくて駆け込んできた内容は。セクハラ、である。口にした本人は、こう最初に切り出したそうである。「これはセクハラの意味ではないんだけど」と。こう言ったという時点で、本人はセクハラに値する内容だと認識していることがわかる。さらに続けて、「妊娠してるんだよね? 無理が出来ない身体なんだから、仕事辞めたら?」聞いているうちに腹が立ってきた。あまりの言葉に頭の中が真っ白になってしまって、言い返せなかったのが悔しいといまにも泣きだしそうな上司を、どう宥めようか悩んでしまった。言った本人がどう思おうと関係がない。言われた当人が『セクハラ』だと思ったなら。それは立派なセクシャルハラスメントである。今回のこれは、明らかにセクハラ行為であり、言った本人がどう言い訳しようと、事実は事実である。職場のセクハラ委員会に報告してもいいのだが、事を荒立てるのも、いいのか悪いのか判断がつかなかった。今の上司の立場の問題があるからだ。一番上の上司にこのことは話したほうがいいと言うことが、今の段階でいえることのベストと思われた。。そう話すと、涙目で訴えてくる。柚木崎の先輩にあたる人に、そんなことをしたらあなたの立場が悪くなるだけだからやめなさいと、一人で黙って抱え込んでしまうのが一番いいのだとそう言われたそうなのである。柚木崎はそうは思わない。誰かが言うべき時にきちんと言わなければ、いつまでもこういった態勢はかわらないのだ。自分だけではない。他の誰かも、同じような被害にあうのである。泣き寝入りをする必要はないこと、柚木崎が一番上の上司に話したほうがいいとアドバイスしたことをきちんと筋道立てて説明したほうがいいといろいろ対策を練った。報告をすることを決意した上司はがんばるから、と気合いを入れてでていった。顔色は、来たときより格段に良い。きっと支持して、後押しをしてほしかったのだろう。この話を自宅でしたら、片割れが大層怒ってしまった。柚木崎の立場が悪くなるのも心配だが、こんなことを平然といってのけるスタッフが許せないとひどくご機嫌斜めになってしまったのである。またもや宥める側に回ってしまった。仕方がない。あとは、一番上の上司が自分が引き抜いた人だからという偏見を持たずにきちんと話を聞いてくれることを願うばかりである。
2004.11.09
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なんだか代休を取れない。普段からそうなのだが、柚木崎の今いる部署は、代休が取りにくい部署である。下手をすると、本当にぶっ続けで出ることになる。さすがにそろそろ体調的に不安になってきたので代休を取ることにした。その話をすると、昨日、明らかに後輩たちが厭な顔をした。いつの代休をまだ取っていないのだ、と言うと更に厭そうな顔になる。そういう顔をする後輩たちは、とっくに代休を消化。それどころか、しょっちゅう来ないこともある。気が抜けてしまうが、それで成り立っていけるんだから、変な職場だ。そんなこんなで、休みを取った。昼近くまで熟睡して洗濯をして、掃除をして、布団を干して。片割れからメールが届く。「今なにしてる?」ちゃんと起きてご飯食べたー、と返信すると「なに食べた~?」ラーメン作った~、と答えると、「美味しかった~?」なんだか普通に会話をしているようだ。昼休みだからだろう。日だまりでのんびり過ごす。こういう日は嫌いではない。ここのところ、せかせかした毎日を送っていたからこうやってのんびり過ごすのも、いい。そう思いながらのんびり過ごした。さて、明日はまた仕事だ。負けないぞ!!(笑)
2004.11.03
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大学生を教えている人に聞くと、面白い話をよくされる。最近の学生や親の傾向である。海外の大学生と日本の大学生を比べる研究をしようかとまじめに考える人も出てくるほど最近の学生たちは面白いようだ。まず、良く言われるのは「座っていられない」こと。小学生などでよく言われる『多動症』の子どもたち。それが、大学生でもよくあるようだという話だ。授業中、携帯電話を持ってふらりと出て行ってしまう。どこになにしに行くとか、全く先生に言わないらしい。声を掛けると不機嫌そうな顔になるし、下手をすると逆ギレされるので、どうしたもんかと悩む先生も多いようだ。次に言われるのは、集中力が続かないこと。1時間半の授業、おしゃべりが多いこと。大人数の授業だと、ざわめきが酷くてマイクを通しても自分の声が聞こえないということが多々あるようなのである。これは何となく分かる気がする。小さな声ならばれなかろうとひそひそ話す声がたくさんいて、結局大音量になるのである。自分だけ、と思ったら大間違いなのだ。あと、これはよく口癖のように言っているのを聞く。「授業料払ってるんだから単位出せ」と言われると。……これは、どうだろう。少なくとも、学生が授業料を払ってるわけではあるまい。そう聞くと、最近は親がそう乗り込んでくるとのこと。自分の子どもの、授業に対する態度も知らず。譬え出席が殆ど無くても、親はそういう子どもの姿を知らない。だから、留年とか言われると頭に血が上るようなのだ、と。学生たちの傾向もだが、親の傾向の変わりように何よりも驚く。柚木崎が学生の頃にも、そういう親がいなかったとは言わない。なんでウチの子が留年なんですかと事務に怒鳴り込んだ親がいることを知っている。そういった親は、学生の間でも冷笑をもって話題にされる。もちろん、そういう行動を起こさせた子どもの方も同じ学生間では冷ややかな目つきで見られることになる。少なくとも、柚木崎が学生の頃はそうだった。だが、最近は本当に多いのだという。自分の子どもの出席が足りないことを承知の上で「それでもみんなと一緒に卒業させてあげたいから」と貢ぎ物を持ってやってくる親が後を絶たないという。そういう品物は受け取らないし、一度も顔を見たことがないような学生に単位をやることは出来ないと突っぱねるのだが、親は泣き落としたり脅したり、いろいろ手を尽くすようなのだ。愛情の注ぎ方を間違えてるよねとこの話をしてくれた大学教員は笑った。柚木崎もそう思う。最近は精神的な病に罹る学生も多い。そういう学生たちのことを本当に思うのであれば、親はきちんと話し合いをして、無理にでも行かせるか、辞めさせるか(休学という手もある)きちんと納得するまで話し合う必要があると思うのだ。みんなが行っているから、みんなと一緒じゃないと。そうやって枠に押し込められるから子どもたちは苦しいのではないか、そんな気がする。休学とか考えればいいのにね、と言ったらその大学教員に肩を竦められた。「みんなと一緒じゃないとダメなんだから、無理でしょ」あっさりと言われたものだ。授業料払っているのだからと教員に言うより、まずは自分の子どもと向き合う方がよほど効率的なのではないかと思ってしまう柚木崎である。なんかため息が出てしまった。因みに、授業中に眠るのは、日本の学生の特色らしい。アメリカじゃそんなことはないとのこと。やっぱり何か間違えている。
2004.11.02
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父方の従兄の家は、よくわからない。現在祖母が一緒に住んでいるのだが、以前にも「この家族は分からない」と思った覚えがある。今日は祖母の誕生日だ。退院したお祝いを兼ねて、花束を持ってお祝いに行ったウチの両親。母から「どう思う?」という電話がかかってきた。柚木崎に言われても、同じような返答しか返さないのに聞いてくるのはやっぱりおかしいと思うのは自分だけじゃないと確認したいのかもしれない。祖母は相変わらず、日だまりの窓際で祖父の仏壇の隣にベッドを置いて貰ってそこに座っていたのだという。お誕生日おめでとう、と花束を渡すと嬉しそうに頬をすり寄せたそうだ。花瓶を……と叔母に声を掛けたのだが、叔母は返事もせず、くることもなく。母が台所に行くと、不満そうな顔で出迎えてくれたそうだ。「なにか?」と聞かれたので、お花を活ける花瓶を、と答えたらそのあたりも持ってきてくれれば面倒ないのにと愚痴られてしまったそうなのだ。3時間ほど話をしたりして一緒にいたのだが、その間、出てきたのはお茶一杯と煎餅1枚。夕方になって帰ろうか、ということになっても顔一つ出さなかったとのことなのだ。よく分からないとしか言いようがない。なにせ、柚木崎にとっては叔母なのだ。母にしてみたら義姉。血の繋がり云々と言われてしまうと余計に分からないのだがこういう人だと割り切ってしまうのが得意な母にしてはいつまでも「変だよね」と言い続けている。もしかしたら、仲良くなれそうなのになれないからどこかで苛々しているのかもしれない。未練なのかと思ってしまうほどだ。仕方ないじゃん、そういうもんだよと答えながら、ウチだったらこうするのにね、と笑いあう。それでいいのだろう、きっと。こういう不思議な家もあるのだと理解することも大事なのかもしれない。気になる (PM 05:17)ここのところ、ラジオを聞きながら出勤している。うちの子が入院中(笑)なので、代車だからだ。代わりの子はCDもMDもついていない。標準装備のラジオのみである。だが、電波の受信がすこぶる悪い。アンテナを伸ばせばいいだけなのだが、さすが代車。…アンテナが伸びないのだ。どうやら中で錆付いているらしい。というわけで、音の悪いラジオを聴きながら出勤している。もともとラジオ族の柚木崎はあんまり気にもしないし、FMラジオなら馴染みの番組もあったりする。そのあたりを重点的に聴いているのだが、DJのしゃべり方や声の質などが随分変化したように思う。柚木崎がよく聞いていた頃のDJは、時間帯もあったのかもしれないが柔らかく耳に心地よい声をしている人が多かったように思う。話し方も言葉にとても気を遣いながら話していたように感じた。それはどちらかというと深夜ラジオに近かったからかもしれない。今でも覚えているのは、天使の声と地元リスナーから呼ばれていたDJの声。忘れようにも忘れられない。まさに理想の声、話し方だった。あの人のように話したいと願いながら今まで生きているが、未だにその領域は遠い。そんなことを思い出してしまうくらい、今聞いているラジオの進行(DJというより、こんな感じだ)は騒がしいこと声が割れること。しばらく聞かなかった間に何があったのかと聞きたくなるほど喋り方は聞きにくいし、声はがなりたてているように響き渡る。嬌声、と言ってもいいかもしれない。おかげでラジオもあまり聞きたくなくなってしまった。通勤時間が少し退屈である。早くウチの子、帰ってこないかと首を長くして待っている。
2004.11.01
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