鮨屋を楽しむ二つのスタイル
ひとつが、鮨(握り)のみを楽しむ鮨屋か、“あて”ある鮨屋かです。
前者はお食事需要であり、後者はお酒を楽しむスタイルです。
元々、江戸時代に町人の屋台から店となり高級化していったお鮨。
最初はお食事として発達しました。
戦後、物資難の時代にあって、食料統制時代となりました。
この時に日本橋の寿司屋が知恵を絞り、政府とかけあい、わずかな配給米をすしと交換する、“委託加工制度”が始まりました。
1合のお米を握り寿司5カンと巻きずし5切れを交換し、手間賃を払うという見事なシステムによって寿司は続きました。
この時より、握り5カンと巻物1本が一人前として定着しました。
また、物資難ということもあり、創意工夫でいろいろな食材をネタにする工夫がなされました。
寿司が“ハレ感のあるご馳走”というイメージがついたのはこのおかげかもしれません。
続いて、伝説の鮨職人・藤本茂蔵(しげぞう)によって始まったのが、江戸前鮨店で今、普通にやっている"おまかせ"です。
NHKの番組によれば、当時のおまかせの内容は真鯛、鮪、大とろ、烏賊、赤貝、柚子の香りのツメをかけた穴子、鞍掛の鱧の入った玉子焼き、5つに切った干瓢だったそうです。
ちなみに、杉本茂蔵は昭和26年に『すし春』という店で鮨1カン300円の高級鮨にしたそうです。
その値段はラーメン1杯の値段の十倍。
こうして、今のような高級鮨店が始まり、お酒を楽しみながら刺身を提供する鮨屋から、料理を提供する鮨屋に派生してゆきました。
こうして、鮨屋の楽しみ方は、『すきやばし次郎』のように食事としての鮨、そして、『行天』のようにお酒を楽しむというふうに大きく二つに分かれてゆきました。
まさに『すきやばし次郎』は握りを楽しむ店です。
本日のおすすめ
◆◆すきやばし次郎旬を握る / 里見真三/著 / 文芸春秋
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