小説を書こう!

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2009.01.03
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「合格してたよ」
 と言われた。私はとくに喜びはしなかった。ただ、ほっとした。私は、
「そう」
 とだけ言って、二階の自分の部屋に向かった。
 私が行こうと思っていた私立中学の受験はこのようにとくに問題なく終わった。偏差値がそれほど高い学校でも無かったし、ただ家の近くにあったからという理由だけで志望した学校だったのでそれほど感慨もこみ上げてこなかったし、まるで事務手続きを経ていくかのように受験スケジュールは過ぎて行ったような感覚だった。
 その二週間後、国立大学付属中学の受験があった。その難関中学は私にとって「受かれば自慢になる」というくらいの位置づけだった。その中学受験に向けた特別な勉強はしなかったし、努力もしなかった。変に努力してしまったら、落ちてしまったときに自分に対して言い訳ができなくなるというような屈折した思いもどこかにはあったのかもしれない。あるいは、努力してそして不合格になってしまったら、それによって私は自分の能力の限界を指し示されてしまうような気がして、そのことに微かな恐怖も感じていたのかもしれない。
 その中学は家から一時間半くらい電車に乗ったところにあった。はっきり行ってかなり遠い。中学生の身としては往復三時間の通学時間はかなり負担になるに違いない。そのことも私を努力から遠ざけていた要因だったのだと思う。そしてその中学は「自由であること」が一つの売りである学校であり、制服は一切無く全て私服だったのだ。ある者にとってはその自由さが魅力なのかもしれないけど、私はその自由さが逆に息苦しかった。
「あなたの好きなことを自由にやってください」
 そういわれたら、何をすればいいのか分からなくてよく途方に暮れてしまった。






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Last updated  2009.01.03 10:39:13


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