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オーストラリア出身バンドのデビュー盤 メン・アット・ワーク(Men at Work)は、1979年にメルボルンで結成されたバンド。オーストラリア国内でローカルのシングルはリリースしていたようだが、1981年に本デビュー・アルバム『ワーク・ソングス(Business as Usual)』をリリースした。自国内での好評を受け、翌1982年に本盤は米国でもリリースされた。 このデビュー盤当時のメンバーは、コリン・ヘイ(Colin Hay,ヴォーカル)、ロン・ストライカート(Ron Strykert,ギター)、ジョン・リース(John Rees,ベース)、ジェリー・スペーサー(Jerry Speiser,ドラムス)、グレッグ・ハム(Greg Ham,サックス、フルート)で、このうちグレッグ・ハムは2012年に謎の死(一説には心臓麻痺)を遂げている。1984年に大幅なメンバーチェンジを経てまもなく解散。10年ほど後に復活したものの(2000年シドニー五輪でのパフォーマンスはこの頃)、2002年以降は散発的に集まるのみで、結局は上記のグレッグ・ハムの死去によって活動は途絶えてしまった。 現行のCD(2003年リマスター)にはシングルB面やライヴテイクが加えられているようだが(筆者は未聴)、元々の収録曲は全10曲。何と言っても有名なのは2つの大ヒット曲、1.「ノックは夜中に(フー・キャン・イット・ビー・ナウ?)」と3.「ダウン・アンダー」。これらは2つとも全米1位のヒットとなり、グラミーの新人賞受賞に結びついた。その他の楽曲も粒ぞろいで、“活きがいい”というのが全体的な印象である。実際、1970年代にはオーストラリア出身のバンドやシンガーが世界的に成功を収めるのは珍しいケースだった(AC/DCやリトル・リバー・バンド)。けれども、この頃からは、フレッシュな豪州出身バンドやシンガーが次々とシーンを賑わせるようになった。リック・スプリングフィールド(参考過去記事)、エア・サプライ(参考過去記事)、INXS(インエクセス)、カイリー・ミノーグらがその例だけれど、“オージー・ロック”(豪州ロック)と呼ばれた流れを定着させる先陣を切ったメン・アット・ワーク、これからも記憶されていってほしいと願う。[収録曲]1. Who Can It Be Now? 2. I Can See It in Your Eyes3. Down Under4. Underground5. Helpless Automaton6. People Just Love to Play with Words7. Be Good Johnny8. Touching the Untouchables9. Catch a Star10. Down by the Sea1981年(豪)、1982年(米)リリース。 ワーク・ソングス/メン・アット・ワーク[Blu-specCD2]【返品種別A】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2017年09月29日
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バンド過渡期ながら安定した好盤 プリテンダーズ(The Pretenders)は、1979年にセルフ・タイトルのデビュー盤(過去記事)をリリースし、その後、メンバー解雇など問題を乗り越えつつもアルバム・リリースを重ねていった。クリッシー・ハインド率いるこのバンドが1986年に発表した通算5作目となるアルバムが、この『ゲット・クロース(Get Close)』だった。 前作の『ラーニング・トゥ・クロール』からは2年半以上の歳月が流れてのリリースだった。数年前からメンバーの死去や解雇によってバンドメンバーの入れ替わりがあり、この時もまだバンド自体が不安定な状態であったことは否めない(実際、本作のレコーディングは複数のセッションから成る)。プロデューサーもデビュー以来のクリス・トーマスから、売れっ子のジミー・アイオヴィンとボブ・クリアマウンテンに変更している。そんなことを考え合わせると、バンドの変化と苦悩の中で生まれたアルバムだったと言えるのかもしれない。 とはいっても、その当時の筆者はそんなことはみじんも考えずに聴いていた。なぜかというと、そうしたことを考えさせないほど“出来がいい”のである。シングルも好評だった。6.「ドント・ゲット・ミー・ロング」は全英・全米とも10位のヒットとなり、さらに10.「ヒム・トゥ・ハー(聖歌)」もイギリスで8位を記録した。とりわけ前者は日本でも朝の情報番組で使われていただけに、その当時のヒットを知らなくても、馴染みの人が多いかもしれない。 そのほかの楽曲も粒ぞろいで完成度が高い。個人的な好みで特に聴き逃せないと思うものを少し上げておきたい。冒頭の1.「マイ・ベイビー」は、シングルとしてはさしてヒットしなかったものの、プリテンダーズの曲の中で筆者的には、上記の10.と並んでかなり上位のお気に入りナンバーだったりする。あと、アルバムの最後を飾るジミ・ヘンドリクス曲、11.「鏡の部屋(ルーム・フル・オブ・ミラーズ)」も聴き逃せない。ジミヘンの死後の『レインボー・ブリッジ』所収のナンバーであるが、この偉大なギタリストの頭にあった音の世界に対する、当時のクリッシー・ハインドおよびプリテンダーズの面々の料理の仕方は、このバンドが過渡期にありながらも十分な成熟を見せていたことを示しているように思う。[収録曲]1. My Baby2. When I Change My Life3. Light of the Moon4. Dance!5. Tradition of Love6. Don't Get Me Wrong 7. I Remember You8. How Much Did You Get for Your Soul?9. Chill Factor10. Hymn to Her11. Room Full of Mirrors1986年リリース。 Forever YOUNG::ゲット・クロース [ ザ・プリテンダーズ ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2017年09月26日
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2017年09月24日
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活動初期の“クールな”名盤 MJQことモダン・ジャズ・カルテット(Modern Jazz Quartet)が結成されたのは、1951年。当初は、ミルト・ジャクソン・カルテット(どのみち略称はMJQ)といい、ディジー・ガレスピーのビッグ・バンドから派生したグループだった。 1955年にはドラムスがコニー・ケイになり、メンバーが固まったが、本盤『ジャンゴ(Django)』は、1953年半ば~1955年初頭の間に吹き込まれ、ケニー・クラークがドラムを務めていた時期の録音である。とはいえ、MJQの代表作の一つとしてよく名前が挙げられる盤でもある。 よく言われるように、クラシックの室内楽のような演奏の作品である。クラシカルな部分はジョン・ルイス、逆に黒っぽいフィーリングを展開するミルト・ジャクソンの絶妙なバランス、これに尽きる。“クール・ジャズ”というとまったく違う種類の音楽が想像されてしまいそうだけれど、本盤で展開される彼らの音楽は二重の意味で“クール”と言えるように思う。いわゆる“カッコいい”の意味のクールと、“飄々としてどこか涼しげな感じさえする”という意味でのクールだと思う次第である。 個人的に注目したい曲をいくつか挙げておきたい。ジャンゴ・ラインハルトに捧げられたルイス作の表題曲(1.「ジャンゴ」)は、後に演奏されているものの、これが初演。2.「ワン・ベース・ヒット」は、パーシー・ヒースのベースが聴きどころ。あと、6.「ニューヨークの秋」や7.「バット・ノット・フォー・ミー」あたりは、繰り返し演奏されている有名ナンバーだが、逆にこうした演奏を聴くと、本盤の、さらにはMJQ自体の目指したところがよく見てとられるんじゃないだろうか。上で述べた“白人的”でクラシック的な部分と、“黒人的”でジャズ的な部分の融合は、偶発的に生まれてきたのではなく、ある意味ではしっかり計算されていたのだろうと想像できるように思う。[収録曲]1. Django2. One Bass Hit3. La Ronde Suite4. The Queen's Fancy5. Delauney's Dilemma6. Autumn In New York7. But Not for Me8. Milano[パーソネル・録音]Milt Jackson (vib),John Lewis (p),Percy Heath (b),Kenny Clarke (ds)1953年6月25日(4.~7.)、1954年12月23日(1.,2.,8.)、1955年1月9日(3.)録音。 ジャンゴ/モダン・ジャズ・カルテット[SHM-CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2017年09月22日
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マンサネーロ名曲集~続編(その6) さて、前回に続いて今回も個人的な好みを強く反映させての選曲で、アルマンド・マンサネーロ(アルマンド・マンサネロ)の曲をお届けします。「ボイ・ア・アパガール・ラ・ルス(Voy a apagar la luz)」というナンバーです。今回は比較的新しい映像で、2008年にビッグ・バンドを従えてのライヴの演奏の様子をどうぞ。 ちなみに、曲の表題は、直訳すると、“僕は明かりを消す”の意味です。詞を聴くと、“君のことを考えるために”と続きますので、決してエロい歌ではありません(笑)。むしろこの純朴な感じがいいといったところでしょうか。 続いては、本ブログではたびたび登場しているタニア・リベルター(Tania Libertad)の熱唱です。メキシコ屈指の文化イベント、セルバンティーノ祭(グアナフアト市で毎年行われる文化フェスティヴァル)に2006年に登場した時の映像です。 最後に、ペルーの有名な女性フォルクローレ歌手、エバ・アイヨン(Eva Ayllón)による「ボイ・ア・アパガール・ラ・ルス」です。同じくペルー人のサックス奏者ジャン・ピエール・マグネトも共演していますが、作者のアルマンド・マンサネロとのデュエットです。このライヴ映像は今年(2017年)5月のものということで、マンサネロは81歳。この映像からもわかるように(あと筆者はほんの数週間ほど前に今年制作のTV番組でもご本人の姿を見る機会があったのですが)、何とも驚くほど元気で活発な81歳です。 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2017年09月20日
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バンド黄金期メンバーでの最後の1枚 REOスピードワゴン(REO Speedwagon)は、1960年代末に米国イリノイ州で同じ大学に通っていたメンバーを中心に形成され、1971年にデビューした。1970年代を通じてコンスタントにアルバムを出していたが(ただしメンバーの変遷はあり)、ライヴに人は集まれどレコードはさほど売れないと言われたりしていた。ちなみに、バンド名のREO(アール・イー・オーと読む)は、レオ・モターカー・カンパニーという、かつて存在した会社名、スピードワゴンというのは、同社の生産していたトラックの名称からとったものである。そんなREOスピードワゴンが大きくブレークしたのは1981年のことだった。1980年発表のアルバム『禁じられた愛』が大ヒットし、ジョン・レノンの遺作『ダブル・ファンタジー』を抜いて1位となり、年間アルバムのチャートでも同作を抑えて1位となった。1982年、1984年に発表した続くアルバム(『グッド・トラブル』、『ホイールズ・アー・ターニン』)も人気を博し、1987年に発表されたのが本盤『人生はロックンロール(Life As We Know It)』だった。前3作ほどヒットはしなかったものの、バンドの絶頂期の活動という点では、結果的に本作が最後となり、1980年代が終わるまでにはバンドの中心メンバーが抜け、やがてバンドも一時解散となってしまった(その後、1992年以降はメンバーが代わり、現在まで活動している)。 当時の状況からして自然と言えば自然だったのか、外部のライター(トム・ケリー、ビリー・ステインバーグ)の曲をこれまで以上に取り込み、シンセサウンドも増やしてポップ感が増している。注目曲としては、全米20位内に入るヒットとなったシングル曲の2.「偽りの愛(ザット・エイント・ラヴ)」と3.「涙のドリーム(イン・マイ・ドリームス)」。特に後者の美メロは一度聴いたら忘れられないタイプの典型的な曲。あと、軽快なロック・ナンバーの4.「トゥー・メニ・ガールフレンズ(ワン・トゥー・メニ―・ガールフレンズ)」も印象的。時代の産物と言えばそれまでなのかもしれないけれど、個人的には忘れ去ることのできない1枚だったりする。[収録曲]1. New Way to Love2. That Ain't Love3. In My Dreams4. One Too Many Girlfriends5. Variety Tonight6. Screams and Whispers7. Can't Get You Out of My Heart8. Over the Edge9. Accidents Can Happen10. Tired of Getting Nowhere1987年リリース。 REO Speedwagon / Life As We Know It【輸入盤LPレコード】(REOスピードワゴン)下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2017年09月18日
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80年代唯一のアル・クーパー盤 アル・クーパー(Al Kooper)という人は、日本では比較的評価されていると言われるが、それにしても本当に過小評価され過ぎてしまっているアーティストだと思う。その理由は、何と言っても“中途半端にソロ・アーティスト”として認知されてしまっているからではないかと気がする。1980年代で唯一、彼名義でリリースされた本盤『チャンピオンシップ・レスリング(Championship Wrestling)』は、そのことをよく説明してくれる盤でもある。 1982年に出された本作は8枚目の作品で、前作のリリースからは6年ものブランクがあった。通常、こうしたブランクがあれば“復活盤”とか言われてしまう。けれども、実際に本盤を聴いてみれば、アル・クーパー自身がそれほど前面に出ていない(例えば本人がヴォーカルを担当しているのは、1.と6.の2曲しかない、など)、とがっかりする人もいることだろう。 そこで、“がっかりな盤”とか“期待外れ”と言ってしまうのではなくて、もう少しアル・クーパーという人を考え直してみたほうがいいのだろう。果たして確固たるアーティスト、アル・クーパーというものがあって、それが何年かぶりに復活という発想がよくなかったのではないかと思って見たりする。スーパー・セッションの企画(参考過去記事)しかり、ブラッド・スウェット&ティアーズ(参考過去記事)しかり、アル・クーパーという人物は、必ずしも単独アーティストとしての活動に収まらない。良くも悪くも、この人は“マルチさ”を持っていたことがよく理解できるのが本盤だというのが、筆者の印象である。人脈しかり、作風しかり、何だか通常の一人の単独アーティストという発想とは違う感覚でアルバム作りができる人なのだろう。そんなわけで、ふつうの個人作品という感覚よりは、“指揮者”という感覚でもって聴く方がしっくりくるかもしれない。実際、アルバムのジャケにはゲストの名がずらりと並んでいる。 結局、この後、ソロ名義作はまた10年以上のブランクを作ることになった(90年代に1枚、00年代に2枚を発表することになる)。どうもよくわからないのは、プロレス的なタイトル(自作インスト3.と関係するのだろうけれど)とそれに付随するジャケ写(裏ジャケもプロレス興行のポスター風)、さらにプロデューサーを“レフリー”と表記したりしているこのコンセプト。本人の中でプロレスがブームだったのか…。そういう意味では、“指揮者”ではなく、アル・クーパーは“プロモーター”だったということなのだろうか。[収録曲]1. I Wish You Would2. Two Side (To Every Situation)3. Wrestle With This4. Lost Control5. I’d Rather Be An Old Mans Sweetheart (Than A Young Mans Fool)6. The Heart Is A Lonely Hunter7. Bandstand8. Finders Keepers9. Snowblind1982年リリース。 チャンピオンシップ・レスリング [ アル・クーパー ] 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーを“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2017年09月16日
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マンサネーロ名曲集~続編(その5) 不定期と言いつつも、続けての更新です。メキシコの有名作曲家アルマンド・マンサネーロ(アルマンド・マンサネロ,Armando Manzanero)の名曲選をお届けしていますが、ここらへんで、有名曲と言うよりも、やや個人的な好みの強く反映された選曲にしてみようかと思います。 今回の曲は、「クアンド・エストイ・コンティーゴ(Cuando estoy contigo)」というナンバーです。まずは、マンサネロによる原曲をお聴きください。 このスペイン語の表題は、直訳すると、“あなたと一緒にいる時”の意味なのですが、詞も見事に恋人に夢中な感じの内容です。この曲を以下にもラテンな感じの大物が歌うとどうなるかということで、セリア・クルス(Celia Cruz)によるインタプリテーションをどうぞ。セリア・クルスは“サルサの女王”とも呼ばれたキューバ出身(キューバを亡命し米国を拠点に活動)の大物歌手で、2003年に77歳で亡くなっています。 続いてもう一つ、カリブなノリのものをお聴きいただきましょう。2014年に亡くなったプエルトリコ出身の大物サルサ・シンガー、チェオ・フェリシアノ(Cheo Feliciano)による「クアンド・エストイ・コンティーゴ」です。 【メール便送料無料】Armando Manzanero / 20 Exitos Originales (輸入盤CD) 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2017年09月15日
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マンサネーロ名曲集~続編(その4) メキシコの大作曲家でシンガーのアルマンド・マンサネーロ(アルマンド・マンサネロ,Armando Manzanero)の名曲集第二弾を不定期更新でお届けしています。今回は「エスペラレー(Esperaré)」というナンバーです。 まずは,、マンサネロによる元のヴァージョンをお聴きください。 こういう風に原曲だけだと“在りし日の懐かしのナンバー”のイメージで終わってしまうかもしれません。けれども、アルマンド・マンサネロの凄いところは、いろんなアーティストによって再解釈されて歌い継がれ、なおかつ自身も共演などを積極的にこなしてきたところにあるのではないかと思います。 スペインのポップ・グループ、プレスントス・インプリカドス(Presuntos Implicados,参考過去記事、別のマンサネロ曲のカバー)が2006年にリリースしたベスト盤に収録された「エスペラレー」は、そんなことを想起させてくれます。 モダンな解釈になって歌い継がれるという点では、次のカバーも興味深いのではないでしょうか。スペインはレオン出身のバンドで、1990年代後半にシーンに登場したカフェ・キハーノ(Café Quijano)による「エスペラレー」(2001年)です。 【メール便送料無料】Armando Manzanero / 20 Exitos Originales (輸入盤CD) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2017年09月14日
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ホット&クールのテナー共演盤 ピート・クリストリーブ(Pete Christlieb)は、1945年ロサンゼルス生まれのサックス奏者。ウッディ・ハーマンやカウント・ベイシーとの共演歴で知られる一方、セッション・ミュージシャンとしてトム・ウェイツ(こちらの盤やこちらの盤)やスティーリー・ダン(こちらの盤)への参加でも知られる。 一方のウォーン・マーシュ(Warne Marsh)は1927年同じくロス生まれで、レニー・トリスターノの教えを受け継ぐサックス奏者(参考過去記事)。この二人の組み合わせによる本盤の実現は、上述のスティーリー・ダンのアルバムの成功によると思われる。1977年に録音・リリースされたスティーリー・ダンの『彩~エイジャ』はヒット・チャートを駆け上り、グラミー賞も受賞するに至った。同盤からシングルカットされた「ディーコン・ブルース」で印象に残るソロを吹いたクリストリーブは、スティーリー・ダンのウォルター・ベッカーとドナルド・フェイゲンのプロデュースにより、本盤を吹き込むことになったというわけだ。 同郷の先輩テナー奏者ウォーン・マーシュ、さらには既にベテラン奏者であったルー・レヴィー(ピアノ)といった面々からすると、演奏メンバーの人選はピート・クリストリーブによるものではないかと想像する。内容としては、サックス2人によるいわゆる“テナー・バトル”であるが、“バトル(戦い)”という言葉から想像するであろう雰囲気とは大きく異なる。先輩たちを前にクリストリーブには緊張もあったのかもしれないが、演奏スタイルそのものは実に生き生きと、そして和気あいあいとしたものになっている。2人のテナーがぶつかり合うというよりは、ユニゾンを、ハーモニーを奏で、力強いクリストリーブのテナーとクールなマーシュのテナーという対比が違った個性となって耳に入ってくるのがいい。 注目曲は、4.「テナーズ・オブ・ザ・タイム」とチャーリー・パーカーの有名曲の5.「ドナ・リー」。前者は早いテンポでテナー共演が楽しめるのに対し、後者は心地よいスウィング感の中で両サックス奏者の対比を聴くことができる。あと聴いていて面白いのは、3.「ラプンツェル」。プロデュースを担当したスティーリー・ダンの2人によるナンバーで、当時のベッカー&フェイゲンがもろにジャズの枠組のなかで曲を手掛けたらこういうのがやりたかったのか、なんて考えながら聴くとそれはそれでなかなか興味深い。[収録曲]1. Magna-tism2. 317 E. 32nd3. Rapunzel4. Tenors of the Time5. Donna Lee6. I'm Old Fashioned~以下、CDボーナス曲~7. Lunarcy8. Love Me9. How About You? [パーソネル、録音]Pete Christlieb (ts)Warne Marsh (ts)Lou Levy (p)Jim Hughart (b)Nick Ceroli (ds)Joe Roccisano (arr., 1.-4.)1978年5月17~21日、同6月3日。 JAZZ BEST COLLECTION 1000::アポジー [ ピート・クリストリーブ&ウォーン・マーシュ ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 “ぽち”応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2017年09月12日
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2017年09月11日
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マンサネーロ名曲集~続編(その3) メキシコを代表する作曲家、アルマンド・マンサネーロ(マンサネロ)の名曲選(続編)を不定期でお届けしていますが、今回が第3回目です。今回は「メ・ブエルベス・ロコ(Me vuelves loco)」と言うナンバーを取り上げたいと思います。まずは、マンサネロ自身による歌唱をどうぞ。 今回は、他のシンガーによるこの曲のカバーを2つばかり見ておきたいと思います。まずは、ロベルト・カルロス(Roberto Carlos)によるカバーをどうぞ。 この名前を見て“おやっ”と思った方がいるかもしれませんが、もちろん、サッカー選手の“ロベカル”ではありません(笑)。とはいえ、サッカー選手のあの方と同じく、こちらのロベルト・カルロスもブラジルの出身です。このシンガーはブラジル人ながらスペイン語でも歌ってラテン各国で人気を博しました。言ってみれば、国際的知名度では“元祖ロベカル”なわけです。 さて、続いてもう1つは、メキシコ人女性シンガーのダニエラ・ロモ(Daniela Romo)とスペインの有名シンガーソングライター、ジョアン・マヌエル・セラー(Joan Manuel Serrat)の共演による「メ・ブエルベス・ロコ」です。 ちなみに途中で詞が“メ・ブエルベス・ロカ”に変ったりしていますが、この曲の表題は“君は私を夢中にさせる”という意味です。“夢中な”というのは、元は“気が狂った”という意味の“loco”なのですが、歌い手が男か女かで形が変わるためだったりします。 【メール便送料無料】Armando Manzanero / 20 Exitos Originales (輸入盤CD) 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーを“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2017年09月09日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 5(その10) さて、今回の70年代曲集、実は、締めくくりはこの曲にしようと途中から決めていました。“最も成功したビートル”などと言われましたが、ビートルズの解散後、早々に『オール・シングス・マスト・パス』をヒットさせ、「マイ・スウィート・ロード」をヒット・シングルとしたジョージ・ハリスン(George Harrison)の楽曲です。 「マイ・スウィート・ロード」という大ヒットの後だったため、忘れ去られがちですが、劣らぬ名曲と思うのが、この「美しき人生(What Is Life)」です。イギリスでは、残念なことにシングルとしてのリリースは見送られましたが、全米ビルボードでは10位を記録しています。 続いてはこの曲のライヴでの演奏をお聴きください。残念ながら映像は動かないのですが、1991年の日本ツアー(エリック・クラプトンとともに来日)の時のものをどうぞ。この時のツアーは大阪城ホールで見たのですが、今となっては在りし日のジョージの姿が偲ばれます。 70年代曲集のPart 5を10回に分けてお届けしました。お付き合いくださった方々、ありがとうございました。またそう遠くない未来に第7弾を続けられればと思っています。[収録アルバム]George Harrison / All Things Must Pass(1970年)George Harrison with Eric Clapton Band / Live In Japan(1992年) オール・シングス・マスト・パス〜ニュー・センチュリー・エディション〜 [ ジョージ・ハリスン ] 【送料無料】ジョージ・ハリスン with エリック・クラプトン and ヒズ・バンド/ライヴ・イン・ジャパン/ジョージ・ハリスン[HybridCD]【返品種別A】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーを“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2017年09月08日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 5(その9) 前回(その8)に続き、ディスコ系のナンバーからの連想で懐かしのヒット曲をもう1つ。ヴィレッジ・ピープル(Village People)の1979年(シングル自体のリリースは1978年末)のヒット曲、「Y.M.C.A.」です。余談ながら、往時、我が家にもなぜかこのLPがありました(確か従兄から譲り受けてきたLPの1枚だったように記憶しています)。 さて、このヴィレッジ・ピープルというグループは、当時のゲイ文化の象徴と言われたり、ゲイを前面に出して活動した最初のグループと言われたりします。一般にはリードヴォーカル以外はゲイだったとされていますが、実際のところメンバーがゲイだったのかは定かではないとのこと。このグループの登場には仕掛人がいたそうで、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ(この地名がバンド名の由来になった)のゲイ・ディスコなどでスカウトをしていって結成されたとのことです。 日本ではこの曲のカバーが国内で大ヒットになったということで、知らない人はいないほど有名な曲になりました。その際にはゲイの隠語としてのY.M.C.A.などはまったく違う文脈に置き換えられて、日本の歌謡曲としてのヒットになりました。ついでですので、若かりし日の西城秀樹による「ヤングマン(Y.M.C.A.)」もどうぞ。 今回はもう一つおまけで動画です。西城秀樹のカバーで“若者賛歌”的なイメージが定着したかと思いきや、元のヴィレッジ・ピープルの売り出し方に戻っていくかのようなカバーが後に日本で登場しました。ハードゲイ(HGはその略)の芸風を確立したお笑い芸人のレイザーラモンHG(住谷正樹)がマイナーながらこの曲をカバーしました。歌的にはどうなのかなという感じではあるのですが、歌詞としては、妙に楽しめてしまうのではないでしょうか。 [収録アルバム]Village People / Cruisin’(1978年) 【輸入盤】ICON [ VILLAGE PEOPLE ] 【メール便送料無料】Village People / Millennium Collection (輸入盤CD)(ヴィレッジ・ピープル) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2017年09月07日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 5(その8) 1970~80年代にかけてはディスコシーンの成長というのもありました。そんなわけで、その牽引役ともなったアース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)の楽曲を一つ取り上げようと思います。1977年のアルバムに収録され、1978年初頭にシングル発売された「宇宙のファンタジー(Fantasy)」です。 実はこのナンバーは米国ではさほどヒットしたわけではありませんでした(ビルボードでは最高で32位、ただし全英では14位まで達しました)。ところが日本ではオリコンチャートで1位になり、一躍日本のファンから愛される曲になったのでした。そんなわけで、日本では「セプテンバー」に次いで彼らのレパートリーの中で人気度の高い曲だとされます。 もう1本、後世のライヴの様子ということで、1990年の日本公演の演奏をご覧ください。終盤のこの声は、何とも驚異のハイピッチです…。あと、これよりも後ですが、この曲は確か日本のドラマにも使われていましたね。 [収録アルバム]Earth, Wind & Fire / All 'N All (太陽神)(1977年)Earth, Wind & Fire / The Best of Earth, Wind & Fire, Vol. 1(1978年)ほかベスト盤類にも収録。 太陽神(Blu-spec CD2) [ アース・ウインド&ファイアー ] ベスト・オブ EW&F Vol.1/アース・ウィンド&ファイアー[CD]【返品種別A】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2017年09月05日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 5(その7) 1970年代は“ロック”という用語で括られる音楽が大きく(かつ多方向に)発展した時代だったと思います。それは同時に“産業ロック”と時に批判される“売れ筋路線”や、本来的なロックからは本質的には離れていく“AOR”(大人向けロック、ただしこれは日本独自の用語)などをも生み出していくことになりました。 そういう“亜流ロック”の是非は人によって様々な意見があるでしょうが、筆者はある意味、どれも楽しめるものでよかったという風に思っています。このピーター・フランプトン(Peter Frampton)の「君を求めて(Baby, I Love Your Way)」も、そうした文脈で登場してきたナンバーと考えてもいいだろうと考えています。当時の元のヴァージョン(さらには、ヒットしたライヴ盤)のもいいのですが、歳を重ねた彼の演奏はますます魅力的と思うので、2011年のライヴをどうぞ。 *リンク切れのため、動画を追加しました(2021年12月)。1つめは1970年代当時のもの、2つめは2010年代のものです。 さて、ピーター・フランプトンのライヴ・ヴァージョンのヒットは1976年のことでしたが、1990年代に入り、この曲のなかなか秀逸なこの曲のカバーが出て、あらためて大きなヒットとなりました。ビッグ・マウンテン(Big Mountain)という米国のレゲエ・バンドによって1994年にヒット曲となった「ベイビー・アイ・ラヴ・ユア・ウェイ」(こちらはカタカナのまま邦題になっていましたね)をどうぞ。 ちなみに、このカバーの方は異なるミックスや、スペイン語で歌っているヴァージョン(「ベイビー,テ・キエロ・ア・ティ」)などもありましたが、それらは、またの機会にということで。[収録アルバム]Peter Frampton / Frampton(1975年)Peter Frampton / Frampton Comes Alive!(1976年)Big Mountain / Unity(1994年) 【輸入盤】Comes Alive - Remaster [ Peter Frampton ] 【中古】ユニティ/ビッグ・マウンテンCDアルバム/洋楽レゲエ 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2017年09月04日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 5(その6) この辺りで、シングルのヒット曲ではないものの、1970年代と言えば外せない(と個人的には思う)名曲の一つを取り上げてみたいと思います。ザ・バンド(The Band)の1975年作の『南十字星』に収録された、「アケイディアの流木(Acadian Driftwood)」です。 アケイディア(アカディア)というのは、カナダとアメリカの東部の国境地帯で、フランス系の人々が入植したけれども、英仏の戦いで住民が追われていったという複雑な歴史を持つ場所だそうです。それが詞の「流木」、「ジプシー(放浪者)」、さらには「カナダの寒冷前線」などの悲しげな表現になっているのでしょう。曲自体はロビー・ロバートソンのペンによるもので、3人(リチャード・マニュエル、リヴォン・ヘルム、リック・ダンコ)がヴォーカルで登場しますが、明るめの曲調でありながら悲しげなヴォーカルが印象的です。 続いては、ザ・バンドの演奏の様子(映像は白黒だったりしますが)をご覧ください。1976年、サンフランシスコのウィンターランドでのライヴ演奏です。 [収録アルバム]The Band / Northern Lights-Southern Cross(南十字星)(1975年) 南十字星 +2 [ ザ・バンド ] 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーを“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2017年09月03日
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70年代ロック&ポップス名曲選~Part 5(その5) 続いては、曲の提供者としても、なおかつシンガーソングライターとして自らの歌でも活躍したキャロル・キング(Carol King)のおすすめナンバーです。1971年のアルバム『つづれおり』に収録され、同盤からシングルとなった「イッツ・トゥー・レイト」のB面としてリリースされました。 まずはアルバム所収のものをどうぞ(ビデオは歌詞付きです)。 続いては、後のライヴでの演奏です。2007年にジェイムス・テイラーとの共演ツアーからの映像をご覧ください。 10年前の映像ですので、この時点でキャロル・キングは60歳代半ばだったということになります。にもかかわらず、この迫力とカッコよさ…惚れ惚れしてしまいます。[収録アルバム]Carol King / Tapestry(つづれおり) (1971年)Carol King / Her Greatest Hits: Songs of Long Ago(1978年) つづれおり [ キャロル・キング ] 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2017年09月02日
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2017年09月02日
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