吟遊映人 【創作室 Y】

吟遊映人 【創作室 Y】

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

吟遊映人

吟遊映人

カレンダー

2016.07.10
XML
カテゴリ: 映画/アニメ
【横山光輝「三国志」第十巻】
20160710

「奥方様、阿斗様、いずこに? この趙雲、天に昇り地を這ってもお探し申す。さもなければ戦場の土となるも覚悟。」

最近は大切な日本語が簡単な横文字に置き換えられたり、口にされたりすることが多くなった。
もちろん、カタカナの方が分かり易いこともあるので、ムリヤリ日本語表現することもないのかもしれないが、それでもあえて、日本語で表現したいときがある。

エフエム放送で流れる J-POP の爽やかで軽快な歌に耳を傾けていると、心の代わりに「ハート」とか、魂の代わりに「ソウル」が使われていたりする。
それらはまだしも、「ウォンチュー」「ゲッチュー」「メイク・ラブ」などは、ほとんど感覚で歌っていて本来の意味など考えてはいないのかもしれない。

そんな中、日本人の DNA として受け継いでいるはずの「恥」は、カタカナにできるのだろうか?
文字通りの「恥しさ」=「shame」とは少しニュアンスが違う。
とても崇高で清廉なる精神である。

三国志第十巻では、玄徳軍が曹操軍に追われ散り散りになってしまうところから始まる。
玄徳の妻とその子・阿斗を預けられていた趙雲も、戦いのさなか、見失ってしまった。

大切な主人の奥方と若君を預けられた身でありながら、戦のさなかとはいえ、むざむざ単身、玄徳のもとに戻るわけにはいかない。
趙雲はただ一騎で、曹操軍の群がる敵地へと引き返し、探し回るのである。
趙雲は「誇り」高き武将であり、決して「プライド」の高い武将ではない。

さて、三国志第十巻は次の4話がおさめられている。

第37話 曹操怒りの逆襲
第38話 大暴れ! 子守り剣士
第39話 孔明大舌戦
第40話 美丈夫・周瑜

あらすじはこうだ。
曹操軍は、いったんは孔明の策略に破れもしたが、玄徳軍とは兵士の数からいっても比較にならなかった。
全軍を率いて玄徳軍に迫って来た。

とうとう玄徳軍は曹操軍に追いつかれてしまった。
江夏に援軍の要請に行った関羽はいまだ戻って来ない。
玄徳は、趙雲に己の妻とその子・阿斗を預け、自らも死にもの狂いで戦った。
趙雲も夜を徹して奮戦した。
ところが奥方と若君の姿を見失ってしまうのだった。


涙なくしては読めないシーンだ。

三国志第十巻は、現代人が忘れかけている「恥」そして「誇り」の精神がもりだくさんに描かれている。
中国の歴史物語でありながら、日本人にたくさんの三国志ファンがいるのは、高潔さを彷彿させる武士道にも通じる精神性が描かれているからかもしれない。

【発売】2003年
【監督】奥田誠治ほか
【声の出演】小杉十郎太、井上喜久子


※ご参考
横山光輝「三国志」の第一巻は
20160425
コチラ

第二巻は
20160501
コチラ

第三巻は
20160508
コチラ

第四巻は
20160515
コチラ

第五巻は
20160522
コチラ

第六巻は
20160529
コチラ

第七巻は
20160605
コチラ

第八巻は
20160625
コチラ

第九巻は
20160703
コチラ


20130124aisatsu





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016.07.10 07:18:16
コメントを書く
[映画/アニメ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: