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2023.02.26
XML
カテゴリ: 愛toちはやふる

感想記事がその7まで来ちゃいました。

同じようなことを(だいたい真島太一周辺で)ぐるぐる語っているだけなのですが、
今回の記事を吐き出したら、ひと段落付ける気がします。

​もう1点、なかなか語れていない 詩暢ちゃん に関しては…
私は最終的に理解しきれていないので。語りは妹に任せます。



ちはやふる 感想-その7
恋愛とかるたについて-1​


その4の千早ちゃんについて語った記事とかなり内容は重複しますが、
​​ 2人の「恋愛」について、そこに大きな影響を及ぼした
「かるた」の位置付けについて、思いつくままに語りたい
と思います。


​*以下、 最終回までの展開を知っている前提で記事を書いてます。
​​ ​最終50巻の内容について、思いっきりネタバレありです。 ​​
本作品を楽しむ上でかなり重要な部分ですので、
未読・未鑑賞の方は読まないでください。





その1記事でも書いていますが、私は、最終回の雑誌掲載を立ち読みして、
一気に『ちはやふる』の既刊を買い揃えた、 後乗り勢 です。

本作が​、最終回で思いっきり打ち付けて来たのが ​「ラブ!!!」​ であったという印象​ で、
​​ ​基本的に​ ​この作品は「ラブストーリーである」​ を念頭に置いて読み始めましたし、​

実際読み切ってみて、​これは ​「かるたを題材とした​ ​​
かるたに愛された、クイーンになるべくしてなる女の子:千早ちゃん
と​
かるたを引き立てる為、名人と極端に真逆の要素で構築された男の子 …​
​かるたをやるべきではない男の子:太一くん ​​の​ ​​
​人生をかけたラブストーリーである」​​ と認識しています。

末次先生の過去作品も、ざっと集めて目を通しましたが、
先生はまぎれもなく、 ​生粋の「ラブストーリーテラー」だな、​ と思っています。


以下、ちはやふるのメイン・ 千早ちゃんと太一くんの「恋愛」面について、
勝手な解釈 をひたすら語ります。

本当に 立体的で、繊細で、複合的な観点 が揺れ動く心情を作っており、
最後に、 隠していた「感情」が一気に、強烈且つ鮮やかに表出される物語軸は見事 で、
本作最大の見どころだと思っています。



​​・
千早ちゃん・『かるた』・太一くんの三角関係について

​まず前提として、
本作は一見 「千早ちゃん・新くん・太一くん」の三角関係モノ っぽく見えますが、
実際に最終回に向かう恋愛軸としては、こう↓捉えた方が、理解しやすいと思っています。

​​千早ちゃん・『かるた』・太一くんの三角関係 ​​​

最終話まで読み切っての勝手な解釈ですが、
基本的には、本作の恋愛軸については、
​​ 「千早ちゃんと太一くん、2人のラブストーリー」 として捉え、
そこに、 「新くん」 という存在が、​
​言ってしまうと 『かるた』のメタファー​ として絶妙且つ複雑に絡んで来ており、​
そこの繊細さと心情の変遷を楽しむ!という読み方をしています。

もちろん、新くんを「感情のない人間」として捉えているわけではないですよ。

ただ、千早ちゃんの恋愛軸として、
​「(恋愛というフィールドで)新くんと太一くんを比較して、太一くんを選んだ…
という言い方は適切でないな」と感じましたので。

演出とミステリー風構成で、最後まで「三角関係」の体を装ってはいましたが、
千早ちゃんの恋愛軸としては、基本的に
前半は ​「太一くんと一緒に創った最高のかるた部で謳歌する、最高の青春」​ が、
後半は 「太一くんと一緒にこの先を生きていくために、
太一くんにとって幸せな存在になる …という命題」
が描かれていたな、と認識しています。

​​
今回一気読みをして、一番驚いたのはココでした↓

​初っ端から、千早ちゃんと太一くんがラブラブすぎる!
お互いがお互いのツーカー過ぎるし、寛容的過ぎるんです。
「そこ許せちゃうのか!」と常に驚かされる位、相手に優しいというか、甘いというか…

太一くんは千早ちゃんが笑ってくれるなら、どれだけでも頑張れちゃうし、
千早ちゃんは太一くんが側に居てくれれば、怖いものなし&無敵でした。
一緒に立ち上げた『かるた部』というフィールドも、仲間達も最高なんです。
相性が良すぎて、もはや完成形というか… 2人とも、もう
「この絆は一生モノだ この場所を永遠にしたい」
感じちゃってるよなぁ、と。

この2人の関係性は、小学生時代からずっと
「太一くんの一方的な 超・片想い!!」
という説明&演出がなされていました。

でも読み進めていくと、全然そんな事ないなぁ、と。
だって 千早ちゃんだって、太一くんの事ずっと大っっっ好きじゃん、 と。

小学生時代から、お互いの家に行って遊ぶほど仲が良く、
新くんに出会ってからは、唯一無二の
「自分と一緒に『かるた』を始めてくれた男の子」 になった太一くん。

そして高校に入学してからは… ​ そりゃぁ…もう、普通に。​​
千早ちゃんに感情を傾けながら読めば、そりゃ、普通に、
自分の事をこんなに理解してくれて、嬉しいことを言ってくれて、
大好きな『かるた』を一緒に頑張ってくれる 太一くんを、
もっともっと、大っっっ好きになるに決まってる んです。

​​​​​​​物語前半から、千早ちゃんの太一くんへの言動・行動は、しばしば
​「それは… それをやっておいて『好きな人じゃない』は有り得ないぞ」​
という描写がなされていたと思います。

ものすごく分かりやすい所をピックアップするとしたら、
高校生になって、太一くんが現れた時の悦び方がそもそも異常だったよね  とか…
公衆の面前で、正面から全力で抱きつきに行ってかるた勧誘しちゃったり  とか…
太一くんのA級昇格を、誰よりも重要視して
応援していたのも、千早ちゃんだったよね  とか… 他にも色々…
寝ている相手に近付いていっちゃうのはね… 相当だよね…  とか。
相手に、もしくはお互いに寄りそって眠る場面がかなり象徴的に…
というか、繰り返し描かれていた のも印象的でした。
「これだけ相手を信頼して、全てを預けられる関係性なんだよ」
という、有無を言わせない強力な絵面だと思いますので。

物語前半では、 千早ちゃんの新くんに対するささやかな憧れや慕情
和歌になぞらえる形で読者に提示されていました。

でもその一方で、 千早ちゃんの太一くんに対する愛情や渇望
彼女の無意識下のリアクションや、反射的な動きの中から読み取ってね!
2人の男の子に対する、千早ちゃんの深層心理の違いを楽しんでね!
ーという描かれ方がなされていたな、と思います。

ただ、 千早ちゃんは、最後の最期まで
太一くんに対する気持ちを、絶っっ対に『恋愛』にはしませんでした。 ​​​​​
これは長い間、本っっっっ当に頑なでした。



​​ ・絶対に『恋愛』を持ち込まない という暗黙の了解


千早ちゃんと太一くん2人の関係性の中で、
初期~中期にかけての「暗黙の了解」として、コレ↓があったと思っています。
​​ 2人の間に、絶対に『恋愛』を持ち込まない。

この 『恋愛にしたくない』ニュアンス…
実際には 小学生の頃から、2人の関係性の根底にはあった と思っています。

千早ちゃんがショートカットで、ボーイッシュな外観をしていたのもあって、
「ガールフレンドとかじゃないよ~」「男友達枠だよ~」 という体でいたというか。

やっぱり太一くんが、あんまりにも目立つ存在なので。
千早ちゃんが「ザ・女の子!」という印象の娘だったら、
それはそれでクラスメイト(小6の男子・女子)たちの中でも
いろいろ面倒くさかったと思うので。

この部分がはっきりと
「恋愛面でのハードル」として、顕在化するような描かれ方がされている のが、
コミック第3巻、第十三首、
太一くんの家で、瑞沢かるた部が合宿をする回 だと思っています。

他の部員たちより一足先に太一くん宅にお邪魔していた千早ちゃんが、
「太一の部屋を見たい」と2階に上がろうとするのを、太一くんが止めるシーン。

小学生の頃と外観の印象も変わって、2人で並んでるだけで
「お似合い」「付き合ってるのかな」と周囲に言われてしまうのは、
千早ちゃんも流石に分かっていたと思います。

これ以降、 千早ちゃんは、どんなに少女漫画的トキメキシーンが来ても、
絶対に「恋愛にしない&見えない」ように、 恋愛思考回路を封印したな。
と思っています。
まぁ…この時点では、そもそも太一くんに彼女が居ましたので。
「あぁそうか、気を付けなきゃ。太一くんに迷惑かけちゃう」
が念頭にあったのだと思います。

でも、5巻で太一くんがサクッと彼女と別れてからも、
千早ちゃんは頑なに、現状のスタンスを崩そうとはしませんでした。


​千早ちゃんが、太一くんとの間に『恋愛を持ち込みたくない』理由​ としては、
まぁもうシンプルに  ​​ だってあんまりにもあんまりな相手だし。 ​​ というか…
​理由を具体的に挙げ連ねようとすると、まぁ 「総合的・複合的に」 だと思います。

​①基本的に、千早ちゃんが恋愛をしたい娘じゃない、得意じゃないため
周囲の人の気持ちににぶい娘ではないし、
恋愛自体を毛嫌いしているわけでは全くないのですが、
「あなたが好きです・私を好きになってください」を
他の人に求めることが得意じゃない、本当に自意識が低い娘です。

作中で告白されるシーンがあっても、「どうしよう…」ってなっちゃって、
自分からはっきり断ることも出来ません。 ​とにかく苦手​ です。

この娘が、もし「恋愛」を自分から求めるのであれば、
それはもう「生涯」を見据えたレベルの、よっぽどのものだろうと思います。

この辺の恋愛への真面目さ・臆病さが、机くんの感性とよく似ていて、
作中後半、机くんには千早ちゃんの気持ちがよく分かったんだろうな、と思います。


​②真島家の社会的・経済的ステイタス​
これも、感想その4記事で触れてはいますが、
祖父が総合病院院長、父親(入り婿)が外科医という真島家は、
おそらく 一般医師家庭とも一線を画す経済力と、社会的責任を負った一家 だと思います。

ただの医師ではなく、経営陣の方なので。
総合病院と言うからには、町医者というレベル感の病院でもないでしょうし。

3巻・第十三首、真島家を初めて訪れた瑞沢かるた部面々が、
その「格差」に青ざめて、若干臆するような描写がありました。
​​ 普通の感性で、そりゃ一般家庭育ちには怖いですよ。この家。

この 「格差」 …少女漫画的にも、あんまりにもベターなハードルだと思いますが、​
本気で千早ちゃんと太一くんの立ち位置や心情を考えるほど、
​​ この部分は本当に重かったな …  と受け取っています。

千早ちゃんは、太一くんのお母さんに直接会うのを怖がっていましたし、
太一くんは、基本的に真島家が、千早ちゃんにとって
居心地の良い場所ではないことを重々承知していました。


​小学生のころから、お互いに相手の家庭環境・家族までよく知っていて、​
​まぁ特に なかなかに太一くんの立場が特殊 で、​
家庭環境にぬぐい切れない「格差」があることを知ってる からこそ、​
安易に「恋愛」は持ち込めない。

もともと超仲の良い幼馴染なんです。
そして今は「かるた部」で一緒に居ることが出来てるんです。

この状態で、「恋愛」を下手に持ち込みたくない! とお互いに考えるのは、
納得&理解が出来るな、と思って読みました。
こんな感じで、特に 作品初期~中期にかけて、
​千早ちゃんと太一くんの間には 「恋愛」の持ち込みは無しね! という空気感…​
「暗黙の了解」 があったな、​ と受け取っています。



​​ ・17巻・千早ちゃんのモノローグについて


ここで、少し話を脱線させますが、先に書いたように、
①基本的に、千早ちゃんが「恋愛」をしたい娘じゃない点 を前提として、
17巻で突然出て来た下記のモノローグ↓ について。

よくわかんない よくわかんない気持ち
でも私は一生 かるたが好きで 新が好きなんだ

このシーンは、本作を読み進めて行く中で、 最初すごく不自然に思ったシーン です。

だってここまで、2年生の高校選手権で
瑞沢が団体戦優勝&(A級以外の)各階級優勝をかっさらって、
太一くんがB級で優勝して、念願のA級になった!という流れで、
「ビバ瑞沢かるた部!ビバ太一くん!!」の流れしかない状態…からの、コレ だったので。​
突然どうした?なんでいきなりそっちに舵切ろうとした??  と。

で、やっぱり本作を最終話まで読み切っても、
そもそも 最終話まで、恋愛がとにかく苦手な千早ちゃん
​​​ ここでいきなり「新くんが好き!?」とか自分から思うこと自体が
不自然
​​
だと感じるんですよ。

いやまぁメタ的に「物語を盛り上げるための布石でしょ」と
言ってしまえばそれまでなんですが…。

ーで、読み返してみて、ふと感じたのがこれ↓でした。
もしかして 「新くんに恋してみること」 ​裏にある「太一くんに恋しないこと」​…
千早ちゃんにとっては、こっちの方が重要だったのかもな… と。

高校選手権を経て、もう 太一くんが最高過ぎて、大好き過ぎて、
​​ヤっっバい!​ 違う違う違う… コレは『恋愛』じゃない!​
『恋愛』はきっと、こっち!
​​​ 「新くんみたいにかるた取りたい!」 こっち なんじゃないかなー??
という感じ。

千早ちゃんの心の中で、
太一くんへの感情をなんとか「恋愛」から反らし、マインドを整えようとした 際に、​
高校選手権の個人別で、A級だけ瑞沢高校が優勝を取れなかった反省も踏まえて、
『かるた』に向かう自分のモチベーションを
『恋愛』と無理やり位置付けようとした
のかもな、​と思うと
この流れもすんなり読めるな、と腑に落ちて来ました。

このモノローグ直後、 富士崎合宿で
他校の子たちと「恋バナ」をするシーン
も面白いなぁ、と。
周囲の子たちの 「瑞沢の部長は?」 という問いかけに対し、
耳が良くて絶対に聞こえているであろう千早ちゃんは、何も答えません。
否定すらしません。 完スルー です。
これはもう拒絶反応の一種だな、と思いました。


新くんに対し「好き」というモノローグが出て来たことについて、
別にこれも本当に ​「高校生らしい、ほのかな可愛らしい恋」​ だったと思っています。
この後、千早ちゃんは新くんをちゃんと意識していましたので。

​…​ただ、あくまで ​「千早ちゃんの内面において」​ です。

千早ちゃんは、実際に「新くんへの好き」を形にする事はありませんでしたし、
東西戦では思いっきり原田先生の方を応援してました。
(正直ここは読んでて「千早ちゃん、新くんに対して辛辣すぎないか…
フォロー入れてくれる太一くんに救われる…」とすら思いました)

23巻で新くんに告白された後も、これをちゃんと「恋愛」として進展させよう、
​​​​​​​未来に繋げよう、という方向には全く向いませんでした。




​・『太一くんのかるた』に対する千早ちゃんの執着について ​​

前置きが長くなりすぎましたが、ここからが一番語りたかった部分 です。

千早ちゃんと太一くんの「恋愛」を語る際に、
​絶対に切り離せないのが、 ​​ ​『かるた』の位置付けについて​ ​​​ です。

本作の、特に…17巻以降。
一気に自分のプレイスタイルを変容させてくる太一くんの意図 と、
​​​千早ちゃんの、「太一くんのかるた」に対する過剰反応
​及び​ ​​​、
ひたすらそれにすがるような、度を超えた執着心

見どころです。
ラブストーリー です。

​「恋愛」にする勇気がないからこそ、「かるた」の中で全てを求めようとし過ぎた​ 結果、
​26巻で 大クラッシュを起こして、決定的に関係崩壊 したのだろう、と思って読んでいます。​

そこからの2人は、作中では1年間、コミックでは50巻中24冊弱をかけて、
​周囲(特にかるた部の面々)も巻き込んだ
​一大スペクタクル冷戦​ を繰り広げるに至りました。
​その一方で、 同時並行で「かるた」では
2人が個人戦で業界トップレベルに台頭してくる という…​
​光と影…かなりねじ曲がった、 ​「かるた」で魅せる『依存と執着』​ …​
​いや、 『ラブストーリー』 です​ 。​

ここの面白さは、是非語りつくしたい…。



千早ちゃんは、太一くんの事が大好きです。ずっと一緒に居たいんです。
でも「恋愛」は持ち込まないと(暗にでも)決めているのであれば、
千早ちゃんにとって、 ​​かるた部だけが唯一
太一くんと一緒に居ることが出来るフィールド​​
です。

中学生になる段階で、太一くんが名門私立に入学して、
一回全く離れてしまっていることからも分かりますが、
千早ちゃんは、基本的に太一くんの「かるた以外のフィールド」には
ついて行くことが出来ません。

​でも、 太一くんが「かるた」をやってくれていれば、
その間は一緒に居られる
んです。
作中、千早ちゃんの「太一くんのかるた」に対する執着は
どんどん強くなっていったな、と思っています。



これまでの記事でも度々書いて来ていますが、
とにかく千早ちゃんは自意識の低い娘で、
根本的に自分に自信がなくて、 自己アピール下手な娘 だと思っています。

でも『かるた』のことは信じています。

「自分と一緒に居て欲しい」 は言えないんですが、
一緒に かるたやろう!」 は言える。​ ​​
かるたは、絶対に面白い、素晴らしいものなので。

何というか…
千早ちゃんは、 自身発のコミュニケーションツールとして
​基本 ​「一緒にかるたやろう!」​ しか持ち合わせていない​ ため、
太一くんと一緒にかるたやりたい! も、​
太一くん大好き! も​
太一くんとずっと一緒に居たい! も​
太一くんが頑張っているのを応援したい、支えてあげたい! も、​
​​全部ひっくるめて、 ​「一緒にかるたやろう!」​
変換されていた節 があると思っています。

​手段と目的がごっちゃになっちゃってる状態​ 、というか。


そしてまた、厄介なのが…千早ちゃんにとって、​
自分の「かるた」と太一くんの「かるた」が混ざっちゃってる。
一緒に、新くんと「かるた」と出逢って、
一緒に、その素晴らしさを知って、
そして一緒に「かるた」をやれば、『無敵』になれる。

自分の「かるた楽しい、かるた最高」を半分くらい、
「太一くんのかるた」の上に乗せていたような状態 だった
んじゃないかな (↑依存) 、と思います。


千早ちゃんは、 太一くんの『かるた以外』の部分については、​
逆に「欲しがってないよ!」「自由にしていいよ!」というのを、
アピールするようなフリすらしていた と思っています。

この思考回路の一環で出て来たんだろうな、と受け取っています。

『かるた』だけでいいから!
​​​​​​ 『かるた』だけは、絶対にお互いにツーカーで、
最高のコンビで居よう!
と。


2年次の吉野会大会
は、千早ちゃん的には
「太一くんと2人でA級決勝戦」という、夢のような展開だったのだと思います。

富士崎の夏合宿で、ヒョロくんに
​「真島はお前が居ない方が強い」​ と一度釘を挿されてましたが…
​「いや違う!かるたを一緒にやれば、2人で強くなれる!」​ と有頂天でした。

だからこそ、 太一くんが、千早ちゃんに何も言わずに、
独りで修学旅行をさぼって名人戦予選に出場したとき は、
​人生の迷子になるレベルでショックを受けた​ のだろう、と思います。




ごちゃごちゃ思いつくままに書いてしまいましたが、
千早ちゃんの太一くんに対する、この手段と目的が混在した
「かるたしよう!部活頑張ろう!」という渇望…

太一くんが安定してかるた部に集中出来る状態の時は、これで良かったんですよ。
でも 出来なくなった時に、その歪みが一気に顕在化 します。

千早ちゃんの渇望は、結局の所、突き詰めていくと
「太一くんはかるたをやっていなければならないんだ
瑞沢かるた部で頑張ってくれていなきゃいけないんだ
そうでないと一緒に居れないじゃないか! 」​
という、 ​とんでもなく自分勝手な暴論​ に行き着いてしまいます。

そして実際、 ​20巻台前半はまさしくこの状態↑になっちゃっていたな、​ と思います。

千早ちゃんは全然にぶい子ではないので、
太一くんが、自分の居ない所でかるたをしたがってるんじゃないか、
本格的な受験を控え、部活との両立が難しくなっていくんじゃないか、と
ちゃんと気付いていました。

でもどうしても、 「部活辞めて良いよ 自分とかるたから離れて良いよ」 とは
言ってあげることが出来ませんでした。

(もちろん、3年の夏の大会が終わるまでは、
現状・部長のままで頑張って欲しい、という
​​​千早ちゃんの気持ちも、理解できるんですけどね…。)
​​​
その8記事に続く!

by姉
​​​​​​​





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最終更新日  2023.10.31 06:59:06
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納得の解説  
通りすがり さん
こんにちは。はじめまして
ちはやふる関連のブログ読ませていただきました。
序盤から分かりやすくて最後らへんは納得いたしました。
今まで他のブログ様の考察を拝見しましたが、どうもわからない事がたくさんあり過ぎて諦めていましたが、こちら様はすぐに解明出来て良かったです。ちはやふるは読めば読むほどいろいろ分かる作品ですよね。ありがとうございました。 (2024.10.09 14:56:16)

Re:通りすがり様  
姉と妹  さん
はじめまして。コメントいただき、ありがとうございました。
私と妹で「ちはやふるのここがオモシロイ!」という点を延々とディスカッションした内容を記事にして投下してました。
読めば読むほど、感想を書けば書くほど、どんどんほかにも言及したいことが出て来てしまうので、記事数もどんどん増えてしまった感じです。
読解内容が合っているのかは分かりませんが、私たちの中ではある程度筋が通せたかな、かみ砕けたかな、一番オモシロイと思っている部分については吐き出せたかなと思っているので、こうしてきちんと長文記事群を読んでくださって、感想コメントをいただけるとすごく嬉しいです。書いてよかったなぁと思います。
ありがとうございました!by姉 (2024.10.10 06:41:29)

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