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2013.09.16
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八犬伝-東方八犬異聞- 第23話「双月」


「守ってみせる 僕の故郷を」

仁の玉を奪おうとする蒼。
仁の命は?


公式HPより


葉月をかばって蒼に斬られた仁の体から、「仁」の玉が現れた。
他の八犬士たちの玉もそれに呼応して光り出し、信乃は仁が八人目だと確信する。
瀕死の状態だった仁だが、葉月に命の半分を分け与えられ、一命を取り留めた。
一方、蒼は山に火を放ち、仁と葉月をいぶり出そうとする。
火の勢いが増す中、葉月は仁に「生きろ」と告げ、人里へ帰るよう諭すのだが……。




葉月の目の前で庇った仁が斬られてしまった。
血を流し動かない仁。
だが、その事態は蒼にとっても想定外。

「確かに今、何かが刀を止めた?」

しかし、仁に意識がいっている葉月とは対照的に、仁を斬った時の違和感を考える蒼。
すると、仁の斬られた部分が突然光り出しそこから華月のビジョンが映し出される。

それは紛れもなく、信乃たちが探している玉。「仁」の文字が。



同じ頃、信乃は自分の玉が光り出したのに気付く。

「こんな光り方したの初めてだ」

それは信乃だけでなく、玉を持つ他の者たちも気付いていた。
それは、荘介の玉を奪った蒼も同様だった。

必死に動かない仁を呼ぶ葉月に、もうその傷では助からないから、仁の身体を玉ごとよこせと言う蒼。

「寄るな!貴様、最初から玉と共に仁の身体を狙っていたな?」

最初から、仁の身体の中に玉があるのを知ってて傷付けたのかと叫ぶ葉月に、約束が違うと返す蒼。
怒り狂った葉月の横をすり抜け、蒼目がけて一斉に飛ぶ鳥たち。
天狗の力による攻撃に苦戦している間に、葉月は仁を連れてその場から消えてしまう。

「まさか、身体の中に隠してあったとはね。アンタの仕業・・かな?」

器の華月に語りかける蒼。



hazuki2


目覚めない仁に、以前の華月がしたように自分の半分を与える葉月。
すると、呼吸をし始める仁。

「どうしてその玉、さっさとアイツに渡さなかった?」


それをむざむざ渡せるかと答える。

しかし、ちょうど目覚めていた仁が、葉月が華月同様、自分の命の半分を自分にくれてしまった話を聞いてしまい「バカじゃないのか!」と怒る。

「なんで華月と同じ事をするんだ?」

その為に華月は死んだのに!

「親なら当然の事だ」

子供の命と引き換えにしてまでこの世に留まりたいなどとは思わないし、それは自分も同じだと言う。
そう言われても、また自分のせいで今度は葉月まで失ってしまうと思うと、どうしても下を向いてしまう。







夕げを食べている葉月と仁。
だが、出されたモノを見ながら、3人で食事をした時の事を思い出す。

「ここになら居ていいんだと思ってた」

優しい微笑みで自分の分まで仁にくれる華月。
それは母親と2人暮らししていた時には味わえなかった思い。

「ここは僕の居場所。
なのに、その居場所を作ってくれた華月は僕のせいで・・・
僕がいるからみんな不幸になる。母さんも・・・華月も・・・
どうして助けたんだよ?!どうして死なせてくれなかったんだ!」


その言葉に思わず仁の頬を叩く葉月。

「今の言葉を華月が聞いたらきっと泣く。  俺もだけどな」

その言葉にポロポロと類を流す仁。頭を撫でてやる葉月。


だが、次の瞬間、結界を破り森に火が放たれたのに気付く。

「俺たちをあぶり出す気だな」


「約束は守って貰わなくちゃなぁ」

慌てて外へ出ると待ちかまえていた蒼。
断ると、刀を取り実力行使の構えの蒼。



「信乃ぉー!」

村雨の道案内で仁を探しに来ていた信乃と荘介は森が火に包まれているのを発見する。



命を半分仁にやったからか?どんどん追い込まれていく葉月。

「その器、貰うよ」

hazuki3

そうはさせじと竜巻を発生させ、炎を巻き込んで蒼に攻撃を繰り出す。それをぶった斬ろうとする蒼。だが、次の瞬間、炎が蒼の周りをぐるりと囲む。
さすがにこれはどうにも出来ず様子見を決め込む蒼。


どんどん火の勢いが増しているのを感じる信乃。
その頭上を炎に向かって飛んでいく鳥たち。



「葉月、大丈夫?」

なんとか少し離れた場所まで逃げ出した仁と葉月。

「棗目、仁を頼む 我ら一族の最後の子だ」

棗目に頼むと仁に言い聞かせる。

「この火じゃ、まもなく山全体が焼け落ちる。
もうここに、おまえの居場所はない。
だが、おまえが自分に誇りを持って生きていれば、そこがおまえの居場所だ」


子が親に出来る事だってある筈!
一緒に残ると駄々をこねる仁だったが、

「生きろ」

親の俺より先に死のうなんて事二度とするなと言い、玉を握らせる。
棗目に命令し、山から仁を連れださせる。

「これでいいな、華月」



鳥たちが森に突っ込んでいくのは主がいるから守ろうとしてだと村雨が説明する。
ならばあそこに仁がいるかもと走り出す信乃。



あまりに暴れる仁に説明している間に誤って仁を落としてしまった棗目。
まっさかさまに落ちて行く仁の身体が突然光り出し、突然羽が生える。

shinobu-h3

だがどうすれば動かせるのかもわからない仁はやっぱりそのまま落ちて行ってしまって。


傷付いた身体で華月の所まで戻ってきた葉月は

tengu bro

「大丈夫だ、あの子は人の中へと戻る。俺らの全てを持って。
俺と同じ、人と天狗の間に生まれた子供。
華月、おまえの言う通りになったな 我ら一族は人の子を愛す」


そして互いの額の印を合わせ、器状態の華月の身体を砂へと返す。


だが、もう葉月の身体は限界。
蒼の攻撃を避ける事すらできない。
人の子なんか助けるからだと言う蒼に、「大切な存在の為なら己の命などいつでも捨てられる」と言い返す。
その言葉にちょっと悲しげな表情に見えたのは、蒼にも信乃という守りたい存在があるからなのか?

なんとか地上に下り、山へと向かう仁の目の前で次々に炎の中に飛び込んでいく鳥たち。
それだけでなく、森の動物たちまでもが山の方へと向かっている。

「やめろ!」

いくら叫んでも止まらない。
倒れて行く動物たちや、空から命耐えて落ちて来る鳥を見て、先ほどの葉月の言葉を思い出す仁。

「僕の居場所・・・」

立ち上がると、背中から羽を出す。

「守ってみせる 僕の故郷を」


「この先に仁がいる」

引き返そうとしない信乃を追って走っていた荘介は、蒼の姿を見る。
だが、次の瞬間、煙のように消えてしまう。



必死に火を消そうとするが全く消える様子が無い。
そこに信乃と荘介が現れる。

「さすがにこんなに広い範囲はやった事ねぇけど」

村雨を出す。

「村雨、おまえの力見せてみな」

村雨の力が雨を降らせ、そして仁の力が風を起こさせる。
信乃と仁のタッグで、山を焼き尽くす前に火を消す事に成功する。


そこに大泣きしながら駆けてきたのは棗目。

山の火は食いとめたものの、華月や葉月との思い出の場所は焼け落ちてしまっていて。
と、葉月の血らしきものを発見した仁は走り出す。
だが、そこには砂になった華月だけで。葉月の姿は無く。

「僕は結局、葉月を救えなかった」

悔しそうに地面を叩く仁だったが、信乃に周りを見てみろと言われ見ると、そこには森の生き物たちが仁を見つめていた。

「おまえはちゃんと、この山を守っただろう?」

動物たちの姿に葉月の「生きろ」という声が重なった。





「ごめんね~お望みの玉と器は取って来られなかった」

蒼といつも一緒にいるシスターに報告する。
「しかたがないわね」と言いつつも、蒼が持ち帰った器を綺麗な子と褒める。
それは葉月だった。

「あちらの水は、こちら側の者には相性がイイみたいだよ」

蒼が傷付けた傷も綺麗に治り、さらに中身も綺麗に抜けたとニヤリとし、長い時間をかけた甲斐があったと言うシスター。

「8つの魂が集うのは宿命。けれど、それは呪われた運命。
8つの魂の証でもある玉、すべては里見の手に渡るのを阻止できればそれでいい」




荘介が見かけた事で蒼が生きていると知った仁は、2人と蒼に因縁がある事を確認した上で、再び蒼と相まみえる為信乃達と行動を共にすると言い出した。

「子が親の仇を取るのは当たり前だろ?」

広げた羽と共に掌で光り出す玉。

「8つ、揃いましたね」

ポロっと自分の玉を落としてしまった信乃。
ところがその玉を拾おうとした時、起こってしまった・・・

荘介の左目の視力が失われたーーー



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Last updated  2013.09.16 14:31:50
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