再出発日記

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2006年04月01日
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テーマ: 本日の1冊(3686)
2005年4月、スタンダール氏はアッシャー邸という名前の建物を立てた。工事責任者のピジェローはこの名前の由来を尋ねた。スタンダールはエドガー・アラン・ポーという名前を知らないかと聞く。ピジェローは首を横に振る。スタンダール氏は困惑と侮辱の入り混じった調子で言った。

「あの有名なポー氏を知っているだろうと思うほうが無理だったんだろうな?ずっと前に死んだんだもの。リンカーンより前にね。彼の本は全部、あの大焚書で焼かれたんだ。30年前ーー1975年だ。」
「あー」と、ピジェローはしたり気で言った。「あの時のひとりですか?」
「そう、あの時のひとりなんだよ。かれも、ラヴクラフトも、ホーソーンも、アンブローズ・ピアスも、あらゆる恐怖と幻想の物語はみんな、だから当然、未来の物語というのもみんな、焼かれたんだ。無情にも、ね。かれらは、法律を通した。ああ、最初は、小さなことから始まった。1950年や60年頃には、一粒の小さな砂に過ぎなかった。かれらは、まず、漫画の本の統制からはじめた、それから探偵小説の統制、もちろん映画にも及んだ、いろんなやり方で、つぎつぎとね、政治的偏見もあれば、宗教的偏見もあり、組合の圧力というのもあった。 つねに何かを恐れている少数者がいたし、暗黒を、未来を、過去を、現在を、じぶんじしんを、じぶんじしんの影を恐れている大多数の者がいたんだ。」

ところで、この会話がなされているのは、火星の上です。

すみません、「四月バカ」をやってみました(^^;)出典はレイ・ブラッドベリ「火星年代記」の中の短編「2005年4月第二のアッシャー邸」の一節です。1950年の発表です。数行でも騙された方がおられたら本望です。

1999年火星に着陸した人類は、地球とあまり変わらない環境と火星人の自滅のおかげて急激に火星を植民地化していく。いろんな夢を火星に持ってくる地球の人たち。さまざまなエピソードを詰め込んだ連作短編集です。地球は2005年11月に全面核戦争が始まり、ほぼ滅びてしまいます。

以下は「2001年6月月は今でも明るいが」より。
「われわれは火星を損じはしないよ。」と、隊長は言った。「火星は大きすぎるし、善良すぎる。」







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最終更新日  2006年04月01日 12時38分36秒
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