再出発日記

再出発日記

PR

フリーページ

お気に入りブログ

時流の変化 New! 七詩さん

多数決ですし New! ポンボさん

源氏物語〔2帖帚木 … New! Photo USMさん

『中世的世界とは何… New! Mドングリさん

5/18-3:千葉県・銚… New! 天地 はるなさん

カレンダー

2006年04月06日
XML
テーマ: 本日の1冊(3686)
99%の誘拐
『99%の誘拐』講談社文庫 岡嶋二人
「この文庫がすごい!」の05年度一位ということで読ませてもらった。700円というと韓国の一本映画鑑賞代である。その値段で約5時間、ノンストップのエンターテイメント映画を見た気分である。読み終わったのは、午前4時。その日の一日の生活がちょっと怖かった。

あらすじ
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。

ただし、あー面白かった、で終わるタイプの作品でもある。登場人物たちの深い掘り下げは冒頭の生駒洋一郎以外には無い。トリックも面白いがそれほどではない。ハイテクをテーマにした犯罪である。TVシリーズ「24」では10分で犯人が割れてしまうような仕掛けなのではあるが、88年の日本だから成立はする。この当時確か私はパソコンなんて思ってもいなくて、初めてワープロを買って文章を打ち始めた。パソコンによる完全遠隔操作アリバイトリックはこの時代にあっては最先端の情報だった。時代劇の捕物帖が江戸時代だけに成立するように、このミステリも80年代後半だけに成立する歴史ミステリなのかもしない。

などということの感想を持ちながら、最終ページの奥付けを見て私はびっくりする。「1988年徳間書店より発行される。」トリックとか筋立てより何よりも一番驚いたのはこの『最後の一行』である。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年04月06日 22時49分36秒
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ @ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504 @ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年06月
・2024年05月
・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: