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2008年11月03日
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カテゴリ: 考古学
昨日の私のドジ記事

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先ずは吉備津神社。実は観たのは初めてでした。実はここで財布落としました。桃太郎の鬼退治として全国的に有名な大吉備津彦大神を主祭神とするものの、建物自体は室町期に建てられたらしい。その古さ、規模ともに全国屈指の大社です。比翼入母屋造という拝殿と本殿が並んで建っているという日本唯一の建築。また上田秋成「雨月物語」の鳴釜神事でも有名です。吉備津彦に退治された温羅(鬼)の首は最初岡山のこうべという処に埋められたのですが、うーん、うーん、という声が鳴り止まず、犬に食わせても鳴り止まない、それで温羅の首のいうとおりに総社のアゾという処で作られた釜の下に埋め、アゾの巫女に占わせたならば、占いの時にだけなるようにしてやろう、とまあ都合のいいことをいって静かになるわけです。これを見ても温羅が完全に退治されたようには思えません。吉備津彦は大和朝廷からの征服者、温羅は地元の朝鮮系豪族と考えれば、結局温羅は大事な祭を取り計らう裏の大物として生き残っているようです。鳴る釜は吉備津の本殿から少し離れたところに今もずっと火を絶やさずに炊き続けられており、釜も今だにアゾで鋳物として作られています。吉凶の観立ては幸あれば鳴り、禍あれば荒らかに鳴るという。つまり神主の胸先三寸なわけです。

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次に行ったのは、楯築(たてつき)弥生墳丘墓です。知る人ぞ知る弥生時代最大の墳丘墓(全長72m)、質的にもほかに類を見ない異例なことだらけ。主墳の頂上には木棺を取り囲む盾の様な巨石が建てられている。縄文のストーンサークルのような規則性もない。謎です。(写真参照)または木棺には30キロもの朱が敷き詰められていたし、弧帯紋が施された異様なご神体(亀石)の存在もある。この弧帯紋は纏向遺跡(飛鳥時代に先駆ける大和王権の中心的な町)の弧文円板と同じ。葬送儀礼で共通している。と言うことはどちらが先か。時代的に吉備が先なのは明らかである。私の大好きな遺跡です。

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その次は楯築の二代目といわれている鯉喰神社弥生墳丘墓。鯉喰神社の下が墳丘墓です。「普通二代目というとさらに大きい墓を建てるものですが、何故この墓は規模が小さくなったのですか」と私が質問しました。「弥生時代はそんなに墓の大きさに拘らなかったのではないか」「一代目があまりにもカリスマがあったということなのではないか」というのが講師の答でした。ここはまだ未発掘の遺跡です。探したら土器が見つかるかもよ、といわれてみんなで探したらほんとに見つかりました。すごい。特殊器台特有の赤土を使っています。(写真参照。携帯のカメラでボケボケですみません)

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次は造成時では日本一の大きさだった造山古墳です。講師は「無料で自由に立ち入ることの出来る墓としては、世界一かもしれない」と言っていました。宮内庁の管轄ではないんです。無料なんです。ピラミッドも始皇帝陵も有料なので、お得です。みなさんぜひ吉備に来て見ませんか。





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最終更新日  2008年11月03日 23時08分51秒 コメントを書く
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