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2008年11月15日
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カテゴリ: 邦画(08)
「主人は文学者でした」

監督 : 堤幸彦
原作 : 宮崎康平
脚本 : 大石静
出演 : 吉永小百合 、 竹中直人 、 窪塚洋介 、 風間トオル 、 平田満 、 柳原可奈子 、 黒谷友香 、 麻生祐未 、 石橋蓮司 、 ベンガル 、 江守徹 、 大杉漣 、 余貴美子 、 由紀さおり

実はこの夏はひつこいくらい予告が流れていたものだから、刺激されて原作だとされている「まぼろしの邪馬台国」上下巻を買ってしまっている。ところが上巻の途中で、挫折中。自信家で、破天荒なひとだったということは、最初の数ページでわかる。全盲なのに、博識、そしてなおかつ元島原鉄道の社長だったというのだから驚き。もっと学術的な本かと思っていたら、自分の生い立ちや、自分を批判する学者を悪口のいいあいみたいに悪口を言う。全然学術的ではないのである。もちろん、卑弥呼の「ひ」を日と読んだり、火と読んだりせずに、干潟の干と読む件は、さすがに全盲の人が気がつくことだなあ(もちろんそれを実証しているという下巻は読んでいないので、考えの発想の仕方に感心しているのに過ぎないのではあるが)と感心したわけだが、一方では、卑弥呼の時代より五百年後の古事記の記述も、考古学的事実も同等の基礎に置いているのには、ちょっとあきれてしまった。それ以降読む気がうせたのは、そういうわけである。

この映画はだから、邪馬台国島原説を説得力持って描こうとしたものではない。することはとうていできない。

もうちょっと、九州の遺跡をしっかり見せてくれるかと期待していたのだが、残念だった。

あういう男は、好きになれないし、なりたくもないのだが、和子さんが、そういう男にほれていくのは、和子の生い立ちである前段の物語があるから、説得力があった。結局ファーザーコンプレックスだったんですね。だから後半の夫婦愛に説得力がある。夫婦愛としては、成功していたと思う。



吉野ヶ里遺跡を活用した卑弥呼の里の再現場面で、人々は羽織形式の毛皮を来ていたが、いかがなものかと思う。庶民は基本的には、貫頭着(頭のところをくりぬいた着物)だったと思う。また、宮崎が「ここが卑弥呼の墓だ、ここ掘れ」と言っていたところを最後で前方後円墳の形に見せていたが、九州から前方後円墳が始まったと言うのは、明らかな嘘。それに、あの形だとまずい。後期前方後円墳の形である。せめてホタテ形の前方後円墳にしないと卑弥呼の墓にはならない。

結局宮崎康平と言う人は、学者としては後世評価されないと思う。果たして事実かどうかはしらないが、妻和子が葬式の場で、「夫は文学者だった」と言ったのは、非常に正しい評価であった。





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最終更新日  2008年11月15日 23時49分11秒
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