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2011年03月06日
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カテゴリ: 邦画(11~)
「革命篇」の直前の週ですが、前売り券を買って見せると、500円で見せてくれるという宣伝の乗っかり、つい見てしまいました。合計二本を1800円で見ることができるので、お得と考えたわけです。

監督 波多野貴文
出演 岡田准一 (井上薫)
真木よう子 (笹本絵里)
松尾諭 (山本隆文)
神尾佑 (石田光男)
野間口徹 (田中一郎)

でも、「野望篇」はみごとに「革命篇」へむかう二時間近くかけた壮大な予告編という内容でした。今まで「SP」を一度も見たことが無い私のような人のためにそれとなく今までのあらすじを不親切な編集で紹介してくれて、なおかつ、二回見せ場があるのですが、革命とはほとんど関係ないアクションエピソードを長々と流すだけの作品でした。私は見た直後、ツィッターに 「予想とおり、岡田君目当ての人と真木さんに殴って欲しい人がみるような映画だった。予告編が少し突っ込んで描かれています。亀山プロデューサー、これが邦画のあるべき姿なんですか?」 と呟いた。すると、gohgtohさんから 「亀山氏は、面白い映画ではなく面白そうな映画を作るのが仕事だ、と踊る3でのインタビューで語っています。そういう観点から、SPは充分アリじゃないでしょうか」 私が以前記事にしたこのインタビュー特集 だと思われます。そこでフジテレビの亀山プロデューサーは大筋このように述べていました。


確かに、私のような者までこの映画を見たのだから、亀山プロデューサーの力量が凄いのだと思う。gohgtohさんの言うことも一理ある。しかし、本来は数十分で済ますことができそうな内容を長々と、しかも私は500円で見たから怒り心頭までは達しなかったけど、万が一1200円(深夜料金)、1300円(前売り)で見たならば、大いに怒っていた内容だと思う。ところが、この映画は30億の興行収入を突破したというのだから、本当に信じられない。

亀山氏も「大事なのは「面白い」はあたりまえ」と言っている。しかし、亀山氏自身は「面白い物を作ったかどうか」では評価されないはずだ。亀山氏本人もその基準での自己評価をしているとはとうてい思えない。結局、興行収入という「数字」で評価されているし、しているのだ。それが、どれだけ邦画の未来に暗雲をもたらしているか、私は亀山氏に問いたい。

……というようなことを思っていたら、なんと昨日 「SP革命前日」 というスペシャル番組があって、二時間の番組の中、なんと半分は「野望篇」を編集したものだった。あの野望篇がおそらく46分ぐらいに短くなっている。ちょっと稚拙な切り方もしているが、あの映画はこれくらい切ったぐらいで充分であることが図らずも証明されてしまった。

さて、長い長い前振りでしたが、これからが本文です(^^;)

井上(岡田准一)の上司尾形総一郎(堤真一)は、彼に革命の内容についてかなり突っ込んだことを言います。
「大義のためだ。目的が正しければ、手段は正当化される」
「武力を使ってですか?」と井上が尋ねてそれを否定しなかったから、そうするのでしょう。
「この腐りきった世の中を変えるために民衆を覚醒するのだ」 とも言います。あるいは革命仲間にメールで 「日本国のために」 という言葉を送ったりしています。具体的なことは一切分かりません。革命篇まで待て、ということなのか。あるいは革命篇になっても、具体性は無視されるのか。

彼の言う「大義」とは何なのか。



尾形の「革命」は見るまでもない、最初から失敗が運命付けられています。主人公に井上(岡田)を対置した時点でそれは明らか。それでは、その大義とやらに対置する井上の理屈はこんなものです。
「手を触れることのできない大義に殉じるより、目の前にある温かなものに私の能力を使います」
これはこれで、どうかなと思う。このような「感覚主義」では尾形の大義の理屈に対抗できない。例えば、身近な仲間や家族が大義に走れば、いつでも自ら大義に走るということになるのではないか。

「野望篇」を見る限り、井上のこの理屈がこの映画の結論のような気がしてならない。

先週日曜 NHKスペシャル「日本はなぜ戦争に向かったのか」 を見た。今回は新聞・ラジオの役割を論じていた。最初軍部に批判的だった新聞が1931年満州事変を境に大きく変わる。なんと新聞は最初から事変が関東軍の謀略だったこと知っていたというのだ。しかし、彼らは軍部の動きを応援する。それが「国益」だからである。きっかけは事変直前に起こった中国人による日本兵の虐殺事件だった。一つの刑事事件が、「論調」をころりと変えたのである。なぜか。「世論」が変わったからである。



いま、中東では「革命」と言っていいリアルな現実が進行している。リビアでは何千人も「大義」のために死んでいっているのかもしれない。中東では「独裁国家」という何十年にも渡る長い長い「不正義」があった。それが、だんだんとそれを放置すれば「国のため」にならないという段階まで来ていた。そういう条件が整って初めて、革命が始まったと私は理解しています。

大義とは、正義と国益である。

と、一応定義してみます。いまのところ、日本にもしそのようなものがあるとすれば、TPP反対とか、ぐらいしかないような気がする。もしかして、尾形はTPP反対(あるいは反米)の為に国会を占拠するのだろうか。その後独裁国家をつくって強引に反米独立国家でも作るというのだろうか。まさか。もしそうだとしても、やり方があまりにも幼稚だ。まあ、前売り券買ってしまったから、革命篇見に行きます。





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最終更新日  2011年03月07日 00時17分17秒
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