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2011年04月18日
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カテゴリ: 加藤周一
昨日の続きです。

小森 「加藤さんは2007年11月の第二回全国交流集会で、今までは九条を変える、明文改憲ををすると言ってはばからない安倍政権のような単純な政権に対し、広範な一致点で九条を守ろう、といってきた。(略)けれども福田政権に替わって、理屈も扱い方も慎重になった。そうしいう中で九条を「守る」だけでなくて、「生かす」運動に転換していかなければならないし、それは長丁場のうんどうになるだろう、こうおっしゃいました。(略)」
加藤


→この発言の背景としては、福田内閣の当時の情勢があったわけだが、その後民主党政権が誕生し、憲法問題が一時期後景に押しやられた現在いよいよ現実的な課題となっている。民主党政権がついに解釈改憲をタイムテーブルにのせてきたのである。この九条の会がこの数年、憲法を語る会を企画し、一見憲法とは関係ないようなテーマや人物も呼んできているのは、まさにこの加藤周一の問題意識を受けてなのではないだろうか。
「憲法についての考えをそもそも細かくし、それをあらかじめ内面化することが必要です。一人でするのは大変だから、みんな集まってお互い助け合いながら、理論的に整理することが必要です。」ほんとうに大変だけども、昨今の海兵隊抑止力論が出たときに、沖縄だけでなくて、日本全土で草の根学習会ができるような、そんな力量を私たちは持っておかなければならない。言うは易く……。

加藤 「(北朝鮮問題について)私は経済封鎖しないほうがいいと思います。経済封鎖は中途半端です。平和的に解決するというのが、憲法の精神なのだから、それで押し通すべきだと思います。経済封鎖をやれば、それで足りなければ武力封鎖ということになるわけです。あるいは、経済封鎖をして本当に有効に働かせるつもりならば、必要に応じて武器を使わざるを得ないというようなことになる。たとえば、今言っていた臨検です。臨検して相手が抵抗してきたらどうするのですか。(略)初めから武力を使うことを念頭に入れながら圧力を加えるというようなことをすれば、本当に使わなくてはならなくなる可能性が高いと思います。」

→たとえば、北の脅威がゼロということはないと思う。しかし、そのためにやれ核兵器を持てとか、経済封鎖だとかという発想は「現実的ではない」と私は思うのです。

加藤 「今日本は分かれ道にいる、というスローガンがありますね。(略)どちらをとるかということは決めたほうがいい。そうしないと実行することが困難です。いま勉強して反対だったら、できるだけ憲法の精神に反する道は歩きたくないという。戦争は嫌いだと言わないで、日本が戦争を始めたり、戦争に参加するような道を開くことに反対だという。主語は日本国であり、そして、今すぐ戦争をするかしないかが問題ではなくて、戦争へ繋がっていく道をとるかとらないかが問題であることに気づくことですね。(略)見逃してはならないのは、やはりなし崩しということ。変化が小さいから見逃していいのではなくて、小さい変化にこそ注意すべきだと私は思います。」
→ここは、非常に大事なことだと思う。



加藤 「戦争準備で大切なことが二つある。一つは武器を持つこと。その結果、軍産体制ができる。しかし、武器だけでは戦争は絶対にできない。(略)すくなくともある程度まで多くの国民が戦争を支持しなければ、戦争はできない。」

加藤 「(宣伝で気をつけること)戦争が正しいんだという信念。または錯覚、あるいは狂気、哲学。ともかく精神的なもの。(略)私が警戒するし、好まないのは「富士山は日本一の山」のあとに「世界の人が仰ぎ見る」ということ。(略)「日本一の富士山」まではファシズムではないけれども、「世界の人が仰ぎ見る」にはある錯覚があり、価値観の押し付けがあります。だから「世界の人が仰ぎ見る」が始まったら危ない。戦争準備ということを警戒したほうが言いと思います。」
→このあたりの加藤のまなざしは、すでにあと10年スパンで気をつけることを言っているのだと思う。それから二年立った。あと、八年、われわれは戦争の芽に敏感でなければならないと思う。

もちろん、気がついている人は既に気がついている。法律の改悪?有事立法は既に成立している。国民投票法は既に成立している。タブーは?教育基本法改悪は既になった。批判的な組織は?朝日新聞は九割がたもう駄目だ。組合は30年以上前からがたがただ。小選挙区制で反対政党は10年以内に0か1になるかもしれない。なし崩しということ。けれども、まだ希望はある、きっと。





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最終更新日  2011年04月19日 00時14分24秒
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