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2011年04月23日
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カテゴリ: 加藤周一
小森陽一さんが3月26日、名古屋哲学セミナー主催で「未曾有の危機の中で加藤周一に学ぶ - 「日本文学史序説」の思想―」という講演をしていた。

西川さんという方が、その講演録をメモしてくれている のでその大要を読んだのだが、重要なことを言っていると思えたので、メモしたい。講演録のメモに対する感想なので、群盲象をなでる如しではあるが、方向性はもらったような気がしたのである。

大要は読んでもらうとして、ここに書かれていることに刺激を受けた。
「自然大災害を恨んだりしていない被災者たち。現実の中から元気を奮い立たせようとする被災者たち。困難な状況の中で、生き抜こうとしている被災者の意識は、かってその全てが、天皇制と言う特異な装置によって翻弄されてきましたが、今こそ、我々は、これを掴みなおし、変えていくことが出来ると考えています。

もう一度、加藤周一氏が、「九条の会」設立を決断された生き方を学ばなければならないと思います。今こそ、日本人の此岸性、死者を通して、生きている我々が、立ち上がる時を迎えなくてはならないと思います。死者の記憶と会話して、今をどう生きるか、我々にとって、今こそ重要です。」


日本人の中の土着思想はともすると、時の支配層に利用されてきたのですが、「変えていく」契機はあるというのです。

「日本の文学と造形美術、工芸作品には日本的思想表現が見える。日本的表現とは、具体的であり、非体系的であり、感情的表現であり、日常目に触れる対象を美的に表現してきた。従って、ここでは世俗的な変化を好み、体系的、論理的なものを、日常的なものの中に取り込み、実践的、具体的に日常に即して、個別的な現場を重視するのが日本文化であり、部分から全体を作るのが日本文化である。日本語は、持続的文化の新旧交代ではなく、古いものを受け入れ、これを新しいものと共存させていく。これは短歌の世界にも見ることが出来る。

日本文学の歴史は、多様な形を保っている。この特質が、社会構造に結びつく時、先ず極端な保守性として表れ、天皇制はこれを利用してきた。しかし、一方、日本文化は、新しいものを、ドンドンと取り入れる特色も持ち、例えばそれが、新技術の採用、新型消費財の登場・新語乱造にも発揮されている。日本文学と、美術表現の優れた面を支えているのは、2重構造であり、表意文字と表音文字の意識的使い分けもその一つとして指摘される。」


原発ムラの構造的な把握は日本人の苦手とするところかもしれないけれども、身近な放射能から「命を守る」という一点で、「ひとつになろう日本」ということは、ありえるだろう。部分から全体へ。





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最終更新日  2011年04月23日 15時19分14秒
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