再出発日記

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2013年07月02日
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カテゴリ: 洋画(12~)
6月に観た映画は全部で9本でした。粒が揃っていたと思います。


「はじまりのみち」
先ず企画ありきの作品なのだと後で思う。「松竹の財産である木下監督のソフトを活かすために生誕100年で映画を作ろう」多分松竹の常務辺りがそう宣い、紆余曲折の末に原恵一監督が選ばれる。とは言っても、木下監督に波乱万丈な生涯はない。道は二つ。戦中から戦後にかけての世相を織り込みながら、作品解説映画を作るか(←しかし、面白くないし、予算もない)、唯一劇的エピソード、戦意高揚映画ではない「陸軍」を撮った後に干されたこと。それに腹を立てて松竹を辞めた後の生活をじっくり撮るか。賢明な原監督は当然後者を選ぶ。しかし、監督には作品ソフトを出来るだけ紹介するという宿題も背負っていた。

この作品が、結果的に盛り上がりに欠けたのは、原監督のせいだけではない。

結局全てをもって行ったのは、便利屋の濱田岳だった。ほとんど渥美清の役どころをそのままコピーしたかのような役だった。

最後の5分ぐらいかけての木下監督フイルム紹介が、作品全体にリンクしたならば良かったのであるが、そもそもそういうことならば10作品近くを最後に紹介しないだろう。原監督の責任にするのは酷というものだ。結局記念作品をこんな凡作に終わらした松竹という会社の力量の問題だったのだろう。

有名な「陸軍」のラスト。出征する息子を追って人混みを駆けて、転び、最後に手を合わせて祈る処で終わるシーン。大画面でこんなにじっくり観たのは初めて。いったい何百人のエキストラを使ったのか。昭和18年の東京のあらゆる顔がいた。見応えがあった。

(解説)
『二十四の瞳』などさまざまな傑作を世に送り出し、日本映画の黄金期を築いた木下恵介監督の生誕100年記念作。戦時中、同監督が病気の母を疎開させるためリヤカーに乗せて山越えしたという実話を軸に、戦争という時代の荒波に巻き込まれながらも互いを思いやる母と子の情愛を描く。『河童のクゥと夏休み』などで知られる日本アニメ界で著名な原恵一が監督を務め、初の実写映画に挑む。若き木下恵介役には加瀬亮、母たまを田中裕子、恵介の兄・敏三をユースケ・サンタマリアが演じる。
in movix倉敷

★★★☆☆





「父が言った。武術を極めるには三段階あると。
自分を知り、世間を知り、そして人生を知るのだと。
私は世間は幾ばくか知ることが出来たが、人生は知ることは出来そうもない」


いつものカーウェイ作品と同じ様に、嵐のような文句は出て来るだろう、ことは容易に想像出来る。あらすじを見たならば、天下統一武道会みたいな話かと思いきや、全然違うじゃないかと。そもそもカミソリ役のチャン・チェンなんか全然話にも登場人物にも絡まないで、詐欺じゃないかと。

それを無視して愉しめるかどうかが、
この作品の肝だろう。私は愉しめた。司馬遷の「史記」に刺客列伝がある。刺客たちは世の歴史の大局からは、外れた人たちではあるが、これがなくては大作「史記」は大きな魅力を失っていた。簡潔な文章と、名文、そして少しだけ時代と関わりあう彼らたち。

1936年、南京事件の前夜の江南中国に始まり、1940年の満州、1950年52年の香港を舞台に、これはカーウェイ監督による近代中国「武術家列伝」である。要所要所を美しく激しい武闘で繋ぎ、武術家たちの朴訥とした短い台詞で、人生と運命を描き出す。中国らしい凝縮された史伝物語だった。

結局、最も印象に残ったのは、詠春拳の達人・葉問(イップ・マン)でもなければ、国民党の元スパイで八極拳の達人・一線天(カミソリ)でもない、八卦掌の奥義六十四手を極め、女としての幸せを捨てたゴン・ルオメイの一生だった。多分不治の病で死んだのであろう彼女が最後に葉問に会ったときに16年間の秘めた愛を吐露し、おそらく20歳ほど年上で妻もいる葉問が当たり障りのない言葉で別れを告げたのが、なんとも哀しかった。

13年前に初めてチャン・ツィイーを観たときから、彼女の美しさは変わらないどころか、さらに美しくなった気がする。顔のアップを多用したカーウェイ監督に感謝です。

(解説)
『ブエノスアイレス』『マイ・ブルーベリー・ナイツ』などの鬼才ウォン・カーウァイが、おそよ6年ぶりの監督作として放つ美しくも切ないアクション・ドラマ。中国拳法の中でも有名な詠春拳の達人にして、ブルース・リーの師匠としても知られる実在の武術家イップ・マンが織り成す激闘の数々を活写する。イップ・マンにふんする『レッドクリフ』シリーズのトニー・レオンを筆頭に、チャン・ツィイー、チェン・チェンといった中国圏の実力派スターが結集。ウォン・カーウァイ監督ならではの映像美がさく裂する格闘描写にも目を見張る。
in movix倉敷
2013年6月5日




「オブリビオン」
さて、ハリウッドが仕掛ける「宇宙人に侵略された地球」シリーズ第一弾です。

古典的な「驚愕の真実」には驚かなかったが、話も持って行き方は安定していて楽しめた。結局「生きている」ってことは、「記憶を共有している」ってことなのか。それは独りで生きていても、本とかインターネットとかで、記憶を共有していれば生きていることになるのかな?

「ホントの妻」のお顔を何処で見たのか思い出せなくて、なんか不安でたまりません。(解説観てわかりました。007でしたの)

(解説)
『ミッション:インポッシブル』シリーズなどのトム・クルーズ主演によるSF大作。エイリアンの襲撃で半壊して捨てられた地球を監視していた男が、謎めいた人物との遭遇を機に自身と地球の運命を左右する事態に巻き込まれていく。『トロン:レガシー』で注目を浴びたジョセフ・コシンスキーが監督を務め、名優モーガン・フリーマン、『007/慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコら、実力派たちが脇を固めている。壮大かつ予測不可能なストーリーに加えて、半壊した地球の鮮烈なビジュアルからも目が離せない。


2013年6月6日
★★★★☆



「奇跡のリンゴ」
日曜日のお昼、小さめの5番館(129席)の客層はシニア世代を中心に若い親子連れが交じる。割引きはあまりないのにもかかわらず八割方が埋まっていた。雰囲気としては「おくりびと」の最初の頃に似ている。音楽は同じく久石譲。

愚直なまでに一つのことを追求した映画である。悪人は出てこない。しかし、自然は厳しい。10年間リンゴ収入ゼロで6人家族が暮らすのは確かに「戦場」のような瞬間もあったことだろう。それでも、「一つのわからないことの答えを探し続ける」ということは、それだけで立派なことなのである。そんなことを愚直に描くとこんな作品になる。

夫婦の間に理解があって、子供が親の背中を見て応援してくれている。ビンボーの話は今ごろ珍しいけれども、テーマは貧乏克服、成功物語じゃない。家族の話になっている。菅野美穂の泣き笑いが見事だ。

中村義洋監督の作品に外れがない率、今のところ100%である。そして、津軽地方の自然をいっぱいに映していた。この映画はきっとヒットする。

(解説)
『ポテチ』の中村義洋がメガホンを取り、『舞妓 Haaaan!!!』の阿部サダヲと『ジーン・ワルツ』の菅野美穂が夫婦を演じた感動作。石川拓治原作のノンフィクションを基に、夢物語だといわれていたリンゴの無農薬栽培を成し遂げた農家の苦難の道のりを映し出す。笹野高史や伊武雅刀、原田美枝子や山崎努らベテラン俳優たちが豪華共演。実話をベースに描かれる、地道な研究から奇跡を成し遂げた家族の波瀾(はらん)万丈の生きざまに感極まる。

in movix倉敷
2013年6月16日
★★★★★



「リアル~完全なる首長竜の日~」
周辺から不気味な映像と音をチラ見させる手法は、かつて私が生涯で1番怖かったホラー映画「回路」(黒沢清2001)で多用された方法である。全編いつも不安にさせる要素をちりばめて、心理ホラーとして有効に使われている。
最終的にラブストーリーとして落ち着かせるエンタメ作品に仕上げたのは、黒沢清作品としては、最大のサプライズだったのかもしれない。
ただ、中谷美紀だけが謎として残った。

(解説)
2011年に発表し話題となった乾緑郎の「完全なる首長竜の日」を、『アカルイミライ』などの黒沢清監督が映画化した異色作。自殺未遂で昏睡(こんすい)状態になった恋人を救うため、最新医療技術を通じて彼女の意識下に潜入した青年が、現実と仮想が入り乱れる意識の中に潜り続け、やがて衝撃的な真実にたどり着くさまを活写する。主演は、日本を代表する若手実力派の佐藤健と綾瀬はるか。共演には中谷美紀、オダギリジョー、染谷将太など多彩なメンバーが顔をそろえた。



「華麗なるギャツビー」
華麗なる(壮大なる)恋物語。前作は見ていない。身につまされる恋だった。

ディカプリオは最近の役では最も良かった。彼の格好良さと強さと弱さが如何ともなく出ていたと思う。

バズ・ラーマン監督の外連味溢れる、まるでファンタジーのような作り方は残念ながら私の趣味ではなかった。

(解説)
数々の名作を世に送り出した作家F・スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」を実写化したドラマ。快楽的な生活を送る謎の富豪ギャツビーの意外な正体を、ある女性との恋を絡めながら映す。レオナルド・ディカプリオが、人並み外れた容姿と富を兼ね備えたギャツビーをクールに演じる。『マイ・ブラザー』のトビー・マグワイアやキャリー・マリガンらが共演。『ムーラン・ルージュ』などのバズ・ラーマン監督ならではの絢爛(けんらん)を極めたビジュアルも見ものだ。

in TOHOシネマズ岡南
2013年6月19日
★★★☆☆



アラビアのロレンス(新・午前10時の映画祭)

アカバ攻略の前後にロレンスは「2人を殺した」と後悔をする。ベドウィンの首長の白い服をきた時はロレンスは「英雄」てあるが、イギリス少佐の時には単なる軍人にすぎない。
英雄はアラブの独立を願い、軍人は政治の延長としての戦争の駒の役割しかしない。
前半は「英雄の誕生」を描き、後半は「英雄と戦争がいかに矛盾するか」を描くだろう。
最後の場面。絶望してダマスカスからイギリスに帰る帰途の道。今や大佐となったロレンスの車を砂煙をあげてバイクが追い越す。そこで初めて分かったのは、この作品の冒頭ロレンスがバイクに乗っていたのは、アラブを全て忘れて近代文明に回帰したのではなかったのである。あのバイクはアラブの騎馬そのものだった。

in TOHOシネマズ岡南
2013年6月19日
★★★★☆



「天使の分け前」
サッチャー元首相が亡くなった時にケン・ローチ監督はこのような辛辣なコメントを発表した。
「どのように彼女に敬意を払うべきか? 彼女の葬式を民営化しましょう。競争入札にして最安値の商品を選んであげましょう。それこそ彼女が望んでいたことだからです」
英国の財政を立て直したという日本のマスコミが流した評価とは全く次元の違う見方を、この英国の至宝ともいわれる監督はしているということだ。
英国の若者たちが直面している現実は、映画では少ししか現れないが非常に厳しいものがある。だからこそ、100万ポンド(約1.3億円)もするウィスキーの樽から天使の分け前を若者たちにあげても英国の人たちは「よしよし」と思ったことだろう。

ところで、人生で三度目くらいです。劇場の中でビックリしたあまりつい大声出して叫んでしまったのは。
(解説)
ユーモアと人情たっぷりの新境地
カンヌ国際映画祭の最高賞〈パルムドール〉に輝く名匠ケン・ローチは、これまでも『ケス』『SWEET SIXTEEN』などで厳しい現実から抜けだそうともがく若者と向きあってきたが、本作は一転、愛と人情とユーモアにあふれ、笑いあり、涙あり、スリルも満点!若者が直面する問題を見据えながら、はみだし者ではあるけれど陽気な登場人物を親しみと温もりをもって描きだす。スコットランド版『フル・モンティ』と絶賛され、感動作『ブラス!』にも連なる本作は、30本を超えるローチ作品の中でも英国における最大のヒットとなった。脚本は、監督の長年の盟友ポール・ラヴァティ。この名コンビが熟成させたウイスキーのように、香り高く軽快で、アフターフレーバーこそが醍醐味の逸品をぜひご賞味あれ!

出演 ポール・ブラニガン、ジョン・ヘンショー
inシネマクレール
2013年6月23日
★★★★☆



「100回泣くこと」
CM調査のための鑑賞です。公開二週目、土曜日最終、入りは78/204、16-19歳が40%、20-34歳が58%、小学生、中学生は各2人、50代は私1人、友人同士が50%、カップルが40%、家族が5%、1人が5%という見たてです。CMは無事流れました。

肝心の内容ですが、桐谷美玲は頭を丸めるような根性も見せなかったし、大倉忠義含めて2人は抑えた演技と言うべきなのか大根と言うべきなのか、微妙でした(^_^;)。いや、むしろ2人とも大根であったと言うべきだろう。終始2人は泣いているのだけど、何処か一つでもウソだと思わせたら、もうダメだ。


(解説)
記憶の一部を失った青年と病魔に侵された女性との切ない恋愛を描いた中村航原作のベストセラー小説を映画化したラブ・ストーリー。関ジャニ∞の大倉忠義が単独での映画初主演を務め、ヒロインを『荒川アンダー ザ ブリッジ』シリーズの桐谷美玲が演じる。監督は、『恋する日曜日 私。恋した』といった作品で、男女の関係を繊細に映し出すことに定評のある廣木隆一。また、脚本を『ソラニン』などの高橋泉が手掛け、原作とは異なる設定に組み変えている。次第に明かされる二人の過去、やがて訪れる悲しい運命に号泣すること必至。
in movix倉敷
2013年6月29日
★★☆☆☆





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最終更新日  2013年07月02日 07時50分16秒
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