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2017年07月08日
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カテゴリ: 洋画(12~)

後半の四作品です。前後半とも、毎年そうですが、6月は佳作が多かった。




「お嬢さん」

この作品を、嫌いだという映画仲間もいた。暴力描写が激しくて嫌なのかな、と予想していたのだが、どうも違っていたようだ。希少本の朗読というかたちで、ああいういわゆる「エロ本」の読書会をするのが許せなかったのだと想像した(葛飾北斎の有名な絵を低俗絵画で紹介。私には許容範囲)。

しかし、ここにこそ、この映画が作られた肝があり、ヒットした肝があったのだ(韓国人にとり日本の植民地時代は「恨」なのである)。しかも、最近の韓国映画の傾向なのだが、その中の悪役が日本人ではないのだ。植民地時代に寄生する韓国人の嫌らしさとおぞましさを日本語で描くからこそ、意味があるのである。

それに、もし間違いがなければお嬢さん秀子は正真正銘の日本人のはずだ。メイドのスッキとの交流を描いたのであり、私にはパク・チャヌクらしからぬ擦り寄りのように思えたのであるが、違うのか?

官能場面は予想範囲内だった。しかし、日本の大物女優はこういう映画に出演出来ないだろう(実際長澤まさみが濃厚な濡れ場をこの前拒否して映画出演を断った)。この点だけでも、韓国映画の独壇場は続く。ストーリーは予想の範囲内だった。

(解説)
第69回カンヌ国際映画祭に出品された、サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を原案にしたサスペンス。日本統治下の韓国を舞台に、ある詐欺師が企てる富豪一家の財産強奪の行く末を追い掛ける。メガホンを取るのは、『オールド・ボーイ』『渇き』などの鬼才パク・チャヌク。『泣く男』などのキム・ミニ、『チェイサー』などのハ・ジョンウ、『最後まで行く』などのチョ・ジヌンらが出演。二転三転する展開や、1930年代の韓国を再現した美術や衣装に目を奪われる。(あらすじ)
日本の統治下にあった1930年代の韓国。詐欺師たちの集団の手で育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、伯爵の呼び名を持つ詐欺師(ハ・ジョンウ)から美しい富豪令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドという仕事をあてがわれる。スラム街から彼女とそのおじが暮らす豪邸に移ったスッキだが、伯爵は彼女の助けを得て秀子との財産目当ての結婚をしようと企んでいた。結婚した後に秀子を精神病院に送り込んで財産を奪う計画を進める伯爵だが……。

2017年6月15日
シネマ・クレール
★★★★



「22年目の告白-私が殺人犯です-」
私は韓国の本場で、このリメイク作品の元の「殺人の告白」を観ている。よって、二転三転するストーリーに驚きはまったくなかった。

注目したのは、リメイクであるにもかかわらず、2週目にして倉敷では珍しくこの上映がほぼ満席になっていたことである。一番館という2、3番目に大きな館なのである。圧倒的に若者が多く、しかもイケメン狙いの観客ではなく、男女ほぼ同数という、ストーリーに興味を持って来たと思われる理想的な観客層だったのである。私は、作品の出来よりもこのことに感動しビックリした。

話の筋は、残虐な殺人事件に対して、法によって裁けない場合があったとしたら、その時に人はどうあるべきか?という、よくある問いなのだ。

アメリカでは、保安官の伝統があって、大抵は「私設保安官」が登場して、その主人公は捕まらないままに去ってゆくことが多い。

日本では、半分社会も許容出来る私的復讐を認める文化はない(歴史上仇討ちは、その唯一の例外時期だったのかもしれない)。しかし、若者は、それに対する最大の「同情」を持っていることもわかった。

なぜ、主人公は犯人を殺すことを最後にはやめたのか。

ここに、今の若者はたどり着けるだろうか。

韓国映画は、こういうテーマを掘り下げることなく、二転三転のエンタメに徹した。それもまた、韓国らしさである。


■ あらすじ
阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が発生した1995年、三つのルールに基づく5件の連続殺人事件が起こる。担当刑事の牧村航(伊藤英明)はもう少しで犯人を捕まえられそうだったものの、尊敬する上司を亡き者にされた上に犯人を取り逃してしまう。その後事件は解決することなく時効を迎えるが、ある日、曾根崎雅人(藤原竜也)と名乗る男が事件の内容をつづった手記「私が殺人犯です」を発表し……。
■ 解説
未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件の犯人が殺人に関する手記を出版したことから、新たな事件が巻き起こるサスペンス。韓国映画『殺人の告白』をベースに、『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの入江悠監督がメガホンを取り、日本ならではの時事性を加えてアレンジ。共同脚本を『ボクは坊さん。』などの平田研也が担当。日本中を震撼(しんかん)させる殺人手記を出版する殺人犯を藤原竜也、事件発生時から犯人を追ってきた刑事を伊藤英明が演じる。
■ キャスト
藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平、石橋杏奈、竜星涼、早乙女太一、平田満、岩松了、岩城滉一、仲村トオル
■ スタッフ
監督・脚本: 入江悠
脚本: 平田研也

2017年6月17日
Movix倉敷
★★★★



「家族はつらいよ2」
今週ラストウイークにも関わらず、主役の男性俳優の家族に不祥事があったにも関わらず、50ー70台の友人夫婦を中心に席の半分ぐらいが埋まっていたのには、感心した。この作品の大家族は、いまや私にはもちろん、多くの家族には無縁かもしれないが、それでも共感の笑いが館内に幾度となく沸き起こる。まあ、寅さんと同じ笑いの構造。

家族構成は小津に似ていて、当然弟子の山田は意識している。しかし、当然カメラアングルも、現代風の性格付けもオリジナルだ。でも、家族会議は、見習ってどこの会議もした方がいいかもしれない。この前終わったドラマ「母になる」もやっていた。そうやって、みんなで問題を解決する方法がみんなの未来を明るくするのかもしれない。もっとも、前回もそうだったけど。今回も家族会議にうな重の上を7人前も頼んだら、それだけで2万円ぐらいするはずで、あの父親にしろ、長男にしろ、かなりいい会社に勤めていたことが予想されて共感出来ない(^_^;)。

■ あらすじ家族全員を巻き込んだ平田周造(橋爪功)と妻・富子(吉行和子)との離婚騒動から数年。マイカーでのドライブを趣味にしていた周造だが、車に傷が目立つようになったことから長男・幸之助(西村雅彦)は運転免許証を返上させようと動く。だが、それを知った周造は意固地になって運転を続ける。ある日、行きつけの居酒屋のおかみ・かよ(風吹ジュン)を乗せてドライブをしていた周造は、故郷広島の同級生・丸田吟平(小林稔侍)と偶然再会。周造は四十数年ぶりに一緒に酒を飲み、丸田を自宅に泊めるが……。

■ 解説
ワケありクセあり一家の悲喜こもごもを描いたコメディードラマの続編。離婚危機を乗り越えた平田家の面々が、父親の同級生が来訪したのを機に新たな騒動を巻き起こす。監督の山田洋次、 脚本の平松恵美子、キャストの橋爪功、吉行和子、西村雅彦、妻夫木聡、蒼井優ら前作のスタッフ・キャスト陣が再結集する。無縁社会というテーマを掲げ、山田監督が独自の視点で描く家族物語に引き込まれる。
■ キャスト
橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、藤山扇治郎、オクダサトシ、有薗芳記、広岡由里子、近藤公園、北山雅康、徳永ゆうき、小林稔侍、風吹ジュン、中村鷹之資、丸山歩夢、劇団ひとり、笑福亭鶴瓶
■ スタッフ
監督・脚本: 山田洋次
脚本: 平松恵美子

2017年6月22日
Movix倉敷
★★★★



「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

最後の処理は物足りないようにも思えるが、あれでよかったようにも思える。「ムーンライト」と同様、大きな事件は起きない。劇的なラストはやって来ない。アメリカのミニシアター系作品なのだろう。

ただ、物語の始めとは人間関係の進展は起きている。


身近な者の死亡という、身近なテーマなだけに、細かな演技(突然切れる等々)に共感は得やすい。

主演男優賞も脚本賞も、そう言われればそうかもしれない、というぐらい。いいのだけど、普遍的な価値がある気がしない。

(見どころ)
マット・デイモンがプロデューサー、ケイシー・アフレックが主演を務め、数々の映画賞を席巻した人間ドラマ。ボストン郊外で暮らす便利屋が兄が亡くなったのを機に帰郷し、16歳のおいの世話をしつつ自身が抱える過去のトラウマと向き合う姿が描かれる。メガホンを取るのは、『ギャング・オブ・ニューヨーク』などの脚本を担当してきたケネス・ロナーガン。共演には『ブルーバレンタイン』などのミシェル・ウィリアムズ、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などのカイル・チャンドラーらが名を連ねる。(あらすじ)
ボストン郊外で便利屋をしている孤独な男リー(ケイシー・アフレック)は、兄ジョー(カイル・チャンドラー)の急死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。兄の死を悲しむ暇もなく、遺言で16歳になるおいのパトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人を引き受けた彼は、おいの面倒を見るため故郷の町に留まるうちに、自身が心を閉ざすことになった過去の悲劇と向き合うことになり……。

2017年6月25日
シネマ・クレール
★★★☆






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最終更新日  2017年07月08日 13時52分56秒
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