再出発日記

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2017年10月07日
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テーマ: 本日の1冊(3684)
カテゴリ: 水滸伝



「岳飛伝11」北方謙三 集英社文庫
「なあ、呼延凌殿。若い者たちが、なにを作り上げようとしているのか、俺にはわからん。しかし、志というものが、少しづつかたちを見せ、命を帯びはじめている。俺はそれを、ただ感じるだけだが」
「俺の親父のころから、志は確乎としてあったのだと思います。あのころは、わかりやすかったのでしょう。俺など、いまでも不意に、霧の中に迷い込んだような気分になることがあります。統括も王貴も張朔も、霧のむこうが見えるようなのですが」
「俺たちは、軍人さ。志に眼を奪われると、戦がおろそかになる。ここにある戦場で、ただ闘えばいい。俺は、いつもそう思っている。勝ちも負けも、衆義庁が意味をつけてくれるわけさ」
山士奇が、笑った。歳をとった、と呼延凌は思った。(159p)
歩兵隊隊長の山士奇が戦死した。「楊令伝」以降のベテラン兵士だった。命をすり減らして、彼らは獅子奮迅の働きをして散って行った。山士奇自身その命の重みの価値を知ってか知らずか、統括や王貴の立てた政策を認めているように、本作ではなっている。
しかし、今回の闘いはホントに必要だったのか?わたしはよくわからない。戦いの意味を、衆義庁は「戦いそのものを無くすための戦い」だと位置づけている。しかし、歴史が教えるように、それは支配者層の言い訳、或いは理想に過ぎない。勿論宣凱たちにそう言い募るのは酷だとはわかっている。そもそも楊令が始めた戦い自体が理想だったのだから、その運用の責任を、あの若者たちに言い募る資格は、私には無い(←だったら言うなよ)。
夢は大陸を駆け巡る。暫くは、夢を見させて貰う。
2017年10月6日読了





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最終更新日  2017年10月07日 14時02分24秒
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