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2018年03月07日
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テーマ: 本日の1冊(3684)
カテゴリ: 水滸伝


「岳飛伝16」北方謙三 集英社文庫

呼延凌陸軍vs.ウジュ金軍、張朔水軍vs.南宋水軍、岳飛軍vs.程雲軍、秦容軍vs.徐成軍、果ては致死軍羅辰の独自の戦い、三つ巴とも、六つ巴とも思われる争闘が行われた。

「史進殿、戦のあとになにが立ち現れるか、私は見ていただきたいのです」
「死ぬな、と言っているのか?」
「はい、そう言っています。李俊殿にも、ほかの方々にも、見ていただきたかった、と思います。梁山泊がなにかを考えぬいて、はじめて立ち現れるものも、見ていただきたいのです。つまり、夢が現実になります」(352p)

宣凱は、戦略的に既に勝っているのだ、梁山泊は負けない勝たない、負けない戦いをしているのだから、負けるはずもない、と屁理屈のような展望をいう。その点でその屁理屈は正しいと、私も思う。それならば、この最後の戦いも、避ける手段は無かったのか?と私は思う。もちろん、呼延凌や史進は肯んじ得ないだろうとは思うが。

次々と敵も味方も亡くなってゆく。もはや、主要人物が雄々しく戦死を遂げても涙は出ない。もはや 「ここに、豪傑はいらない。乾坤一擲の勝負もない。数だけがある。相手の数を、どれだけ減らしたか。それは戦ではなく、殺し合いだった」(346p) ただ、彼らの死を何度も読み返す。しっかり覚えておきたいと思う。

一つのエポックとなると思っていた王清と梁紅玉の再会は、ひとつの名曲を生んだ。これが物語の最後の方に来ると思っていたのだが、一巻早かった。

セオリー通りならば、最終巻の次は主人公岳飛の戦死のはずだ。どう決着つくのか、未だ全然わからない。しかし、史進には生き延びて欲しい。

2018年3月1読了





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最終更新日  2018年03月07日 10時56分03秒
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