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2019年09月17日
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カテゴリ: 洋画(12~)
8月に観た映画は、8作品でした。2回に分けて紹介します。


「いつのまにか、ここにいる乃Documentaryof木坂46」
撮影は2017年の12月末から。今までのAKBグループのドキュメンタリーとは違い、既に日本を代表するアイドルグループになった後の撮影ということになって、監督も手探り状態。かなり、監督の独白の多いドキュメンタリーだった。気持ちはわかる。アイドルが何故ドキュメンタリーとして絵になるかといえば、普通の少女がアイドルに「変貌」してゆく様が絵になるからである。AKBはそれを最初から最後まで見せるのが、新しい商業スタイルであり、私もそれに魅力を感じていた。

西野七瀬の卒業を軸に、構成していたが、ネームバリュー的にやはり第4期生までいる乃木坂グループの中で、やはり第1期生中心に登場する(与田祐希だけは別)。その中で監督が目をつけたのは、白石ではなく、齋藤飛鳥だった。アイドルグループとして、異様に(でも演技ではなく)仲がいい乃木坂グループなかなかで、1人クールに1人立っている飛鳥の内面まで掘り下げたのが、今回の特徴になっている。二十歳過ぎの普通の女の子であるというのを再確認するドキュメンタリーだった。

私は、やはりAKBの「今」の方が気になる。8年(ユーチューブで見れば12年)リアルタイムで映像で追っかけてきて、女の子たちの変貌がわかるからである。

(解説)
結成から7年目を迎えた2018年9月。22枚目となるシングルの選抜発表の場で、エース西野七瀬の口から自身の卒業が明かされた。いつまでも変わらないと信じていた、しかしいつか失ってしまうとわかっていた、戸惑うメンバーたち。今や自らの予想をはるかに超える人気を獲得し巨大化したアイドルグループ、乃木坂46。その“うねり”の中にいる自分は、はたして何者なのだろうか?エースの卒業をきっかけに自分探しの旅に出る少女たちの心の葛藤と成長をこれまでにない親密な距離感で、物語はつむがれていく。
監督 岩下力
出演 乃木坂46


「愛と青春の旅だち」(午前10時からの映画祭)
どうもテレビのロードショーをつまみ食いしていたようだ。映画は、最初から最後まで集中してみないと、その作品の訴えたいことはわからない。



私はこの映画ではなく、この後「フルメタルジャケット」(1987)を観たので、士官学校は実はこんな人間的なところではなく、反対にいかに1年間で人間性をなくさせるところかを知っている。実際そうではないと、人を戦争に送れないのだ。ついていけなければ発狂するしかないのだ。その帰結が沖縄の数多くの事件でもある。

(解説)
士官養成学校生の友情と恋を描くドラマ。製作はマーティン・エルファンド、監督は「アイドルメイカー」(81、日本未公開)のテイラー・ハックフォード。同じような体験を持つダグラス・デイ・スチュアートが脚本を執筆。撮影はドナルド・ソーリン、音楽はジャック・ニッチェが担当している。出演はリチャード・ギア、デブラ・ウィンガー、デイヴィッド・キース、リサ・ブロント、ルイス・ゴセット・ジュニア、リサ・エイルバッチャーなど。1982年作品。
(ストーリー)
ワシントン州、シアトル。その日の朝、ザック・メイオ(リチャード・ギア)は、全裸で寝ている父バイロンと娼婦を見ながら、少年時代を思い出していた。海軍の兵曹だった父の不実をなじって母は彼が13歳の時に自殺。ザックは父の駐屯地であるフィリピンにゆき、悲惨な思春期をすごしたのだ。目覚めた父に、彼は子供の頃からの夢だったパイロットになるため、海軍航空士官養成学校に入ると告げると、父は軍隊なんかに入って苦労するのは馬鹿げたことだという。しかし、彼の決意は固く、シアトルの近くにあるレーニエ基地内の学校に入学する。彼を含め34人の士官候補生を待っていたのは訓練教官の黒人軍曹フォーリー(ルイス・ゴセット・ジュニア)のしごきであった。34名の中にはケーシー(ルイス・アイルバッチャー)のような女性もいた。女性を除いて皆丸坊主にされ、ザックはオクラホマ出身の純朴青年シド(デイヴィッド・キース)、妻子持ちの黒人ペリーマンと同じ部屋を割り当てられた。13週に及ぶ過酷な訓練が始まった。フォーリーは皆を徹底して罵倒し、ザックはメイオではなくメイヨネーズとののしられる。4週がすぎ、候補生は市民との懇親パーティーに出席することが許された。フォーリーは「娘たちは士官候補生をひっかけようと狙っているから注意しろ」という。ザックとシドは、パーティーでポーラ(デブラ・ウィンガー)とリネット(リサ・ブロント)と知りあう。彼女らは製紙工場の女工だった。そして何となくザツクとポーラ、シドとリネットのカップルが出来あがった。週末になると2組のカップルはデートした。ポーラはザックの内面の屈折した影が気になりながら、彼を愛するようになる。フォーリーは、仲間と溶けあおうとしないザックを特別しごきにしごき、任意除隊(DOR)を申請せよと迫る。ついに、極限状態に達したザックは「ここ以外に行くところがない」と叫ぶ。それを境にザックは、チームの一員として行動するようになつた。日曜日、ポーラの家に招かれたザックは、彼女の父も士官候補生だったことを聞かされる。ポーラも士官候補生をひっかけ、あわよくば玉の輿を狙っているのかも知れぬと思うザック。ザックは翌日、ポーラがかけてきた電話に出ようとしなかつた。一方、シドはリサから妊娠したと聞かされると、DORを申請。結婚指輪を持ってリサの所へかけつけた。だが、彼女は士官としか結婚しないという。ショックを受けたシドは、モテルに行き、自殺する。シドのDORを受けつけたフォーリーに、ザックは挑戦。2人は凄絶な闘いをくり広げた。やがて、卒業式の日が来た。少尉に任官したかつての候補生1人1人に敬礼するフォーリー軍曹。「君のことは忘れない」と言うザック。彼は製紙工場に入り込むとポーラを抱きあげる。背後で拍手するリサ、ポーラの母親ら。
2019年8月1日
TOHOシネマズ岡南
★★★★


「アルキメデスの大戦」
久しぶりに★2つが出た。インタビューを見ると、山崎貴監督はこの作品を反戦映画として認識している。映画を観て、その要素がないどころか、歪んだ歴史認識を植え付ける有害映画としか思えなかった。「永遠の0」の主人公が特攻する前に、原作にはないニヤリと笑う場面を作るなど、この監督の歴史認識には前から疑問を持っていたが、やはりねと思った。

「巨大な戦艦を作れば、それを頼みに戦争に突き進んでしまう」という論理が、9割大手を振るっていて、米国に留学しようとしていた櫂直は取りやめて、戦艦大和の発注のゴマカシを証明しようとする。数字は嘘をつかない。けれども、歴史認識は嘘が大手を振ってきたのが歴史的事実だ。ラストで、櫂直はもう1つ2つの嘘を承認してしまう。それは、この作品自体がその嘘を承認したということだ。それを堂々と作った監督はバカとしか言いようがない。

(ストーリー)

(キャスト)
菅田将暉、浜辺美波、柄本佑、小林克也、小日向文世、國村隼、橋爪功、田中泯、舘ひろし
(スタッフ)
原作:三田紀房
監督・脚本・VFX:山崎貴

製作:市川南
2019年8月1日
TOHOシネマズ岡南
★★


「COLD WAR あの歌、2つの心」
久しぶりに★5つ。大傑作というのではなく、好みの問題だと思うのだが。冷戦下の15年の西欧の愛の物語を88分で駆け抜ける。映画マジックだ。冷戦状況を批判する話でもなければ、濃密な男女の心理戦を描く話でもない。その代わり、美しい歌と、美しい映像がある。その行間は、観客が埋めなければならない。ポーランド版テオアンゲロプロスともいえるかもしれない。

パヴリコフスキの膨大な写真展を高速で、バックにドルビーサウンドの音楽を聞きながら、駆け抜けるとこうなるのかもしれない。

「向こう側に行こう。もっと綺麗な処へ」。「浮雲」と重ね合わせた観客が居たが至言である。

(解説)
第71回カンヌ国際映画祭に正式出品され、光と影のコントラストでモノクロなのに鮮烈としか言いようのない映像と、愛し合う男女の引き裂かれてはなお一層求め合う行方の分からないストーリー展開、さらに二人の心情を奏でる音楽が絶賛され、見事監督賞を獲得した2019年最高の話題作が、遂に日本を陶酔させる。
忘れられない歌 「2つの心」があったから……
ポーランド、ベルリン、ユーゴスラビア、パリを舞台に、西と東に揺れ動き、別れと再会を繰り返して15年。過酷だがドラマティックでもあった時代に流されながらも、「黒い瞳を濡らすのは一緒にいられないから」と、愛を知る者なら誰もが魂を揺さぶられる「2つの心」という名曲で結ばれ、互いへの燃え上がる想いだけは貫こうとする二人。民族音楽と民族ダンス、さらにジャズにのせて、髪の毛1本、草の葉1枚、そよぐ風と揺れる水面まで、すべてのショットが私たちの生きる世界はこんなに美しかったのかと教えてくれる映像で綴る、心と五感を刺激する極上のラブストーリー。
2019年8月8日
シネマ・クレール
★★★★★





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最終更新日  2019年09月17日 18時01分38秒
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