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2021年06月18日
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カテゴリ: 洋画(12~)


今月の映画評「朝が来る」

 河瀬直美監督の特別養子縁組をテーマにした作品です。

 タワーマンションに住む夫婦と朝斗という6歳の男の子のいる家族に「息子を返して欲しいんです。できなければ、お金をください」と電話がかかります。片倉ひかりと名乗るその若い女性に会った夫婦は、養子のことは秘密でもなんでもないと告げ、夫婦の知っている母親のひかりとは全く違う風貌の女性に向けて「あなたは誰ですか?」と聞くのです。

 河瀬監督は、常に「役積み」を役者に課します。役になりきるために、撮影する前からずっと作品と同じ環境で生活してもらうのです。栗原夫妻(永作博美と井浦新)と朝斗の歯磨き風景が自然なのも、養子縁組仲介施設「ベビーバトン」での少女たちが、まるでホントの妊婦のようだったのもそういうわけです。

 一方、本作は母親を名乗る女性はいったい何者なのかというミステリ仕立てになっていました。演技は自然なのに、ドラマチックでした。

 物語は、栗原夫妻が不妊治療から養子縁組に至る経緯をじっくりと描き、そのあと中学生で幼い妊娠をしてしまった片倉ひかり(蒔田彩珠)の出産、家出、東京での暮らしを丁寧に描きます。最後の数分間で物語は急展開するのですが、あくまでもリアルな養子縁組の問題点を描いたものになっていました。

 昨年はコロナ禍のもとにやっと見始めた映画で、まだまだ観客は少なかったのですが、是非いろんな人に見てもらいたい。エンドロールも最後まで「聴き」逃せません。(2020年作品レンタル可能)



今回より字数が削減されて2/3になった。そのことで、作品の本質が書けなかった。

ホントは

「育てられる親のために子供が犠牲になっちゃダメなんです。」という信念の、ベビーバトン代表浅見(浅田美代子)の立ち位置がとてもいい。


浅見の「親が子供を見つけるための制度じゃなくて、子供が親を見つけるための制度だと思ってやっています。」という言葉が重い。
だからこそ、
小学校に上がる前に必ず告げる
共働きはダメ
という厳しい原則がある。

まほ(葉月ひとみ)の誕生パーティーで泣いた女の子
「こういうケーキ、都市伝説かと思っていた」「スカウトの人に初めて可愛いね、て言われて嬉しくて風俗入っちゃった」
という女の子の存在も貴重だ。

「なかったことにしないで!」
というひかりの隠れた本音が最後に生きる。

ラスト・エンドロールのサプライズ「会いたかった」が、この後の推移をきちんと想像させてくれます。



まだまだ600字に慣れていない。精進します。





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最終更新日  2021年06月18日 11時05分32秒
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