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2021年07月18日
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カテゴリ: 邦画(12~)


今月の映画評「糸」

 歌は世に連れ、世は歌に連れ。
 一世を風靡した歌でなくても、ふとした拍子に思い出す歌が、その人の人生を癒し、励まし、前を向かせることがあります。

 平成時代が始まった時に生まれた蓮(菅田将暉)は、13歳の時に虐待で家出していた葵(小松菜奈)を助けるために北海道の町を出ようとしますが、1日で警察に捕まってしまいます。その時に葵の手を離したことが、ずっと蓮の後悔になり、青年になって再会した時にはぎこちない別れをするのです。そのあと、2人の運命は別々に進み、リーマンショックや東日本大地震などを挟みながら展開していきます。

 「なぜ めぐり逢うのかを私たちは なにも知らない/いつ めぐり逢うのかを私たちは いつも知らない」中島みゆき「糸」の歌詞がラストを予感させます。大切なのは物語中でこの歌と、もう一つ中島みゆき「ファイト」が2回繰り返されるのです。歌は、時と場所を得て繰り返し繰り返し歌われることで、初めて価値を持ちます。

 特に、葵が2回目の「糸」を想いもかけない場所で聴きながら、泣きながらカツ丼を掻っ込む場面は最高です。また、重要なセリフと行動も、この作品中、時と場面を変えて3-4回繰り返されます。そうやって想いは繋がってゆく。

 時にはサイコパス、時には熱血教師を演じて来た菅田将暉が、今回は涙もろくて誠実な青年を違和感なく演じました。小松菜奈の成長著しい演技も見ものです。(2020年瀬々敬久監督作品、レンタル可能)





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最終更新日  2021年07月18日 14時19分17秒
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