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数週間前の週末のこと。 街を歩いてたら二つの行列に出くわしました。 一つは教会へと続く行列。ちょうど復活祭(イースター)の日で、礼拝に参列するために教会に入ろうとする敬虔なる信者さんたちの行列でした。 もう一つの行列は、アップルの店の前。新製品iPadを求めて開店を待ってる林檎教の信者さんたちでした。 あの日以来、こちらアメリカでは、公園のベンチとかで(これ見よがしに)アイパッドを使ってる人をしばしば見るようになりました。着実に広まってます。 ふーん、と傍観しておりましたが、先日、オケの練習時にもついに見かけました。自分の譜面をPDFでiPadに入れておいて、譜面台の上にチョコンと載せて演奏してる奏者。注目を浴びて、ご本人はさぞかしいい気分でしょう。 嫉妬ってのもあって、周りのみんなは、見にくそう、とか、書き込みしにくそう、とか否定的(笑)。 でも、譜面のデジタル化はもう何年も前から話題になってるのに全く浸透してないことを考えると、これを機にデジタル譜の使用者が激増するかもしれません。軽量で薄いし、なによりタッチパネルでサッと譜めくりできそうな点は密かに注目すべきかと。 実際、今や周りの音楽愛好家たちの間では、オケや室内楽の練習の際は、とりあえず事前にPDFでパート譜を送受信して対応する場合が多くなってきました。 僕自身も、それを律儀に紙に出力して練習することもあるけれど、めんどくさかったり時間がないときなんかは、PCの画面の前で楽器構えてテキトーに譜読みをすませ、そのまま合わせの練習に臨むこともあります。←地球に優しいおつもり
Apr 29, 2010
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今日はNYマンハッタンでオペラを観ました。 主演のソプラノ歌手さんが、なんと僕の友だちとマブダチ、とのことで、ちゃっかりタダ券を獲得。ド真ん中の特等席にて観劇でき、感激もひとしお。しかも演目はちょーちょーさんっ! 日本人といたしましては、このオペラの演出には思わず厳しくなってしまいます。19世紀末の長崎がどんなだったかという知識があろうとなかろうと、我がニッポンの文化をガイジンさんたちが誤って再現してないか、目を皿のようにして必死にアラ探し(笑)。 でも、実際はそんなことを忘れさせるほどの名演でした。各人の個性的な演技が光ってたし、ピンカートンなんて、悪役をあまりに上手く演じたもんだから、カーテンコールではブーイングとブラボーの入り混じったビミョーな評価を受けてました。 ま、舞台セットについては、蝶々さんの部屋が畳ではなく板張りだったのだけはいただけなかった。アメリカ人であるピンカートンが土足で上がってくる場面、畳の部屋のほうが「野蛮なアメリカ人」に映って都合がいいのに。 ちなみに、幕間にオケピットをのぞいてみると、以前よくカルテットとかで遊んでいただいたバイオリニストのジェニファーさんを発見。「おーい、元気ぃ?」と声をかけ、ピットのなかの彼女と大声で会話してしまいました。彼女ってば、「このピット、狭くて弾きにくいのよー」だの「楽譜が見にくいのよー」だのかなりご不満のようで、神経すり減らしてました。「でも、やっぱプッチーニは楽しいわー」とのたまってました。 終演後は、一緒に観劇した友人らと楽屋に押しかけ、主演歌手さんにご挨拶。大役を務めあげ疲れ果ててるはずなのに、ケロッとして普通に振る舞ってるさまはさすが。本物のオペラ歌手は体力あるんだなーと思いました。 みんなで食事/打ち上げに行こうということになったけれども、僕は別の用が控えていたために泣く泣く断念。せめて、ご一行を車で目的地までお送りさせていただき、僕はお先に失礼しました。オペラ歌手の方々から業界の裏話とか聞かせてもらえたかもしれないのに、もったいなかった……。
Apr 25, 2010
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今日は高級美術品/骨董品の競売屋として知られるクリスティーズに寄ってみました(NYロックフェラービル)。 というのも、今週のお題は弦楽器。今度の水曜日に開催される競売に先立ち、多くの楽器が展示されてました。 天下のクリスティーズだし、超高級品だけが競りにかけられるものとばかり思ってましたが、実際はピンからキリまで。最低入札価格が日本円で数万円、数十万円のものも出品されてました。 けっこう自由に弾かせてくれるので、入札希望者のふりをよそおい、勝手にガチャガチャ弾いてみる僕。でも、周りで試奏してる人たちを見て焦りました。チョーお上手な人たちばかり。なにしろ、皆さんブルッフの協奏曲とかドボコンを中心に難曲をガン弾きなさってて、会場はプチ演奏会と化してるし。 ガルネリだかガダニーニもありました。1億円ぐらいで入札されそうなんだとか。 実際の競りが行なわれるのは数日後。どんな人が落札するんでしょうか。
Apr 25, 2010
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昨日今日と二回公演で、オケの本番に乗りました。第2バイオリン、3プルのオモテ。 大きな事故もなく楽しく弾けました。 一曲めは、新進作曲家による委嘱作品、作曲家ご自身が振りました。短い曲でしたが、実験的なことがいろいろ散りばめられており、かなり異様。「しばらくテキトーに弾きなさい」みたいな指示も書かれてたし。お客さんにもけっこうウけてました。 つづいてベートーベンの交響曲8番。個人的には、7番や第九のような名曲の影で印象が薄いし、なんか好きになれないなーと思いながら練習に参加してました。終楽章の一瞬だけ強引に転調するとこなんて、すごくヘン。シャープ三つで記譜されるべきだと思うのに、個人的にはいまだにナゾ。 ま、全体的には、指揮者のおっしゃるとおり高貴で上品なベートーベンに仕上げるべく、無理に弾き込まず、オケとしての調和を意識しながらの演奏を心がけました。 しかし!、隣で弾いてるプルト相方のアントニスさん(=ギリシャご出身の熱い青年)ってば、いちいち全部の音符をガン弾きなさる。思わず僕もつられて熱演してしまいました。この曲って、我々セカンドやビオラが伴奏部分を丁寧に弾きすぎると、ずるずると遅れていってしまうので、ちょっとヤバかったかもしれません。 後半はブラームス4番。この曲の冒頭のアウフタクト、指揮者やコンマスによって奏法が全然変わってくるのが面白い。今回はかなりねっとり弾きました。 過去に何度も弾いたことがあるけれど、いつもセカンドバイオリンです。今回もセカンドでした。いつかビオラで弾いてみたい曲です。(ファーストで弾きたいとはあんまし思わない) 本番後は二晩とも打ち上げちゃいました。 指揮者や客演コンマス、作曲家、賛助のプロ奏者の皆さん、音楽に関してはすごく厳しくてリハのときはなかなかお近づきになれなかったけれども、酒の場では勝手に無礼講、タメぐちで語り合ってしまいました。
Apr 24, 2010
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アイスランドの火山灰で欧州の空港が閉鎖され、もータイヘンなことになってますです。 公私にわたり周りでかなり影響が出ていてこの週末は大騒ぎでした。ひっきりなしに電話やメールが舞い込んで来ました。予定外の地で足止めをくらってる方々(やモノ)が大勢。しばらく混乱が続きそう。 チョー個人的な話。数日後にオケの本番がございまして、バイオリンで乗るのですが(ブラ4!)、プルトを組む相方Hさんがまさに欧州出張中。いまだに帰ってこられずに現地で待機してます。早く帰ってきていただいて、僕の隣で弾いてくれないと困ります。頼りにしてるので。←他力本願(笑) ゲネプロは出られなくてもいいから、せめて本番は一緒に弾きたい。そんな自己チューな理由ではございますが、一刻も早く飛行機の運航が再開されればいいと思います(?)。 さて、飛行機ネタと言えば。 実は来月、某オケの有志やいろんなプロ/アマ/音大生など個人志願者の寄せ集め団体で、東欧/中欧演奏旅行に行ってまいります。限られた日程内でいくつもの都市で公演することになってます。 が、この場に及んでビオラ首席のOさんが渡航を断念することとなりました……。 (もともとは第2バイオリン弾きとして参加することになってた僕でしたが、音楽監督の指令により急遽ビオラで参加することになりそう) で、彼女がドタキャンせざるを得なくなったのは、医者から飛行機に乗るのを禁じられたため。 彼女はもともと耳に持病を持ってて、飛行機に乗ったり高い山に登ったりすると、気圧の変化のために耳がヤバいことになってしまうのだそうです……。 お気の毒であります。彼女は一応は気丈に振る舞ってるのですが、「もしかして飛行機には一生乗れないかも、あはは」と開き直っていらっしゃって、そのお姿が痛々しく感じられます。 もし同じことが自分の身の上に起こって、飛行機に乗れない病気になってしまったら、と思うとぞっとします。 飛びたくても飛べずにいる人びとを間近に、なんか無性に我が祖国の土を踏みしめたくなりました。
Apr 19, 2010
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「坊っちゃん」 今日はトリオの練習日。ピアノのセスさん、チェロのフランシスさんとともに、二ヶ月前にやりかけたままになっていたメントリ2番に再び挑む。 個人的には、以前よりメンフルエンザに感染してて、じわじわとメンデルスゾーンにハマってきたつもり。CD全集とかスコア/譜面も買い漁ったし。 でも、最近はもう限界なわけで。なんかどの曲も同じように思えてきて、正統派ロマン派音楽として過度に期待するのはもうよそうかなーと感じてきたとこと。第4交響曲「イタリア」に代表されるようなノーテンキな長調作品が強烈に印象に残ってしまい、すぐに飽きちゃうような気もして。 今日の練習もそんな後ろ向きな態度で臨んでしまつた。 が、この曲を改めて弾いてみて、「メンデルスゾーンって、なんつーかイマイチなんだよねー」発言は撤回させていただきたく。この人、やっぱスゴい。ただの金持ちのおぼっちゃまかと思ってたら、とんでもない。彼の短調ものは適度に締まってて断然かっこよい。 ま、ぶっちゃけ、ピアノ三重奏というのは編成的に楽曲のアラが目立ちにくいとも思う。←これ、誰も大きな声では言わないけれど、絶対に真実! このメントリ2番は、四つの楽章の均衡がとれてるだけでなく、なんといっても終楽章アレグロが凝ってる。活動的、情熱的な音楽ではあるけれども、決して下品にイケイケドンドンしてないし、コラールの登場のしかたも劇的。一瞬だけユダヤ音楽を匂わせる音階もあって、彼の原点が垣間見られる。 バイオリンとチェロのユニゾンの書法もお見事。それまではずっと1オクターブとか2オクターブ距離を置いてユニゾンを弾いてきた二人が、最後の最後で実音でダブる(=バイオリンにとっての低音、チェロにとっての高音)。こうゆう壮麗な演出を最後にもってくるとこはほんとに心憎い。 以上、ぼーっとしてたらあんまり気づかないことばかりだったけれど、一緒に練習したピアニスト氏とチェロ氏がさりげなく解説してくださって目からウロコ。そーいえば、お二人とも裕福だしユダヤ系だしメンデルスゾーンとの共通点も多いから、彼の音楽をすんなり理解しやすいんだろうなー、などと勝手にひがんでみた次第。 ←フランシスさん、かなり高価な楽器をお使いの様子……
Apr 18, 2010
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「M(エム)」 今日はピアノ合わせの日。いい加減、昨年来取り組んでいるフォーレのバイオリンソナタ1番のケリをつけるはずだったけど、前回の練習からあまりに時間がたちすぎて、どんな曲だったか忘れてしまったので(?)、易しめの曲に急遽変更させてもらった。 穏やかな表情にも半ば呆れていらっしゃるピアニストのセスさん……。 ベートーベンの初期もの、作品12-2。全三楽章。 うーん、ビミョーな曲。なんとなくモーツァルトのバイオリンソナタを髣髴とさせる。つまり、適度にこじんまりとまとまってて、バイオリンよりもむしろピアノが主導権を握っていて、軽やかで前向きな曲調で、譜面づらは易しいのにごまかしがきかないために実は難曲で、んでもって、狐につままれたように中途ハンパに曲が終わる。 腫れ物に触るように繊細な浮遊感を意識しながら、地面に足を一瞬だけつけたらすぐに跳びはねるように弾くのもありかと思った。ベートーベン大先生だからといって、先入観に縛られすぎて、どっしり地に足の付いた演奏を心がけるとかえって失敗する。 ってゆーか、ぶっちゃけ僕としては、どーせベートーベンらしくないんだったら、この曲よりかはモーツァルトのバイオリンソナタ群のほうを好む。
Apr 17, 2010
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「行け行けどんどん」←死語? 今日はカルテットで遊んだ。先月に引き続きメンデルスゾーン、今月のお題は作品44-1。Vn1 僕、Vn2 ジョアンナ、Va エレン、Vc マーディ。 とにかく楽しい曲。なんか吹っ切れた感じ。 何かと精神的にお疲れの昨今だったし、単に日ごろの鬱憤を晴らしたいとこだったので、細かいとこは無視してとことん楽しんで弾くことに即決。音楽的にきちんと強弱や音色に気を配りながら律儀に取り組むべきではあったけど、今日に限ってはよしとする。←こら この曲(のファースト)は1楽章と4楽章がとにかく難しい。臨時記号の処理がやっかい。あまりのコ難しさに独りで勝手にいらいら。 こてこてのニ長調音楽だし、楽器をばりばり共鳴させまくりたいところ。もちろんピアニッシモとかピアノも出てくるのだけれど、曲の印象としては最初から最後までフォルティッシモのように錯覚してしまう。 今日もみんなして遠慮せずにガン弾きするもんだから混沌としてしまった。赤面しちゃうぐらいド派手に演出することが可能な曲。 四人で爆笑しながら各自ご満悦。あースッキリしたね、と言い合って今日の練習はお開きとなった。 唯一、チェロのマーディだけはもっと真面目に練習したかったみたいで、来月の合わせでもこの曲を徹底的に練習しませう、などと鼻息荒くして提案なさってた。(でも来月は四人の都合が全く合わず、結局は延期) ちなみにこの曲、中間の楽章もおいしい。 3楽章ロ短調アンダンテの例の美メロ、ポルタメント全開で弾くことも可能。ちょっといやらしくなってしまうけど、メンデルスゾーンの音楽はあまりに清潔すぎるので、これぐらいはたまにはいいかと。
Apr 16, 2010
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それにしても長い冬でした。ま、見事にちゃんと春がやって来てくれたから許す。 「春」と題名のつく曲、世の中にはどれぐらいあるんでしょう。 ビバルディの「四季」、シューマンの交響曲1番、コープランド「アパラチアの春」、ストラビンスキー「春の祭典」。宮城みっちゃん「春の海」も名曲ですし、ピアノ曲や歌曲にも無数にあるでしょう。春のささやき、春に寄す、春の声。 これに我が愛しの昭和歌謡を加えようとするとかなりの数になってしまいそうなので、泣く泣く自粛。 グリークの弦楽曲に「過ぎし春」だか「最後の春」だかという曲があって、春モノのくせして哀しげでゆっくり。 さて、曲を作る側の意図とは別に、なんとなく「春」呼ばわりされるようになった曲もあります。有名どころでは、ベートーベンのバイオリンソナタ5番、無名どころでは、モーツァルト弦楽四重奏14番ト長調、ブラームス弦楽五重奏1番作品88とか。 前置きが長くなりましたが、春の似合う作曲家というと、僕が真っ先に思い浮かべるのはメンデルスゾーンです。 子どもの頃に、ピアノ曲「春の歌」(無言歌集より)と出会ったことが大きいのかもしれません。 彼の曲はとにかく明るく爽やか、春うらら。 自分にとってメンデルスゾーンはもともと妙に気になる作曲家ではありましたが、この一、二ヶ月、彼の曲ばっかしさらってます。バイオリン協奏曲はとっくに挫折したけど、ピアノ三重奏曲、弦楽四重奏曲もいくつか取り組んでるし、来月は弦楽八重奏曲で本番に乗ることになってます。←おぉっ、メンパチっ! どの曲も清潔感があって高貴だし、僕のような庶民があれこれ意見を申し上げるのもためらわれますが、欲を言えば、もうちょっとオトナの匂ひ、艶っぽさが欲しい。 ってゆーか、正直言って、やや飽きてきたとこ(笑)。
Apr 13, 2010
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「突撃、隣の晩ごはん」★★★★☆ 先月のアカデミー賞ドキュメンタリー部門でオスカーを受賞した衝撃の問題作を鑑賞した。 なんとニッポンが舞台。和歌山県太地町のイルカ漁をとことん批判しちゃってる作品。 日本では今夏公開予定 http://thecove-2010.com/ 白人目線で「日本人は野蛮っ!」とか目の前で言われるとやっぱムカつく。でも、困ったことにこの映画、とぉーってもよくできてる。客観的には満点五つ星をあげてもいいけど、非国民!と後ろ指差されるのも怖いし?、科学的根拠の提示が不十分とも思えたので、四つ星にとどめておこうかと。<内容> 一応「取材」を試みてはみるものの県や町の協力がなかなか得られない取材班は、入り江のあちこちに隠しカメラや水中マイクを設置し、禁断のイルカ追い込み漁(=虐殺 slaughterと表現)を極秘に撮影する。イルカの悲痛な鳴き声や、血で真っ赤に染まる入り江の様子などを紹介する。■ イルカを殺すなんていけないと思います!ってゆう人の言いぶん 1.イルカちゃんはやっぱ可愛いし、人懐っこいし、頭がいいから 2.絶滅の危機に瀕してるから 3.イルカ肉には水銀が多く含まれるので(水俣病並みに有害)、人が食べるべきじゃないから■ イルカを殺すのは悪いことなんかじゃない!ってゆう人の言いぶん 1.牛や豚を食べるのと同じで、イルカを食べるのは日本の食文化だから 2.イルカ漁は昔から400年続いている日本の伝統だから 3.イルカは海のなかのいろんな魚を食べ尽くしてしまって本来の漁業に差し支えるから<感想> いろんな人が言いたいことを感情的に語りまくってて観てて疲れてきたので、上記のように自分なりに冷静に整理してみた。 「優れたドキュメンタリー」というものの定義は自分でもわからないけれども、この映画が好例かと思う。つまり、違法まがいのことをして強引に撮影、一般人の知らない真実を多少脚色・演出して紹介、一部の視聴者を不快にさせ、物議を醸すほどに衝撃的。 それぐらい強気の映画づくりをしないとこの慌しい現代社会では観てもらえないのが実情。 いずれにせよ、せっかくの力作なのに、あと一歩。 もっと突っ込んで欲しかったのにあんまり掘り下げられてなかった論点を以下に挙げる。(自分で調べろって?) イルカ(やクジラ)の肉はほんとに美味で栄養があって無毒で、日本の食文化と誇るに値すべきものなのか。一般の日本人が頻繁に食べてるものなのか。他の魚や肉に比べて値段は?イルカ漁をしている(イルカを食べる)国は日本だけなのか。一時間ぐらいかけてイルカを苦しめながら手作業で殺すより、高性能の機械で一瞬で殺してあげるほうがイルカのため、という理屈は正しいか。イルカは頭が良く、調教すれば曲芸を覚えてくれるため、世界ぢゅうの水族館の人気者。それは動物虐待なのかどうか。需要があるゆえ、和歌山で捕獲されたイルカは各地に高額で輸出されていくが、イルカ一頭15万ドルという相場はほかの水族館展示用動物に比べてどのぐらい高いのか。 隠し撮りに使う最新機器がまずすごいし、音楽や映像もスパイ映画並みにかっこよい。イルカ好きのプロのサーファーやダイバーが惜しみなく協力してる。かなり金かけて製作されてるし、編集もお見事。 進め電波少年やマイケル・ムーアをも越える突撃取材。入り江での実態の映像を観てもらおうと、国際会議に乱入して上映しようとしたり、渋谷の交差点で上映しようとする。 アメリカ人様、白人様から日本人をコ馬鹿にする差別発言を浴びせられるのは日常的に慣れてる僕でさえ、感情に走らず最後まで客観的に観るのは難しかった。 けれど、いろいろと考えさせられたし、観て良かったと思う。やっぱりドキュメンタリーはよい。そのまま鵜呑みにするのではなく、ちょっと「斜めから目線」で鑑賞するのがコツか。
Apr 10, 2010
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しばらくシカゴに滞在してました。 驚いたのは税金がべらぼうに高いこと。セールスタックス(日本の消費税みたいなもん)が10%を軽く越える。同じ州内でも自治体によって違うし、単純に比べられないけれど、これは全米でも上位を争うぐらい高いはず。 ちなみに、ニューヨーク市は税金が9%近いし、首都ワシントンDCではたしか10%。 アラスカ州だかみたいに州税そのものが全くないとこもある。 購買対象のモノやサービスによっても異なるからさらにややこしい。特に、生活必需品は非課税だけど贅沢品は課税という考えをする州は多い。例えば、「110ドル以上の服は(贅沢品なので)課税」とか。 同じ飲料でも、酒、果物ジュース、糖分入り炭酸飲料とで税率が全く違ったりする。 常に外税とも限らなくて、既に税が含まれてる場合もあるからなおさら混乱するわけで。 あまりに複雑なんでいちいち調べ上げるのはとっくに諦めたけど、ちょうど先日のニューヨークタイムズ紙の一面にでかでかと載ってた記事を見てさらに驚いた。各州とも最近は財政難、税収を増やそうとますます複雑に課税し始めたという内容。ミシガン州では「散髪税」が課せられます、とか。 ま、アメリカって、ひょいと川を越えれば隣の州ってことも多いし、同じ商品が対岸で安く買えるのであれば、税率を調べておくにこしたことはない。 僕の場合、ひと月あたり仕事や遊びで四つか五つの州に立ち入るので、各地の税金を知る習慣は自然と身についてきた。どの州で何を購入するのか慎重に考える。セコいかなと自分でも思うけど、税金ってバカになんないし。 酒とか煙草とかガソリンとかは特に仕組みがややこしいらしく値段が激しく異なりうるので、州境に住んでる人とかはみんな工夫してると思う。 意外な盲点がインターネットでの購入。出品者と購入者の住所にもかかってくるけど(同じ州か違う州か)、税金をちゃっかり免れることも可能。 ただ、中西部?とかの保守的な州はある一定の品々の宅配自体を制限してるので、この裏ワザが使えないのだとか。具体的には酒類、あとはオトナの夜を妖しく演出する魅惑の雑誌やDVDとか。←なんだそりゃ
Apr 7, 2010
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ミシガン湖からは冷たい風が吹き付けてます。 それにしてもさすがは五大湖、でっかいです。海としか思えません。 五大湖を眺めるたびに、ゴダイゴの唄(銀河鉄道999とか)を口ずさんでしまうのは僕だけではないはず。そもそもゴダイゴどいうバンド名の由来はナンなのかも気になります。後醍醐天皇と関係あるのかな、とか。←たぶん違う 湖のほとりではかもめの皆さんが戯れてます。 研ナオコ唄「かもめはかもめ」も名曲です。中島みゆき作。 この曲って、「私はピアノ」(桑田佳佑作、高田みづえ唄)と混同して、「わたしはかもめ」と誤って口走ってしまうのは僕だけではないはず。 ってゆーか、冬のかもめ、さらば冬のかもめ、かもめのジョナサン、とか紛らわしい題名の作品がいっぱいあるので気をつけないといけません。 ま、わざわざジャズとかブルースの本場シカゴまでやってきてるんだし、昭和歌謡に想いを馳せてる場合ぢゃないのかも。
Apr 4, 2010
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シカゴ訪問に合わせ、ちゃっかりシカゴ響の定期を聴いた。英国人マーク・エルダー卿の棒による英国特集。 ティペット:二つの弦楽合奏団のための協奏曲 ボーンウィリアムズ:揚げひばり(バイオリン独奏 Elena Urioste) エルガー:交響曲2番 コンマスはロバート・チェン。彼を含めてこのオケはアジア系奏者が多い。特にバイオリンとビオラは半数がアジア系(多くが女性)。 演奏そのものも良かったけれど、僕はなによりこの選曲に心から拍手を送りたい。一生の想ひ出になる音楽会だったと言ってよい。今後ナマで聴ける機会はまずないと思われ。 指揮者サー・マークがせっせと曲目解説をしてくださった。かなり思い入れのある曲であることが見てとれる。ただ、客席はあんまし埋まってなかったから、興行的にはよろしくなかったかもしれない。 1曲めの二重弦オケコン、初めて聴いた。十声部が複雑に絡み合ってて、目と耳の双方で楽しめる。早速お気に入りにご登録。 次の The Lark Ascending も珍しい曲。確かうちにもCDがあったけどほとんど聴いてない。ひばりが舞い上がっていくさまを描いたアゲアゲな曲のはずなのに、ピーチクパーチクさえずりながら羽ばたくのではなく、むしろ川の流れのように系。最初から最後までピアニッシモみたいで、どーも苦手。聴いてて辛かった。ショーソンの詩曲みたいな禁欲度かつジャポネスク萌え。 独奏者は若くて美人、しっとり落ち着いたオトナの演奏で、会場は大喝采。 このお方(エリーナ・ユーリオステ)、こんな地味な曲でもって、あの派手なシカゴ響と対峙しようってんだから、将来大物になるに違いなく。 さて、僕の大好きなエルガーの2番。もし、「好きな交響曲を三曲挙げよ」と問われたら、僕はおそらく、ブラームス2番、プロコ5番、そしてこの曲を選ぶと思ふ。←また変わってるし 先の1番に比べ、旋律がやや不明瞭、編成も大きすぎて混沌としているけれど、その強引さがよい。悲愴交響曲みたいに静かぁーに終わる。 おそるべし英国音楽。迂闊には語れないなと感じた。 それにしても、英国の作曲家って弦をやたらと分割する傾向がある。五声だけぢゃ足りないらしい。 <追記> 今夜はこの後、夜の街に繰り出して音楽酒場で夜更けまで呑みまくるとういう企画があったのだけれど、申し訳ないけど勝手に断念。こってりしたオケの生演奏を聴きまくった後では、なんの音も耳に入れたくなかった。←せっかくブルースの本場に来てるのに
Apr 3, 2010
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「さまよえるユダヤ人」★★★★☆<内容> ニューヨークで一旗上げるつもりで故郷を離れたロジャー・グリーンバーグ(ベン・スティラー演)。アラフォーの今でもプータロー、独身。いい歳こいて自己チュー、そもそも空気が読めないから、周りからの信頼を得られない。 久しぶりに帰郷するが、旧友や元カノも再会を歓迎してくれない。彼らは彼らで育児だの離婚だのでテンパっており。 そんななか、彼は年の離れた若い女性フローレンスに惚れてゆく。 日本未公開 グレタ・ジャーウィッグ(?Gerwig)、リス・エバンス、ベン・スティラー<感想> 痛々しくも、なかなか面白かった。五段階評価でいうと四つ星。 こうゆう映画は、主人公に共感できるか否かにかかってて、ずばり好き嫌いの問題。 個人的には、グリーンバーグ氏みたいな無責任一代男って周りにも確かに何人かいることだし、苦笑しつつも親近感を持って観られた。けっこう実在するんだよねー、こうゆう人。←ん、オレ自身? あと、考えすぎかもしれないけれど、この映画を観るうえで主人公の苗字(=映画の題名にもなってる)グリーンバーグというのに伏線がある。つまり、なんとかバーグ(-berg)というのはユダヤ系の名前なので、アメリカ社会においてユダヤ人のくせして金持ちぢゃないのは、ずばり負け犬。ますますみじめな男として描かれてる。 主演三人は好演。特に若いお嬢さん役のグレタ・ジャーウィグ。恋に不器用な女を自然体で演じる。 脚本/監督のノア・バウムバックという人の名前もたぶん覚えておくべきかと。 今のところ全米主要都市限定での公開にとどまってるけれども、今後じわじわと評価されていきそうな映画。実際、今日の映画館(=たまたま訪れているシカゴの劇場)でも客入り良好だったし。
Apr 2, 2010
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