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自分でもあまりよくないと思うのでけれど、僕は結構偏見があって、日本人のJAZZを聴く機会は結構すくない。したがって、ライブとかもBlueNoteくらいしか行かないのだけれど、とはいいつつも、別格の日本人ミュージシャンというのは何人か存在する。その代表格が、このページでも紹介したことのある菊地雅章と森山威男である。その、僕にとって最高の日本人ジャズミュージシャンの一人である森山威男が、2枚のCDを同時にリリースした。「森」「山」である(ネーミングは本当に安易な気がするが、はっきり言って内容とはまったく関係ないので気にしないことにする。また、この素直さが非常に森山らしい気がする)。 森山威男は芸大を卒業したあと、70年代に山下洋輔のゴリゴリフリージャズのトリオで日本のみならず、ヨーロッパでも絶大な評価を得た後に、しばらく自己のバンドで活躍していたが、80年代になって岐阜に引っ込んでしまい、そこで、喫茶店のマスターとしながらしばらく音楽活動をほとんどしないという生活を送っていた。森山自身のそのときの心境はまったく知る由もないので、ファンとしては非常にさびいい限りであった。しかし、そんな森山も90年代後半になって少しずつではあるが、着実に音楽活動を再開しつつあり、近年はこのアルバムの録音メンバーである田中信正たちの若手ミュージシャンとバンドに加えて、年に数回は東京でも演奏が聴けるようになった。ちなみに、昨年発売した渋谷毅とのDUOアルバム「しーそー」は昨年度のスイングジャーナルジャズディスク大賞の日本ジャズ賞を受賞している。 そんな、僕にとっては非常にうれしい状況のなか発売されたのが、この2枚のアルバムである。アルバムの構成は「森」がススロー~ミディアムテンポの演奏、「山」がアップテンポの演奏となっている。森山のすごさというのは、本当にいくつもあるが、まず第1にあげられるのが、そのドラムの音の美しさである。あまり気にしてドラムの音を聴いたことのない人は、ドラムの音がきれいも汚いもあるのかと思うかもしれないけれど、森山の音を聴いてもらえれば、その言わんとすることはわかってもらえると思う。あと特徴として挙げられるのは、そのパワーである。僕が前に聴いたライブでは、あまりのパワーにスティックが折れるのは序の口で、バスドラが壊れていた。 そんな森山の演奏は、まずアップテンポの曲では、とにかく聴衆を圧倒するすごさに、ただビビるのみといった感じである。この世の中にこんなにパワフルで格好いい音楽があるのかという感じである。とにかく熱い!!そしてバラードにおいても実はそのパワーは失われていないのだけれど、森山のセンスと音の美しさに、バラードにおいてもまったくドラムが邪魔にならないところがすごいところである。そのダイナミズムあふれるドラムは、バラード演奏においては、音楽全体をドラマチックにしていて、まったく飽きさせることがない。今回発売された2枚のアルバムには、そんな森山の特徴が余すところなく記録されている。本当にすごい。かつて「怪物」と呼ばれたその演奏に全く衰えは感じられない。僕と同じく日本人のジャズをあまり聴いたことがないという人。是非、聴いてみてほしい。きっと、自分が日本人であることを、なんとなく誇らしく思えると思う。とにかくすばらしい。ちなみに、8月30,31日に新宿PitInnでライブがあるらしい。僕はきっと行くので、お時間のある方は是非どうぞ!!
2002年07月26日
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別に、ジャズミュージシャンの友達が身近にいるわけではないので、本当はよくわからないといえばそうなのだけれど、最近のジャズミュージシャンは非常にお行儀がよくなってしまったとよく言われる。もちろん、麻薬づけになることが格好いいことだとも思わないし、アル中になることもミュージシャンの必須条件だとも思わない。でも、リー・モーガンの演奏を聴くと、最近のミュージシャンのアルバムに、彼のようないい意味での、不良っぽさとか、尖がった感じとかが感じられないのは、なんとなく残念である。 モーガンは18歳でソロアルバムをBlueNoteで録音したという天才ミュージシャンであったが、その一方で、18歳でスターになってしまったために、大人になりきれないような子供っぽさ、不良っぽさをずっと持っていたミュージシャンだった。そんな感じは、前に紹介した『キャンディ』とかジャズ・メッセンジャーズのアルバムを聴いてもらえるとわかると思う。 そんな天才モーガンも一時期麻薬の問題もあって調子を崩していた時期があった。そんな彼が、復活を遂げて絶好調の状態で録音したライブアルバムが、このライトハウスでの演奏である。僕は当初前出のキャンディとかのモーガンが大好きだったのだけれど、このアルバムを聴いて、この時代の彼もすばらしいと思うようになった。この以前にモーガンは8ビートのジャズロックと言われるような少し売れ線のアルバムを作ったりして、コアなジャズマニアから批判されたりしていたのだけれど、ここでの演奏はそんな呪縛からも解き放たれて、モーガンが思う音楽を4ビート、8ビート関係なく演奏している。演奏も非常に快調で、かつてのトランペットの瞬発力の戻っていて、何より格好いい。 あと、このアルバムを聴いて驚いたのは、テナーサックスのベニー・モウピンのすばらしさだ。これは僕の完全なお勉強不足で、モウピンって70年代にハンコックのヘッドハンターズっていうフージョンバンドでサックスを吹くおじさん程度の認識しかしていなかったのだけれど、4ビートのジャズをやっても非常にすばらしい演奏をするミュージシャンなんだということが、このアルバムを聴いてはじめてわかった。こういう発見って本当にうれしいのもで、これだからジャズってやめられないって感じである。 ちなみに、このアルバムも非常にすばらしいので、リアルタイムでこのアルバムを聴いていたら、その後のモーガンにも本当に期待してしまったのであろうと思うが、この後、まもなくして、当時の奥さんにステージ上で銃殺されてしまう。まあ、非常に残念であることは確かなのだけれども、死に方もなんとなくモーガンぽい感じがするのは、僕だけじゃないだろう。
2002年07月23日
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いままで、偏りはありながらも結構いろいろなミュージシャンを紹介してきたけれど、非常に重要なミュージシャンが登場していないことに今日、ふと気がついた。その名はジャッキー・マクリーン。チャーリー・パーカーに憧れ、ジャズの世界に身を投じたアルトサックス奏者で、天才的な輝きを持ったミュージシャンというわけではないけれど、時代とともにスタイルを少しずつ変えつつ、しかし、自己の個性も保ちながら、息の長い活動を続けてきたミュージシャンである。マクリーンの音楽は、60年代前半を境に大きく二つに分かれると僕は思っている。50年代までのマクリーンは(といっても誰でもそうだけれども)バリバリのハード・バップのミュージシャンで、その最大の特徴はその音とフレーズに潜む鳴きにあったのではないかと思う。それが、60年くらいにオーネット・コールマンの登場に大きく影響されて、それ以降のマクリーンはどんどんハードな音とモード~フリーよりのジャズを演奏するようになっていった。僕は基本的に60年代のジャズをもっとも愛している人間なので、マクリーンの音楽についても、60年代のものがもっとも気に入っている。最近のマクリーンは音が何か硬すぎて、品がなく、僕はあんまり好きになれない。60年代のものの方が、50年代のよさも引きずりつつ、音楽はハードになるという、一見中途半端だけれど、微妙なバランスを保っていて面白いと思う。このアルバムは、ボビー・ハッチャーソンやグラチャン・モンカー3世など、当時新進気鋭の新主流派のミュージシャンをバンドに加えて録音した物である。ぼくは、ハッチャーソンが各所で非常にいいアクセントを加えていて、コンセプトも非常に新しいので、アルバム全体にいい影響を与えていると思う。そして、このアルバムでも、トニー・ウィリアムズがドラムをたたいているんだけれど、やっぱり格好いい。
2002年07月20日
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すごく恥ずかしい話なんだけど(これを恥ずかしいと思う時点でかなりマニアなんだけど)、僕はつい最近までフェニアス・ニューボーン.JRのピアノを聴いたことがなかった。アート・テータムの影響を受けた天才的ピアニストという評価はいろいろなところに書いてあったのを読んではいたのだけれど、なんとなく出会う機会がなかった。つい最近、特にきっかけはなかったんだけれど、HMVでぱらぱらとページを見ていたら、買ってみようと思い、初めて出会うことになったわけである。で、結論はといえば、すごい!すごすぎる!!」という感じである。まさに天才という言葉がぴったりである。まず、噂どおりすごいテクニックの持ち主である。アップテンポの曲での、スピード感はすばらしく、圧倒される。かといって、テクニックのあるミュージシャンにありがちな面白みのなさのようなこともなく、聴いていて非常に楽しい音楽である。聴いていて思ったのは、なんとなく聴いているとエロール・ガーナーを思い出すということである。多分アップテンポの曲での左手のリズムの取り方が、なんとなく似ている感じがするからだろうか?ちなみに、このアルバムは、全8曲の構成になっているのだけれど、前半はポール・チェンバース&フィリー・ジョー・ジョーンズ、後半はサム・ジョーンズ&ルイ・ヘイズというマイルスとキャノンボールという当時のジャズ界の2大人気バンドのリズムを使っているところも、比べて聴くという意味では非常に楽しい構成になっている。個人的には、前半部分の方が曲が好きなものが多いせいか、気に入っている。フィリー・ジョーも天才と呼ばれたミュージシャンだけれど、本当に自由奔放なリズムをたたいており、非常にすばらしい。後半は本当にプロフェッショナルといった感じの演奏で、文句のつけようがないといったところ。ここまでくると両方ともすばらしいので、好みの問題かなといったところである。
2002年07月19日
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ちょっと前に、僕は最近のハービー・ハンコックの音楽が好きじゃないという話をした。でも、そのときも書いたのだけれど、冷静に考えると、僕が聴いているハービーの音楽って、60年代か90年代以降のものばかりなので、少し気になって70年代はどうなんだろうと思って、早速70年代後半のVSOPのライブアルバムを買って聴いてみることにした。 VSOP QUINTETというのは、70年代半ばにハービーがニューポートジャズ祭で、自分の過去の音楽生活を総括するライブを行うために結成されたバンドで、そのとき限りの予定のバンドであった。メンバーはハービーのほかに、ショーター、ロン・カーター、トニー・ウィリアムス、そしてフレディ・ハーバートというマイルス以外は60年代のマイルスバンドのメンバーというものである。そのライブは『ニューポートの追想』というアルバムでライブ録音として残されているのであるが、その評判があまりによかったため、77年に再結成されワールドツアーを行った。その最終公演を東京の今はなき田園コロシアムで行ったのであるが、そのライブ録音がこのアルバムである。 で、70年代のハンコックは?という僕の興味に対する感想は一言”最高”である。やはりこのメンバーでのライブというのは本当にすごいものがあって、音楽の創造力、瞬発力が抜群である。どの曲もメンバー全員が散々演奏しまくっていると思われる曲であるが、惰性的な演奏は一切ない。本当にすばらしい。これだけのライブを真夏の野外でやられたら、暑さも手伝って会場がヒートアップしまくりなのは納得がいく。CDを聴いただけでもそのことを納得させられてしまう演奏である。 その中でも、僕が特に感動したのは、トニーのドラムである。この、パワフルで変化に富んだリズムは何度聴いてもすばらしい。18歳でマイルスのバンドのメンバーになった天才的才能は本物である。特に、1曲目の”アイズ オブ ハリケーン”でもドラムは鳥肌モノである。つくづく彼の死は惜しまれてならない。一度でいいから彼のライブを生で聴いてみたかっら。それにしても、このアルバムを聴いて思ったのは、いつからハービーの音楽が僕にとってつまらないものになってしまったのか?が気になって仕方がなくなってきた。別に僕はハービー研究家でもないので、あんまりこの問題にはまるものどうかと思うんだけれど、本当に気になる。しばらくはハービーのCDを買いあさりそうである。ちなみに、結構マスコミとかでも取り上げられているけれども、今年の夏にハービーが総合プロデュースをする東京ジャズ祭が東京スタジアムで行われる。僕がここ5年くらいで最高のバンドだと勝手に思っている、ショーターのバンドもやってくるので、絶対に行くべきライブである。皆さんも是非、真夏の照りつける太陽のしたで、すばらしいジャズを堪能していただきたい。きっと会場のどこかに私もいるはずです。
2002年07月12日
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僕はあまり毎日マイルスやコルトレーンを聴くタイプの人間ではない。陳腐な例えでいえば、毎日フランス料理のフルコースを食べても飽きてしまうといった感じで、普段は結構、新しいジャズを好んで聴いている。とは言いつつもたまに、昔のいわゆる名盤ってヤツを聴くと、それはそれでよいので、今日はコルトレーンの生涯最高の傑作の『至上の愛』についてとりあげる。 このアルバムを録音した当時コルトレーンはインド仏教哲学にはまっていて、「愛とは何か?」という僕が絶対に考えない問題について真剣に悩んでいたらしい。そんなサブストーリーがあるため、このアルバムが語られる時、必ず音楽の裏に潜む精神性的な話が問題になる。はっきりいってしまうと僕にとってはそんな話題は結構どうでもよくって、純粋に音楽として格好いいかどうかが問題なんだけれど、僕はこの『至上の愛』は間違いなく格好いいと思う。 至上の愛は4部構成の組曲になっており、全パート演奏すると40分以上になってしまうので、エルビンジョーンズくらいしか演奏されることがない曲 だけれども、僕は曲自体も非常に格好いいと思うので、本当はいろんなテナー奏者の至上の愛を聴いてみたい気もする。コルトレーン以外の演奏でいうと僕が好きなのは(というかそれしか聴いたことがないんだけれど)ウィントン・マルサリスがエルビン・ジョーンズと吹き込んだライブ版と、ブランフォード・マルサリスがBlueNoteTokyoでやったライブ。特に後者はライブで聴いたのだけれど、テンポがオリジナルの1.5倍くらいあって本当に凄かった(ちなみにブランフォードのバンドは、ジョーイ・カルデラツォ、ジェフ・ワッツとベースは??っていうすばらしいメンバーだった。僕の今まで見たライブの中でも3本の指に入るような演奏だった)。 また、このアルバムのメンバーは言わずと知れたコルトレーンの黄金のカルテットと呼ばれていた、タイナー、ジャリソン、エルビンという4人なんだけれど、このメンバーでの頂点といえる演奏を繰り広げており、本当に格好いい。特に僕はこのアルバムでのマッコイ・タイナーのピアノが大好きで、マッコイのコルトレーンチックなピアノのフレーズは覚えるくらい聴いた思い出がある。 コルトレーンはよく言われているように、このアルバム以降、フリージャズに突入してしまい、はっきり言ってついていけないという人も結構いるので、これからコルトレーンにはまる人は、このアルバムから時代をさかのぼっていくことをお薦めする(僕はこれ以降のコルトレーンもそんなに嫌いじゃないけど)。
2002年07月06日
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