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気を抜くとすぐにご無沙汰になってしまいますが、久しぶりの更新。今日も相変わらずピアノトリオのアルバムなのだけれど、これが久々にビビらされたすごいアルバム。マーシャル・ソラールの”NY-1”。 僕もソラールのピアノって明示的に聴いたのはこのアルバムがはじめてだったのだけども、凄いぞこの親父って感じでした。このアルバムを録音した時点で御歳75歳ということなのだけれども、その音楽的な創造力は本当にすばらしい。アルバムには、スタンダートとオリジナルが3曲、4曲とそれぞれバランスよく入っている。勿論オリジナル曲もとてもよいのだけれども、彼のセンスをより良く聴けるのは、スタンダードの曲であると思う(もっと一杯聴きこめばオリジナルのよさがもっと分かると思うんだけれど)。僕が特に気に入ったのは、6曲目の”Softly As In A Morning Sunrise”。MJQやコルトレーン、ロリンズ等、数々の巨人が演奏してきたこの曲を、ピアノトリオで真正面から取り上げているのだけれども、その凄みに圧倒された。1曲の中でも、スピード、パワーが自在に変化し、ソラールのピアノが本当に縦横無尽に響き渡る演奏である。本当に凄い。 ちなみに、このアルバムはNYのVillage Vanguardで録音されたものだが、メンバーもすばらしく、特にドラムのビル・スチュアートは本当にすばらしい。彼はメセニーのピアノトリオの録音を聴いたときも、ソロイストを繊細かつ大胆に煽りまくる格好いいドラムだと思っていたけれども、このアルバムを聴いて、その思いを再認識した。 それにしても、ソラールをはじめて聴いて、本当に久しぶりに衝撃を受けた。最近思うのは、本当に好きなことをやって生きてきたジジイの作るものって本当にすばらしいということだ(この前ピカソの絵を見ていて心からそう思った)。ソラールも75歳。自分が同じ歳になったら何をしているのだろうとつくづく真剣に考えさせられてしまう今日この頃である。ViVa 爺さん!!
2003年09月15日
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新しいアルバムを紹介しようと思うと、どうしてもピアニストのアルバムになってしまうのだけれども、最近面白いと思うCDがみんなピアニストものもなので仕方がない。ということで今日はHiromiのご紹介。Hiromiは本名は上原ひろみという日本人女性で、まだバークリーの学生らしいのですが、その演奏があまりにもすばらしかったために、先生の推薦で本場アメリカのテラークというレーベルからデビューしてしまったすごい逸話を持った人です。スイングジャーナルでもかなり絶賛されていたので、早速買って聴いてみることにしました。ということで、かなり期待して聴いたのですが、結果はというとめでたいことにかなりすばらしい演奏でした。まず1曲目爆発的なスピード感で度肝を抜かれます。確かにあのスピード感とパワーはこれまでのジャズにないもので、新しい世代の音楽であることを感じさせてくれます。編成としては、ピアノトリオに曲によってギターとかサックスが入っています。アンソニー・ジャクソンなんかも入っていて、基本的にはよいと思うのですが、アルトサックスの人(名前も良く知らない人でした)の音とフレーズがどうもフージョンっぽくって音楽全体を何か安っぽいチープなものにしてしまっている印象を受けた点は気になりました。僕が一番気に入った曲は、7曲目の"Dancando No Paraiso"です。この曲は1曲目で見せたパワーと女性らしいやさしさの両方が出ているかっこいい曲で結構ヘビーローテで聴いております。演奏を聴いていると、よい意味の若さが出ている感じがして、大変さわやかな気分にさせてくれます。まだまだ完成された音楽という感じではありませんが、これからが非常に楽しみなミュージシャンが出てきたと思います。
2003年08月19日
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現在マイブーム中のマッコイ・タイナーの『サハラ』を今日は取り上げる。マッコイの音楽は60年代後半から70年代というモダンジャズ冬の時代の作品が実は非常にすばらしいと思っているが(その前は、コルトレーンのグループだし)、これもまさにそんな時期の作品である。 コルトレーンの影響を強烈に受けていたマッコイは、逆にその呪縛から開放されるために、一時期もがいていたが、この作品を完成させることで、ある意味自己の音楽を確立したのではないだろうか。ピアノの弾き方自体はコルトレーンカルテットの時とそれほど変わっていないけれども、一回聴くとそれとわかる作曲のセンスと、ハードで、スピード感あふれる音楽がしっかり出来上がっている。1曲では勢いあまって日本の琴を演奏してしまったりしているが、それはご愛嬌として、それ以外の音楽を聴いて欲しいと思う。 参加メンバーとしては、ソニー・フォーチュンがサックスで参加している。非常にハードなそのサックスの音は、マッコイのピアノと非常に相性が良く、彼の参加もこのアルバムの価値を高めていると思う。そういえば、フォーチュンって結構エルビン・ジョーンズのアルバムなんかにも参加していて、結構僕が認識しているよりもすごいサックス奏者なのかもしれない(一度ちゃんと聴いてみよう)。
2003年08月17日
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歴史的名盤特集第2弾ということで、本日は、クリフォード・ブラウンを取り上げる。 トランペットはジャズの花形の楽器で、アームストロングから始まり(本当はもっといるけど聴いたことない)、数々の大スターが生まれた楽器である。ブラウンは不幸な交通事故により25歳くらいで亡くなってしまったが、少ない活動期間に残されたアルバムはどれもハイレベルで、真の天才とはまさに彼のことと言った感じである。 というわけで、ブラウンのアルバムはどれでもクオリティが高いので、基本的には何を聴いてもよいのだけれど、一番聴きやすいし、分かりやすいアルバムということで『 Study In Brown 』。このアルバムはブラウン=ローチカルテットのアルバムであるが、ブラウンの美しいトランペットの音が、あふれ出るようなフレーズを次から次へと奏でるのを聴いているのは本当に気持ちいい。 作っている音楽自体は、今聴いてみると非常にオーソドックスであるけれども、スタンダードなハードバップの枠組みの中で、ここまでクリエイティブな演奏ができるということも本当にすごいと思う。 マイルスが、トランペッターではなく、ミュージシャンとして生きざるを得なかったのも、トランペッターとしてブラウンが余りに天才的であったからだと思う。 オーソドックスなジャズを聞くのであれば、是非最初に聴いてもらいたいアルバム。
2003年08月14日
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これまで紹介したアルバムのリストを整理していたら、最近のミュージシャンしかあまり紹介していないことに気が付いたので、反省して、たまにはきちんとした古典もご紹介。 ということで、お題は「ビル・エバンス」。言わずと知れたジャズ界最高のピアニストの1人である。ビル・エバンスのアルバムといえば、ダントツで人気があるのは ”Waltz For Debby”という、ラファロとモチアンという最高のリズムと組んだ伝説のライブアルバムだけれども、それを紹介してもあまり芸が感じられないので、その次にランクされるくらいのアルバムを取り上げる。”At The Montreux Jazz Festival ”はタイトル通り、モントルー・ジャズフェスティバルでのライブ録音で、メンバーは、エディ・ゴメスとジャック・ディジョネット。エバンスの場合、メンバー感のインタープレイを重視するため、メンバーのクオリティによって作品の良し悪しがそれなりに左右されるのだけれど、このアルバムには、珍しくディジョネットがドラムを叩いているので、エバンスにしては結構アグレッシブで、新鮮な演奏を聴ける。どの曲もライブ録音とは思えない完成度の高い演奏を聴くことができるけれども、その中でも最近の僕の流行り曲『Nardis』がやっぱりお気に入り。エバンスらしい、ロマンティックながら、実はハードボイルドといった感じの演奏が聴ける。エバンスを聴くんだったら、一枚目はヤッパリ”Waltz For Debby”が無難だとは思うけれど、内容的には、全然見劣りしない演奏だと思う。お試しあれ!!
2003年08月10日
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今日は、大好きなミシェル・ペトルチアーニのライブアルバムの紹介。80年代に出てきたピアニストの中でミシェルはもっとも才能のあったピアニストだったので、若くして死んでしまったことは本当に残念だけれども、残してくれたアルバムは本当に素晴らしいものが多いので、残されたものを大切に聴いていきたいと思う。 ということで、ミシェルがNYのヴィレッジ・バンガードというジャズの聖地で録音したこのアルバム。ミシェルは比較的ライブ録音が多く残されていて、ヴィレッジバンガードのライブも2枚残されていると思う。もう一方の方は、ベースがゲーリー・ピーコックでこちらも素晴らしいのだけれども、僕はこちらのアルバムの方が、選曲が良くて、演奏もストレートなので、非常に聴きやすいと思う。特にいいのは、ロリンズの「オレオ」と「Nardis」。「オレオ」は非常にアップテンポは曲なので、ピアニストのテクニックがよく出て、聴いていて気持ちいい。もちろんミシェルのテクニックは完璧なので、この曲は本当に格好いい。「Nardis」は、最近の僕のお気に入りの曲で、ピアニストの個性を比べる基準にしている。ミシェルの演奏は、ロマンチックながらも彼の明るい性格を反映して、甘さに流れない演奏。僕が好きな感じの演奏。ということで、やっぱりミシェルは素晴らしいということを再確認できるアルバムである。もちろん強力にお薦め!!
2003年08月07日
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先週の金曜日に、前々から行きたいと思っていたOmar SosaのライブをBlueNoteに聴きにいってきた。Sosaについては、今年の2月くらいまで全く知らなかったのであるが(スイングジャーナルとか荷は全然出てきていなかった気がする)、ディスクユニオンで勝ったキューバ人テナーサックス奏者のアルバムにゲストで参加していて、なんとなく気になっていた。 そんな彼が、BuleNoteに来るということで、CDで聴いてみて良かったら行こうと思って買ったのがこのCDである。 SosaのピアノとパーカッションのデュオライブであるこのCDは、昨年横浜のMotionBlueで録音されたものである。内容的には、本当にすばらしかった。もともとはパーカッション奏者であるSosaのピアノはパーカッシブであり、キューバ人らしく、そのリズム感がすばらしい。そしてピアノのタッチがすばらしく綺麗で、惚れ惚れしてしまう。曲はほとんどオリジナルであるが、これまた格好良く、★★★★★といった感じのアルバムである。 ということで、アルバムに満足して、ライブにもいってきたわけであるが、これがCDに輪をかけて良かった。バンドは、総勢8名くらいの大編成であって、このCDとは雰囲気がだいぶ違うのだけれども、大編成ならではのパワーがあり、圧倒された。大編成のわりにはあまりアレンジもきっちり決まっているという感じでなく、その場で曲を作り上げているという雰囲気があり、安易な展開が感じされなかったのにも非常に好感がもてた。 久々に、心から好きになれるミュージシャンに出会ったという感じがしていて、最近は結構興奮気味である。僕的にはそのくらいすばらしいと思うミュージシャンである。かなりオススメです。
2003年08月05日
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斑尾のニューポートジャズフェスティバルに行ってきた。ダヴィッド・サンチェスとか、色々聴きたいと思っていたミュージシャンはいたのだけれど、本音を言えば、お目当てはひとつしかかなった。ずばりThe Bad Plus。5月くらいから一部で大きな話題を振り撒いているピアノトリオである。とはとはいってもこのグループただのピアノトリオとは一味違う。 インタープレイを中心にして、ドラムとリズムがサポートに徹するという昔ながらのピアノトリオでないのは勿論であるが、二人のリズムの方法論が通常のジャズのリズムとは大きく異なっている。ベースも勿論格好いいのであるが、ドラムのリズムは、ロックに近いのかもしれないけれど、ジャズ的な繊細さも感じられ、なんとも表現しにくいものである(聴いてもらうのが一番早い)。ということから、CDを買って依頼しばらく愛聴しているのだけれど、今回はその生で見られるということで、楽しみにしていたのである。 で、結論としてどうだったのかというと、これがまた本当に格好良かった。特に良かったのがデヴィッド・キングのドラム。イメージとしてはもっとロック調でガシガシ飛ばしまくるのかなと思っていたのだけれど、そんなことはなく、非常に繊細かつ、凡人には想像もできないような、これまでのジャズのドラムとは大きく異なるセンスのリズムを作り出していた。 あと、気になったのが、イーサン・アイバーソンのピアノ。思ったよりもクラシック的なピアノで、結構ロック的な要素の強いリズムとの対比が、うまい具合に強調されて面白かった。ちょっと前に紹介した、E.S.Tといい、The Bad Plusといい、本当に新しいタイプのピアノトリオでスタンダードなジャズがどうしてもよいという人にはちょっと受け入れがたいかも知れないけれども、逆にジャズ以外の音楽を聴いてきた人には逆に入りやすいかもしれない。僕は、基本的にカテゴリー分類不可能な感じの音楽が大好きなので、このピアノトリオ本当にいいと思う。本当に新しい音楽が出来上がっていく感じがして、演奏している本人たちも本当に楽しそうだった。アグレッシブな趣向の人にはぜひともオススメしたいアルバム。
2003年08月03日
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山中千尋は、最近すっかり有名になってしまってデビューしたときから注目していた僕としては、少々さびしい感じではあるが、やっぱりいいピアニストだと思うので2回目の登場ということにしたいと思う。 このアルバムは、彼女の2枚目のアルバムで、基本的なコンセプトは前作と大きな違いはないが、メンバーが、前作の僕の知らない二人ではなく、ラリー・グラナディア(b)ジェフ・バラード(ds)という、若手ではかなりよいリズムを従えている点が大きく違うと言ったところ。 内容についていうと、やはりハイライトは4曲目の「八木節」。勿論日本の民謡であるが、彼女のアレンジのセンスとピアノのテクニックの両方を十分に味わうことが出来る良い曲である。特に、よいと思うのが、そのアレンジのセンスである。彼女くらいのレベルでピアノを弾ける(テクニックという意味で)ピアニストは探せばいくらでもいそうな気はするけれど、アレンジのセンスは非常に個性があってすばらしいと思う。 あと、ジャコ好きの僕にとってうれしいのは、6曲目で取り上げられている「Three View Of A Secret」。ジャコの書いた最高に美しい曲で、これを非常にロマンティックに演奏している。この曲、もともとすばらしい曲で大好きなのだけれども、最近いろんなミュージシャンが演奏してくれるので、とてもうれしい。色々なバージョンで聴いてみたい。ということで、全体的にバラエティに富んでいて、なかなか良いアルバム(特に前半が良い)。女性に人気が高いようであるが、男女を問わずたくさんの人にオススメできるアルバムである。
2003年08月01日
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気の久しぶりに会社のジャズ好きの人と話していて、ウィントンが格好いいという話になったので、今日はウィントン・マルサリスのアルバムを紹介することにする。ウィントンについては、以前エルビンジョーンズのアルバムで紹介したことがあるけれど、本当のことを言うと最近の彼のアルバムはあまり興味がなかったので聴いていない。 でも、やはり天才的なトランペッターであることに間違いはなく、今日紹介するStandard Timeというアルバムの演奏も、本当に天来的なひらめきを感じさせる、縦横無尽のトランペットの演奏を聞くことが出来る。友人曰く、「モンクの曲ばかり集めたやつがメチャクチャ格好よかった」ということだったので、早速買ってみることにした。 これからウィントンを聴こうと思っている人へのアドバイスとしては、多分85年くらいから90年くらいのアルバムがまずはオーソドックスでよいと思う。このStandard Timeはシリーズになっていて、このシリーズを若い順に聴いていくのか結構安全だと思う。いきなり新しいものを聴いても、ある意味行っちゃっているので、訳がわからないと思うので。。
2003年07月31日
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今日のアルバムは、少し毛色を変えて、R&Bッぽいものもご紹介。Gary Bartzは70年代にマイルスのバンドにいたこともあるアルトサックス奏者である。現在は結構まっとうなメインストリームのジャズをやっているのだけれども、このころはジャケットの写真を見ても分かるとおり、R&B的要素の強いジャズをやっていたようだ(というか昔のGary Bartzのことはあまりよく知らない)。 ということで彼の経歴はどうでも良くて、肝心なのはアルバムの内容である。このアルバムはディスクユニオンのアルバム紹介を読んでいて格好よさそうだと思って買ったのだけれども、久々にヒット作であった73年のモントルージャズフェスティバルでのライブ録音であるが、ライブ録音ならではのエネルギーを感じることが出来る。そして何より黒くて格好いい。絶対に黒人にしか作れないこの雰囲気がなんとも言えずよい。 とはいっても音楽の内容的には、ジャケットのイメージほどコテコテのブラックミュージックというわけではなく、しっかりとジャズの要素が入っており、多分長らく聴いても飽きのこない良質なものである。イメージ的には、僕のアイドルであるローランド・カークの後期的な感じの音楽で、アルトサックスの吹き方も、アルトというよりはテナー的な響きのするものである(このような引き方は現在は結構主流たけれども、当時としては結構斬新な気がする)。ジャズ好きにも、R&B好きにも楽しんで聴けるアルバムだと思うので、ブラックミュージックを聴いていて、そろそろジャズも聴いてみようかなと考えている人にはすごくいいのではないかと思う。
2003年07月27日
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Zsolt Kaltenecker は昨年から僕のお気に入りのピアニストのひとりだ。ハンガリーという東欧圏出身のピアニストらしく、テクニックは非常にしっかりしていて、それでいて型にはまらない斬新なピアノを弾く。前作くらいから結構気に入って聴いているのだが、前作はフォーマットとしては通常のピアノトリオの作品であった。なかなか良い出来のアルバムであったのだけれど、僕は本作の方がより斬新な演奏が聴けて好きだ。フォーマットは、ピアノに、エレキベースにパーカッションという変則ピアノトリオである。特にお気に入りは2曲目の『Play』という曲なんだけど、本当に格好いい。テクニックもあってスピード感抜群の演奏をしている。曲もとてもいいので、何度聴いても飽きのこない演奏である。また、このアルバムはベースが格好いいのもお気に入りの理由のひとつである。明らかにジャコの影響を受けまくったといった雰囲気のベーシストであるが、これがまたジャコをこよなく愛する僕にはヒットする。スイングジャーナル等ではあまり高い評価をされていなかったが、僕自身は非常にいいアルバムだと思う。
2003年07月25日
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最近は以前ほど騒がれなくなってしまったけれど、テラソンは今でも素晴らしいピアニストだと思う(一時の騒がれ方が異常だったと思うが)。フランス人らしい、ちょっとアメリカ人にはないセンスがあるのと、もちろん素晴らしいテクニックがあるけれども、もっとも格好いいと思うのはその上で、細かいことは気にせずにピアノを弾ききってしまう勢いのようなものが感じられることである。テラソンは90年代はアメリカで活動していたが、最近は母国フランスに戻っているようで、このアルバムもフランスのBlueNoteから発売されている。どの曲もいいのだけれど、最近実はNardisという曲にはまっていて、このアルバムもそれを聴きたくて聴いている。いろいろな人の同じ曲の演奏を聴いていると、そのプレーヤーの個性が結構はっきり出てくるのだけれども、ここでのテラソンの演奏は格好いいアレンジもあって素晴らしい演奏になっている。それ以外にも表題曲の『smile』とかスティービーの『Isn’t She Lovely?』等、かつての勢いだけではなく、ある種余裕の感じられる格好いい曲が沢山はいったアルバムである。良いと思う。
2003年07月24日
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最近あまりサックスとかトランペットとかの管楽器でいいアルバムがなくて、時流に乗りすぎていてあまりうれしくないのだけれど、ピアノトリオを多く聴いている。 そんな中で、かなりお気に入りがE.S.T.。スウェーデンのバンドで、オーソドックスなピアノトリオではなく、かなり先端的な感性をもったバンドである。 お気に入りは4曲目の『Behind The Yashmak Album Version 』。自分の好きな曲を思い返してみるとリズム変化の激しい曲にどうも惹かれるらしいのだが、これはその典型のような曲で本当に格好いい。一定のメロディーラインをピアノがキープする中で、ドラムが激しくうねっている。よい。それ以外にも、どの曲も外れなく非常にレベルの高いトリオである。是非聴いてもらいたい。いまさら普通のピアノトリオを聴いてもつまらないでしょ。
2003年07月18日
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もう1年くらい更新をしていなかったけれど、気が向いたので更新再開。しばらくアルバムを紹介していなかったので、ネタは一杯あるが、今回はマッコイ。ちょうど今日本に来ていて、まだどこかでライブをやっているのではないかと思う(先週はBlueNoteTokyoだったので行って来ました)。ということで『Fly With The Wind』。このアルバム、2月くらいに買ったのだけれども、あまりの衝撃にそれ以来ずっと聴きまくっている。まず何が良いって、曲がよい。最近マッコイのアルバムを色々聴いていて、思うのだけれど、僕はどうも彼のピアノも好きだけれども、あの男らしい、ハードな曲が好きらしい。本当に格好いい。 また、特に1,2曲目についていえることだが、演奏もすごい。マッコイのピアノとビリー・コブハムのドラムのコンビネーションは多分どこかに行っちゃっている。人間業とは思えず、衝撃を受けること間違いなし。知っていた人にはいまさらだと思うけど、何の気なしにかったアルバムがこれほど格好いいと興奮する。今のところ今年かったアルバムではダントツNo1である。
2003年07月17日
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しつこいくらいにいっているが、最近のハービーの音楽は好きではないのだが、60,70年代の彼の音楽は逆に最高だと思っている。 今日はそんな中の一枚を紹介する。メンバーは確か、ロン・カーターとフレディ・ハーバートとドラム(多分トニーじゃないかな)のカルテット形式で、全体としては、比較的フリーフォームに近い演奏が繰り広げられている。 しかし、このアルバムが圧倒的に有名になったのは「カンタロ-プ・アイランド」が収録されているからである。イギリスのACID JAZZのバンドであるUS3がこの曲を取り上げて世界的にヒットを飛ばした(もう10年くらい前の話ですけど)。この曲は僕的にはこのアルバムの中では完全に浮いていて、フリーフォームの演奏が多い中で、非常にキャッチ-なメロディーを持っていて、非常に聴きやすい。ハービーって、あんまり難しいこと考えないで、こういう本当に格好いいと思う曲を書かせたら本当にいい曲を作ると思う。マイルスの後継者的な位置付けを周りから勝手にされて、そのプレッシャーを感じているのかも知れないけれど、所詮そんなの無理なんだから、最先端の音楽を作ろうなんて思わず似に、もっと好きな音楽をどんどん作っていってほしいと思ったりする。ほんとに格好いい音楽を作れるんだから。
2002年09月26日
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ジェームズ・カーターがパッとしない最近、ジョシュア・レッドマンは恐らく若手のテナー奏者の中では、No.1のセンスとテクニックを持っている。そんなジョシュアの新作は、ちょっと前に同じメンバーでYAYA3というバンドとして録音したアルバム同様、オルガントリオを主体とした構成のアルバムである。 しょっぱなで誉めておいたが、実は僕はここ2,3年のジョシュアのアルバムはあまり評価していなかった。技術的には非常に凝っていて、複雑なコード進行とか色々聴くべきところはあったのだけれど、何となく頭で作った音楽という感じが否めなかったからである。そんな傾向は実は前のアルバムくらいから改善されていて(と僕は思っている)、だんだん良くなっていくのかなと思っていたのだが、そんなところにこのアルバムが届いて、その内容に非常に興奮気味である。 人によって好みは分かれるとは思うけれど、今のところ僕にとってこのアルバムは、1曲のために存在する。それは、5曲目の『Still Pushin’ That Rock』!!もうこのページではおなじみのブライアン・ブレイドの超格好いいリズムにのって、ジョシュアのテナーが走りまくっている。そのフレーズ、スピード感ともに最高である。聴いていて鳥肌モノで、先週末は繰り返し聴きまくってしまった。 オルガンのサム・イェールという人は実はほとんど知らなかったのだけれど、こちらもなかなかで、このバンドでライブ活動も行っていくということなので、またBlueNoteかどこかで生のライブを聴きたいものである(ジョシュアはライブの方が絶対いい!!)
2002年09月18日
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最近ドラムブームが僕の中で巻き起こっているという話は以前にしたと思うが、そんな僕の心を乱しまくりのドラマーが参加しているアルバムがまたまた発売。ブランフォード・マルサリスの新作である。 ブランフォードのバンドのドラムはおそらくこの15年くらいずっとジェフ・ティン・ワッツが勤めているが、このアルバムを聴いても、ブランフォードが彼を手放さない理由はわかる気がする。その音に対するレスポンスといい、音楽全体にアクセントをつけるセンスといい、まさに抜群である。 ブランフォードは最近長らく契約していたソニーをやめて、地元ニューオリンズに帰って自分のレーベルを立ち上げた。このアルバムはそのレーベルの第1弾として発売されたものだけれど、大手レーベルの呪縛から解き放たれて、本当にやりたかったコテコテのジャズをやっている。アルバムのタイトルを見てもわかる通り、コンセプトは歴史上のジャズの巨人たちの足跡をたどっていくというものであるが、そのやり方はウィントンのように堅苦しいものではなく(僕はいまのウィントンの音楽を全然面白いとおもわない)、偉大な巨人達の功績をたたえつつも、今のジャズを作り上げようという意欲がひしひしと伝わってくる。 このアルバムの目玉は2つでともにテナーの歴史を語る上では欠かすことのできないソニー・ロリンズとジョン・コルトレーンという2人に真っ向から挑んでいるという点である。2人の作った組曲を演奏しているが、それぞれの曲で二人の特徴をうまく捉えながらも、自分の音楽として消化しているので、全くお勉強くささがなく、格好いい。 特にコルトレーンにささげた『至上の愛』は最高で、聴いていて本当に興奮した。ちょうど昨年彼がBuleNoteにきた時、生でこのバンドの至上の愛を聴いたのだけれど、このアルバムを聴いているとあの時の興奮がよみがえり、嬉しくなってしまった。 至上の愛という曲は本家のコルトレーンの思想的なバックグラウンドとかをいろいろ語られて、堅苦しいという人が結構いるけれども、純粋に音楽として聴いても、こんなに格好いい曲はないと僕は信じているので、そんなスタンスでこの曲をここまで正面から取り上げるブランフォードの勇気とその実力を心から称えたいと思う。本当にすばらしい!!ワッツのドラムも最高だし、カルデラッツォのピアノもスピード感抜群で最高である。多分このバンドは今のジャズ界でも最高クラスのバンドなので、いまさら褒め称える必要もないかも知れないけれども、とてもいいので、多くの人に聴いてもらいたい。
2002年09月14日
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最近僕の中で珍しく日本のJAZZが熱くなっている。発端は森山威男なんだけれども、最近買った大友良英のアルバムのなかなかの出来で、結構気に入っている。 大友良英という人は僕は最近まで全く知らなかったのだけれど、HPなどを見ているとどうやら音響系といわれるジャンルの音楽をやっている人らしい。そもそもその分類自体僕には全く意味不明なので、だからどうなのという感じなのだけれど、出来たアルバムを聴いてみたら格好いいので、全く問題なしといったところである。 内容的にはどんな感じかというと、60年代のフリーよりのジャズで、といいつつも完全にフリーという感じでもないので、アルバムの中でも曲が取上げられているエリック・ドルフィーと似たスタンスのジャズといったらなんとなくイメージがつくのではないかと思う。 さすがに僕のフェイバリットであるドルフィーにはかなわないといった感じはするけれども、演奏自体は非常に緊張感に溢れていて聴きごたえがある。特に気に入ったのは4曲目の”Eureka”という曲で、比較的シンプルなメロディーの中でめまぐるしくリズムが変化していくといった僕の好きなタイプの演奏である。この曲を聴くためだけでもこのCDは買いな気がしている。それ以外の曲についても非常に格好いいので、一度聴いてみてはいかがでしょうか?
2002年09月04日
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予告どおりに東京ジャズフェスティバルに行ってきた。全体としては、相変わらず今のハービー・ハンコックの音楽が全く僕には理解できなかったり、最後のジャムセッションのようなものがいまいちだったりと、多少残念な部分はあったが、僕にとってのメインイベントであったウェイン・ショーター・カルテットが、呆然とするくらい凄かったので、完全にもとは取ったといった感じのフェスティバルであった。そこで、ウェイン・ショーター。このアルバムは前にも一度紹介したことがあるけれども、昨日のメンバーと全く同じなので、再度取上げて少しでも多くの人に聴いてもらいたいと思う。このバンド、メンバー全員が本当に超がつくくらい一流な人たちばかりなので、ひとりひとりの演奏に圧倒されるのは当然なのだけれども、その4人がひとつのバンドになったときにその凄さがさらに数倍にも増していくということが、何よりも驚きである。僕は最初のブライアン・ブレイドのドラムの入りの時点でいきなりノックアウトされてしまって、後は1時間放心状態で聴いていた。演奏は、ほとんど定型のリズムに流されることはなく、一人一人のインタープレイが延々と続き、しばらく経つとショーターが本当に美しいメロディーを奏でるといったもの。と書くとなんだか凄くチープな感じに思えてしまうが、聴いていてなんで4人がこんなに好き勝手に弾いているように見えて、それが組み合わさる相乗効果で1×4以上のパワフルな音楽になるのかというのを、ひたすら考えさせられる演奏で、本当に凄かった。やばいくらい凄かった。特にブライアン・ブレイド。彼は間違いなく天才である。トニー・ウィリアムスとエルビン・ジョーンズの跡目を継げるのは彼しかいないと僕は確信した。あのリズムは絶対に練習しても叩けないと思う。死ぬほどカッコウいい。洋服のセンスも抜群だし、恐らく僕のこれからのジャズ人生は彼のビート無くしては成り立っていかないであろう。そのくらいすばらしかった。今度は是非彼のレギュラーバンド(フェローシップ。これもすばらしいバンドです)ので来日してもらいたいと思う。ということで、このバンド、恐らくジャズがこれまで生み出したバンドの中でも最高の部類に入るものだと思う。ハービー・ハンコックのジャズに未来があるのかというと僕は全く賛同しないけれども、ショーターの演奏からは、逆に今まで通りのジャズのフォーマットの中でもまだまだできることはあるのだということを見せつけられた気がした。しつこいけれども本当に凄いバンド。これを聴かないと今年のジャズは語れません。必聴です。
2002年08月26日
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久々の更新。 明日は待ちに待った東京ジャズフェスティバルである。それにちなんでというわけではないが、今まで日本で行われたジャズフェスティバルの録音の中でおそらく最高の部類に属するアルバムを今日は紹介する。 90年代前半まで毎年夏に日本で行われるジャズフェスティバルととしては、ライブ・アンダー・ザ・スカイとMt.Fuji.Jazz.Festivalの2つがあった。歴史的には前者の方が古くて、おそらく70年代後半から開催されていた。このアルバムは79年にハービー・ハンコック率いるVSOPクインテットの演奏を録音したものである。VSOPについては、前にも一度取り上げたことがあるが、いわゆるマイルス・デイビスの第2期黄金のカルテットといわれた60年代のマイルスグループのマイルスの代わりにフレディ・ハーバートが入ったクインテットである。はっきりいってメンバー的には全ジャズの歴史を振り返ってもこれ以上望めないといった感じなので、演奏が面白くないはずはないのだけれど、このアルバムに残されている録音は彼らの録音の中でも最もすばらしいもののひとつである。 この録音をした当日の田園コロシアムは、本当にものすごい豪雨だったらしい(通路を水が滝のように流れていたそうだ)。そういったある意味極限状況の中で、ミュージシャンと観衆の間に、ある種の一体感のようなものが生まれて、すごいテンションの演奏が繰り広げられている。 しかも、このアルバムはそのときの模様が、曲間のMCまで含めてほぼ完全に記録されており、単なるジャズのアルバムとしてではなく、一種のドキュメンタリーのような感じで聴くことができる点も非常に面白い。 曲目や演奏内容については、比較的やりなれた曲を演奏しているので、まずハズレはないといった感じで、すばらしいという言葉以外あまり表現方法を持ち合わせていないので、詳細に説明はしないけれど、VSOPを聴いていつも思うことをひとつだけ。ドラムのトニー・ウィリアムスの天才ぶりは本当にすごい。凡人には絶対にまねのできないタイム感覚と、小さい体からは信じられないくらいのむちゃくちゃパワフルな音は何度聴いても全く飽きない。特に、あのパワフルなバスドラの音は全く彼にしか出せない音である。つくづく早くして亡くなってしまったことが残念でならない。一度でいいから生で聴いてみたかった。あと、最近自分の一番好きなテナーサックスなのではないかと改めて思っているウェイン・ショーターもすばらしい。そのショーターが明日はレギュラーカルテットでやってくる。今のバンドは各楽器でいま最もいいミュージシャンを集めたバンドなので、絶対にすばらしい演奏が聴けるに違いないと確信している。ということで、今日は明日に備えてさっさと寝ることにする。雨降りませんように!!
2002年08月23日
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何かで読んだことがことがあるのだが、マイルスはギル・エバンスのことを、「唯一俺をノックアウトした男」と呼んだそうである。確かにギルとマイルスの付き合いは古くて、マイルスの事実上の初のリーダーアルバムである「クールの誕生」からの付き合いである。その後も、マイルスとギルは何度か共同で音楽を作っており、その作品はどれもはずれのない滅茶苦茶クオリティーの高い作品ばかりである。今月のスイングジャーナルで、著名人の愛聴版の調査のようなことをやっていたが、多くのミュージシャンがマイルスとギルの作品は何度聴いても新鮮で飽きないというコメントをしていた。 このアルバムはそんなギルの70年代を代表する作品のひとつである。まず、参加しているミュージシャンがすばらしい。ジョージ・アダムスにデヴィッド・サンボーン、マービン・ピーターソンといった感じでパワフルで僕の好きなミュージシャンばかりである。音楽の内容については、非常に表現が難しい感じのもので(別にわかりにくいわけではなくジャンル分けが難しいのだ)、少しフージョンの入ったビッグバンドジャズといった感じのものである(フージョンって言葉を使うと正直なんか陳腐な感じになってしまうので、あまり使いたくないんだけれど)。それにしても、思うのは、60を過ぎた爺さんがどうしてこんなに新しくて、格好いい音楽を作れるのだろう。確かに人間歳じゃないとは思うけれども、60才を超えて、これだけの創造性と、好奇心を維持していられるなんて本当に尊敬する。70過ぎてもバリバリ現役のミュージシャンはたくさんいるけれど、これほどまでに貪欲に新しいことに取り組んだ人ってほかにはいないんじゃないだろうか? 本当は、どこがどうすごいとか、ここが新しいとか言いたいのだけれど、はっきり言って聴いていても、それがどこなのかぼくには正確にわからないし、言語化して説明することはできない。ギルは僕が大好きなミュージシャンたちが心から尊敬した人である。ジャコしかり、pooさんしかりである。そんな人の音楽を僕は陳腐な言葉では説明できない。一言最高の賛辞を、”死ぬほどカッコイイ!!”
2002年08月10日
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最近夕立が多くて、雨上がりという感じの天気が多いので、それにちなんだ曲で、僕が大好きな曲『After the Rain』の入っているアルバム。この曲はジョン・コルトレーンの作ったバラードでもちろん決定的な演奏はコルトレーンのアルバムの中にもあるのだけれど、僕がこの曲を始めて聴いた思い出のアルバムということで、ジョン・マクラフリンを取り上げることにする。 マクラフリンはイギリス出身のギタリストで、60年代の終わりにマイルスのバンドに起用されて一躍ジャズシーンで注目されるようになったミュージシャンである。彼のジャズ界での位置づけは、ラリー・コリエルとともに、ジャズギターの世界にロックギターのテイストをモロに持ち込んだという功績があり、歴史に残るギタリストである。そんなマクラフリンは90年代に入ってギター、オルガン、ドラムというオルガントリオのフォーマットでしばらく活動していた時期があって、このフォーマットはギターを早弾きで弾きまくるというマクラフリンのよいところがよく出るので、僕はとても気にって愛聴している。レギュラーで組んでいたバンドのドラマーはこちらも超絶ドラマーのデニス・チェンバースだったのだけれど、このアルバムはドラムになんとエルビン・ジョーンズを迎えて、コルトレーントリビュート集というかなりそそる内容のアルバムになっている。 そんなマクラフリンの特徴というのは、なんといってもスピード感あふれるギターワークである。最近は、インド音楽に再び傾倒しはじめてしまい(昔も一度そんなことがあったのだけれど)、僕のわからない世界に行ってしまっているので、なんともいえないのだけれど、彼が一番活きるのは、周りに超絶技巧をもったミュージシャンを配して、すごいスピードでバリバリ弾きまくった時で、そのようなバンドでの演奏をさせたら、天下一品である。クールな表情で、すごい演奏を平然とやってのけるというのが、僕のマクラフリンのイメージである。 このアルバムでも、所々でそんな表情を見せながら、一方で憧れのエルビンの懐で自由に演奏している雰囲気が出ていて僕は、非常に気に入っている。そして、一通り熱い演奏をした最後に訪れるのが『After the Rain』である。僕がこの曲がすきなのは、メロディーにコルトレーンの優しさがあふれているような気がするからである。本当にきれいな曲で、雨上がりの爽やかさ、夕立の夕方のあの気持ちよさみたいなモノがとてもよく出ていると思う。この演奏も短いのだけれど、非常にさっぱりと美しく演奏されている。アルバムの曲順の勝利といった感じなんだけれど、非常に聴き終わった気持ちよさを体感できる。ぜひお試しあれ!!
2002年08月04日
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自分でもあまりよくないと思うのでけれど、僕は結構偏見があって、日本人のJAZZを聴く機会は結構すくない。したがって、ライブとかもBlueNoteくらいしか行かないのだけれど、とはいいつつも、別格の日本人ミュージシャンというのは何人か存在する。その代表格が、このページでも紹介したことのある菊地雅章と森山威男である。その、僕にとって最高の日本人ジャズミュージシャンの一人である森山威男が、2枚のCDを同時にリリースした。「森」「山」である(ネーミングは本当に安易な気がするが、はっきり言って内容とはまったく関係ないので気にしないことにする。また、この素直さが非常に森山らしい気がする)。 森山威男は芸大を卒業したあと、70年代に山下洋輔のゴリゴリフリージャズのトリオで日本のみならず、ヨーロッパでも絶大な評価を得た後に、しばらく自己のバンドで活躍していたが、80年代になって岐阜に引っ込んでしまい、そこで、喫茶店のマスターとしながらしばらく音楽活動をほとんどしないという生活を送っていた。森山自身のそのときの心境はまったく知る由もないので、ファンとしては非常にさびいい限りであった。しかし、そんな森山も90年代後半になって少しずつではあるが、着実に音楽活動を再開しつつあり、近年はこのアルバムの録音メンバーである田中信正たちの若手ミュージシャンとバンドに加えて、年に数回は東京でも演奏が聴けるようになった。ちなみに、昨年発売した渋谷毅とのDUOアルバム「しーそー」は昨年度のスイングジャーナルジャズディスク大賞の日本ジャズ賞を受賞している。 そんな、僕にとっては非常にうれしい状況のなか発売されたのが、この2枚のアルバムである。アルバムの構成は「森」がススロー~ミディアムテンポの演奏、「山」がアップテンポの演奏となっている。森山のすごさというのは、本当にいくつもあるが、まず第1にあげられるのが、そのドラムの音の美しさである。あまり気にしてドラムの音を聴いたことのない人は、ドラムの音がきれいも汚いもあるのかと思うかもしれないけれど、森山の音を聴いてもらえれば、その言わんとすることはわかってもらえると思う。あと特徴として挙げられるのは、そのパワーである。僕が前に聴いたライブでは、あまりのパワーにスティックが折れるのは序の口で、バスドラが壊れていた。 そんな森山の演奏は、まずアップテンポの曲では、とにかく聴衆を圧倒するすごさに、ただビビるのみといった感じである。この世の中にこんなにパワフルで格好いい音楽があるのかという感じである。とにかく熱い!!そしてバラードにおいても実はそのパワーは失われていないのだけれど、森山のセンスと音の美しさに、バラードにおいてもまったくドラムが邪魔にならないところがすごいところである。そのダイナミズムあふれるドラムは、バラード演奏においては、音楽全体をドラマチックにしていて、まったく飽きさせることがない。今回発売された2枚のアルバムには、そんな森山の特徴が余すところなく記録されている。本当にすごい。かつて「怪物」と呼ばれたその演奏に全く衰えは感じられない。僕と同じく日本人のジャズをあまり聴いたことがないという人。是非、聴いてみてほしい。きっと、自分が日本人であることを、なんとなく誇らしく思えると思う。とにかくすばらしい。ちなみに、8月30,31日に新宿PitInnでライブがあるらしい。僕はきっと行くので、お時間のある方は是非どうぞ!!
2002年07月26日
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別に、ジャズミュージシャンの友達が身近にいるわけではないので、本当はよくわからないといえばそうなのだけれど、最近のジャズミュージシャンは非常にお行儀がよくなってしまったとよく言われる。もちろん、麻薬づけになることが格好いいことだとも思わないし、アル中になることもミュージシャンの必須条件だとも思わない。でも、リー・モーガンの演奏を聴くと、最近のミュージシャンのアルバムに、彼のようないい意味での、不良っぽさとか、尖がった感じとかが感じられないのは、なんとなく残念である。 モーガンは18歳でソロアルバムをBlueNoteで録音したという天才ミュージシャンであったが、その一方で、18歳でスターになってしまったために、大人になりきれないような子供っぽさ、不良っぽさをずっと持っていたミュージシャンだった。そんな感じは、前に紹介した『キャンディ』とかジャズ・メッセンジャーズのアルバムを聴いてもらえるとわかると思う。 そんな天才モーガンも一時期麻薬の問題もあって調子を崩していた時期があった。そんな彼が、復活を遂げて絶好調の状態で録音したライブアルバムが、このライトハウスでの演奏である。僕は当初前出のキャンディとかのモーガンが大好きだったのだけれど、このアルバムを聴いて、この時代の彼もすばらしいと思うようになった。この以前にモーガンは8ビートのジャズロックと言われるような少し売れ線のアルバムを作ったりして、コアなジャズマニアから批判されたりしていたのだけれど、ここでの演奏はそんな呪縛からも解き放たれて、モーガンが思う音楽を4ビート、8ビート関係なく演奏している。演奏も非常に快調で、かつてのトランペットの瞬発力の戻っていて、何より格好いい。 あと、このアルバムを聴いて驚いたのは、テナーサックスのベニー・モウピンのすばらしさだ。これは僕の完全なお勉強不足で、モウピンって70年代にハンコックのヘッドハンターズっていうフージョンバンドでサックスを吹くおじさん程度の認識しかしていなかったのだけれど、4ビートのジャズをやっても非常にすばらしい演奏をするミュージシャンなんだということが、このアルバムを聴いてはじめてわかった。こういう発見って本当にうれしいのもで、これだからジャズってやめられないって感じである。 ちなみに、このアルバムも非常にすばらしいので、リアルタイムでこのアルバムを聴いていたら、その後のモーガンにも本当に期待してしまったのであろうと思うが、この後、まもなくして、当時の奥さんにステージ上で銃殺されてしまう。まあ、非常に残念であることは確かなのだけれども、死に方もなんとなくモーガンぽい感じがするのは、僕だけじゃないだろう。
2002年07月23日
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いままで、偏りはありながらも結構いろいろなミュージシャンを紹介してきたけれど、非常に重要なミュージシャンが登場していないことに今日、ふと気がついた。その名はジャッキー・マクリーン。チャーリー・パーカーに憧れ、ジャズの世界に身を投じたアルトサックス奏者で、天才的な輝きを持ったミュージシャンというわけではないけれど、時代とともにスタイルを少しずつ変えつつ、しかし、自己の個性も保ちながら、息の長い活動を続けてきたミュージシャンである。マクリーンの音楽は、60年代前半を境に大きく二つに分かれると僕は思っている。50年代までのマクリーンは(といっても誰でもそうだけれども)バリバリのハード・バップのミュージシャンで、その最大の特徴はその音とフレーズに潜む鳴きにあったのではないかと思う。それが、60年くらいにオーネット・コールマンの登場に大きく影響されて、それ以降のマクリーンはどんどんハードな音とモード~フリーよりのジャズを演奏するようになっていった。僕は基本的に60年代のジャズをもっとも愛している人間なので、マクリーンの音楽についても、60年代のものがもっとも気に入っている。最近のマクリーンは音が何か硬すぎて、品がなく、僕はあんまり好きになれない。60年代のものの方が、50年代のよさも引きずりつつ、音楽はハードになるという、一見中途半端だけれど、微妙なバランスを保っていて面白いと思う。このアルバムは、ボビー・ハッチャーソンやグラチャン・モンカー3世など、当時新進気鋭の新主流派のミュージシャンをバンドに加えて録音した物である。ぼくは、ハッチャーソンが各所で非常にいいアクセントを加えていて、コンセプトも非常に新しいので、アルバム全体にいい影響を与えていると思う。そして、このアルバムでも、トニー・ウィリアムズがドラムをたたいているんだけれど、やっぱり格好いい。
2002年07月20日
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すごく恥ずかしい話なんだけど(これを恥ずかしいと思う時点でかなりマニアなんだけど)、僕はつい最近までフェニアス・ニューボーン.JRのピアノを聴いたことがなかった。アート・テータムの影響を受けた天才的ピアニストという評価はいろいろなところに書いてあったのを読んではいたのだけれど、なんとなく出会う機会がなかった。つい最近、特にきっかけはなかったんだけれど、HMVでぱらぱらとページを見ていたら、買ってみようと思い、初めて出会うことになったわけである。で、結論はといえば、すごい!すごすぎる!!」という感じである。まさに天才という言葉がぴったりである。まず、噂どおりすごいテクニックの持ち主である。アップテンポの曲での、スピード感はすばらしく、圧倒される。かといって、テクニックのあるミュージシャンにありがちな面白みのなさのようなこともなく、聴いていて非常に楽しい音楽である。聴いていて思ったのは、なんとなく聴いているとエロール・ガーナーを思い出すということである。多分アップテンポの曲での左手のリズムの取り方が、なんとなく似ている感じがするからだろうか?ちなみに、このアルバムは、全8曲の構成になっているのだけれど、前半はポール・チェンバース&フィリー・ジョー・ジョーンズ、後半はサム・ジョーンズ&ルイ・ヘイズというマイルスとキャノンボールという当時のジャズ界の2大人気バンドのリズムを使っているところも、比べて聴くという意味では非常に楽しい構成になっている。個人的には、前半部分の方が曲が好きなものが多いせいか、気に入っている。フィリー・ジョーも天才と呼ばれたミュージシャンだけれど、本当に自由奔放なリズムをたたいており、非常にすばらしい。後半は本当にプロフェッショナルといった感じの演奏で、文句のつけようがないといったところ。ここまでくると両方ともすばらしいので、好みの問題かなといったところである。
2002年07月19日
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ちょっと前に、僕は最近のハービー・ハンコックの音楽が好きじゃないという話をした。でも、そのときも書いたのだけれど、冷静に考えると、僕が聴いているハービーの音楽って、60年代か90年代以降のものばかりなので、少し気になって70年代はどうなんだろうと思って、早速70年代後半のVSOPのライブアルバムを買って聴いてみることにした。 VSOP QUINTETというのは、70年代半ばにハービーがニューポートジャズ祭で、自分の過去の音楽生活を総括するライブを行うために結成されたバンドで、そのとき限りの予定のバンドであった。メンバーはハービーのほかに、ショーター、ロン・カーター、トニー・ウィリアムス、そしてフレディ・ハーバートというマイルス以外は60年代のマイルスバンドのメンバーというものである。そのライブは『ニューポートの追想』というアルバムでライブ録音として残されているのであるが、その評判があまりによかったため、77年に再結成されワールドツアーを行った。その最終公演を東京の今はなき田園コロシアムで行ったのであるが、そのライブ録音がこのアルバムである。 で、70年代のハンコックは?という僕の興味に対する感想は一言”最高”である。やはりこのメンバーでのライブというのは本当にすごいものがあって、音楽の創造力、瞬発力が抜群である。どの曲もメンバー全員が散々演奏しまくっていると思われる曲であるが、惰性的な演奏は一切ない。本当にすばらしい。これだけのライブを真夏の野外でやられたら、暑さも手伝って会場がヒートアップしまくりなのは納得がいく。CDを聴いただけでもそのことを納得させられてしまう演奏である。 その中でも、僕が特に感動したのは、トニーのドラムである。この、パワフルで変化に富んだリズムは何度聴いてもすばらしい。18歳でマイルスのバンドのメンバーになった天才的才能は本物である。特に、1曲目の”アイズ オブ ハリケーン”でもドラムは鳥肌モノである。つくづく彼の死は惜しまれてならない。一度でいいから彼のライブを生で聴いてみたかっら。それにしても、このアルバムを聴いて思ったのは、いつからハービーの音楽が僕にとってつまらないものになってしまったのか?が気になって仕方がなくなってきた。別に僕はハービー研究家でもないので、あんまりこの問題にはまるものどうかと思うんだけれど、本当に気になる。しばらくはハービーのCDを買いあさりそうである。ちなみに、結構マスコミとかでも取り上げられているけれども、今年の夏にハービーが総合プロデュースをする東京ジャズ祭が東京スタジアムで行われる。僕がここ5年くらいで最高のバンドだと勝手に思っている、ショーターのバンドもやってくるので、絶対に行くべきライブである。皆さんも是非、真夏の照りつける太陽のしたで、すばらしいジャズを堪能していただきたい。きっと会場のどこかに私もいるはずです。
2002年07月12日
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僕はあまり毎日マイルスやコルトレーンを聴くタイプの人間ではない。陳腐な例えでいえば、毎日フランス料理のフルコースを食べても飽きてしまうといった感じで、普段は結構、新しいジャズを好んで聴いている。とは言いつつもたまに、昔のいわゆる名盤ってヤツを聴くと、それはそれでよいので、今日はコルトレーンの生涯最高の傑作の『至上の愛』についてとりあげる。 このアルバムを録音した当時コルトレーンはインド仏教哲学にはまっていて、「愛とは何か?」という僕が絶対に考えない問題について真剣に悩んでいたらしい。そんなサブストーリーがあるため、このアルバムが語られる時、必ず音楽の裏に潜む精神性的な話が問題になる。はっきりいってしまうと僕にとってはそんな話題は結構どうでもよくって、純粋に音楽として格好いいかどうかが問題なんだけれど、僕はこの『至上の愛』は間違いなく格好いいと思う。 至上の愛は4部構成の組曲になっており、全パート演奏すると40分以上になってしまうので、エルビンジョーンズくらいしか演奏されることがない曲 だけれども、僕は曲自体も非常に格好いいと思うので、本当はいろんなテナー奏者の至上の愛を聴いてみたい気もする。コルトレーン以外の演奏でいうと僕が好きなのは(というかそれしか聴いたことがないんだけれど)ウィントン・マルサリスがエルビン・ジョーンズと吹き込んだライブ版と、ブランフォード・マルサリスがBlueNoteTokyoでやったライブ。特に後者はライブで聴いたのだけれど、テンポがオリジナルの1.5倍くらいあって本当に凄かった(ちなみにブランフォードのバンドは、ジョーイ・カルデラツォ、ジェフ・ワッツとベースは??っていうすばらしいメンバーだった。僕の今まで見たライブの中でも3本の指に入るような演奏だった)。 また、このアルバムのメンバーは言わずと知れたコルトレーンの黄金のカルテットと呼ばれていた、タイナー、ジャリソン、エルビンという4人なんだけれど、このメンバーでの頂点といえる演奏を繰り広げており、本当に格好いい。特に僕はこのアルバムでのマッコイ・タイナーのピアノが大好きで、マッコイのコルトレーンチックなピアノのフレーズは覚えるくらい聴いた思い出がある。 コルトレーンはよく言われているように、このアルバム以降、フリージャズに突入してしまい、はっきり言ってついていけないという人も結構いるので、これからコルトレーンにはまる人は、このアルバムから時代をさかのぼっていくことをお薦めする(僕はこれ以降のコルトレーンもそんなに嫌いじゃないけど)。
2002年07月06日
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どうも僕は最近のハービー・ハンコックの音楽に魅力を感じない。確かにピアノは本当に上手いと思うし、ジャズとしても非常に洗練させているのだとは思う。今月のスイングジャーナル誌でも、ニルス・ラン・ドーキーがテクニカルな面で現在のジャズピアノに影響を与えたピアニストとしては、ハービー・ハンコックが一番に挙げられるということを述べていた。 しかし、僕には最近のハービーは何か冷たい演奏に聞こえてしまってならない。テクニカルに聞こえてしまうのだ。恐らくハービーは非常に頭が良いので、自分のピアノの弾き方を非理論化してしまっており、演奏にとって僕は非常に重要だと思っている、ノリとか、勢いのようなものがあまり感じられないのだ。いや、そうではないのかもしれない。多分ハービーはそのノリとか勢い、グルーブといったものまできちんと理論化してしまっているため、純粋なグルーブのようなものが感じられないのだと思う。 僕は60年代のハービーの音楽は本当にすばらしいと思うし。『処女航海』なんかは本当に覚えてしまうくらい聴いた(70年、80年代のものって実はあんまり聴いていない気がしてきた。今度聴いてみよう)。60年代には、まだまだハービー自身も模索していた部分もあっただろうし、そうすることにより、予想外のハプニングが起こったり、聴いていて本当にワクワクする感じを体験できた。最近のハービーを聴いていて凄く思うのは、ジャズってあんまり完璧だと面白くないんじゃないかと思う。本当に完璧な音楽を聴きたいのであれば、クラシックを聴けばよいと思う。ジャズって、勢いとかゆがみとかっていう、人間臭い部分があってこそ面白いのであって、そういうものを排除してしまっては、面白みがなくなってしまうと思うのである。 ということで、僕がこんなにハービー批判をするのは、このアルバムの批評をいろんなところで見て、大絶賛されていたのでメチャクチャ期待して聴いたら、どうも肌にあわなく、どうして思ってしまうんだろうと思ったからだ。参加しているメンバーもマイケル・ブレッカー、ロイ・ハーグローブ、ジョン・パティトゥッチ、ブライアン・ブレイドと今各楽器で、1,2を争うスターばかり集めたバンドで、面白くないわけがないと思うのだけれど、どうしても面白いと思えない(ブレッカーの音楽も往々にしてそんな感じはする。こういっては本人には失礼なのかも知れないけれど、最近僕は、ブレッカーが麻薬づけになっていた80年代前半のものが結構好きなことがわかった)。 単に、まだまだ僕のジャズを理解する能力が足りないのかもしれないし、好みの問題もあると思うので、僕の批評なんかより、プロの批評の方が信憑性は高いと思うので、買って聴いたみたかたの感想を聞ければうれしい限り。。。
2002年06月28日
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JAZZを聴くと、ピアノやホーンのメロディアスな部分に耳が向いてしまうのだけれど、そのアルバムやバンドが本当に良いかどうかを決めるのは、ドラムとベースがどれだけいいリズムを出しているかだと思う。僕の拙い耳では正直ベースについてそれほど、このリズムはいいとか悪いとかってよく分からないのだけれど、最近ドラムについては、本当にその感を新たにしている。 最近特にそう思ったのが、前にも紹介したウェイン・ショーターの新譜で、そこでドラムを叩いているブライアン・ブレイドは本当にすばらしい。最近の若手のドラマーではNo.1の存在であると確信している。音のキレ、リズムのノリ、意外性、ダイナミズムのどれをとっても個性がありすばらしい。わざとずらしたようなリズムが完璧にはまっているという非常に不思議な感じを体験できる。 そんなブレイドはたぶん2枚のリーダーアルバムを出していて、1枚は以前に紹介したので、今日は残りの1枚を取上げる。ブレイドはFellowshipというバンドを組んでいて、2枚のアルバムは、両方ともそのバンド名義の作品であるが、これが意外なことに4ビートのジャズではない。確かにブレイドはジョニ・ミッチェルのバックバンドでドラムを叩いたりしているので、ジャズ以外の音楽にも深い理解があるのだろうが、これだけ普段はバリバリの4ビート系のジャズをやっているのだから、リーダーアルバムもその路線でいくのだろうと思っていたからだ。(それにしてもジョニ・ミッチェルという人のミュージシャンを選ぶセンスは本当にすばらしい。この伝統はシャドウズ&ライツ以来である。) しかし、僕の予想などどうでもいいといった感じで、このバンドの音楽はカッコイイ!!70年代に氾濫した薄っぺらイフージョンとは一線を画した非常に軽快だけど深みのある音楽である。特徴的なのは、ジャズではほとんど使われることのないスチール・ギターが使われていることである。この楽器の採用によって、バンドの音楽のカラーが大分決まってきているようである(ちょうどジャコにとってのスティールドラムのようなものかな?)。サックスは、テナーとアルとの2管で、アドリブバリバリというよりは、どちらかというと、メロディとアクセントのために使われているという感じで、バンドのメインを張っているという風ではない。音楽としては、ジャズのように各人の個性のぶつかり合いを聴くというよりは、トータルな音楽として聴くべきものだと思う。それにしても、いつも思うのはジョシュア・レッドマンが最初に組んだレギュラーバンドのメンバーの凄さである。ジョシュアにブレイドにブラッド・メルドーにクリスチャン・マクブライド。どうなっちゃってるんだろうって思うくらい凄いメンバーだ。もう一度あのメンバーでのライブを聴いてみたいものである。
2002年06月25日
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もう7年くらい前のCDなのだけれど、いまだに気が向くと棚から引っ張り出してきて聴いてしまうCDが、Cornelius Claudio Kreusch(全く読めない)の『Black Mud Sound 』である。このCD以外全く知らないし、スイングジャーナルとかで紹介されたこともほとんどないピアニストなのだけれど、音の洪水のようなかなり激しい演奏を繰り広げているので、かなりお気に入りのアルバムである。(今はなき渋谷の「WAVE クワトロ」の新譜紹介に乗せられて買ってしまったのだが、大ヒットだった。あそこのジャズの担当者はかなり僕とセンスがあったらしく、あそこで推薦されたマイナー系のアルバムは大抵ヒットだった。なくなってしまって非常に悲しい。)超絶技巧系の音楽が好きな人に薦めると決まって気に入ってもらえるアルバムなので、そっち系の音楽が好きな人には是非聴いてもらいたい。とは言いつつも、良くあるバカテク系のつまらないCDだったらこのサイトで紹介されることがないことは、このページを読んでいる人であれば、察しがつくであろう。もちろんこのCDにもものすごい聴き所があるのである。それは、ズバリ、アルトサックスで参加しているケニー・ギャレットである。ギャレットは前にも書いたかも知れないが、現役のアルト奏者の中では、間違いなくNo.1のミュージシャンである。その高度なテクニックに加えて、ひとつひとつの音に強烈なスピリットが備わっている。このため、なんのへんてつもないバラードとかを吹いても、それが曲になっていないロングトーンの一音だけであっても聴いている人を感動させることができる(僕はそれをマーカス・ミラーのバンドで来日した時のBlueNoteのライブで体験した)。そんな彼が、このアルバムでは、テクニックとスピリットの限りを尽くして、吹まくっている。本当に凄い。1曲目が始まって数十秒で完全にノックアウト(古い?)されてしまう。また、バックのリズム陣も非常によく、このアルバムを聴いてマービン・スミッティ・スミスが好きになった(最近あまり聞かなくなってしまい寂しい限りだ)。やはりドラムがいいバンドは、音楽全体が引き締まるし、本当によい。ということで、かなり大穴的にすばらしいアルバムである。多分ほとんどの人が知らないミュージシャンだと思うので、たまには冒険してみていただきたい。(ずっともう日本では買えないだろうと思って紹介しなかったのだけれど、HMVのサイトを見ていたら、検索できたので、ちょっと時間はかかるが手に入ると思う。)
2002年06月24日
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ジャコ・パストリアスのアルバムで、彼の生前に発売されたまともな録音というのは非常に少ない。だから、あまり勢いあまってアルバムを取上げてしまうと、直ぐにネタがきれてしまうので、ずっと小出しにしているのだが、今日は3枚目の紹介をすることにする。今日は、前に取上げたウェイン・ショーターのアルバムを聴いているのだけれど、ショーターを聴いていたら無性にジャコが聴きたくなった。アルバムのタイトルの『ワード・オブ・マウス』というのは、後にジャコが組んだビッグバンドの名前であるが、このアルバムはぜんぜんビッグバンドの音楽ではなく、スタジオに一人一人参加ミュージシャンを呼び、ジャコのベースラインの上に一人ずつ重ね録りをしていったというアルバムである。このため、ジャコ以外完成するまでどのようなアルバムになるのか誰も分からなかったということだが、逆にいえば、このアルバムはジャコ以外のなにものでもない、ジャコそのものを映し出したアルバムであるということができるのではないかと思う。そこで、内容であるが、実にすばらしいもので、ジャコが単なるいちベーシストではなく、本当の意味でのトータルなミュージシャンであったということが分かる作品である。取上げている曲目もバッハからビートルズにオリジナルと本当に幅広く、ジャコがジャズにとらわれることなく、本当に自由に音楽に対峙していたことが分かるようになっている。というように、偉そうにいろいろ書くわけであるが、実をいうとそんなことはどうでも良いのである。まず、3曲目の『スリー・ヴューズ・オブ・ア・シークレット』を聴いて欲しい。本当にキレイな曲で心からうれしくなる。この曲は恐らくジャコの書いた最もキレイなバラードで、本当にいい曲。ジャコといえば、晩年のドラッグでぼろぼろになり、バーの用心棒に殴り殺されたという破滅的なイメージが強く、一種の変人的な扱いをされることが多いけれども、伝記を読むと本当は非常にやさしい心の持ち主であったという。僕は正直言ってジャコを冷静に語れる立場にはないのだけれど、この曲を聴くと、その話は絶対に嘘ではないということを確信する。こんなキレイな曲心がキレイな人じゃないと絶対に書くことは出来ないと思う。もうひとつ好きな曲は最後の『ジョン&メリー』。ジャコには双子の子供がいたが、彼がその子供達にささげた曲である。この曲はやさしい雰囲気をたたえた曲で、ジャコの子供達への愛を何か感じでしまう。聴いていて心温まる本当に好きな曲である。1枚目のソロアルバムは、ジャコのベーシストとしての凄さを余すところなくとらえたアルバムであるが、この2枚目のアルバムはジャコの音楽家として、人間としての全てが詰め込まれたのもであると思う。大好きなジャコの全てが聴けるアルバム。すばらしい!!
2002年06月16日
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今日も、ディクター・ゴードンに引き続き、古き良きジャズを聴いてみようということで、ちょっと古めのアルバム。アート・ペッパーの時にも少し触れたのだけれど、一流のミュージシャンで、比較的長い期間継続的に活躍したミュージシャンになると、その人の人生の中で、どの時期の演奏が最も良いのかという話題上がることが良くある。スタン・ゲッツも、40年代から90年代初頭まで活躍したという長い活動期間もあって、そんな話題がたまに挙がる。一般に言われているのは、クールジャズといわれていた、40~50年代の演奏がよいということであるが、実は僕はそうは思わない。僕はフレーズを研究して年代ごとに比較してというウルトラマニアックは聴き方をしないので、あくまでサクッと聴いた感想なんだけれど、ゲッツの演奏って年を経るに従って、自分の殻を取り払って、自由になっていった気がする。そんな分けで、僕はゲッツというと70年代以降のものが好きであるということで、今日は70年代のアルバムをピックアップする。1977年にパリで録音されたライブアルバムで『Live At MONMARTRE 』。ゲッツは基本的には、作曲をしたり、グループのサウンドがどうこうというよりも、アドリブを一発で聴かせるというタイプのミュージシャンである。だから、基本的にはバンドのメンバーとかもあまり気にせずに聴いていい人だと思うのだけれど、やはりいいミュージシャンと競演すると質の高い演奏を聴ける確率が高くなる。このアルバムでは、ベースは超絶テクニシャンのニールス・ペデルセン、ピアノはジョアン・ブラッキーン(最近ぜんぜん出てこなくなっちゃけど)という、なかなか渋めのメンバーでのライブである。特にすごいテクニックがあるわけでもないし、圧倒するようなパワフルな演奏ができるわけでもないゲッツがアドリブの天才と言われる所以は、まずそのメロディアスなフレーズにあると思う。本当に事前に作曲していたのではないかと思うほど、よどみなく魅力的なメロディーを奏でている。僕はそんなメロディアスなアドリブを楽しむのは、ミディアムテンポの曲が最適だと思うのだけれど、このアルバムはほとんどミディアムテンポの曲ばかりで、そんなゲッツの魅力がふんだんに散りばめられている。久しぶりに聴くと、やはりゲッツは天才であるとつくづく思う。
2002年06月12日
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雑誌を読みながらとか、WEBのサイトを読みながらCDを買っていると、新しいものとか、話題のものばかり買ってしまうので、古き良きものを聴く機会がだんだん減ってくる。という反省のもと、最近買ったのが、ディクター・ゴードンの”Homecoming”である。ディクターのCDは50年代のものは何枚か持っていて、聞いていたのだけれども、70年代のものについては持っていなかったので、楽しみにして買ってみた。ディクターは40年代から活躍しているテナー奏者で、コールマン・ホーキンスとソニー・ロリンズの橋渡しをした当時としては、本当に新しいスタイルでテナーを吹いていたひとである。そんなにバリバリのテクニックがあったりするわけではないけれども、非常にテナーっぽいテナーを吹く人で、アドリブのフレーズなんかも非常に豪快で聴いていて非常に安心できる。ジャズを聴くのにいつも興奮ばかりしていては心の休まる暇がないので、疲れた夜にウィスキーでも飲みながら暗い部屋でジャズを聴こうと思った時には非常にいい感じのミュージシャンである。ところで、このHomecomingというタイトルがついているのは、60年代から70年代にかけてアメリカを離れて、ヨーロッパで活動していたディクターが晴れてアメリカに帰ってきた記念のライブの録音であるからだ。当時のアメリカの状況を知らない今でこそ信じられないことであるが、公民権が認められるまでは、僕にとっては大スターのミュージシャンであっても、黒人というだけで本当にいわれのない差別を受けていたそうで、それに嫌気のさした多くの黒人ミュージシャンが、ジャズミュージシャンをアーティストとして尊敬するカルチャーが強かったフランスをはじめとするヨーロッパに活動の拠点を移していた。ディクターはその代表的な一人で、アメリカのファンからすれば、ディクターが70年代にアメリカに帰ってきてくれたことは本当にうれしかったのだと思う。その証拠にディクターは帰国後しばらくはアメリカで最も権威のあるジャズ雑誌のDownBeat誌の人気投票でも、しばらくテナー奏者の1位を独占していたようだ。そんなストーリーの中で録音されたこのアルバムは、まずディクターの安定感のある演奏で相変わらず安心して聴けるものになっている。最近あまりオーソドックスなものを聴いていなかったので、久しぶりに聴いてみると、やっぱり格好いい。ただ、このアルバムは単にディクターのいつもどおりの演奏を聴いてやっぱりいいなぁと関心するだけでは勿体ない。なぜなら、このアルバムには、ウッディー・ショウというこれまたすばらしいトランペッターが参加しているからだ。70年代のジャズ界はフージョンブームが席巻していたため、あまりフージョンに向かないトランペットという楽器を演奏するミュージシャンはあまり目ぼしいひとが出てこなかったのだけれど、ショウはその中でも例外的に登場したトランペッターだ。リー・モーガンとドナルド・バード以降、しばらく彼ほど爆発力のあるトランペッターってほとんど出てこなかったんじゃないかと思うほどいいトランペットを吹く。それでいてアドリブは非常にセンスもあり、本当にすばらしい。ショウのほかにも、ドラムのルイ・ヘイズなどすばらしいバンドで、聴いていて本当に楽しめるアルバムだと思う。
2002年06月06日
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僕はカラオケに行っても、全く知っている歌がなく、本当に困るんだけれど、その理由は明快でジャズしか聴かないからだ。といって、特に他の音楽を毛嫌いしているわけではなく、単に知らないのと、仕事とジャズで精一杯で他のジャンルの音楽を聴く時間がないことがその原因である。そんな僕でも、たまにはゴリゴリのジャズ以外のものも聴いているんだということで、今日はちょっとジャズとは毛色の違うアルバムを(といっても半分はジャズなんだけど)。ロイ・ネイザンソンはラウンジリザーズというかなりカルトな、でも一部で熱狂的なファンを持つバンドのサックス奏者だ。その彼が、ゲストにエルビス・コステロ等を迎えて録音したアルバムがこれ。お気に入りのBarが火事になっちゃうというストリーをコンセプトに全編物語風に構成されたアルバムで、なかなかの出来のアルバムである。普段聴くジャズと違って、ボーカルが多く、アドリブがすごいとかいうポイントを聴くアルバムではないけれど、多彩なミュージシャンが参加していることで、アルバム全体が非常に変化に富んでおり、聴いて飽きない非常によく出来たアルバムだと思う。アルバムのハイライトは2曲に参加しているエルビス・コステロで、僕にとってはあまり聴く機会のないミュージシャンだけれど、本当に個性的ですばらしいと思う。こういうのを聴くと本当はポップスも聴いてみたいなとも思うんだけれど、性格的に何事にもドップリはまりたい人なので、いまいちそっち方面に進出する勇気がないといったのが実情である。
2002年06月05日
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日本ではいまいちブレイクしないのだけれど、近年のアメリカでのジャムバンドの隆盛は中々すごいものがある。そんなジャムバンドの頂点に立つ存在がMM&Wであることは、以前に彼らを紹介したときに書いたと思う。前に紹介したアルバムは”TONIC”という彼らにしては珍しく完全アコースティックなアルバムだったのだけれど、”UNINVISIBLE”は彼らの本来のスタイルであるオルガントリオを核にしたバンドである。僕が彼らを聞き始めた5年くらい前は、今ほど硬派な音楽ではなくて、もう少し親しみやすいアルバムを作成していたのだけれど、最近の彼らは少しすごすぎるという感じで、多少聴きにくくなってしまっている気がする。と少しけなしはするのだけれど、聴いてみるとやはり抜群に格好いい。ジャズとR&BとHipHopが渾然一体となったその音楽はジャンル分類が全く不可能な音楽で、他では中々お目にかかれないものである。こういう音楽がアメリカほど評価されないということは、日本の音楽マーケットがまだまだ成熟しきっていないのかなという気がしてならない(とはいっても、日本で評価されたのにアメリカでは全く売れなかったソニー・クラークのような例もあるので、一概にはいえないのだけれど)。話は突然かわるのだけれど、僕は打ち込み系のリズムを多様した音楽は嫌いである。以前誰かのインタビューで読んだのだけれど、現在最もテクニックのあるドラムとベースは間違いなくコンピュータである。それはまさしくその通りで、どんなに上手いドラマーもベーシストもコンピュータの刻むリズムよりも早く、正確にリズムを刻むことは出来ない。では何故、生身のミュージシャンを起用するのかといえば、それは機械では絶対に作り出すことが出来ない、ミスがあり、ズレがあり、それによるハプニングが起こるからである。MM&Wもアクセント程度に打ち込みのリズムが入っていたりするけれども、この部分のポリシーはまったく崩していないところが、すばらしい(というかメンバー3人のうち、2人はドラムとベースなので、打ち込みオンリーになることはバンドとしてありえないのだけれど)。機械がリズムを刻んだら絶対にこういう音楽は生まれない。最近のジャムバンド人気って実はこういうところにあるんじゃないかと思う今日この頃である。それにしても、格好いい。センスがいい。そしてキレまくっている。
2002年06月04日
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最近チャーリー・ヘイデンのリベレーション・ミュージック・オーケストラのCDを遅ればせながら買って聴いていたら、ヘイデンよりもカーラの才能を再確認することになった。カーラ・ブレイは60年代のフリージャズの流れの中で登場したミュージシャンであるが、その後は本当に広い視野で音楽に取り組んでおり、真の意味でフリーな音楽を作ってきた女性である。僕もなんとなく取っ付きにくい気がして、なかなか聴く機会の少ないミュージシャンなのだけれども、たまに聴くと本当にすばらしいアルバムであることが多い気がする。このアルバムはタイトル通りのライブ録音による作品で、確か10人編成くらいの大きめのバンドで演奏されている。カーラは、基本的にはピアニスト・オルガン奏者というよりは、アレンジャーで、こういう編成のバンドでこそ真価を発揮すると思う。音楽的には、全然フリーっぽくないので、非常に聴きやすくて格好いい。雑誌とかで、あまり大々的に取上げられることはまずない系統の音楽なので、是非この機会に聴いて欲しいと思う。ちなみに、このアルバムはジャケットのセクシーさだけでも、「買い」である。
2002年06月03日
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最近は新しいアルバムばかり効いていて、古きよきものを聴いていなかったので、反省して、ちょっと古めのアルバムから。100年の歴史の中で僕が最も良いと思う時代はしいていうなら、60年代の新主流派といわれる時代である。あの時代は、コルトレーンがバリバリ吹きまくっていて、マイルスのバンドはあの伝説のクインテットで、それらのバンドのメンバーも各自にすばらしいアルバムを録音してという感じで、本当にすばらしいアルバムがごろごろしている。そして、すごいと思うのは、今聴いても全く古臭さを感じない(なせなら、今のスタンダードなジャズの方法論はこの時代から基本的にはそれほど発展していないから)。そんな時代の中で、ボビー・ハッチャーソンはバイブラフォンというちょっとマイナーな楽器で、時代の先端を行く音楽を作っていた。このアルバムでは、処女航海を演奏しているが、その出来はハービーのオリジナル版に勝るとも劣らないものである。バイブの非常に爽やかな音色がこの曲のテーマにぴったりあっていて本当に良い感じである。ジャズの世界でバイブというとどうしてもミルト・ジャクソンということになってしまうので、ハッチャーソンとなるとちょっとマイナーなミュージシャンという感じになってしまうけど、本当にいいアルバムなので、聴いてみてはいかが。それにしてもジャケットのモデルの女性は美しい。こういうジャケット見たら絶対に買ってしまうこと間違いなしだ。LPだったらもっといいと思うんだけど。
2002年05月21日
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ジェリー・マリガンを初めて意識したのは、映画『真夏の夜のジャズ』を見たときだ。あの映画は、Jazzフェスティバルと50年代(60年代?)のアメリカ最盛期の人々の生活の断片をピックアップしたような、本当にここを温まる映画だけれど、その中に真っ赤なジャケットを着て、クールにバリトンサックスを吹くジェリー・マリガン登場する。マリガンは50年代からハリウッドを中心とした西海岸で、ウエストコーストジャズと呼ばれる白人ミュージシャンを中心としたムーヴメントの中心人物として活躍したミュージシャンである。ビ・バップのようにアドリブ一発というような音楽ではなく、いかにも白人っぽいアレンジも重視したジャズであり、非常にクールで、明るい感じのジャズである(NYのジャズっていうと黒人がタバコの煙の立ち込める地下室で演奏しているって感じがするでしょう)。マリガンは、ジャズではあまりメジャーじゃないバリトンサックスという楽器のジャズにおける双方を確立したミュージシャンであったけれど、そもそも注目を浴び始めたのでは、サックス奏者としてではなく、アレンジャーとしてだった。マイルス・デイビス初期の名盤『クールの誕生』でも何曲かアレンジを提供している。このアルバムは、そんなマリガンが、サックス、トランペット、ベース、ドラムというピアノレスカルテットで録音したのもで、一般にウエストコーストジャズの代表的な名盤と知られている。聴いてみると分かるけれど、僕がいつも紹介しているような、バリバリ楽器を弾きまくるという感じのジャズではないので、本当はあまり僕の趣味ではないのだけれど、たまに聴いてみるとそれはそれでいいものである。また、このアルバムの人気を高めている理由はトランペットにチェット・ベイカーが参加しているということである。彼も非常にハンサムで(別にひがんでいるわけではない)やさしい感じのトランペットを吹くミュージシャンで、バンドのコンセプトに非常にあったミュージシャンで、人気の面だけでなく、音楽としても、彼の参加がこのアルバムの価値を高めていると思う。いつも僕のお薦めしているジャズとは少し路線が違うけれど、たまにはこういうのもいいんじゃないって感じなので、一度お試しいただいてもよいのでは。(ちなみに、村上春樹はこの系統のジャズの信奉者であり、彼の小説を読んでいるとたまに、マリガンとかチェットが登場することがある。彼のベストはスタン・ゲッツらしいが。)それにしても、このジャケットは格好いい。
2002年05月19日
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この1ヶ月くらい完全にハマリまくっている澤野工房。本日の作品はJoerg Reiter (ドイツ人の名前なんてよめん!!)。このピアニストは、本当に名前も聞いたことがないくらいのピアニストであるが、アルバムを聴いて一発で好きになった。昔はCDをよく外資系のCDショップに行ってかっていたので、お店でかかっているCDを気に入って知らないのに買ってしまうという偶然の出会いがあったのだけれど、最近はすっかりネットで買うようになってしまったので、結構知っているミュージシャンのものしか買わなくなってしまった(余談だけれど、CDショップの音響ってすごく気を使っているとレコード会社に勤めている友達が言っていた)。このアルバムはHMVのサイトで異常に絶賛されていたので、おもわず買ってしまったのであるが、大正解だった。何がいいかといえば、まずパワーがある。ちょっとのミスタッチなんてお構いなしという感じで、ガンガン弾いている。曲目を見ると、結構ビル・エバンス系のピアノなのかなって気がするんだけど、実際に聴いて見ると、もっとタッチも強いし、スピード感があって聴いていて非常に爽快である(といっても、やはりベースはエバンスっぽいきはするが)。あと、アレンジが非常にダイナミックなところも気に入った。ちょっと過剰演出かと思うくらいのアレンジがどの曲にも施されていて、聴いていて全くダレない。あまり有名なピアニストではないけれども、そんなにジャズを聴いたことがない人にとってもいいんじゃないかという感じ(初めて聴いたジャズピアノがJoerg Reiter とか言ったらちょっと怖いけど)。是非大音量で聴いてください。
2002年05月16日
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菊地雅章、2回目の登場である。菊地は長らくNYを活動のベースにおいており、日本において音楽活動をすることは非常に少なかった。しかし、近年日本においても積極的な活動をしており、日本人の若手ミュージシャンとのバンドを組んでライブや録音を行っている。その成果のひとつがこのアルバムである。ファンク系の音楽からフリージャズまで非常に広い音楽性を持つ菊地であるが、このアルバムはどちらかというと、フリーよりのスタンダードジャズといった感じのスタンスで演奏している。でも、音楽の分類はどうでもよい。問題は内容であるが、ここで紹介されることでも分かる通りすばらしい。菊地のピアノを聴いていて最初に思うのは、その音である。トランペットとかサックスと違ってピアノの音というのは素人には中々誰の音なのかという判別って難しいけれど、菊地の音は一度聞いたら直ぐに分かる。音の響きがどうして同じ楽器でこんなにも違うんだろうと思うような特徴をもっており、本当に美しい。その音で『ゴースト』を聴かせてくれるなんてほんとに最高である。ピアノが鳴いている、歌っているという感じで、菊地の意思の通りの音が吹き出てくる。今のピアニストでここまでピアノを弾ききれるミュージシャンって、はっきり言って世界中探してもほとんどいないと思う。そしてそんなミュージシャンが日本にいるということを本当に誇りに思う。本当に格好いいので、是非聴いてください。(ちなみに僕はアルバムの最後に入っているテーマが何気にメチャクチャ格好いいと思う。)
2002年05月15日
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発売の発表を聞いてから、こんなにCDが手元に届くのが待ち遠しかったアルバムは久しぶりだ。ショーターは50年代末にジャズメッセンジャーズに参加して以来、常にシーンの最先端を行くジャズを想像してきたミュージシャンだが、ここ10年くらいはあまりパットしたアルバムを作ってこなかった。また、70年代以降、ウェザーリポート結成以来、基本はエレクトリック路線のアルバム作りをしてきたため、30年以上アコースティックばアルバムを作製してこなかった。そんなショーターが、ダニ-ロ・ペレス、ジョン・パティトゥッチ、そして近年僕の最も好きなドラマーであるブライアン・ブレイドとともにバリバリのアコースティックのアルバムを録音した。しかも、リーダー作としては初のライブアルバムとあっては興奮しないはずがない。ということで、メチャクチャ楽しみにして聴いたこのアルバムの内容は1度聴いてそのすごさは直ぐにわかった。本当にすごい。格好いい。最高である。なんで今までショーターはアコースティックのアルバムを作らなかったんだろう。そのアドリブの想像性は本当に他のテナーサックス奏者を圧倒している。ショーターは今年の夏の東京で行うジャズフェスティバルにくるそうだが、是非このバンドで来て欲しい。絶対に聴きに行きたい。僕は属に新主流派と呼ばれた60年代のジャズが年代的には最も好きなのであるが、その理由は当時のショーターのアルバムが最高だからだ。でも、このショーターは当時を確実に越えている。こんなに興奮したアルバムは本当に久しぶりだ。絶対に聴いて欲しい。
2002年05月13日
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メディケイテッド・マジック津軽三味線とかを聴いていてたまに思うんだけれど、音楽のパワーって個人よりも、その人の育った文化の中にその音楽がどれだけ深く根付いているのかというのに非常に関係があるのではないかと思う。そういってしまうと、日本人がジャズを演奏するということの意味という、そもそも論になってしまうんだけど。。。まあ、日本人のジャズ云々の話は別として登場するのは、ダーティー・ダズン・ブラスバンド。このアルバムは最近出たばっかりで、実は僕もまだ聴いていないのだけれど、これのひとつ前のアルバムがアマゾンになかったのでこちらを紹介。このバンドはニューオリンズをベースに活動するブラスバンドで、本当にパワフルなファンクっぽい音楽を演奏する。ジャズをはじめとする黒人音楽のルーツであるニューオリンズの音楽だけあって、本当にパワフルで格好いい。最近の甘っちょろいR&Bに飽きてしまった人は、1回聴いてみましょう。本当に格好いいから、一度聴いてみなさい。ぶっ飛びますよ。
2002年04月30日
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オーネット・コールマンの音楽はフリージャズに分類される。でも、ぼくはこのアルバムを聴いて、彼の音楽を皆が難解なイメージを抱くフリージャズというものではないのではないかと思ってしまう。フリージャズのイメージって、一般にはメロディーもリズムのなくて、普通の人にはノイズにし聞こえないような音を羅列していくというものではないだろうか?でも、このアルバムのオーネットの音楽は全くそのようなイメージには当てはまらない。なぜなら、そのメロディーが、本当に美しいからだ。 一般にオーネット・コールマンはフリージャズの開祖として、一般に認知されていて、ゴリゴリのフリージャズのミュージシャンってイメージが定着しているけれど、僕としては、オーネット・コールマンっていう人は、天才的なメロディーメーカーなのではないかと思う。彼の作った美しいメロディーを極限まできれいに聴かせようとしたら、結果として余計なものを排除したフリーな音楽になってしまったのではないか。 そんなことを感じさせてくれるのが、この『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン 』だ。このアルバムは彼のトリオがスウェーデンのジャズクラブで演奏したライブの録音だが、彼が到達した究極の姿が納められていると僕は思っている。オーネットは現在にいたるまで、長い演奏活動を行っているが、残念ながら彼はこの演奏を結果として超えることは出来ていないと思う。 本当にシンプルで、美しい音楽である。何度聴いても飽きることはない。ちょっと中級者向きのアルバムかも知れないけど、このサイトで紹介したアルバムを何枚かきいて、もうちょっとジャズにはまってみようかと思っているあなた、是非聞いてみましょう。格好いいですよ!!
2002年04月09日
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最近は、HMVの注文履歴に処理中の注文が残っていないと気がすまないというような、かなり病的な状態でCDを買いまくっているが、昨日待ちに待ったカサンドラ・ウィルソンの新作が家に届く。基本的に僕は歌モノはあまり聴かないのであるが、カサンドラ・ウィルソンは、完全に別物といった感じで、新作が出る絶対に買うようにしている。彼女は間違いなく現代最高の歌手だ!!そのスケールはジャズの世界に全く収まることはなく、恐らくあらゆるジャンルの歌手を見回してもこれほどの創造性を持った歌手はいないのではないかと思っている。カサンドラは昔はM-Base派というかなり尖がったジャズの派閥みたいのに属していて、その頃は確かに良いんだけれど小難しい感じの歌を歌っていたのだけれど、6,7年前にBlueNoteに移籍してから、完全に一皮むけたって感じで、出すアルバムが全てすばらしいというすばらしいミュージシャンに成長した。その音楽はジャズをベースとして、その中に彼女の最も根底に流れているブルースを合わせたという独特のもので、まさにジャンル区分が不可能なカサンドラのものである。男性かと間違えるくらいの低い音程がかもし出す暗さと、聴いている人を包み込むような暖かさを備えている。カサンドラのアルバムの中では、僕はこれまで『ニュー・ムーン・ドーター』が間違いなく最高の作品でだと思っていたのだけれど、今回のアルバムは一度聴いただけでそれを超えていることを確信した。コンセプトは、まさにニュー・ムーン~と同じで、やはり彼女のよさを最大限に引き出すのはブルースを歌った時だ。いつも大好きなアルバムばかりを紹介しているので、誉めてばっかりなので、あまり誉めても僕の興奮をあまり分かってもらえない気がして怖いのだけれど、このアルバムは本当に文句なくすばらしい。是非聴いてください。つまらなかったら金返すってくらいの勢いです。
2002年04月07日
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5月にウェイン・ショーターのアコースティック・ジャズのアルバムが出るらしい。聞くところによれば、個人名義の録音としては、60年代以来のアコースティック作品らしく、本当に楽しみにしている。 ショーターは、もともとアート・ブレーキ-のジャズ・メッセンジャーズの音楽監督をしているときに、その才能にマイルスがほれ込んで自分のバンドのメンバーに引き入れたミュージシャンだ。その才能は本当に天才的で、マイルスのバンドでの演奏は間違いなく当時のジャズの最先端を走っていたし、60年代に出していた自己名義のアルバムはほとんど外れがなく、どれもすばらしい内容である。 このアルバムも60年代に録音されたアルバムの1枚で、恐らく彼の最高傑作のひとつであると思う。当時の彼の音楽は「黒魔術」的であると表されたが、その表現はまさしくぴったりでその音楽はジャズっぽくない幻想性とジャズらしい黒っぽさで溢れている。 70年代のウェザーリポートはどうしてもザビヌルのバンドという感じで、ショーター・ファンの僕としては多少寂しい感じもしていたのだけれど、今度のニューアルバムは30年ぶりにショーターの天才的な才能が爆発することを本当に楽しみにしている。きっとすばらしいに違いないので、その前に、このすばらしいアルバムで是非予行練習を!!
2002年04月02日
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ピアソラに続き、ラテンミュージック第2弾ということで、ティト・プエンテを。ティトは一昨年惜しくもなくなってしまったけれど、マンボキングと言われたNYのラテンミュージック界のドン的存在のミュージシャンで、ティンパレスというかわいらしいパーカッションを非常に楽しそうに叩くおじさんであった。2度ほどBlueNoteでライブを見たことがあるが、本当に楽しいライブで、彼の音楽を聴くと、色々ウンチクを並べても、結局は音楽は楽しいのが一番だなということを再認識する。そこでこのアルバムであるが、ティトが晩年に率いていた、まさにラテンジャズオールスターズというのにふさわしいメンバーのバンドの録音。本当にすごいメンバーで、中にはモンゴ・サンタマリア(ユースケ・サンタマリアの名前の由来ですよね)とか、デイブ・バレンティンなんか名を連ねている。演奏は、ある程度ジャズを聴いたことがある人であれば誰でも知っているような、ジャズの名曲をラテンのリズムで演奏していて、聴きなれた曲がいつもとは違ったリズムで聴こえてきて意外な発見があったりもする(よく聴いていると音楽的には非常に洗練されているし)。こういう機会でもないと、なかなか聴く機会のない音楽だと思うので、これを読んで興味を持ったら是非聴いてみましょう!!
2002年04月01日
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お金と時間の都合で基本的にはJAZZしか聴かない(聴けない)のだけれど、一時期のピアソラブームの時は、一応流行にのってタンゴを聴いていた時期があった(といってもピアソラだけだけど)。正直他のものを聴いたことがないので、相対評価としてすごいのかどうかはよく分からないのだけれど、ピアソラの音楽は本当にすばらしいと思う。最近車のBGMのネタがあまりパットしないので(車の中であんまりバリバリのジャズというのもちょっと重たいので)、久しぶりに昨日車の中で聴いていたら、久しぶりに感動した!!ちょっと臭いけれど、聴いていて心を揺さぶられる音楽というのは、発信する方にその音楽に対する情熱のようなものがどれだけあるのかというのに結構比例するものだと思っている。その意味で、このアルバムでのピアソラには、彼が数十年間演奏してきたタンゴというの全てを表現してやるというような、絶対的な意思と情熱を感じることができる。だから、聴いていて本当に熱いし、格好いい。あと、これはタンゴという音楽の特徴なのかも知れないけれど、本当にメロディーが幻想的であるところも、あまりJAZZにはないところだと思う。考えてみれば、初めてピアソラを聴いたのは、テリー・ギリアムの『12モンキーズ』という映画のテーマ曲だったのだけれど、あの曲も映画の幻想的な雰囲気に本当によくあっていた。ということで、タンゴについてはあまり詳しいことは分からないので、まともなことは言えないのだけれど、聴いたことのない人も一度聴いて見れば、その独特の雰囲気が気に入ると思うので、一度ご賞味あれ!!何故かは分からないけれど、本当に格好いいですよ。
2002年03月31日
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スペインの音楽というのは、アラブに支配されていた歴史の影響でヨーロッパ圏の国でありながら、オリエンタルな雰囲気を漂わせている。フラメンコというのは、その最たるもので、なんともいえないエキゾチック(そういえば最近使わない言葉なきがする。死語なんだろうか?)なフィーリングがなんとも言えず格好いい。 このアルバムはそんなフラメンコギターリストのマティートとドミニカ出身のピアニストであるミシェル・カミロのデュオアルバムである。ともにスペイン系のバックグラウンドを持っているため、コンセプトとしてはぴったりであり、非常にすばらしい出来のアルバムになっている。 最大の聴き所はタイトルにもなっている「スペイン」で、これはジャズファンなら誰でも知っているというくらい有名なチック・コリアの名曲である。実をいうと僕はチック・コリアという人の良さをあまり理解しておらず、普段聴く機会はほとんどないのだけれど、この曲だけは例外で本当にいい曲だと思う。アルバムのコンセプトにも本当にぴったりで、カミロのスーパーなテクニックと、マティートの色気のあるギターが、非常にバランスが取れていて、一度聴いたら直ぐに気に入ってしまえそうな、素直にいい演奏に仕上がっていると思う。それにしてもカミロのテクニックというのは本当にすごいなとこのアルバムを聴いて実感した。同じラテン系のゴンサロ・ルバルカバも化け物のようなテクニックを持っているけれど、カミロもテクニックもそれに劣らず本当にすごいと思う。マティートもパコ・デ・ルシアとは違った味のあるギターを弾き人で、初めて聴いたのだけれど、なかなかのお気に入りになってくれそう。ということで、かなりベタ誉めですが、本当にいいアルバムなので、是非聴くことをお薦めします。
2002年03月27日
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