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いよいよチャンピオンズリーグが再開された。日本では中村俊輔擁するセルティックの対バルセロナ戦が話題の一番手に挙がっていた。だが結果は2対3の敗戦。「サッカー観が変わった」と俊輔は試合後に語ったようだが、実際テレビで見ていてもそれだけの実力差はあったように感じた。確かに得点差はわずか1、そして先制点、勝ち越し点はセルティックと常に先手を取る戦いではあったものの、ポゼッションに始まり、テクニック、フィジカル、プレッシャーなど得点以外の全ての点においてセルティックは後手に回らざるを得なかった。例えば先制後、メッシのワンツーから簡単に決められたにも関わらず、勝ち越し後、結果的に失点にはならなかったものの同じプレーで失点のピンチを招いてしまった。奪った2得点にしても、数を打った2得点ではなく唯2つのチャンスを運良くゴールに結びつけることができただけである。勝負事に運は必要だが、それだけでは勝てない。得点差以上の差が両クラブの間には横たわっていた。変わって、アーセナル対ミランはスコアレスドローに終わった。だがそのスリリングな展開は(まだ全試合を見たわけではないが)今回行われた8試合の中では一番の好試合だった。試合前から若さのアーセナルと経験のミランの図式は注目を集めており、今シーズンのヨーロッパサッカー界で一番華のあるプレーを魅せているアーセナルをどのようにミランが止めるのかが試合のポイントであった。結果的にはドローということで痛み分けと言えなくもないが、個人的にはミランの勝利だったように思う。ただこの試合は結果以上に両クラブの長所がガッチリと噛み合った内容であった。アーセナルはリーグ戦と変わらないパスサッカーをこの試合でも披露し、好調をキープするアデバイヨールもミラン守備陣を何度も苦境に陥れていた。だがミランもそのアデバイヨールをオッドが何度も止め、経験に裏打ちされた守備でアーセナルに得点を許さなかった。ネスタの突然の負傷は想定外だったが、代わってCBに入ったマルディーニがベテランの成せる業とでも言うべきか、落ち着いたプレーでディフェンスラインを上手くコントロールしていた。結果だけを見れば無得点に終わった後者より、5得点も入った前者の方が面白そうに見える。だが結果だけを見て内容を判断することは間違っている。決して結果イコール内容という方程式は成立しないものなのである。実際に見ることで分かることだってある。肌で感じることで得られることだってある。ただ俊輔にとっては上の方程式が今回は成立してしまったようだ。ほな、また。
2008.02.23
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1958年2月6日。マンチェスター・ユナイテッドはその日、欧州チャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)をレッドスター・ベオグラードと戦うべくベオグラードに滞在していた。そして迎えた準決勝第1戦に見事勝利を収めたユナイテッドは、勝利の余韻に浸ったまま飛行機でマンチェスターへの帰路に付こうとしていた。一団を乗せた飛行機は途中、給油のためにミュンヘンに立ち寄った。だが給油後再離陸を試みたものの、悪天候の影響もあって離陸に2度失敗。ようやく3度目で成功したものの、空港のフェンスに直撃し機体は大破してしまった。サッカー界における「ミュンヘンの悲劇」である。この事故によってユナイテッドの選手8人、クラブスタッフ3人、マンチェスター・シティの元GKを含むジャーナリスト8人、飛行機の乗組員など計23人が帰らぬ人となった。奇跡的に一命を取り留めたサー・マット・バスビーだったが、2週間後に行われるFA杯での指揮は当然不可能だった。だがバスビーは、ウェールズ代表監督も兼任しておりベオグラードの遠征には不参加だったアシスタントコーチのジミー・マーフィーに、「戦い続けてくれ」という言葉と共に全てを任したのである。FA杯、対シェフィールド・ウェンズデイ戦。その日のマッチプログラムには、次のようなコメントが会長名で掲載されていた。「多くの方が命を落とされ、また負傷されたことをとても残念に思います。 残された私達にはクラブを栄光に導く責任があります。 ユナイテッドは復活します」それでも主力がこぞって抜けたユナイテッドは、シェフィールド・ウェンズデイ戦こそ勝利したもののその後のボルトン戦に敗れ、チャンピオンズカップも第2戦を落とし無冠に終わった。10年後の1968年5月29日。野心を持ちすぎ強行日程を行った自らの過失が事故を招いたと不信に陥り一度は引退も考えたバスビーの下、ユナイテッドは、聖地ウェンブリーにおいてベンフィカを下しチャンピオンズカップ優勝を成し遂げた。“バスビー・ベイブス”と呼ばれる選手に混ざって優勝カップを掲げた時、バスビーをこのように思ったという。「(優勝カップを掲げた)その瞬間、肩の荷が下り責任を果たせたと感じたよ。 欧州の舞台で戦ったのは間違っていなかった、私は正しかったんだ、と」以後、ジョージ・ベスト、エリック・カントナ・デビッド・ベッカムなど多くの選手がユナイテッドの歴史に名を刻んできた。「ミュンヘンの悲劇」から50年。2月10日、マンチェスター・ユナイテッド対マンチェスター・シティのダービーマッチは普段とは違った試合になる。ユナイテッドは当時の復刻ユニフォームで登場し、ユニフォームからは選手名と背番号も外される。シティのユニフォームもスポンサー名も外し、黒いリボンをあしらった特別なデザインになる予定である。しかし問題もなくはない。一部のシティファンからは黙祷時におけるブーイングが予想されている。これに関してシティは、クラブとしてこのような声明を出した。「多くのファンがシティからも悲劇の犠牲者が出たことを知ることになります。 クラブは全てのファンに対し、シティの名声を守るようなサポートをお願いいたします」ユナイテッド関係者もまた、このように語っている。「ミュンヘンでの出来事はユナイテッドだけでなく、マンチェスター市全体の悲劇でした。 シティのファンも私達と1つになり、この機会を分かち合ってくれると確信しています」昨年、セビージャのプエルタが帰らぬ人になった際、それまでいがみ合っていたセビージャとベティスの対応は我々見ているものを感動させるものであった。例えこのようなきっかけでしか分かり合えないのもまた寂しいことなのかもしれないが、だからこそ人の死は重要な、重大な出来事のようにも思える。シティファンには今回だけでも歴史を踏みにじるような行為はしてほしくない。そして決して忘れてはならない歴史を共有している事実を感じ、それを後世に伝える義務を感じて欲しい。ほな、また。
2008.02.09
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パウエルを巡ってオリックスとソフトバンクが衝突している、いわゆる“二重契約”問題。実はサッカー界においてもこの問題があるブラジル人選手によって引き起こされているのをご存知だろうか。その選手の名はアフォンソ・アウベス。ブラジル出身のFWアウベスは、2004年、2005年とスウェーデンリーグの得点王に輝き、2006年、オランダのヘーレンフェーンにクラブ史上最高額の移籍金で加入した。そこでロナウド(現ミラン)の持つオランダリーグにおけるシーズン最多得点を更新する活躍を見せ、当然のことながら得点王に輝いた。それは当然ブラジル代表監督でもあるドゥンガにも届き、昨年の6月には代表デビューを果たし、9月には代表初得点を挙げている。また今年10月のリーグ戦、対ヘラクレスにおいて1試合7得点を挙げるなど、欧州の多くのクラブがアウベスには関心を寄せていた。問題はここからである。まず昨年12月、アウベスは同じオランダリーグの強豪AZとの契約書に移籍に関するサインをした。だが選手の移籍が正式に決まるには、移籍先クラブと選手との間だけでなく、移籍先クラブと所属下クラブとの合意も必要なのである。この点はフリーであるパウエルとは事情が違うところだが、要するにヘーレンフェーンとのAZとの間で移籍に関する合意がない限り、アウベスの移籍は認められないのである。するとアウベス自身、今度は「ミドルスブラに行きたい」とイングランドのクラブへの移籍願望を口にしたのである。アウベスはAZとの契約書にサインをしている。だが熱望しているのはミドルスブラでのプレーである。ヘーレンフェーンとしてはクラブの攻撃における中心選手をライバルに譲るぐらいなら、海外のクラブに譲ったほうが対戦することもほとんどなく、痛いしっぺ返しを喰らう恐れもない。そんなわけでヘーレンフェーンとミドルスブラの間で移籍交渉が合意に達し、移籍は成立したわけである。だが納得がいかないのはAZである。手元にはアウベスとの間に交わされたコピーではなく原本の契約書がしっかりとある。アウベスのサインももちろん存在している。だがアウベスだけがそこにはいないのである。AZはヘーレンフェーンとミドルスブラとの間で合意に達した移籍を不服とし、FIFAを通じて解決を図る見込みのようだが、おそらくAZの願いは通じない。先にも書いたように、アウベス個人とは合意に達していてもヘーレンフェーンとは合意していないわけで、その2方向で合意に達しない以上移籍は成立しないわけだから、この時点でアウベスの所属はAZではなくヘーレンフェーンなのである。そしてヘーレンフェーン、アウベスとミドルスブラの間では合意に達したわけだから移籍は成立する。後出しジャンケンだ何だと言われようが、完全合意に最初に達したミドルスブラへの移籍は動かしがたい事実なのである。偶然にも同時期に似たような種類の問題が生じた野球界とサッカー界。解決までの時間・方法・根拠含め、どちらがより優れた組織であるのか、その過程で白日の下に晒される。ほな、また。
2008.02.06
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トットナム戦は終了間際のテベスのゴールで引き分けに持ち込んだ我がユナイテッド。この引き分けによって首位の座からは滑り落ちたものの2位はキープしており、勝ち点差もわずか2。まだまだ試合数も残っており、チェルシーも含めた3つ巴で優勝争いは展開されるだろう。ところで、最近のロナウドはやけに調子が良い。トットナム戦はハットンの密着マークなどで80分までは完全に封じ込まれていたが、それ以前の数試合はニューカッスル戦のハットトリックや、ポーツマス戦の直接FKなど、チームを牽引するゴールを獲り続けている。既に昨シーズンの自身のゴール数を上回っており、あと7ゴールでチームのシーズン最多得点記録を持つカントナに並ぶことになる。残り約3ヶ月、今の状態をキープすることが出来れば、いや仮にマークが厳しくなりゴールのペースが落ちたところで、ロナウドをもってすれば難なくクリア出来る数字だろう。反対に、ルーニーはしばらくの間ゴールから遠ざかっている。ロナウドがハットトリックを決めたニューカッスル戦。何度となくフリーのシュートを外し続け、味方のお膳立てもフイにしていた様子からは「こんな日もあるさ」「大量得点で少し気が緩んでいるのだろう」と楽観的に捉えていたのだが、その後はシュートチャンスもままならず、コンディション不良を意識させるようなパフォーマンスに終始している。トットナム戦の後半のように、カウンターに対処するため自陣までボールを追いかける運動量の豊富さと献身的な守備も魅力ではあるが、やはりルーニーである以上、周囲を圧倒し納得させる唯一の方法はゴールである。相手のマークがある程度ロナウドに集中することが予想されることから、テベスはもちろんルーニーの爆発が今後の過密日程を乗り切るポイントの1つになってくる。そんなことを思っていると、ルーニーがマンチェスターでナンパに精を出しているというニュースが入ってきた。友人の話では「自分はウェインだ」と自らをアピールし女性を口説いているとのこと。そんなプライベートにうつつをぬかしているからピッチで結果を残せないんだ、と勝手に批判をしようと思っていたのだが、どうやらその主、ルーニーはルーニーでもウェインではなく、ルーニーと顔がそっくりの弟グラハム・ルーニーのようなのだ。だから自らを「ウェインだ」と語り、兄の名前を利用してナンパに励んでいたのだ。おそらくウェイン・ルーニーは弟の素行に頭を痛め、その精神的影響をピッチにまで引きずってしまっていたのだろう、と勝手に解釈してみる。まさか時々自分もしていることがバレるのを恐れて悩んでいるのではないだろうな。クリスマス事件からまだ時間も経っていないだけに、プライベートはおとなしく、その分ピッチで爆発してもらいたいものだ。ちなみに、弟グラハムにはアーセナルのウォルコットそっくりの友人がいるらしい。イングランドの逸材と叫ばれる中でアーセナルに加入したウォルコットも試合出場の機会は少なく、この冬の移籍市場ではローン移籍の噂も出るなど伸び悩んでいる現状である。この友人こそ本物のウォルコットではないだろうか。なんて。ほな、また。
2008.02.04
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冬の移籍市場が閉じられた。ユベントスがシソコとメルベリが(メルベリは来シーズンから)、イングランド代表から外れたデフォーがポーツマスへ移籍した一方で、ファンデルファールトは動かず、バレンシア3人の3人も移籍は実現せず残留が決まった。これによってカニサレス、アルベルダ、アングロの3人は、これまで通りバレンシア所属として今シーズンを過ごすことになった。3人が訴えている契約解除が合意に達すれば、選手は無所属となり移籍の可能性は高まり選択肢も広がるのだが、バレンシアのフロントは「クーマン単独の技術的決定」「別の監督が来れば復帰もあり得る」ことを理由にそれらを拒否している。それでもスペイン代表アラゴネス監督は、アルベルダを代表に召集した。クーマンは「(試合に出ておらず)フレッシュな状態だから選んだのだろう」と皮肉も口にしているが、当のアラゴネスは「(選考した)これらの選手でユーロ予選を勝ち抜いた。アルベルダは代表において重要な選手として、試合に出れないことによるコンディションの良さではなく、組織としての観点から召集したことを強調した。今後も試合に出れない状態が続けば試合勘などの問題も出てくるだろうが、現時点ではそこまで勘も落ちておらず正当な理由での選出といえるだろう。だがラウールとグティの2人を招集しない理由はどうだろうか。クラブにおいてレギュラーから外されベンチを暖めることの多かった時期、アラゴネスは「まずはクラブでレギュラーを獲得してから」とコメントしていた。しかし現在のレアルにおける2人の活躍を見れば、そして前のコメントが未招集の理由なら、今回2人が代表に呼ばれていてもおかしくないはずだ。今のところ、アラゴネスから件に関するコメントは出ていない。仮にその理由が、アルベルダを召集した理由と同じ組織としての観点からだったとしよう。それなら筋は通っている。だがこれだと、クラブでレギュラーを剥奪され戦力外扱いのアルベルダを召集する理由に筋が通らなくなるのではないだろうか。片方には組織を理由に、もう片方にはクラブでの結果を理由に判定を下しているアラゴネスだが、これが本番直前ならまだ納得のいく範囲だと思う。だが本番まではあと半年近く残っている。十分な時間とは言えないが、このままいけばアルベルダは今後も試合出場の可能性は少ない。むしろないと言ったほうが良い。ならばレアル勢を試すのも1つの手ではないだろうか。同じことがフランスでも起こっている。これまで何度となく「下部リーグだから」との理由でトレゼゲを呼ばなかったフランス代表ドメネク監督。ユベントスが昇格を果たしても、トレゼゲが得点を量産し好調をキープしていてもA代表へは変わらずない。そしてもちろんのこと、現在におけるドメネクからの正当な理由はコメントされていない。組織としての観点で言うならば、選んだグループだけでなく、外れたグループに対しても毅然とした対応を取る必要がある。正当な理由もなく外されれば不満が出るのは当然であり、グループ重視という名の「監督の好き嫌いで選ばれた仲良しグループ」ととられても仕方がない。どこの世界でもそうだが、こういう組織に結果が付いてくるはずがない。ほな、また。
2008.02.02
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