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“FCハリウッド”なる響きも懐かしく想う、最近のバイエルン。シーズン序盤は勝利に恵まれず、新監督のクリンスマンにも批判が集中していたのも遠い過去のようにも感じる。それぐらい、今バイエルンは好調である。好調は言い過ぎか。ただ悪くないことだけは確かだ。何より負けないのだから。リーグでは3位、チャンピオンズリーグでは1試合を残して決勝トーナメント進出を決めている。それでもこのレベルなら当然の結果なのだろうか。とにかく今のバイエルンは負けない。守備が良いとは決していえない。それを補って余りある攻撃陣の好調さがその要因だ。リベリーを中心にクローゼ、トニの2トップが絡んだ爆発力は、もしかしたら現在のヨーロッパ随一を誇るものかもしれない。チャンピオンズリーグ・グループステージ第5節、ステアウア・ブカレスト戦に3対0で勝利した直後、トニはこう語っている。「リベリー、クローゼとの関係は素晴らしいね。 お互いが理解し合っていて、今のバイエルンの強さはそこにあるんだ」クローゼもまた、「チームは絶好調だ。これから更に良くなっていくよ」しかし、彼ら3人が好調を維持し目立てば目立つほど、ポドルスキの居場所はどんどんと小さくなっていく。現に彼自身、クラブに対し1月の移籍希望を要求したことが明らかになっており、おそらくバイエルンが強気の金額を設定しない限りは移籍が実現するだろう。そして同じことはシュバインシュタイガーにも言える。ポドルスキと違いクラブは契約延長を望んでいるが、彼自身はリベリーの活躍を内心は快く思っていないことだろう。29日に行われた2位レバークーゼンとの直接対決も、トニとクローゼが仲良く得点を挙げ2対0で勝利し、レバークーゼンに入れ替わって2位に浮上した。次節は勝点3差で首位に立つホッフェンハイムとの首位決戦である。得失点差の関係もあって大勝しない限り首位に立つことは難しいが、最後には“FCハリウッド”が定位置に収まりそうな予感がする。ほな、また。
2008.11.30
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個人的には、試合前の選手・監督のコメントは当てにしていない。別の言い方をすれば、少し古いが“右から左へ受け流す”感じで接している。なぜなら試合前に何を言ったところで、どこの世界においても最終的には結果論が支配することになる。つまりは結果以前のことなど全くの無意味なのである。とはいえ、それが全ての事象に当てはまるわけでもない。結果、予想通り・読み通りになることだってある。我がユナイテッドのファーガソン監督がコメントを出していた。「ジュゼッペ・ロッシは本当に優れた選手だ。 ビジャレアルへ放出するときは本当に悩んだよ。 ただ彼はプレーすることを望んでいたから仕方がなかった。 だから契約の際に買取オプションを組み込んだんだ」ビジャレアルと合意した際に、ユナイテッドが希望すればロッシを買い戻せるという、いわば優先交渉権のようなものを契約に組み込んでいたことをファーガソンは認めた。ただ、このコメントが出されたのはチャンピオンズリーグの前日会見でのこと。そしてユナイテッドの対戦相手は、ロッシを獲得したビジャレアルである。ファーガソンは言うまでもなく試合前の駆け引きに長けた人物であり、好んでそれを仕掛けるきらいもある。確かにパルマへローンで放出した際も最後までロッシの有望ぶりを隠さず話してきたし、ビジャレアルへの放出が決まった際も惜しむ声と同時にロッシへの賛辞を包み隠さず語っていた。だがタイミングを考えると精神的揺さぶりとも捉えることが出来る。ロッシを持ち上げることでリスペクトを見せながらも、『自分達はロッシを分かっている。そう簡単には行かせないぞ』とプレッシャーを与えているように思う。また買取オプションの件を公表することで精神的同様をチームに与えているようにも感じるのである。例えば同グループのセルティックやオールボー戦前にこのようなコメントはなかったように思う。逆に言えばビジャレアルの力を認め、だからこその仕掛けと言えなくもない。おそらくは決勝トーナメントに進出するのは両クラブだろう。そしてビジャレアルの今シーズンの戦いを見て、トーナメント以降に戦う可能性もなくはないと感じたのだろう。ならば現段階で力を見せ付けておくことで後の試合を優位に進めようと考えているのではないだろうか。さらに穿った見方をすれば、契約の切れるテベスの後釜として実際に考えているかもしれない。ただ結果そうなったとしても、現時点ではテベスの放出を完全に認めてはいないだろう。なんなら来シーズン以降の契約延長を前提として、今シーズンの動きなどをチェックしている最中であろう。今後のタイトなスケジュールを考えれば、やはり本心を含めた駆け引きを仕掛けたと捉えるのが妥当であろう。ほな、また。
2008.11.25
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少なくとも今シーズンの勢力図はこうだろう。まだシーズンの3分の1が消化しただけ、時期尚早という意見もあるだろう。しかし今のアーセナルに上昇気流に乗れるような転換点を見つけることは出来ない。わずか数日前に「相手に脅威を与えることが出来ていない。たくましさが備わっていない」とチームを鼓舞する発言をしていたアーセナルの主将ギャラスが、ヴェンゲル監督によって主将を剥奪された。直接の原因はトットナム戦のハーフタイムに味方選手と口論を交わしたことがヴェンゲルの癇に障ったこと。しかしタブロイド紙にタバコを吸う姿を撮られるなど、ギャラス本人の主将としての責任感の欠如も遠因として挙げられるだろう。フラミニ、フレブの移籍、ロシツキーの離脱などシーズン前から厳しい戦いが予想されていたアーセナルだったが、ヴェンゲルは「さらに勝点を上積みできる」と強い自信を持ってシーズンに臨んだ。だがこれまでの信頼から一変、ファンの間からもヴェンゲル解任論が巻き起こり、アストンビラとシティ戦に良い所なく連敗を喫してしまった。エドゥアルドの練習復帰は確かにポジティブな出来事だ。そしてウォルコットなど主力級に怪我人が続出していることも波に乗れない理由の1つではあろう。ただ怪我人のいないクラブは皆無に等しく、そのために選手を補強したり育てることはクラブとしての最低限のリスク回避である。イングランド式のクラブ経営に照らし合わせればその長はヴェンゲルであり、当然批判もヴェンゲルに向けられて仕方のないことである。若い選手を使いながら育て、気が付けばチームになくてはならない選手に成長させていくアーセナルの強化方針では、主力の怪我人続出はそのままチームのポテンシャルの低下につながる。だから同じことが他のビッグクラブに起こってもアーセナル同様の混乱は起こらないであろう。アーセナルゆえに起こった混乱だと言える。シティに敗れシーズン4敗目を喫したアーセナル。最初にも書いたように、少なくとも今シーズンは優勝争いから脱落してと言ってもいい。ただし“少なくとも今シーズン”であり、このまま中位争いや降格などの危険性はないであろう。また今シーズンの優勝争いに再度加わる可能性もなくはない。その鍵は1月の移籍市場である。当初は「動かない」と語っていたヴェンゲルも、最近は若干言葉が軌道修正されている。現にバイエルンのDFファンブイデンが噂に挙がるなど、若手よりもどちらかといえばベテランタイプの選手を獲得するのではないかというのが専らだ。もちろん噂の段階であり、話が具体化しているかどうかは知る由もない。ただ今現在アーセナルに本当に必要なのは、昨シーズンのフラミニのようにセスクをサポートできる選手であり、アデバイヨール、ファンペルシーに続く確実な点取り屋であり、そしてピッチの上で精神的支柱となれる存在感を持ったベテランである。ギャラスが主将を剥奪された件に関して、トットナムのレドナップ監督がこうコメントしている。「選手は時にメディアに助けを求めてしまう。偉大なチームは常に控え室で議論を重ねている。そこで問題を解決させようとするリーダーがいるんだ。ユナイテッド在籍時のロイ・キーンのようにね」今思えば、アーセナルの不振が明るみになってきたのは、ギャラスの一件があったトットナム戦に終了間際に追いつかれ勝点2を落としてからではないだろうか。その相手であり、同じ地域のライバルチームの監督でもあるレドナップの言葉を、ヴェンゲルはどう受け止めているのだろうか。ほな、また。
2008.11.23
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レアル・マドリーのニステルローイが手術を行い、今シーズンの復帰はほぼ絶望になったようだ。今夏のロナウド獲得に集中するあまりに、攻撃陣の補強を疎かにしてしまった感もある戦略のツケがここにきて回ってきてしまったようである。さらには昨シーズンのリーグ優勝の功労者でもあるロビーニョを件の騒動によって放出したものだから、層はより一層薄くなったかもしれない。もちろんスカッドを見れば豪華な顔ぶれだ。だが似たようなタイプの選手が多い。翻ってニステルローイはニステルローイでしかない。タイプでいえばイグアインだろう。だがビッグクラブのスケジュールを考えれば、イグアイン1人では物足りない。加えて戦況を一変させる選手でもあるロッベンの故障の多さも悩みの種だ。昨シーズンはロビーニョがいた。だが今年はいない。ユベントス戦の連敗、国王杯敗退、リーグ戦の不振。これらは決して偶然ではない。もちろんニステルローイやロッベンを含む怪我人の多さも一因ではあるだろう。だがどんなクラブのどんな選手であろうとも、長いシーズンにおいてコンディションを維持し続けることはできない。過密なスケジュールを余儀なくされるビッグクラブなら尚更だ。そのためにはいくら他クラブから非難されようが大金をはたいて選手を獲得するのが常套である。しかしフロントは1人のスターを追いかけるあまり全体を見ようとはしなかった。現状は必然の結果である。ニステルローイの穴を巡って、周囲からは早くも1月の移籍の噂が飛び交っている。彼が手術を受けてからの1週間で見聞しただけでもアルシャビン、テベス、カベナギ、シェフチェンコと錚々たるメンバーであり、今後は彼ら以外にも多くの名前が挙がることは必至であるとともに、ある種狂騒曲的にこの話題は過熱していくことだろう。現在、これらの騒動と同時にシュスターの去就も注目されている。結果が芳しくないのだから当然と言えば当然だが、フロントの失態を押し付けられている感も拭えない。何しろ不振の元凶はフロントにあるのだから。だからシュスターを早急に解任するとは思えない。ミヤトビッチSDが語っているように「冷静になってほしい。辛抱強く待ってほしい」のが本音であり、今後の好結果で喧騒が収まるのを期待したいところだろう。一方でこの状況が続けば、流れを変える方法はシュスター解任しかない。ただそれでは周囲の喧騒は今以上に大きくなる。ミヤトビッチは自らの失態が自分に跳ね返ってくることを認識する必要がある。ほな、また。
2008.11.18
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ミランにとってのそれがインテルとのミラノ・ダービーだったように、ユベントスにとってのそれがチャンピオンズリーグ第3節レアル戦だったように、ローマにとってのそれはチャンピオンズリーグ第4節チェルシー戦のはずだった。2勝1分6敗というスタートを切ったローマは、チャンピオンズリーグの舞台においても初戦でクルージュに金星を献上するなど不甲斐無い戦いぶりであった。そしてこのチェルシー戦に敗れればグループ突破の目が非常に厳しくなるだけでなく、スパレッティの去就にまで影響を及ぼすであろうことは周知だった。そこでローマは勝った。ホームで、チェルシーを相手に。しかも3対1という結果で。だが迎えた先週末のボローニャ戦。アウェイとはいえ順位において下回るわずか3つの内の1つボローニャを相手に勝つことが出来なかった。復帰を果たしたトッティのゴールで先行しながら、後半ロスタイムにオウンゴールで失点するという最悪に近い形で。試合後、スパレッティはこう話した。「チェルシー戦と同じシステムで戦ったが、しっかり機能していた。 ただチャンピオンズリーグの後ということで、コンディションが悪かった。 さらに試合中にメクセスとドニを失ったのも痛かった」怪我人さえいなければ必ず浮上する。さもそう言いたげな口調ではあるが、仮に本当の強豪であれば、たとえ内容が伴わなく苦しみながらもボローニャから勝点3を奪えていたように思う。チェルシー相手に勝利し、トッティのゴールが決まっても上昇気流に入らないローマは今後どうなるのだろう。今週末のローマの相手はラツィオ。つまりはローマ・ダービーである。しかもラツィオは現在4位であり、リーグ随一の攻撃力(得点21はリーグ1位)を誇っている。もう言い訳は通用しない。勝つか負けるか、どちらに転んでもローマの今後を大きく変える試合になることだけは間違いない。ほな、また。
2008.11.11
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デルピエロの調子がすこぶる良い。全ての試合を見たわけではないが、ことチャンピオンズリーグのレアル・マドリー戦2試合においては、全盛時を髣髴とさせる技術、ひらめき、動きを全世界にまざまざと見せ付けた。特にカシージャスの逆を突くFKを決めたサンチャゴ・ベルナベウでの試合では、途中交代で下がるデルピエロに対して、レアルのファンさえもがスタンディング・オベージョンで見送るという珍しい光景も見受けられた。本拠地トリノで行われたレアル戦においても、開始5分にカウンターからアマウリとのワンツーから抜け出した絶妙なシュートは、位置こそゴール正面だったものの“デルピエロ・ゾーン”を思い起こさせるものだった。これによって主導権を握ったユベントスはアマウリのゴールもあって勝利を収め、5試合勝利から見放されていたことからラニエリ監督の解任騒動まで浮上していた周囲の雑音を完全に封じることに成功した。昨シーズンまでならユベントスのFWといえばトレゼゲとデルピエロだった。だがトレゼゲが怪我で戦線離脱中(復帰予定は2月)の今、トレゼゲのポジションには完全にアマウリが収まっている。控えにはヤクインタもいる状況で、たとえトレゼゲといえでもそう簡単にはポジションを奪回することは極めて困難なのではないだろうか。それほど現在のデルピエロ(とアマウリ)は好調である。ただそうなるとジョビンコの立場がどうしても気になってくる。北京オリンピックにはイタリア代表のエースとして出場し、いずれはA代表の中心になるであろうジョビンコだが、やはりデルピエロやアマウリ、トレゼゲなどと比べるとどうしても見劣りする。昨シーズンはエンポリにローンで移籍し今シーズン開幕前にクラブに戻ってきたのだが契約問題も遅々として進まず、一時期はアーセナルが本気でジョビンコの獲得を狙っていたという噂もあった。結局契約問題も解決しクラブに残留を決めたのだが、デルピエロがこれだけの活躍を見せているとなれば、当然出場機会は限られ身の振り方も改めて考えざるを得ない状況になることだろう。ジョビンコの代理人は当然ながら移籍の噂について否定し、ユベントス残留を強調している。タイプ的にデルピエロと似ているだけに、間近にお手本がいるユベントスの環境は残留の理由としては全うなものである一方で、彼が活躍する以上はジョビンコの出番がほぼないに等しく、プレーを渇望する若さが移籍の引き金となる可能性もある。現に昨シーズンはユベントスを離れてプレーしている。ここは1つ、イタリアを離れてイングランドへ旅立ってみてはどうだろう。同世代のロッシもユナイテッド、ビジャレアルを経て大きく成長したし、若いうちから外に出た経験はいつか何かに役立つ日がきっとくるはずだ。FWの駒不足に悩んでいるクラブが1つロンドンにあるのだが、いかがだろうか。ほな、また。
2008.11.09
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10月中旬、彼の猶予は今後6試合の結果如何であることをクラブから通告される。その2週間後、UEFA杯でウディネーゼになす術なく完敗を喫し、所属のベントリーは「このクラブはクソッたれだ」とチームを批判する。その次の日、彼は解任された。トットナムがファンデ・ラモスを解任したことに驚きはなかった。以前にも書いたようにクラブの歴史や現在の結果で判断すると、遅かれ早かれラモスがクラブを去ることは分かりきっていたことだった。ただ後任に選出したレドナップの招聘には驚いた。彼は現職のポーツマス監督であり、シーズン途中でのクラブ間の移動がそれほど珍しくないこととはいえ、昨シーズンのFA杯準優勝クラブでありシーズンでも好成績を残した監督をクラブが手放すとは到底思えなかった。しかしながらよくよく考えると、レドナップのポーツマス離脱、トットナム加入は当然の成り行きだったようにも思う。実はレドナップのポーツマス離脱は今回が2度目である。ということは以前にも1度クラブを率いていたことになる。その時も今回同様、シーズン途中にポーツマスからサウサンプトンへの移籍を果たしている。ちなみに両クラブは同じ街に本拠を置くライバルチームであり、その間でしかもシーズン途中に動いたレドナップ及び動かしたサウサンプトンに周囲の注目が集まっていた。だが当時のサウサンプトンはプレミアに所属していたものの降格圏を彷徨う低迷振りであり、何とか残留を果たすべくなりふり構わないチーム補強の結果がたまたまレドナップに向けられたというだけであった。話は逸れたが、降格の危機に瀕したサウサンプトンを救うべくシーズン途中に監督に就任したレドナップだったが、結果は吉と出ず下部に降格する憂き目にあった。だがレドナップはそのままクラブに残り、サウサンプトンをプレミアに復帰させるべく指揮を執り続けていた。すると今度はポーツマスが低迷から抜け出せず、フランスから呼び寄せたペラン監督もクラブの期待に応えられずシーズン途中に職を解かれてしまった。そして後任に迎えられたのがレドナップであった。修復不可能な喧嘩別れをしたわけでもなく、レドナップがクラブを離れた後にポーツマスのオーナーがロシアの富豪に変わったことも大きく影響したであろう。とにかくレドナップはポーツマスに戻った。こう見ると、レドナップはシーズン途中でクラブを去ったり加入したりすることに何ら抵抗を持っていない。監督によっては別の人間の色の付いたチームに難色を示す場合もあるが、レドナップにおそらくそれはなく、どんな状況でも自分色に染め上げる自信のようなものがあるのかもしれない。もしくは自分の確固たる、それでいて柔軟なスタイルを持っており、選手を何の先入観も持たずに客観的に観察できる眼を持っているのかもしれない。どんな状況でも集団の輪に溶け込む能力、レドナップにはそんな能力が備わっているのではないだろうか。もう1つ、レドナップは1つのところに留まることを嫌う性格なのではないだろうか。理由こそ周囲との確執であったり、他からのより良い評価だったりと様々だろうが、一旦「ここでの滞在はこれで終わり」と決めてしまえば、後は野となれ山となれではないがすぐに次を見る切り替えの早さがある。そしてこれは良いように言い換えると上昇志向の強い人間となる。9月の終わり、まだレドナップがポーツマスの監督だった頃に、彼はクラブの財政状況に不満を漏らしていた。オーナーであるロシアの富豪がクラブを売却しようとしているという噂が出たことに対して、彼はこうコメントしていた。「私は移籍期限最終日に、ディアッラに対する30億のオファーを断った。 だがクラウチを獲得するためにムンタリとPメンデスを売らなければならなかった。 昨シーズンはデフォーのためにベンジャニを売った。 ほとんどのチームが負債を抱えており、 選手獲得のために選手を売らなければならないのだよ」自身のユース選手時代、短い間ではあったがトットナムに在籍していたというレドナップ。そんな思い出のクラブからオファーが届いたことに断る理由などどこにもなかったのかもしれない。何より選手獲得のために所属選手を売らなければならない多くのクラブを尻目に、トットナムはこの夏の移籍市場でプレミア20クラブ中2位の約142億という移籍金を使い、多くの若くそして優秀な選手を獲得している。既存選手の顔ぶれを見てもビッグ4に引けを取らず、なおかつこの冬の市場でも補強のための強化費がすでに約束されており、既にデフォーやグイサといった特に攻撃陣の名前が噂として挙がっている。就任2戦目となったノース・ロンドン・ダービーでは2点のビハインドを追いついて引き分けに持ち込み、首位リバプールには先制されながら後半終了間際に逆転するなど、内容はともかく結果は間違いなく上向いている。果たしてこれがレドナップ効果なのか、それともチームのポテンシャルを考えれば当然なのか、それは今後の結果を見なければ分からない。だが今シーズンのミランがインテルとのダービーを境に調子を上げたように、ユベントスがチャンピオンズリーグ・レアル戦から不調を脱したように、アーセナル、リバプールと中2日で続いた今回の連戦での結果が、今シーズンが終わった段階でトットナムの方向性を変えた2試合として記憶されていることになるかもしれない。ほな、また。
2008.11.06
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通算100ゴールまであと1つと迫るなど、ここ最近は好調を維持している我がユナイテッドのルーニー。その要因としてベルバトフとのコンビネーションが合ってきたことと、カペッロの助言が挙げられるのではないだろうか。選手層という点では文句なしのベルバトフ獲得ではあったが、昨シーズンの攻撃力とコンビネーションを考えればルーニー、ロナウド、テベスのトリオを崩してまで獲得する必要があったのかが疑問であった。アンリ加入によって“ファンタスティック・フォー”と名付けられたバルセロナと同じ道を辿るのではないか、そんな危惧があったのも確かだ。だが試合が進みにつれてベルバトフとルーニーの息は徐々に合うようになってきた。常にポジションチェンジを繰り返しながらスペースを作り作られボールに絡むテベスとのコンビネーションと違い、ある程度前線に張りボールをキープ出来るベルバトフとのそれの方がよりルーニーの攻撃性を高めることができ、かつクールな殺し屋のような風貌のベルバトフから繰り出される優しく華麗なパスがルーニーの得点力を高めている。ただそれはファーガソンだけに教えられたものではない。昨シーズンまでのルーニーは、攻撃はもちろん守備においても自陣ゴール前まで戻るなど、自らの持久力・走力を活かしてチームに貢献していた。だが守備に追われるということは相手ゴールからの距離が遠くなるということでもあり、ロナウドの活躍もあったがルーニーの得点数は決して満足できるものではなかった。イングランド代表監督のカペッロもその辺りは分かっていたのだろう。どうすればルーニーの相手ゴール前でのプレー時間を多くすることが出来るのか。そこでカペッロは長らく代表から遠ざかっていたヘスキーをルーニーのパートナーに指名し、ルーニーに対しヘスキーとの距離を密に保つように指示したのである。これまでならクラウチがそのポジションを担うべきなのだろうが、クラウチならどうしても高さがファーストチョイスになってしまい、また線の細さもイタリアでの指導が長いカペッロのお眼鏡には適わなかったのかもしれない。いずれにしろへスキーとのコンビによって代表でもゴールを重ね、ワールドカップ予選4連勝にルーニーが大きく貢献しているのは確かだ。古巣エバートン戦では相手ファンからのブーイングに対しクラブのエンブレムにキスをし、またギグスを引き合いに出しながら「望まれる限りこのクラブでプレーしたい」とユナイテッドへの絶対的な忠誠心を示す一方で、マンチェスターのカジノにおいて自身の週給に相当する額を約2時間で使い果たし、先日のウェストハム戦では頭を綺麗に剃り上げるなど色々と世間の注目を集めるルーニー。10月24日でようやく23歳になった彼はピッチ内でもピッチ外でもまだまだ発展途上である。ほな、また。
2008.11.04
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