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バウムには「経営計画書」という一冊の手帳があります。この手帳型経営計画書を私が初めて作成したのは、今から七年前。この経営計画書のお陰で売上は五倍、従業員数も五倍になりました。何よりも、従業員の定着率が劇的に上がり、今では定着率九割を維持しています。では、なぜ経営計画書一冊だけでここまで会社が変わる事が出来たのか?そもそも経営計画書とはなぜ必要なのか? 経営計画書の必要性を一言で表すならば、「会社を潰さない経営」をする為です。「そんなの当たり前ではないか」、とお叱りを受けるかもしれませんが、実際は毎日多くの会社が倒産しています。皆さんは「企業生存率」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?これは文字通り企業が生き残る確率の事です。国税庁から統計が出ているので、興味があれば調べてみて下さい。もちろん経営者も会社を潰すつもりで経営している訳ではありません。しかし、潰すつもりが無くても潰れているのが現実です。つまり、「潰さないつもり」と「潰さない経営」は全く別物という事です。では、潰さない経営とは何か?答えは簡単、「利益を出す事」です。これも、「そんなの当たり前ではないか」、と言われるかもしれません。では、利益を出すために何をしていますか?そもそも利益とは会社を維持する為に必要なお金、すなわち「企業維持費」です。そして、この維持費はもちろん「お客様が支払って」下さいます。であれば、当然利益を出すためには、お客様に満足して頂けるサービスを提供しなければいけない。ここまではそれこそ「当たり前」のことです。問題はここから。では、お客様に満足して頂けるサービスを提供する為には、どうすれば良いのか?多くの経営者は従業員の「専門知識」や「経験」の蓄積、と答えるでしょう。実際、会社の研修の多くはこの専門知識を吸収する為に時間を割いています。もちろん専門知識はとても大切なので、この取り組みを否定するわけではありません。しかし、本当に大切にすべきは「従業員満足」=「働きやすい(楽しい)職場」です。そもそも従業員が働きやすい環境で仕事をする(充実した日々を過ごす)から、目の前のお客様の幸せを考える事が出来る。毎日毎日心も体もすり減らし、涙を流しながら仕事をしていたら、他人の幸せなど考えられるわけがありません。どんな状況であろうとプロとして、自分の事よりお客様の事を考えろ!というのは、ブラック企業の考え方です。彼女に振られた翌日に、お客様の笑顔を想像しろ、と言われても無理なのです。本来は「お客様満足」の前に「従業員満足」があるべきです。しかし、多くの経営者は「お客様満足」の事は一生懸命考え、お金を使い、手間暇をかけるのに、「従業員満足」に関しては、時間がない、お金がないと後回しにしてしまう。専門知識を吸収しようという前向きな心は、サービス残業が多く、有給がほとんど取れない職場からは生まれません。そして、従業員満足を向上させるためには、やはり人材教育が必須なのです。そこで、経営計画書の出番です。中小企業の人材教育とは、「経営者と価値観を合わせる作業」に他なりません。経営者が「うちはサッカーチームだ」と言っているのに、バットを持った選手がいたのでは意味がないのです。サッカーチームだという方針を経営者が掲げた以上、必要なのはサッカー選手です(大企業はサッカーチームも野球チームもバレーボールチームも持てるので、どんな選手が来ても大丈夫ですが、中小企業はそうはいきません)。経営計画書には経営者の「姿勢」が書いてあります。「うちのチームは超攻撃型のチームだ」とか「守備に重点を置くチームだ」等々。例えば、守備を捨てて全員攻撃で勝ちに行く!となれば、選手は攻撃の練習を徹底的にすればよい訳です。つまり、今自分たちが何をすべきかが明確になる。ここが重要です。会社の方針が分からないと、自分の価値観で現場は動きます。攻撃の練習をする選手や、守備の練習をする選手、基礎トレを繰り返す選手・・・。しかし、練習を見に来た経営者はきっとこういいます。攻撃の練習をしている選手には「君たちは優秀だ。これからも頑張りなさい」。そして、それ以外の練習をしている選手には「君たちは何をやっているのだ。私の指示に従いなさい!」。そして、試合になれば監督の指示は「守備を捨てて全員攻撃」。ところが、攻撃の練習をしていない選手は全く息が合わずチームワークはバラバラ。結果はもちろん大敗。そこでまた経営者は言います。「私の言う事を聞かないから、こうなるのだ。負けたのは君たちが悪い!」。もちろん、少し大げさに書きましたが、中小企業ではよくある事です。こういうのを現場の社員はこう言います。「また社長の気まぐれが始まった・・・」と。このような状況を防ぐために人材教育は行うべきです。そして、経営計画書は価値観を合わせる為の最高のツールなのです。 理事長 笹谷 寛道
2018.03.27
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